株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

[IRインタビュー]の記事一覧
  (ブログ内の記事検索は右サイドバーの検索窓から)

記事一覧 (03/30)バルクホールディングスの村松澄夫社長にインタビューを交え事業戦略を展望
記事一覧 (02/19)夢真ホールディングスの佐藤眞吾社長に「現況と展望」を聞く
記事一覧 (02/16)日本エンタープライズの植田勝典社長に「経営への思い」を聞く
記事一覧 (02/06)森下仁丹の駒村純一社長に「経営への取り組み」を聞く
記事一覧 (01/10)星光PMCの乗越厚生社長にインタビューを交えて「近況と展望」を聞く
記事一覧 (12/25)イメージワンの岡本政晴社長にインタビューを交え「展望と経営方針」を取材
記事一覧 (12/22)プラマテルズの菅原正弘社長にインタビューを交え「近況と展望」を取材
記事一覧 (12/11)アルコニックスの正木英逸社長に「業績躍進の足跡と展望」を聞く
記事一覧 (11/25)食品卸の「勝ち組」として評価高まる『菱食』〜中野勘治社長へのインタビューを交え「現況と展望」を取材〜
記事一覧 (11/17)アライドテレシスホールディングスの大嶋章禎会長に近況と展望を聞く
記事一覧 (10/01)鈴茂器工の小根田育冶社長に今後の方針と海外展開を聞く
記事一覧 (09/10)バリオセキュア・ネットワークスの坂巻千弘社長に今期の施策と展望を聞く
記事一覧 (12/21)伊藤園の本庄八郎社長に「優先株」と「緑茶戦略」を聞く
記事一覧 (08/14)日本インタビュ新聞社は国内初のリアルタイムによるオンラインIRセミナーを開催
記事一覧 (07/25)インフォメーションクリエーティブの山田 亨 社長に聞く
記事一覧 (05/22)サンコーテクノの決算と今後の戦略
記事一覧 (05/11)コニシ株式会社・福島功社長に聞く
記事一覧 (12/21)因幡電機産業の守谷承弘社長に聞く
2009年03月30日

バルクホールディングスの村松澄夫社長にインタビューを交え事業戦略を展望

バルクホールディングスの村松澄夫社長にインタビューバルクホールディングスの村松澄夫社長にインタビュー

■「不況だからこそ拡大の可能性があるビジネス」を展開

 バルクホールディングス<2467>(名証セントレックス)は、日本で最初にWebマーケティング調査を手がけた実績を持つ。しかも、法律に関係した自治体の情報公開、個人情報保護、日本版SOXなどのコンサルタント事業を次々と展開してきた。現在、個人情報保護法のプライバシーマーケティング・コンサルタント事業では日本最大の実績を持つ。今後はこうしたビジネスのストック化に力を入れる。光通信と合弁でSaaS事業も展開する。さらに、プログラマー不要の開発ツールの提供や同社の得意とする統計解析を駆使して、企業の業績拡大、新規事業の立ち上げを支援するコンサルティング事業もいっそう拡大する。特に、同社のビジネスは不況になるほど引き合いが多くなる事業で、昨年秋以降、急速に繁忙となっているという。村松澄夫社長へのインタビューを交えて、事業戦略を取材した。

■個人情報保護法の「プライバシーマーク」では日本で最大の実績誇りコア事業

村松澄夫社長はリコー出身。リコー本社では商品企画、関連会社ではコンサルタントを手がけた実績を持つ。小さい頃から機械いじりが大好きで理工系。「世の中に新しいものを提案して行くことが私の生きがいです」という村松社長。1994年(平成6年)に同社を設立、日本で最初にWebマーケティング調査を手がけ、法令による地方自治体の情報公開化で自治体向けコンサルティング事業、さらに個人情報保護法施行でプライバシーマークーコンサルティング事業、日本版SOX法対応の内部統制システム構築コンサルティングを次々と手がけてきた。「常に法律の先を読んでやってきたビジネスです」(村松社長)ということだ。
 特に、「個人情報保護分野へ取り組んだのが当って平成17年に株式上場を果たしました。現在もプライバシーマークは当社のコア事業です。今後は単にサービス提供だけにとどまらず、ストックビジネス化に力を入れていきます」と今後への取り組みを強調する。
 プライバシーマークとは、個人情報保護(JISQ15001)に適合したマネジメントシステムを整備し、個人情報の取り扱いを適切に行っている事業者を第三者機関である財団法人日本情報処理開発協会及びその指定機関が評価・認定し、その証(あかし)としてプライバシーマークと称するロゴの使用を許諾する制度。これによって、消費者は個人情報の管理が確実に行われている企業として安心と信頼の目印となる。企業間取引においても、プライバシーマークの取得が必要条件となっており、業務委託先の企業に取得を求める企業も多く出ている。さらに、官公庁においても、プライバシーマーク取得を入札参加の必須条件とするところが増えている。同社は企業のプライバシーマーク取得の支援サービスを手がけている。この分野では日本トップクラスの実績を誇り、1000社に達している。

 同社は2007年3月に持株会社へ移行。現在、グループ会社は<アトラスコンサルティング>、<バルク>、<日本データベース開発>の3社。今年4月には光通信と合弁で同社51%出資のSaaS事業の新会社設立を予定している。
 村松社長に今後の事業への取り組みについて説明いただこう。「<アトラスコンサルティング>は、企業の業績拡大や新規事業の立ち上げを支援するサービスです。消費者の動向を、われわれが得意とする統計解析を駆使して、企業に対し、タイミングにマッチした"次の一手"を提供します。不況になるほど引き合いが多くなる事業で昨年11月頃から急に繁忙となっています。同社のリサーチ事業とのシナジー効果も大いに発揮されています。また、<バルク>における経営革新システム事業部は、システム開発を手がけますが、とくにプログラマーが不要と言う開発ツールを活用するというものです。費用、工期が半分という画期的なものです。マーケティングはネットを使った市場調査で日本では最初に手がけた強さで大企業中心に90%がストック型ビジネスを展開しています。プライバシーマークは従業員100名規模の企業を中心に1万社が対象で、こちらもストック化を図って行きます」。
 光通信とのビジネスはいかがですか。「インターネットでのサービス提供です。これまでは、いろいろなソフトを各企業で購入することが中心でしたが、これからは、ソフトを購入するのではなくネットでの提供が中心です。当社で企画開発を行い、光通信で販売します」。

■来期から業績は急回復へ

 現時点では<バルク>の主力事業であるコンサルティング事業の落ち込みで業績不振となっている。しかし、来期以降は経営革新システム事業が大きく業績に寄与することと、コンサルティング事業へのテコ入れおよび<アトラスコンサルティング>の拡大により収益は著しく改善すると予想される。特に、「不況だからこそ拡大の可能性があるビジネス」(村松社長)は楽しみである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:32 | IRインタビュー
2009年02月19日

夢真ホールディングスの佐藤眞吾社長に「現況と展望」を聞く

■施工図作図から出発して建設業界の施工管理業務の人材派遣で高収益

夢真ホールディングスの佐藤眞吾社長に「現況と展望」を聞く 夢真ホールディングス<2362>(HC)は、現、佐藤眞吾社長が学生時代から得意としていた「施工図」で会社を創り、現在は建設業界への建設施工管理業務を中心とした人材派遣事業を主力とする。建設業界はバブル崩壊後、新規採用を控えてきたため、特に40歳以下の人手が極端に不足。この間、積極的に若手の採用を進めてきたことによる同社の強みがある。06年当時、M&Aで事業の多角化を図ったが、景気後退もあって一気に縮小し本業へ回帰。「今後は株式上場当時の粗利益率30%以上を安定して確保できる会社にもって行く」という。佐藤社長の好きな言葉は「あせらず、努力を怠らない」こと。早くも今期を増額修正した。佐藤眞吾社長に「現況と展望」を聞いた。

――まず、足元の業績からお聞きします。1月21日に09年9月期の第2四半期(中間期)を上方修正されました。

佐藤社長
 第1四半期(08年10〜12月)は売上、利益とも予定線以上でした。このため、3月の中間期を当初の売上31億600万円を32億8200万円、営業利益も3億3500万円を4億2900万円へ上方修正しました。

――09年9月期通期はいかがでしょうか。

佐藤社長
 昨年10月以降、景気は急速に悪化しています。その影響が3月後半から4月新年度にどの程度出てくるかによります。今の時点では、09年9月期は売上高62億5000万円(前期比11.7%減少)、営業利益6億8000万円(同38.9%増益)の見通しは変えていません。年2円配当は継続します。

■M&Aによる多角化整理し本業回帰で粗利益率30%以上、経常利益率15%以上目指す

――今期も含めて、最近、数期間は売上が減少していますが。

佐藤社長
 これまで、積極的なM&Aで多角化を展開してきましたが、多角化を思い切って整理し、本業に特化しているためです。2003年頃の上場時に戻しています。

――特に、利益面を重視されているということでしょうか。

佐藤社長
 そうです。特に、粗利益率30%以上、経常利益率15%以上を目指しています。上場当時の2003年9月期の粗利益率は34.7%ありました。07年9月期では11.7%でしたが、08年9月期で28.8%に回復、さらに、今期の第1四半期では32.8%まで上昇しています。今後、安定して30%以上にもって行きます。

――施工図に強い会社という評価ですが、この点については今後どのように展開されていますか。

佐藤社長
 私が学生時代に施工図を描いていたことで会社を創りましたが、この時のイメージが強いのだと思います。現在は、施工図関係売上は全体の5%程度にすぎません。今後は営業のツールとしては使いますが、本業ではありません。本業は建設業界への人材派遣事業です。08年9月期では人材派遣事業が約95%を占めています。

――建設界は厳しいのではないかと推察されますが。

佐藤社長
 皆さん、建設業界については先が見えないとおっしゃる。しかし、建築業界は一般の産業界より早い時期から落ちています。すばらしい好況になることは見込んでいませんが、大不況になるとも思っていません。とくに、バブル崩壊後20年経ちましたが、この間、建設関係の企業は新規採用を抑えてきました。この結果、40歳以下が極端に不足しています。当社は若手を積極的に採用してきた強みがあります。当社は、建築現場に出入りする技術者の作業管理、関連企業との調整、最適な工程管理、測量や写真撮影等の記録管理などの施工管理業務の人材派遣を行っています。

――営業範囲は全国的ですか。

佐藤社長
 採算重視の観点から地方は閉鎖しました。首都圏を中心に関東一円に特化しています。経験・知識を有する技術者と、必要な時期に必要な技能を備えた人材を求める顧客企業とをマッチングさせることが当社の役割です。

