
説明会では、金丸勲社長が今後の中期計画も明らかにした。
外為証拠金取引市場について「証券市場の個人投資家は、従来の安全性重視型から、収益性重視型へ移行しつつある。外為市場でも今後、同様の傾向になる」と分析。「投資家の売買や商品選択を、リスク管理、商品知識、使い勝手の良いシステム提供などで支援していきたい」
1日あたり平均取引高を比較すると、証券市場は1兆5030億円、外為市場は22兆8850億円と約15倍で、大きな市場である。
「外為証拠金取引は、金融先物取引法の改正により、新しい金融商品としての認知度が高まり、2008年3月末には5000億〜1兆円市場になると予想している。うち、当社シェアは預かり資産400億円を計画している」
一方、証券取引では、インターネット証券で信用取引を行なう個人投資家が増えており、この経験者が今後、先物やオプション取引の見込み客層になる。
と、いいことずくめではなく、金丸社長は、今後想定されるリスクとそれへの対応策を示した。
市場成長率が想定より停滞することも考えられるが、商品やサービス面のいっそうの差別化で、解約率低下を図る。既存客を囲い込む一方で、初心者層を取り込み、上級者へと育成するとともに、潜在顧客層をマーケティング活動で取り込む。
参入企業の増加やシェア争いが激化したとしても、これまで培ってきたノウハウや専門性の高い人材によるリスク管理アドバイス、質の高い情報提供など、高付加価値で価格競争に巻き込まれない体制とする。
現状、ネット証券の競合他社と比較しても、同社は1顧客あたりの収益性を高い水準で維持している。
手数料引き下げ競争が激化したとしても、収益源は手数料だけでなくスプレッド収入もあり、むしろ手数料低下が売買頻度の増加を促進し、1顧客あたりの収益性を高めることも考えられるという。また、同社の手数料はすでに他社と比べても低い水準を保っており、当面の手数料競争にも耐えうる構造となっている。