――期待できる事業ですね。

佐藤社長
 建設業界はアウトソーシング化をいっそう進めています。われわれには絶好の事業機会だと思っています。長期的には年率15%の成長は期待できるとみています。

■好きな言葉は「努力は人格を作る」。仕事の合間に好きな「歴史」探訪も

――ところで、施工図で会社をお創りになったということですが、創業が1980年ですから約30年ですが、この間の社長業としての思いのようなものはいかがですか。

佐藤社長
 長くやっていますから、自転車と同じで経営のコツは体得できたと思います。M&Aの間、任せていたため、業績が落ち込みましたが、今はもう一度、経営に力を入れているところです。冒頭に申し上げた粗利益率30%以上、経常利益率15%以上の立派な会社にして、私は、会長職に就くつもりです。私がひとりでやるのではなく集団で組織的にやって行く会社になることが希望です。

――社長さまのお好きな言葉をぜひお願いします。

佐藤社長
 言葉というより心がけていることは、「あせらず、今のその時々の努力を怠らない」ことです。強いて言えば、「努力が人格を作る」ということでしょう。そうすれば、必ず、目標に向って辿り着くことができます。下の娘も大学を出て、子供たち3人が社会人になりますので責任は果たしたという気持ちもあります。これまで、経営ひと筋で来ましたので、これからは、京都や奈良を回って歴史的なことも学んでみたいと思っています。

――ありがとうございました。

>>夢真ホールディングスのIR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:39 | IRインタビュー
2009年02月16日

日本エンタープライズの植田勝典社長に「経営への思い」を聞く

日本エンタープライズの植田勝典社長に「経営への思い」を聞く「社業を通じて、少しでも多く社会のお役に立ちたい」の強い一念から発した会社

 日本エンタープライズ<4829>(東2)は、キャリアに対し公式コンテンツの形でエンターテイメント系コンテンツを提供する事業を主力とする。創業者の植田勝典社長は、日本を代表する企業のトヨタ自動車と松下電器(現パナソニック)での勤務経験を持ち、松下電器時代は社長賞を2回も取った営業の腕利き。「社会に少しでも多くお役に立ちたい」というのが植田社長の思いであり、実際に、創業時には利益の全額を社会に寄付、上場後も利益の1%を上限に寄付を続けている。「株主は法律では第一位だが、私の中では、お客様、お得意様、そして従業員があって、その次に株主」と植田社長は言い切る。しかし、過去に赤字は一度もなく配当も行っている。植田社長の「寄付型の社会貢献経営」に対し、株主は温かい声援を贈り、株主数も増えている。植田勝典社長に「経営への思い」を聞いた。

■エンターテイメント系コンテンツ提供主力に急成長より着実な成長目指す

――会社の資料を拝見しますと、「寄付」を続けておられるようですが、どのくらい、おやりになっているのですか。

植田社長
 創業初年度には経常利益のほぼ全額を日本赤十字社、各地社会協議会、児童養護施設などに寄付しました。その後も年々、黒字を上げ続ける中で一定の割合をそうしたところに寄付し続けてきました。

――2001年に株式を上場されましたが、上場後は、多くを寄付されることは難しいと思いますが、どのようにされていますか。

植田社長
 上場後は、当期利益の1%を超えないという基準のもとに実施していますし、これからも続けるつもりです。

――どのようなお考えによるものですか。

植田社長
 そもそも、当社は「社業を通じて、少しでも多く、少しでも大きく社会のお役に立ちたい」という強い一念から発している会社であり、わが社にはそうした思いの人たちが集っています。寄付はそうした思いの現われです。この点は、株主の皆様にもご理解をいただいていますし、評価をいただいております。

■トヨタ自動車と松下電器(現パナソニック)での勤務経験で「己を捨てる心」知る

――少し、プライベートなことをお聞きしますが、「寄付」をされるようになったきっかけのようなことは人生の中でなにかございましたか。

植田社長
 そうですね、そのあたりを少し長くなりますが、お話しましょう。私は大阪府堺市の出身です。兄と2人兄弟で、兄は温厚で頭が良く、東大から官僚になり今は千葉県の副知事の職にあります。私は体があまり丈夫でなかったのですが、その分、口が達者だったので(笑)、お前は商売に向いているということで、家業の鉄鋼を継ぐ予定でした。16歳の時に父が亡くなり、勉強しておかなくてはいけないということで急遽、大阪府立大学(経済学部経営学科)へ進み、卒業後はトヨタ自動車へ就職しました。トヨタさんで経営を学ばせてもらって家業を継ぐつもりで4年間勤めてトヨタを退職しました。しかし、亡くなった父の後を経営していた叔父に断られ、結局、家業を継ぐことはできませんでした。

――不信感でしょうね。

植田社長
 そうです。もう一度、トヨタ自動車に入れてもらうよう頼みましたがだめでした。トヨタ時代はコンピューター関係の仕事をやっていた経験で松下電器(現パナソニック)を受けたら決まりました。最初は名古屋支店勤務でしたが、大阪の本社に移り、平成5年には東京へ転勤となりました。口が達者だからというので自動車電話販売の担当になりました。1台1万5000円程度でしたが、30万台売り、社長賞をいただきました。次はポケットベルの担当になりまして、ここでもがんばって2度目の社長賞をもらいました。

――すごいですね。

植田社長
 しかし、「出る杭」というのでしょうか、意味不明の中傷で結局辞めることになってしまって、人生がイヤになるし、自分には「運」がないんだと落ち込みました。

――しかし、営業で社長賞を、それも天下の松下で2回もお取りになるのはすごいことだと思います。こういう厳しい経済情勢ですから、営業の秘訣をぜひお聞かせください。

植田社長
 小さい頃から父に連れられて取引先などをよく訪問していました。特に、父は、倒産した会社に連れて行って、経営に失敗するとこうなる、という姿を見せていました。経営の厳しさというものは小さい頃から頭に残っていたと思います。松下に入ってから、幸之助さんの本に出会い、「己を捨てる」ことの大切さも学びました。また、営業の現場で、どうしてもそりの合わない人と出会った時は、母から教えられた、「お客さんと心が通じ合ったときに物を売ることができる」という言葉を思い出して、相手の目の前でノートに数ページも「お客様第一」と書きました。すると書いているうちに自然と解け合うものです。

――折角ですから、もうひとつお聞きしたいのですが、トヨタと松下の大企業を2つも経験された人はいらっしゃらないと思います。カルチャーは違いますか。

植田社長
 違いますね。一言で言えば、「コスト改善のトヨタ」、「営業の松下」だと思います。

――貴重なお話をありがとうございます。それで、会社をお創りになられた。

植田社長
 実は1989年に愛知県豊田市にパーソナルコンピューターのハードウエアの販売とソフトウエアの開発販売を目的として日本エンタープライズを設立していました。しばらくそのままにしてあったのですが、その会社を千葉県千葉市に移転して1997年に営業を始めました。携帯電話・PHSなどの移動体機器の販売と音声コンテンツのサービスを始めました。配信は日本で始めてだったと思います。営業を始めるに当って、お話しましたように、いろいろありましたから、悩んだ末に、「人はどうせ死ぬのだから、求めるより、儲けたものは寄付しよう」という気持ちで取り組みました。このため、わが社は「寄付をするために始めた会社」というのが理念です。

――すごいお話です。そういう思いの社員の方々がお集まりになっているから業績も飛躍して一気に上場された。

植田社長
 そうです、ここに集まっている人たちは同じ思いですから強いですね。うまく行く会社だと思っています。大学の時のテーマは、「会社は誰のものか」でした。株主様は大切です。法律では株主様のものです。過去12期間、赤字は一度もありません。これからも配当は継続します。しかし、これだけではいけないと思っています。「ユーザー」、「従業員」、「協力会社」があってこそ「株主様」があると思っています。

――現在の事業を少しお願いします。

植田社長
 「コンテンツサービス事業」、「ソリューション事業」、「海外事業」の3つです。「コンテンツサービス事業」では、キャリアに対し、公式コンテンツという形でエンターテインメント系コンテンツを提供する公式コンテンツプロバイダです。携帯電話以外のメディアでの利用もふまえ、様々なスタイルでクオリティの高い独自の開発力と企画力を発揮しています。「ソリューション事業」は、モバイル市場に参画される皆様に対し、携帯電話を利用した新たなビジネスのコンサルティング・企画・開発からサポートセンター業務など運営管理サービスの提供を行っています。また、携帯サイトの運営業務の受託、着メロ・着うたなどデジタルコンテンツ制作なども行っています。

■期待の大きい中国モバイル市場へ本格展開へ

――「海外事業」は主に中国でしょうか。

植田社長
 そうです。中国では2002年から事業を進めてきた実績があります。2004年には中国で着メロでトップになりました。目立つと難しい問題も出て、2004年4月には現地法人・北京エンタープライズモバイルテクノロジー有限公司を5億円で売却、05年4月に2億円で現地法人・因特瑞思(北京)信息科技有限公司を設立して再出発しました。第3世代端末(3G)の普及に大きな成長期待の中国モバイル市場へ本格展開します。

――景気後退の影響は避けられないと思いますが、先ほど、お話いただいた通り、赤字は出さない、配当は実施するということですが、今5月期はいかがですか。

植田社長
 今年1月13日に09年5月期の第2四半期(中間期)を発表した時点で今期は売上4.0%減の30億円、営業利益51.1%減の2億8000万円の見通しです。景気は厳しいですね。今は踏ん張りどころだと思っています。役員は給与を約2割カットして頑張っています。配当は年130円(前期200円)を予定しています。

■好きな言葉は「死して生あり」、死んだ気になれば道は開ける

――寄付はお続けになりますか。

植田社長
 もちろん続けます。そのために、私も今でも第一線の営業マンと思って、1日100回、鏡で笑顔を確かめています。

――株主様も安心だろうと思いますね。

植田社長
 お陰さまで2007年に東証2部へ上場させていただき、株主数も7000名を超えるまでになっています。わが社は急成長より着実な成長を心がけています。急成長すると必ず反動が来ます。身の丈で着実にやっていけば東証1部上場も見えて来ると思っています。

――締めくくりに、お好きな言葉をお願いします。

植田社長
 「死して生あり」です。己を捨てることです。死んだ気になれば道は開けると思います。

―ありがとうございました。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:24 | IRインタビュー
2009年02月06日

森下仁丹の駒村純一社長に「経営への取り組み」を聞く

森下仁丹の駒村純一社長に「経営への取り組み」を聞く思いは「三菱の社会貢献」の姿勢と持ち前の「有言実行」精神を貫くこと

 森下仁丹<4524>は創業が1893年の老舗。銀粒の"仁丹"で知名度は抜群に高い。しかし、高い知名度に比し業績は2006年3月期、07年3月期と営業赤字となるなど停滞。歴史のある企業にありがちな"老舗病"に見舞われていた。2006年に社長に就任した、三菱商事出身の駒村純一社長の三菱の基本である「社会貢献経営」を打ち出している。BS(バランシート)の改善を終え、目下、PL(損益計算書)の向上に取り組んでいる。海外勤務経験が長い駒村社長の大切にしている言葉は「有言実行」。早い時期に売上高200億円(今期予想81億円)、経常利益率10%、東証1部上場を目標としている。なお、昨年から同社創業日で仁丹発売日の2月11日が「仁丹の日」として認められている。今年も仁丹歴史博物館を開催する。駒村純一社長に「経営への取り組み」を聞いた。

■東京神田の生まれで三菱商事出身、関西老舗企業を立て直し

森下仁丹ホームページ――御社は、銀粒の仁丹で広く知られています。創業が1893年(明治26年)とお聞きしています。ところで社長さま自身は商社のご出身だそうですが。

駒村社長
 そうです、三菱商事の出身です。三菱商事には1973年に入社して2003年にこちらへ来るまで30年間勤務していました。30年間のうち14年間はイタリア、そのほかにもアメリカなど海外勤務が合計20年間と長かったですね。主に化学品を担当していました。2006年に社長に就任しましたので、今年で3年目です。

――少し、プライベートなことをお聞きしますが、森下仁丹は本社が大阪ですが、社長さんのご出身は関西ですか。

駒村社長
 そう見えますか。

――大阪弁がないように感じます。

駒村社長
 東京神田の生まれです。学校は中学から慶応に進み、慶応大学では高分子関係を専攻していました。普通なら化学関係のメーカーが進む道だったと思いますが、当時、理科系から商社へ入るのがはやり始めていたので私も商社を選びました。仁丹については小さい頃から浅草に仁丹の広告塔があったことは記憶にありましたので、この会社の社名は知っていました。

――失礼なことをお聞きしますが、老舗の大阪の会社で、しかも、東京のご出身ということでは、ご苦労もあったのではありませんか。

駒村社長
 ありましたね、予想していた通りです。老舗の良し悪し、両方です。良い面ではブランドに対する自信です。悪いところはのんびりしすぎているところです。とくに、営業面でブランドに依存し過ぎて真剣さに欠けているところです。本来、当社の手がけるビジネスは、時流に乗った健康産業で、もっと伸びなくてはいけないのです。口うるさいほど「ぶら下がり」はダメだ、「ゆでカエル」はダメだと言い続けて、波風はありましたが、今は、壁がなくなりました。

――社長に就任された頃の業績は、2006年3月期は営業損益で7億円強の赤字でした。どのようなことから手を入れられましたか。

駒村社長 財務内容および収益力も悪く、伝統の火が消えかける状態でした。一
昨年、本社工場敷地を売却して、財務内容の改善を行いました。30億円程度あった有利子負債を一時はゼロにしました。現在はピーク時の3分の1にまで圧縮しています。次は、PL(損益計算書)を良くすることに取り組んでいます。

――「売上げ」ということでしょうか。

駒村社長
 そうです。

――売上げは企業と社会を繋ぐものだと思いますが、社長さまの経営理念として、どのようなところを重要視されていますか。

駒村社長
 企業である以上、損得は当然ですが、損得勘定の前に"善悪"が大切だと思っています。売れるからやるということではなく、社会に貢献して行くことこそがビジネスだと思っています。これは前職であった三菱の基本です。特にわれわれの手がけている健康食品は、安易で野放し的なところが目立ちます。これではいけないと思います。われわれは、この分野で、きっちりとやっていきます。

■2008年8月に第16回生物工学技術賞を受賞

――健康食品関連で有望な商品を開発されているそうですが。

駒村社長
 「シームレスカプセル」です。カプセルには、成形組み合わせによる円筒形のハードカプセル、張り合わせによるソフトカプセルなどがあります。当社の開発したシームレスカプセルは、外観は継目の無い真球状で滴下法という製法によるもので多層化が可能です。このため、カプセルに入れる内容物が親油性、親水性のもの、粉末のものなどに適しています。なお、シームレスカプセルに関する国際特許は多数取得しています。

――すみません、もう少し分かりやすくお願いします。

駒村社長
 そうですね、多層化とはカプセルの皮膜を2層にしたり、カプセルの中にカプセルが入っているようなものが作れると思ってください。滴下法とは、注射針のような針の先から滴をたらして表面張力で小さな玉を作ります。0.3ミリという非常に小さなサイズも製造可能で、皮膜を薄くすることができるという優れた特徴もあります。このため、他のカプセルよりも多くの内容物を入れることができます。健康食品に使われている素材は、胃の中で強い酸にやられて効果を失うものが多く、たとえば、胃酸に弱いビフィズス菌を当社独自のカプセルに包むことで、生きて腸に届けることができます。この技術で2008年8月に第16回生物工学技術賞を受賞しました。

――製造工場はどちらにありますか。

駒村社長
 滋賀工場が、カプセル生産の拠点です。2001年に竣工、敷地面積約1万2000平方メートルです。カプセルの小型化(3ミリ以下)が可能、耐酸性、耐熱性カプセルが可能、開発から最終製品まで一貫製造が可能といった最新の設備を誇る未来型の生産拠点です。特に、耐酸性、耐熱性は優れた特許技術を持っており、この方面の受託生産にも力を入れて行きます。

■"仁丹"ブランドを活かしつつヘルスケア分野を拡大

――御社は「仁丹」があまりにも有名です。需要層が年配者という印象だと思いますが、若年層への展開などはどのようにお考えですか。

駒村社長
 基本は60歳代を中心に置いています。人は歳を取るのですから。「緑茶青汁」、「ビフィーナ」などの健康食品の通信販売を中心とするヘルスケア分野においてシニア層のお客様を中心とした健康つくりのお手伝いをする商品およびセミナー・イベントの開催などを積極的に行っています。特に、今後もコアブランドの「ビフィーナ」を基軸に医薬品・健康食品(サプリ類)・美容関係について商品企画と販売の両面から展開して行きます。シニア層をベースとして、40代、あるいはもう少し若い層へ幅を拡げていきます。仁丹という知名度が高いのですから現代風に変えて行きます。

――社名の変更といったことはお考えですか。

駒村社長
 今、具体的に考えているわけではありませんが、「仁丹」という名前は残したい気持ちはあります。キリンビールも、「キリン」が象徴的になっていますように、「仁丹」も知名度が高いですから。銀の粒のイメージはなくていいと思います。ご説明しました円いカプセル技術として残ればよいと思います。

――「仁丹の日」があるそうですね。

駒村社長
 当社の創業日でもあり、仁丹を始めて売り出した2月11日を記念日として昨年登録して認められました。知名度の高い現われだと思います。今年も2月11日(祭日)の記念日には、仁丹歴史博物館を開催させていただきます。

■「シームレスカプセル」で健康食品中心に売上200億円、東証1部上場目指す

――今3月期の売上げは9.6%増の81億円(連結)の見通しですが、先行きの目標をお聞かせください。

駒村社長
 かつて年間売上げ100億円台の時代がありました。昨今の経営環境の不透明さは別として、まず、早く100億円台へ戻して、次のステップで200億円へ持って行きたいと思います。売上高経常利益率は早く5%(08年3月期は2.2%)にして、売上げ200億円の時は10%が目標です。1部上場も目指したいと思っています。

――社長さまの、お好きな言葉を是非お願いします。

駒村社長
 「有言実行」です。言ったことは必ず実行し形にすることです。

――締めくくりに、個人投資家の皆さんにメッセージを。

駒村社長
 長い間、低迷が続きましたが、会社は変わってきています。株主さまとして、また当社の商品を買っていただくファンとして長い目でのご愛顧ご支援をお願いします。有言実行で頑張ります。

――ありがとうございました。

>>森下仁丹のIR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:44 | IRインタビュー
2009年01月10日

星光PMCの乗越厚生社長にインタビューを交えて「近況と展望」を聞く

星光PMCの乗越厚生社長に
インタビューを交えて「近況と展望」を聞く


■今3月期の営業利益75%の大幅増益、3期ぶり10億円台へ

乗越厚生社長にインタビュー 星光PMC<4963>(東2)は、製紙用薬品の大手。紙に耐水性を付与する「サイズ剤」(印刷用紙など)、紙の乾燥時の強度を高める「紙力増強剤」(板紙など)が知られる。われわれの生活必需品のティシュペーパーにも同社の「湿潤紙力増強剤」が貢献している。この薬品がないとティッシュで鼻をかむと顔に紙がべっとりくっついてしまう。紙の生産量はその国の文化のバロメーターとも言われる。中国の経済発展と生活水準の向上を予測して2006年に中国進出した。同社の業績に大きく貢献、今期の営業利益は約75%の大幅増益の見通し。既に、中国の紙生産量は日本の2倍以上に達しさらに、拡大が確実。中国での製紙用薬品生産年3万トンをいつ増強するかが重要な判断材料となっている。同社の乗越厚生社長に中国での事業等を中心に聞いた。

■中国での紙生産急増を予測して2006年に設立の生産・販売会社が大きく寄与

4963hp 2009年3月期は営業利益で74.7%増の11億円の見通しです。また、営業利益10億円台は2006年3月期以来3年ぶりです。上場企業の多くが苦戦を強いられる中で業績向上は特筆されます。この背景はどのようなところにありますか。「中国事業の収益改善と国内でのコスト削減の効果によるものです」。
 中国事業について、概要をお願いします。「現地生産会社と販売会社を持っています。生産会社、江蘇省張家港市の星光細化工(張家港)有限公司は2006年5月に生産を開始しました。生産能力は年間約3万トンで、生産品目は製紙用紙力増強剤、製紙用サイズ剤などです。これらの製品を販売する販売会社として星悦精細化工商貿有限公司を上海市に2006年3月に設立しました。実質的な販売活動は1昨年2007年に開始しましたが、それまで、販売代金の回収のスキーム作りなどに取り組んできました」。
 9月中間期(第2四半期)では、中国事業の収支はどのていど改善しましたか。「第2四半期での海外事業は売上では前年同期に比べ74.9%の大きな伸びとなりました。国内の伸び率4.0%を大きく上回っています。営業損益は100万円の赤字ですが、前年同期の1億5500万円の赤字に対しては大きく改善しました」。中国ビジネスでは、回収スキーム作りに取り組まれたということですが、非常に手堅いといいますか、堅実という印象です。約3年前に進出されたタイミングはどのような判断でしたか。

■2010年に中国紙生産高8500万トンへ拡大で製紙用薬品の増設も必要に

 「中国の経済発展に伴い紙の需要は確実に増えるという確信です。経済活動が活発となればダンボールなどの板紙が増えますし、生活水準の向上に伴って印刷洋紙なども増えます。紙の需要はその国の文化のバロメーターです。このため、中国の紙生産は遠からず日本の紙の生産量を追い抜くとみていました。実際、予想以上の速さで中国の紙生産量は増え、2007年には7300万トンと日本の2倍以上に達しています。中国進出のタイミングは非常に良かったと思います」。先行き、中国の紙生産高はどのていど見込んでいますか。「2010年で8300〜8500万トンと予想されています。中国はやはりこれからも有望な市場です。当社にとって、どの時点で増設を実施するかが重要な判断になります」。
 ただ、ここに来まして、足元の世界景気は後退が目立っています。中国も厳しいと思われるのですが。「ダンボールは厳しいですね。このため、無理に売上を伸ばすことより、販売代金の回収にしっかり取り組んで行きます。中国では57兆円規模の景気対策が行われますので、この効果は遠くない時期に現れてくるとみています。しかし、ことし6月くらいまでは慎重な取り組みが必要と考えています。なお、今3月期の決算に連結される海外事業損益は昨年1〜12月分で、営業損益は5000万円程度の赤字が残る見通しです。それでも前年の赤字2億5500万円に対しては大きく改善します」。配当はいかがでしょうか。「年10円配当は継続します。とくに、自己資本比率69.2%が示すように財務内容は優秀です。キャアシュ面からも余裕があります」。

■中期経営計画では”技術力ナンバーワン”を徹底し、堅実な成長目指す

 中期経営計画はお持ちですか。「2011年度を最終年度とする中期経営3ヵ年計画を策定中です。ただ、こういう経済情勢ですから数字よりも仕事の仕方・考え方に力点を置こうと考えています。そのひとつに”メ−カーは技術力がナンバーワンであること”を強く打ち出します。当社は従業員の3分の1が研究関係に携わり技術志向の大変強い会社です。徹底した物つくりの姿勢がいっそう成果を挙げるものと確信しています。また、中期計画には継続的課題として新規事業を第3の柱に育てることやバイオ事業への注力も盛り込みます。新規事業は当社のコア技術である乳化・分散技術、重合技術を応用したものです。製紙用薬品事業、樹脂事業に続く第3の事業としての立ち上げに挑戦します。バイオ事業では排水処理用微生物剤”MCシリーズ”を、当社が開発した蛍光イメージング技術を活性汚泥の状態診断に利用することにより拡販を目指しています。この技術は、クラゲの淡白質などを用いた、薬剤の効果の追跡技術が昨年ノーベル化学賞を受賞して一般に知られるようになりました」。

■好きな言葉は、『路行かざれば 至らず。事為さざれば 成らず 天佑は常に道を正して待つべし』

 楽しみな材料ですね。個人投資家の皆さんにメッセージを是非、お願いします。「当社は非常に堅実な会社です。すべて、これに尽きると思います。今後、中国と技術開発への投資は積極的に実行して行きますが、一歩一歩前へ進めて行きます。長い目でのご支援をお願いします」。
 締めくくりに、社長様のお好きな言葉をお聞かせください。「そうですね、『路行かざれば 至らず。事為さざれば 成らず 天佑は常に道を正して待つべし』です」。ありがとうございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:03 | IRインタビュー
2008年12月25日

イメージワンの岡本政晴社長にインタビューを交え「展望と経営方針」を取材

イメージワンの岡本政晴社長にインタビュー

■得意の画像処理で「医療画像」と「衛星画像」で人の健康、国の安心・安全に貢献

岡本政晴社長にインタビューを交え「展望と経営方針」を取材 イメージ ワン<2667>(HC)は、得意の画像処理技術で「医療画像事業」と「衛星画像事業」を展開する。2008年4月の診療報酬改定でフィルムレス加算が実施され、これから、医療現場でのフイルムレスが本格化する。医療画像の保管・配信・表示システム関連商品の商談が活発化。既に、300床クラスの中核病院を中心に400ヶ所の病院で稼動している。一方の衛星画像事業も地球を回る6機の衛星から取得される衛星画像について国内での独占販売権を持つ。地球の環境保全、防災対策、農業推進、海洋調査なぢに貢献する。また、大株主の国際航業グループと協業し地理空間情報サービスなど新規分野も手がける。岡本政晴社長は大分県の出身。日立製作所時代は情報システム技術を手がけてきた。「きちっとやれば、きちっとした答えが出ます」という、基本通りのビジネス実践が信条。2011年9月期を最終年度とする中期経営計画を策定した。近況・展望・経営方針などを岡本政晴社長に取材した。

■2011年9月期を最終年度の中期経営計画では営業利益率8%目指す

イメージ ワンホームページ 2011年9月期を最終年度の中期経営計画を策定し発表されました。2008年9月期の実績は売上高24億800万円、営業利益は1億4800万円の赤字でした。中期経営計画では数字はどのような推移ですか。「2009年9月期は売上高27億円、営業利益は4000万円と黒字転換を見込んでいます。2年目の2010年9月期で売上高32億円、営業利益1億5500万円、3年目の2011年9月期に売上高37億円、営業利益2億9500万円の計画です」。本業の儲けを示す営業利益率が大きく向上しますね。「2009年9月期はまだ黒字転換という段階で営業利益率は1.5%ですが、2010年9月期で4.8%、2011年9月期では8.0%の計画です。当社の事業は特徴のある内容ですから、その後は10%程度を目指して頑張ります」。
 特徴ある事業とは、1984年に視覚情報の重要性に着目し、特に医療分野の画像処理装置の輸入販売からスタートしたことにある。「"人の健康、国の安心・安全"の分野において、画像を通じてお客様の迅速かつ的確な"意志決定""意志伝達"を支援し社会コスト削減に貢献することが企業理念です」。

■2008年4月の診療報酬改定で今後フィルムレスが本格化、当面、「医療画像事業」が牽引

 同社の現在のコア事業は医療画像事業と衛星画像事業。「医療画像事業では医療画像処理をコア技術に病院業務のIT化・医療業務の質の向上に貢献できる総合医療分野への進出、拠点医療機関との連携による医療画像サービス事業の創出に力を入れています。衛星画像事業は衛星画像販売代理店から衛星画像ソリューションプロバイダへの転換を図ります。また、当社の大株主の国際航業グループと協業し、安全保障市場から民間市場まで事業分野の拡大に取り組んで行きます。さらに、新規事業分野の開拓では、6種類の衛星画像の独占販売権を有する強みを生かして、"地理空間情報サービス"事業を立ち上げます」。
 地球の周囲を回っている6機の衛星から取得される衛星画像について国内独占販売権を持っているのは強い。その画像データを提供し、あるいは解析して使用目的に合った最新情報に加工。地球の環境保全、防災対策、農業推進、海洋調査などに貢献する。最近の開発状況について教えて下さい。「海象監視システムを開発しました。リアルタイムで海表面の速度・方向の計算を可能とするものです。これまで、ドップラーレーダ装置や超音波流速計などを用いて海象把握が行われていました。これら従来のシステムは急な潮流や離岸流など沿岸域の局所的な場所で発生する海象をリアルタイムに把握することは難しく、費用対効果の高い海象監視システムの開発が危急の課題になっていました。今回開発した海象監視システムは市販の屋外型ライブカメラを用いて撮影した画像に、当社のコア技術の画像処理技術や計測技術を用いて、これまで難しいとされていた海表面の速度や方向をリアルタイムに計算することが可能なシステムです」。

■大株主の国際航業が持つ航空写真、レーダデータを組み合わせ新しい事業にも展開へ

 最近、離岸流は大変恐ろしいものということが知られています。ほかに、具体例をお願いします。「沿岸域での事故による油の拡散方向の監視、浮遊物の流速・流方向、河口付近の堤防建設などによる海流の変化の監視など環境監視分野です。もうひとつの分野は安心・安全分野です。海水浴場での水死事故につながる、今、お話に出た離岸流の把握・監視、河川の洪水流監視などです。デイナイトカメラを用いることで昼夜を問わず監視ができる特徴があります」。また、当社取扱の光学衛星FORMOSAT−2の画像は中国の四川大地震において、せき止め湖の水位監視にも威力を発揮した。
 一方の医療画像でも新たな動きがあったようですが。「そうです。今年4月の診療報酬改定で、実質的なフィルムレス加算が実施されました。これまでは、皆さんがおなじみのレントゲンフィルムによる画像診断でした。これからは、本格的なフィルムレス時代になります。PACSという、医療画像保管・配信・表示システム関連商品の商談が増えています。この医療画像分野は創業以来手がけている得意な分野でノウハウの蓄積もあります。現在は300床クラスの中核病院を中心に400ヶ所の病院で稼動しており、シエアは7%を持っています」。今年から乳がん検診向けシステムを投入、こちらも商談は増加しているという。
 現在の2つの事業の売上の比率はいかがですか。「大体、医療画像事業で60%、衛星画像で40%です」。当面はどちらに力を入れて行かれますか。「診療報酬の改定という制度変更がありましたので、当面は医療画像事業に力を入れて行きます。もちろん、衛星画像にも力を入れて行きます。当社の衛星画像データと国際航業グループの航空写真、レーダデータなどを組み合わせることで新しい事業分野を開拓します。目標としては医療画像と衛星画像の比率は半々に持ってゆくことです」。
 今期に黒字転換の目標ですが、配当につきましてはいかがでしょうか。「今期(09年9月期)はまず黒字にして、その次の2010年9月期に実施したいと思っています。幅はまだ決めていません」。

■今年、新社長に就任、「基本通りのビジネス」と「情報の共有」を掲げ、今期黒字、来期復配

 今年、社長にご就任されました。少し、個人的なことをお願いします。ご出身はどちらですか。言葉に九州の響きがあるようですが。「そうです。大分県中津市です。学校は九州工業大学です。父は銀行マンでしたが、父から、これからは工学の時代だと言われて、工学部の道へ進みました。卒業して日立製作所へ入り、情報システム技術の仕事が中心で、衛星や地図に関係した仕事も少しばかり経験しました。その経験もあって、こちらへ来ることになりました」。社員のみなさんにはどのようなことをおっしゃっていますか。「そうですね。2つのことを言っています。1つは基本通りビジネスをやろうということです。きちっとやれば、必ず、きちっとした答えが出ます。もうひとつは、情報の共有です。情報にはユーザーの情報などいろいろありますが、タイミングよく伝達し共有することで、お客様にご迷惑をかけないことになります」。
 ゴルフ向きの体躯とお見受けしましたが。「ゴルフは好きです。特に、小さいことにはあまりこだわらない性格ですから、ドライバーで飛ばすのは好きです。もっとも、最近は暇がなくてあまり行けません。時折ラウンドしますとボールはどこに飛んで行くかわかりません(笑)。最近は好きな歴史小説のほかに、金融ものの本を読むことがふえました」。立場上、金融も必要ということだろうが、銀行員だったお父さんの影響もあるのだろう。

>>イメージ ワンのIR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:14 | IRインタビュー
2008年12月22日

プラマテルズの菅原正弘社長にインタビューを交え「近況と展望」を取材

プラマテルズの菅原正弘社長にインタビュー

ユーザーと一体となった開発提案の強さで業績は堅調

プ
ラマテルズの菅原正弘社長にインタビュー プラマテルズ<2714>(JQ)は、エンプラと呼ばれる機能性樹脂を得意とする合成樹脂専門商社。大手商社が扱う汎用樹脂に比べると取扱量は小さいが、ユーザーと一体となった開発提案の強さがある。減額が目立つ中で、同社の今3月期はほぼ前期並みを確保する。1月からは売買単位を100株へ変更する。菅原正弘社長にインタビューを交え「近況と展望」を取材した。

■「今期に掲げた旗は降ろしません。予定通りの業績です」

プラマテルズホームページ 今3月期の第2四半期(9月中間期)は前年同期に対し増収増益でした。今3月期通期でもほぼ前期並みと堅調な見通しです。「景気は急速に悪化しています。このため、当社の今期について、予定通りかと質問されますが、今のところ揚げた旗を降ろしてはおりません。何とか頑張って達成したいと思います」と自信の答え。今3月期は売上高565億円(前期比0.6%減収)、営業利益10億5000万円(3.6%減益)の見通し。減額が目立つ中でほぼ前期並みを確保する。配当についても、「前期(08年3月期)は本社ビル売却で特別利益がありました。株主さんに還元するため普通配当(特別配当的な5円を加え)年20円としました。年15円を基本としていますが、今期は普通配当で年16円を予定しています」。

■OA・事務機器、電子機器向けを中心に自動車、医療器、建材、容器・化粧品、玩具等需要先は広範囲

 同社は合成樹脂の専門商社。大手商社のような大口取引ではなく、小ロットが中心。しかし、エンジニアリング樹脂という付加価値の高いものを得意としており、特に、ユーザーと一体となった開発提案による強さがある。需要先も広範囲で、落ち込みの目立つ自動車関連もそれほど比率は多くない。販売先を教えてください。「OA・事務機器で35%程度、家電・電子機器で21%程度、自動車7%程度、医療器6%程度、そのほか建材、容器・化粧品、玩具などです。かなり、広範囲です。特に、当社には、先輩の方々が築かれてきた、本業に徹し、地道にユーザーと共にと歩むという体質があります。このことが不況にも比較的強い体質となっています」。従って、不動産投資や問題となった金融商品などへの手出しもまったくない。9月中間期では、債権管理を強化したことで売上債権が前期末に比べ1億4600万円減少など財務面もさらに改善されている。

 同社も海外売上比率はアップしている。9月中間期での海外売上は前年同期比29.3%増え51億8900万円と半期ベースでは初めて50億円台に乗せ、売上構成比率も17.6%(前年同期14.4%)へアップした。「香港でのビジネスが好調で、今3月期では海外比率は20%程度になると思います。海外展開についても非常に手堅くやっています。われわれが主導で出て行っていればリスクを丸々、被らなくてはいけないケースもあったと思います。当社は日本企業の要請で海外へ出ていますのでリスクは少ない」ということだ。むしろ、今後も海外は堅実着実に増やしてゆく。

■「今後も"愚直"に本業にまい進します」

 今後も堅実経営を目指して歩まれるお考えですね。「そうです、私自身、"愚直"という言葉が好きです。地道ですが、愚直に足で稼いで行きます。大手商社に比べると、当社の売上高は600億円程度と決して大きくはありません。特徴を出さないと存在できないということです。汎用プラスチックなら右から左ですが、われわれは、知識を武器にメーカーとの間で必要な存在であることを目指して取り組んでゆきます」。

■1月から売買単位を100株へ変更

 株価は300円前後。利回りは5%と高く、予想1株利益66.6円に対し4.5倍と低い。出来高が少ないですね。「大株主さんの比率が高いためです。株券不発行制度の導入時期(来年1月)に合わせ、現在の売買単位1000株単位を100株単位に引き下げます」。

>>プラマテルズのIR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:01 | IRインタビュー
2008年12月11日

アルコニックスの正木英逸社長に「業績躍進の足跡と展望」を聞く

正木英逸社長に「業績躍進の足跡と展望」を聞く

2001年にMBOで独立
鉄から非鉄金属の世界に転じ一気に業績を飛躍


アルコニックスの正木英逸社長 アルコニックス<3036>(東2)は、アルミ、銅製品及びレアメタルなどを扱う非鉄金属商社の大手。2000年4月に社長に就任した正木英逸氏、2001年3月にはMBO(経営者による買収)で日商岩井から独立した。以来、持ち前の積極性で、当時、売上600億円程度、利益はほとんどなかった状態から一気に飛躍させ、2006年にジャスダック、そして08年3月には東証2部へ株式を上場させた。今3月期売上高2158億円、営業利益で30億7200万円の優良企業に育て上げた。配当も年85円を実施。正木英逸社長へのインタビューを交え、「躍進の足跡と展望」を取材した。

生粋の大阪下町出身で「積極的かつ楽天的性格」

アルコニックス株式会社 正木英逸社長は大阪の下町の出身。元気のよいことでは定評のある土地柄。ご性格は前向きですか。「その通り、積極的でしかも超楽天的です(笑)。学生時代から外国には興味がありましたから商社志望でした。大阪は、やはり住友ですから、住友商事に入るつもりで受けたのですが、面接でつい調子に乗ってしまいました。当時の社長に、はまっていたドストエフスキーの話を熱っぽく語りすぎて、最後はしどろもどろで結局は不合格です」と、豪快に笑う。結局は、叔父さんが役員をしていた岩井産業に入社した。「最初は2、3ヶ月でやめようかと思ったこともありましたが、ここでも、はまってしまって(笑)、以来、日商岩井で鉄一筋の人生です」。業界での評判は、日商岩井に鉄の正木ありと知られた大物である。
 転機が訪れたのは59歳のとき。日商岩井アルコニックスの社長をやって欲しいとの話が出た。「日商岩井アルコニックスはアルミ、銅などの非鉄金属の商社です。私は鉄以外を扱ったことがないと言ったのですが、押し切られました。私の尖った性格と変わり者ということに目をつけられたのでしょう」(笑)。2つ返事でお受けになったのですか。「いくら頑固者でも会社に所属している身ですからね(笑)、受けざるを得ません。4月に辞令を貰いましたが、当時はタイ法人の社長をやっていました。新会社に出たのは5月半ばからです。それまではタイでゆっくり遊んでいました」と、これまた豪快である。やる時はやる、遊ぶ時は遊ぶ、商社マンを絵に描いたような豪放な人である。

学生時代から商社志望、日商岩井時代は「鉄」一筋の凄腕

 そして、MBO。どういういきさつでしたか。「当時の日商岩井は銀行から返済を求められるなど苦しい状態でした。コアでない事業は分社化するというリストラ策も出ていました。非鉄金属事業もノンコア事業とされ、非鉄金属を扱っていた2つの内販会社と本社製品部隊を合わせた3つの組織を一つにまとめて日商岩井アルコニックスを創った。ここの親分を引き受けてくれということです。日商岩井で鉄のトップになりたい気持ちはありましたが社命ですし59歳で第二の人生も考える時期でしたから受けることにしました。就任して財務内容を見ると累損はあるし、配当は一度もやっていない、ひどい内容でした。その後に、富士銀行のファンド運営会社の幹部が来られてMBOを提案された。MBOについて知りませんでしたから、いろいろ聞くと、親会社の日商岩井は売れる物は売るということで了解しているという。その時は切り捨てられた思いでした。しかし、引き受けたからにはやるしかない。日商岩井から転出して来た人も40人くらいいましたが同じ気持ちだったと思いますよ。このことで、むしろ、全員が同じ気持ちになれたことは大きかったと思います」。
 MBOを実行にうつされたのですね。「そうです。MBOをすれば過去の累損はすべて親会社が消してくれるという。それなら、後は実力次第ですから、やろうという気持ちです。それで、私はいくら出したらいいのかと聞くと2000万円という。すぐ頭の中で計算です(笑)。2000万円で3年余分に働くと元は取れる。嫁さんに相談したら"ヤリナハレ"という(笑)。私も家内も楽天家です。日商岩井を退職してこちらへ来ましたから、その退職金で2000万円出しました。その代わり、日商岩井に注文を出しました。過去のウミは日商岩井が引き取ること、日商岩井が35%出資すること、社名の冠にある日商の名前を無償で使うことです。全部、飲んでくれました。これには感謝しています」。
 そして、2005年の社名変更で日商岩井の冠は返した。株式上場で日商岩井の持株比率も15.7%に下がった。現在の大株主は双日(旧日商岩井)が15.7%、エフ・ビー・エフ2000が13.0%、日本トラスティ信託口6.2%、取引先の神戸製鋼所6.1%など。双日は大株主として保有していたいようだ。

金属の中で非鉄金属は5%程度だが
鉄にない優秀な性能があり需要拡大確実


 主たる事業は非鉄金属の取扱いですね。「そうです、鉄以外の金属はすべて扱っています。金属の内、鉄が95%くらい、非鉄金属は5%くらいです。この5%の業界で戦っています。代表的なものはアルミ、銅、チタンなど鉄にはない、軽くて、強くて、錆びなくて、電気を通しやすいといったすばらしい特徴をもっています。薬にたとえれば必須アミノ酸とかビタミン剤のようなもので、なくてはならないものです。今後、環境問題、省エネなどのニーズで将来性は大きい分野です」。
 MBOの前までは、業績が良くなかったわけです。ましてや、金属の中で5%程度のシェアということですが。どのようにして、業績を飛躍させることに成功されたのですか。「先ほど申しましたように社員の気持ちが一つになったこと、M&Aや事業投資の効果、そして好環境に恵まれたことです。これまでに4件のM&Aを実施しました。内容の良い企業で、後継者のいないという企業とのM&Aを進めていきます。また、国内及び中国等での金属加工会社、精錬会社等26の事業投資を行っています。今後は金属珪素、モリブデンもやります。また、希少金属のリサイクルにも取り組みます。特に、中国は将来、自動車、家電製品など耐久消費材の買い替え時期が到来するため非常に有望です。じっくり育てて行きます」。
 お好きな言葉はいかがでしょう。「とくにありません。行動あるのみです」。では、経営に当って、大切になさっていることは。「数字は大切です。しかし、それ以上に私は、人と人の出会いの中での、"勘"を大切にしています。経営に当っては、"攻撃"と"守り"の両方を大切にすることを心がけています。これからの商社は受身型ではなく提案型でなくてはいけないと思っています」。

年85円配当か配当性向15%のどちらかで株主に報います

 締めくくりに、個人投資家の皆さんにメッセージをお願いします。「必ず目標をもってやり切る会社です。長い目でご支援をお願いします。配当は年85円か、あるいは配当性向15%をめどに、どちらかで皆様に配当を通して還元したいと思っています」。
 去る11月5日に公表した09年3月期第2四半期は、売上高1041億円、経常利益13億9300万円と景気軟化局面で前期並みを確保。なお、中期経営計画で、2011年3月期に売上高2515億円、経常利益33億3000万円(08年3月期は24億5200万円)を目標としている。

【アルコニックスの沿革】
□1981年7月 日商岩井非鉄販売設立。アルミ、銅の製品を中心とした非鉄金属の販売を開始。
□2000年4月 日商岩井メタルプロダクツ(資本金2億円)と合併。さらに、日商岩井(現、双日)の非鉄金属製品の商権移管を受け、称号を日商岩井アルコニックスに変更。
□2001年3月 資本金6億円の減資、資本金6億円の増資を実施。資本金4億強の増資を行い、新資本金10億円強。FBF2000L.P。をスポンサーとしたMBOを実施。
□2004年1月 自社海外ネットワークの整備。
□2004年1月 アドバンスト マテリアル ジャパン(AMJ)の株式取得。
□2004年3月 三伸林慶からアルミ・銅製品の営業権を取得。
□2005年2月 双日金属販売から非鉄原料に係る営業権取得。
□2005年4月 商号を日商岩井アルコニックスからアルコニックスに変更。
□2006年4月 ジャスダック証券取引所に上場。
□2008年3月 東京証券取引所第二部に上場。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:37 | IRインタビュー
2008年11月25日

食品卸の「勝ち組」として評価高まる『菱食』〜中野勘治社長へのインタビューを交え「現況と展望」を取材〜

20数年続いた連続増収増益が途切れ
中野勘治新社長のもとで「ビジネスモデル」改革に取り組む


中野勘治社長へのインタビュー 菱食<7451>(東1)は、三菱商事生活産業グループの中核企業として、食品流通部門において中心的な役割を果たしている。三菱商事が50%の株式を保有。食品流通における位置づけは三菱商事が川上部門での総合商社機能、同社は川中部門での「中間流通機能」を発揮している。株価の動きは非常に堅調。食品の安全性が求められる中、同社への期待は高まっている。中野勘治社長へのインタビューを交え、「現況と展望」を取材した。

「生活者のライフスタイルを把握しメーカーへ
フィードバックする翻訳者の仕事」目指す


菱食のホームページ 同社は2006年12月期に業績の大幅な悪化に見舞われた。それまで、営業利益は120億円近い数字を挙げていたが、06年12月期に営業利益57億円と半減する、大きな落ち込みとなった。請われて新社長に就任したのが中野勘治社長。「業績が悪くなったのは、物が中心の経営をやっていたからです。それまでは20数年間、連続の増収増益でした。物がない時代なら右から左へ動かすだけでよかった。しかし、今は社会が豊かになって、生活者のニーズが変わっています。その変化に対応できなかったことが2006年の業績落ち込みです」と指摘する。

 今は、生活者のニーズが味、価格、産地、売り方、安全性など厳しくなっている。中野社長は強調する。「生活者のライフスタイルが大きく変わっています。ここを見なくてはいけません。われわれは、生活者のライフスタイルを翻訳してリテール・メーカーへフィードバックする翻訳者の仕事です。私は、リテールもメーカーもよく知っています。従来型の問屋、卸売りではなく21世紀型の新しい会社になろうと社員に訴えています。ひとことで言えば、受身の卸からアクテイブな卸に変わろうということです」。

 たとえば−−。「個店ごとにマーチャンダイジングするやり方です。ひとつひとつの店ごとに徹底的にFSPなどで分析します。物を売るだけでなく、ニーズの提案というソフトを売る会社を目指しています」。中国の食品が問題になっていますが。「だからと言って、中国は危ない、という発想ではだめです。中国での生産は必要です。一緒に考えて国際分業が成り立つようにすべきです。必ず方法はあります。また、日本では食べ物の3分の1に当たる1900万トンが、年間で捨てられています。ここをなんとかしなくてはいけません」。

好きな言葉は世阿弥の『離見の見』

 社内の意識は変わってきていますか。「変わっています。押し付けるやり方ではなく、社員の力を引き出すやり方を採っています。トップガンという名称で15名の35歳までの男女を選び、改革の中心に据えてコミュニケーションを活発に行い組織の活性化を図っています。菱食は男性中心の会社だったと思いますが、今は女性の社員の方も積極的に発言します。変わってきたと思います。会社の将来についてアンケートを実施したら、4日間で2500人というほぼ全員から回答が来ました。以前ならこんなことは起きなかったと思います」。社長のご出身はどちらですか。「名古屋です。材木屋の息子で比較的裕福に育てられました。大学は慶応でニチレイに入社、メーカーとしての経験もあります」。お好きな言葉とか、ご性格はいかがですか。「世阿弥の花鏡にある『離見の見』です。"目を前に見て、心を後ろに置け"という教えです。最大の批判者は自分でなくてはいけないと思っています。性格ですか、前向きで、こうだと思ったら妥協はしないですね(笑)」と、エネルッギシュなトップである。

今12月期は営業利益29%増益
株価は高値圏で頑強な動き


 こうした社内活性化、特にビジネスモデルの変更で業績は急速に上向いている。今12月期の第3四半期では営業利益は前年同期比3.2倍の17億1000万円。今期通期でも営業利益29.1%増の78億7000万円、1株利益92.7円の見通し。配当は年22円の見通し。株価も全体相場から一時1200円と下げたが、11月には2200円と急反発している。食品卸の「勝ち組」の声が高まっている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:31 | IRインタビュー
2008年11月17日

アライドテレシスホールディングスの大嶋章禎会長に近況と展望を聞く

大嶋会長が1987年に情報のインフラ整備構築に貢献することを目的に設立、ネット機器の製造販売手がける

大嶋章禎会長 アライドテレシスホールディングス<6835>(東2)は、会長の大嶋章禎(おおしまたかよし)氏が1987年に設立した。アメリカでもアライドテレシステムインクを設立し、日米同時設立だった。現在、世界21ケ国に海外拠点を持ち、国内外に連結子会社39社、ブループ従業員数は2308名。ネット機器製造販売を手がける。毎期、売上高の10〜12%を研究開発に充当、収益的には圧迫となってきたが、いよいよ、研究開発の目玉が登場する。音声・データ通信・映像を一体化した「トリプルプレー」サービスだ。大嶋章禎会長へのインタビューを交えて、近況と展望を取材した。

世界21ケ国に海外拠点と連結子会社39社
従業員2308名の規模でグローバル展開


 大嶋会長はアメリカの国籍をお持ちだ。「18歳までは日本籍でした。渡米して、カリフォルニア大学で原子物理学を学び、ITTへ入社し、ここからが私の情報産業とのスタートとなっています」という経歴である。少し、会社の特徴などをお願いしよう。「当社グループの経
 営理念は、ネットワーク技術・製品・サービスを幅広く普及させることを通じ豊かな情報社会の基盤構築に貢献することです」。つまり、鉄道や道路などを作るのと同じように情報のインフラ整備を行うことをビジネスの中心としている。

 その中での強みは。「そうですね、3つあります。1つはネットワーク専業製造メーカーとして20年間の実績があります。営業力、技術提案力、サポート力、技術力があることで販売先は100万社以上、製造機器は1500万台以上、開発機器は1500種類以上に達しています。2つ目はグローバル性です。世界最適地戦略のもと研究開発、製造、販売をグローバルに転換しています。3つめの強みは、アプリケーションベースということです。市場を見据えて最先端へ開発・投資を行いパイオニアとしてのノウハウを蓄積していることです」。

 国内と海外の販売比率は海外約50%、日本国内が約50%。海外の内、アメリカが》約40%、欧州約50%、東南アジア数パーセントという。製造はほとんど中国で行っている。注目の開発について大嶋会長は、「アメリカのSanJose、Raleigh、イタリアMilan、ニュージランドChristchurch、フィリピン Mannila、日本、シンガポールなど、グローバルに研究開発に取り組んでいます。特に、2006年頃まで研究開発に力を入れました。毎期、売上の10〜12%を投じました」。

 年間売り上げが500億円台ですから10〜12%は50〜60億円の規模。決して小さくはない。何にお使いになったのですか。「かなり思い切って投じました。その結果、利益が落ち込むことになりましたが、めどがたちました。"トリプルプレイ"です。音声、データ、映像をワンステップでサービスが提供できるものです。いつでも、どこでもというユビキタス時代の主役になるものです」。これによって、音声、データ、映像の契約が別々だったものが1ヶ所、つまりワンステップで可能となる。

20年間で工場、研究開発、販売力はすべて整った
新製品トリプルプレイで飛躍目指す


 最近の導入例は、「アメリカ軍の横田基地に入っています。アメリカから海底光ケーブルで結ばれています。基地の家族がアメリカ本国との親族などとのコミュニケーションに大いに貢献しています。月額1万円です。沖縄の嘉手納基地にも広げたいと思っています。アメリカではサンノゼ州立大学で導入されています。今後、各エリアに対してグローバルにネットワーク回線を通じてビデオコンテンツなど、さまざまなコンテンツを配信し長期契約による安定した収益を目指し、トリプルプレイの普及に力を入れて行きます」ということだ。

 業績面で注目されるのは粗利益率(売上総利益率)が今年6月中間期で46.7%(前年同期45.6%、前期44.6%)と高いことだ。この業界は、進歩性と保守性が同居しているところがあり、古いタイプの製品にも依然注文が多く好採算ということもあるようだ。今12月期は円高の影響で中間期での予想数字は若干ぶれる可能性はあるが、今の時点では連結で売上高504億円(6.5%減)、営業利益19億2000万円(32.1%増)の見通し。

 個人投資家の皆さんにメッセジーを願いします。「会社設立以来20年が経ちました。この20年間で工場、研究所、販売力はすべて整えました。ITは足の速い産業のようで、実際は花が咲くまで20年、25年とかかる産業です。これまで、研究開発に大金を投じてきました。そのため、業績が停滞し株価が低迷しています。ご説明しましたトリプルプレイがいよいよ開花します。個人投資家の皆さんには将来性を信じてじっくり持っていただきたいと思っています」。

>>アライドテレシスホールディングスのIR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:03 | IRインタビュー
2008年10月01日

鈴茂器工の小根田育冶社長に今後の方針と海外展開を聞く

鈴茂器工の小根田育冶社長に聞く

ベースは「市場への貢献」と「高付加価値」
着実に業績を伸ばす


鈴茂器工の小根田育冶社長に今後の方針と海外展開を聞く 米飯加工機、鈴茂器工<6405>(JQ〉の小根田育冶社長は、製菓業界や包装業界で技術や営業などの経験を積み、その後、寿司ロボットを開発したことで、当初の数年は業績を急激に伸ばしたが、その後は意識的に伸長をセーブしてきたという。
「市場に貢献すること」
「付加価値をつけること」

を基本方針としている小根田社長に、今後の施策を聞いた。

食の生産現場の安心・安全へ貢献
除菌剤メーカーを子会社化、シナジー創出へ


――「市場への貢献」とは、具体的にはどのようなことでしょうか。

小根田社長
 たとえば食の安心・安全が挙げられます。昨年11月に、アルコール系洗浄剤・除菌剤の製造販売を行なっている、セハー・ジャパンを完全子会社化しました。寿司などの生産現場の確実な衛生管理を含めて提案できる体制を、来年、本格スタートします。シナジーも来期から出てくるはず。しっかりと結果を出していきます。

――では、御社の「付加価値」とは。御社は寿司ロボットの嚆矢ですね。

小根田社長
 当社は寿司ロボットのパイオニアですが、追随他社は数社あります。
 1981年に当社が初めて、寿司ロボットを開発・商品化しました。以降、寿司の大衆化が始まったといっても過言ではないでしょう。それまで、寿司はハレの日に食べるものでした。今は好きな時にいつでも食べられる商品になりました。
 当社の場合、機械を納入するだけでなく、商品指導、アフターサービスまで含めたトータルシステムが、高い顧客満足度と信頼をいただいています。また、全国の拠点にサービスマンを配置し、24時間365日稼動しています。他社にないサービス体制です。
 安いものを大量に売る市場ではないので、開発力をはじめとした高い付加価値で、適正な利益を得て、着実に成長を続ける会社でありたいのです。

展示商談会『スズモフェア』を全国で開催
ニーズを掴み、海外アピールのノウハウも


――新製品などの展示商談会『スズモフェア』も、御社の特徴です。

小根田社長
 20年にわたり、スズモフェアを全国7ヵ所で開催しています。取引先等を招いて新製品などを見ていただく展示商談会ですが、製品を販売する場としてだけでなく、市場ニーズを掴み、情報をキャッチする場として位置づけています。
 米飯は主食であり、米飯加工機の需要そのものがなくなることはないでしょう。しかし、時代や経済環境などの変化で、市場のニーズは変わります。どんな市場環境となっても、ニーズに合った製品開発を行ない、利益が出る製品づくりをしていきます。

――スズモフェアのノウハウは、海外市場へのPRにもつながっているそうですね。

小根田社長
 今年7月に北海道で開かれた洞爺湖サミットでは、プレスセンターのレストランにて寿司ロボットの実演を行い、1週間の期間、2会場合わせて4000〜5000人の関係者に来場いただき、寿司、海苔巻き、おにぎりなどをお出ししました。当社から4人出たスタッフは、食事の休憩時間も取れないくらい忙しかったようです。
世界のメディアにアピールすることが出来ました。これから成果となって出てくると思います。世界に寿司文化を発信・普及したいという当社の考えがひとつの形になりました。
 これまで、各国の大使館などを通じ、海外・外国人へ向けて寿司文化をPRしてきました。そうしたなかで、今回、協力を依頼されたのです。
 当社は国内のスズモフェアなどの展示会や、海外向けのイベントなどで、こうした催し事についてのノウハウを蓄積しています。
 また、社会貢献の一環として、新潟地震後には、仮設住宅で寿司を提供したり、各地の農業祭等におにぎりや海苔巻の機械を持ち込み実演を行っています。

いま世界で見直されている「米飯主食文化」
自分の目で見て、現地に合った商品づくりを


――海外展開についてお聞かせください。

小根田社長
 アメリカ・カリフォルニア州に、現地法人・子会社のスズモインターナショナルを設立しました。
米飯主食文化を世界に広げることを目指しているのですが、あくまでその地域に合った寿司づくりを考えています。
 たとえば、以前、東南アジアで1コ50円の包装寿司を計画しましたが、売れませんでした。調査してみたところ、現地の平均収入などから、25円なら売れることが判りました。コメや魚など、現地の材料を使うことで、現在、1コ20円でも利益が出るようになり、普及が進んでいます。当社の場合、ただ機械をつくって売るだけでなく、どんな商品をつくるかまでも、現地の協力会社等と一緒に考えるのです。
 普及させるために、実際に現地へ赴き、自分たちの目で現地の状況を見て「これなら売れる」という商品をつくる。世界展開のうえで、高付加価値をつけ、包括的に提案できる体制は、当社の強みなのです。
現在、売上高に占める海外の割合は14%です。3年後にはこれを20%へ引き上げていきます。

――小麦やトウモロコシ相場の高騰で、コメという穀物が見直されていますね。

小根田社長
 これまで減反政策で田んぼが減ってきました。日本の食糧自給率は40%を割る低さです。コメの量産と輸出できる仕組みが必要だと考えています。量産すればコストをある程度下げられるし、日本のコメは質が良く、美味しいので、国際競争力があります。
 世界で、また国内でも、安定供給、安定価格の穀物として、コメの価値が見直されてきました。
 今後、アフリカや中東など、各地へ展開していきます。それぞれの現地で「おいしい」と思っていただけるものをつくる。直販を基本とし、市場ニーズを直接つかみ、オリジナルなノウハウを持ち、継続性をもって展開していくことにより、米飯主食文化を、世界で確実に普及させていきます。

――最後に、投資家の皆様へ一言、お願いします。

小根田社長
 投資家の皆様が前向きに買えるように、流動性を高めることも必要だと考えております。
 確実な利益・配当金を出していますが、今後は優待についても検討していきます。
 近年、「米飯」は世界で注目されています。今後も寿司ロボットを核に、米飯主食文化を世界に展開し、売上・利益とも、確実に伸ばしていきます。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:09 | IRインタビュー
2008年09月10日

バリオセキュア・ネットワークスの坂巻千弘社長に今期の施策と展望を聞く

バリオセキュア・ネットワークス<3809>(HC)
坂巻千弘社長に今期の施策と展望を聞く


バリオセキュア・ネットワークスの坂巻千弘社長に今期の施策と展望を聞く バリオセキュア・ネットワークス<3809>(HC)はインターネットのセキュリティサービス事業を行なっている。同社事業の特徴は、顧客企業などにネットセキュリティサービスを月額制で使ってもらう点と、その月額が低料金である点だ。創立以来、7期連続の増収増益を実現し、今期もさらに2割内外の増収増益を見込んでいる。坂巻千弘社長に、今期の重点施策と今後の展望を聞いた。

◆中小企業向けサービスを開発、顧客層を拡大する

――今2009年5月期の重点課題をお聞かせください。

坂巻社長 今期の重点課題は、「中小企業向けサービスを拡充し、顧客層を広げる」ことです。
 当社はこれまで技術指向で、おもに大企業向けに、技術的に高度なものを開発し、安く提供してきました。
 高度領域へのチャレンジと、その技術をリーズナブルに提供すること。そのニーズは大企業様にありました。

 しかし今、中小企業のお客様にも、大企業と同品質のセキュリティを使っていただきたいと考えるようになりました。
 大企業と中小企業ではニーズが異なります。そこで、当社は今期、中小企業でも使っていただけるサービスを開発・商品化しています。

――具体的なサービス内容は

坂巻社長 ひとつは、迷惑メールのフィルター『バリオ アンチスパム』です。これはすでに発売しており、順調に売上を伸ばしています。エンドユーザーの視点で、最もお困りのことに対応しました。迷惑メールフィルターは大企業では当然のものですが、中小企業では、まだまだ普及していない面があります。
 今期はウェブ用、メール用、サーバ用、ファイルサーバ用など、多様なニーズに対応していきます。

 また、企業でインターネットを使う場合、サーバ、共有ファイル、セキュリティ、複数のパソコンでネットを使う場合に必要なルーターなど、通常は、それぞれの業者に頼み、それぞれの窓口に依頼したり、必要な場合にはサポートを頼まなければなりません。
これを当社は、パックでご用意しました。当社の現行ルートである、通信事業者経由で販売します。ネットを申し込むだけで、必要な内容が全部揃い、社内に技術者を置くことも不要です。
稼動後も、当社のコールセンターでお手伝いしますし、機材の不具合が発生した場合は、メンテナンスにうかがいます。
 「スターターパック」のようなものですが、エンドユーザー様の「困った」に対応します。企業規模に合わせたパックとなっており、また、セキュリティなどのメニューも揃えています。
 発売時期、名称、価格、詳細なスペックなどはこれから詰めていきます。

――既存客への対応は、どのようなものがありますか

坂巻社長 当社のビジネスモデルは、月額制で、単価をできるだけ安くし、多くのユーザー様に長く使っていただくことで成立する収益モデルです。そのため、顧客満足度を上げ、できるだけ長く使っていただくことが必要です。
 その施策のひとつとして、昨年、サポート体制を強化しました。セキュリティ分野についてのサポートを、24時間体制にしたのです。
 今期はそれをさらに進めます。たとえば、ホスティング(レンタルサーバ)分野でも同じように24時間体制にするとともに、サポート内容を拡充していきます。

◆8期連続増収増益はもう見えている

――今期の業績見通しは。

坂巻社長 今期2009年5月期は、売上高17億6000万円(前年比21.9%増)、経常利益5億8000万円(同19.1%増)、純利益3億4800万円(同20.9%増)と、それぞれ2割内外の増収増益を見込んでいます。
 創立以来、7年連続増収増益で来ました。
 既存顧客だけで売上高16億円強、つまりこの予想値の約90%が見込めています。予想値は昨年度の実績を適用し、新商品や新サービスの投入は計画に含めていません。その予想値に新事業・新規顧客を乗せていくわけですから、よほどの環境の変化がない限り、8期連続増収増益はまず大丈夫です。
さらに来期以降も、増収増益を続けていきたい。また、増収増益幅を加速できるよう、新サービスの追加をしていきます。

◆セキュリティマーケットは2000億円規模へ

――ネットセキュリティ市場の概況と、今後の展望をお聞かせください。

坂巻社長 マネージドセキュリティサービスの市場は、2010年で2000億円規模と言われています。(2006年実績は775億円)
 ネットを使う以上、必ずセキュリティの需要はあります。ネットセキュリティの普及はまだ始まったばかりです。
 ネットの回線は、USENだけで3万回線以上、NTTやKDDIを合わせると、膨大な回線数でしょう。
 当社のお客様は、現在で約2600ヵ所強。今後はこれを数万単位にしていきたい。可能性は大きいです。なぜなら、現在、ネット回線へのセキュリティ付帯率はまだ数パーセントに過ぎません。まずはこれを上げていきます。
 当社の提供価格は業界でも断然、安いため、競争力は充分にあります。さらにコストを下げていくチャレンジを続けていきます。
 セキュリティマーケットがまだ小さいうちから、圧倒的な技術・機能を、圧倒的に安く提供し、将来に向けてマーケットを取っていきます。
 将来的にはシェア10%を取りたい。つまり、売上高200億〜300億円が目標です。

◆業績は確実に伸ばし、安定的な増配進める

――投資家の皆様へ、メッセージをお願いします。

坂巻社長 事業でしっかり実績を出し、投資家の皆様へしっかり還元していきたい。チャレンジはしますが、無謀な賭けはせず、確実に業績を伸ばしていきます。長い目で見ていただければと思います。
 今期配当金予想は11月中間1200円、5月期末1300円の、年間2500円と、前年、前々年に比べても増配見込みです。安定的に増配する方針です。

――何か座右の銘のようなものはありますか?

坂巻社長 創業時から、「続けることが大事」だと思っていました。
 私は創業前、米系通信事業会社の日本法人に5年間、勤めていたのですが、勤務時間は長く、土日のどちらかは必ず出勤していました。それで、創業した時は、違うやり方をしようと決めました。
「ずっと続けるために、しっかり休もう」
と思ったのです。土日は出勤しないことにしました。
 もちろん、業績を上げることを、急いだつもりです。仕事の時間内は精一杯仕事をし、休日は映画鑑賞や読書など、楽しんで、ゆっくり過ごしています。公私を分けてきちんと休まないと、良いアイデアも出にくいのではないか、と思います。

 会社は、おかげさまで、計画どおりに来ています。
順調に来たのは、助けてくれる人が多かったからです。われわれの力だけではありません。
資金1000万円で始めました。その資金はすぐになくなり、通信事業者のネットワーク設計やデータセンターの立ち上げなど、受託事業で「アルバイト」をさせてもらいました。一時期は、他の会社に「間借り」しました。
また、営業を手伝ってくれた人。当社が最初に発売した、ダサい機械(笑)を売ってくれた人、使ってくれたお客様。経理や人事などについて教えてくれたベンチャーキャピタル。
そして、われわれを信じて投資してくださっている、投資家の皆様。
 こうした、いろいろな出会いと、人に恵まれたことが、今につながっています。

>>バリオセキュア・ネットワークスのIR企業情報

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:38 | IRインタビュー
2007年12月21日

伊藤園の本庄八郎社長に「優先株」と「緑茶戦略」を聞く

伊藤園<2593>(東証1部)本庄八郎社長に聞く

hon01.jpg「日本で優先株が認知されることは間違いないとの思いで第1号として実施しました。配当は普通株の年38円に対し年48円です。12月10日から貸借銘柄にも採用されました」

2012年4月期に連結売上高5000億円目標

―東京証券取引所が今年9月3日に種類株市場を創設しました。御社はその第一号として「優先株」を上場され、まもなく5ヶ月ですが。

本庄社長
 優先株には議決権はありませんが、今4月期の配当は普通株の年38円を上回る年48円ですが、第一号ということで認知度がまだ低いという印象です。

―しかも12月10日から優先株が貸借銘柄に採用されましたが、異例の速さでは。

本庄社長
 そうですね、通常は早くて6ヶ月程度と聞いていますが、3ヶ月で採用となったことは取引所の優先株に対する前向きの姿勢だろうと思います。

―海外では優先株は利回りが高いことから個人投資家の間で人気のようです。今後、わが国でも増えると思われますが、第一号での反応はいかがですか。

本庄社長
 上場企業さんから当社のIR部署に問い合わせは多いようです。関心は強いですね。優先株の上場銘柄数が2ケタになるのは遠くないと思います。


7月の低温、8月の猛暑と気温差に振り回されたが
10月中間期は予定通り増収増益


―ところで、今年は猛暑でしたが、10月中間期(07年5〜10月)の特徴を教えて下さい。

伊藤園のホームページ本庄社長
 飲料業界は気温の影響を大きく受けますが、今年は7月の気温が低く8月は猛烈に暑く気温差の激しい夏でした。予想数字は常に上回るよう努力し実際これまでは予想を上回ってきましたが、中間期は予想通りの増収(9.5%)、増益(営業益3.8%)で、ちょっと残念です。7月の低温の影響と中国の食品問題の影響から野菜ジュースの減少(2.7%)が響きました。

―気温との関係をもう少し詳しくお願いします。

本庄社長
 数量ベースで申し上げますと5月は13.5%増、6月も9.1%増と出足は良かったのですが、7月は3.0%増まで伸び率が低下しました。8月は13.2%増と好調でしたが、7月の伸びの小さかったのが響きました。しかし、同じ期間の飲料市場全体の伸びと比べますと、業界の5月の伸び7%増、6月2%増、7月2%増、8月7%増に対し当社の伸びは業界平均より高い状況にあります。

―ということは御社のシェアが高くなっていることでしょうか。

本庄社長
 アップしています。今年1〜10月のデータですが当社の緑茶飲料のシェアは34%と前年(年間)に比べ2ポイントアップしています。これは過去最高のシェア、99年の36%にほぼ肩を並べるものです。


緑茶飲料の原料産地表示義務化で
『おーいお茶はいい畑から、国産茶葉100%』の戦略発揮


―緑茶飲料の競争は激しくなっているのでは。

本庄社長
 競争の激しくなることは緑茶市場が活性化しますので当社としては歓迎です。とくに、当社は今後さらに原料面の強さを発揮することができます。2007年10月より改正加工食品品質表示基準によって、緑茶飲料の原料産地表示が義務化され2年間の移行期間を設け09年10月より完全施行となります。当社は、「おーいお茶はいい畑から、国産茶葉100%」の戦略をいっそういっそう強化し取り組んでいきす。2005年には当社の荒茶(形を整える前の段階)取り扱いは2万557トンでしたが、2007年見込みでは2万2350トンと増加し、国内荒茶生産量の24%を占めることになります。

―2万2350トンの内、最終工程までの加工を必要としない飲料用(カン、ペットボトル入り)はどの程度ですか。

本庄社長
 8000トン強です。急須などで茶葉にお湯を注いで飲む場合は形を綺麗に整えなくてはいけませんが、飲料用ではすべての製造工程は必要ありませんから飲料用が増えるほどコストが下がります。

―荒茶の手当ての強さがあるのですね。

本庄社長
 そうです。鹿児島県曽於地区、宮崎県都城地区、長崎県西海地区、大分県臼杵・杵築地区など九州において遊休地の有効活用による大規模茶園開拓に取り組んできましたし、現在も取り組んでいますので原料調達面での優位性があります。お茶は静岡が圧倒的と思われているでしょうが、現在では荒茶生産量は静岡4万トン、九州約3万4000トンと遜色ないところまで来ています。
 とくに、畑に茶の実を植えてから収穫までには最低5年かかりますので早くから原料面に力を入れてきた強さが当社にはあります。日本にはなお休耕田などの遊休地が埼玉県の広さに匹敵する39万町歩ありますので、地方の雇用創出にも役立ちますので非続き茶畑への開拓を進めていきます。

―優先株の公募増資を実施されましたが。

本庄社長
 荒茶の工場を5工場建設します。この資金が約10億円、これまでタリーズ本社の入っていたビルの家賃が大幅値上げを要求されましたので、探していたところ希望の物件がありましたのでビル購入資金に18億5500万円などに充当するためです。

―中期計画についてお願いします。

本庄社長
 2012年4月期に連結売上高5000億円、ブランド育成として1000万ケース超の年間販売ブランドを5つにする、ROA10%、1株利益を普通株で160円、優先株で175円、配当性向40%です。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:33 | IRインタビュー
2007年08月14日

日本インタビュ新聞社は国内初のリアルタイムによるオンラインIRセミナーを開催

視聴者特典付きのリアルタイムオンラインIRセミナーを開催(GMOホスティング&セキュリティ)

リアルタイムによるオンライン個人投資家向けIRセミナー (株)日本インタビュ新聞社はオンライン上で、リアルタイムによる「オンライン個人投資家向けIRセミナー」を開催する。これまでは、主要都市のホールや会議室などで開催するIR説明会が主流だったが、オンライン上でのリアルタイム放送は日本全国の投資家が自宅やオフィスに居ながらにして視聴できるのが特徴。放映内容の再放送も行う。
 個人投資家による上場企業へのIRに対する関心が高まっていることを背景に、今後は株式講演会などと合わせた講演会の他、同社の特徴でもあるエンターテイメント的な要素を含んだ、楽しめて役立つ講演会の開催も推進して行く。

 3月6日(木)は、GMOホスティング&セキュリティ(3788・東マ)・代表取締役社長の青山満氏が「電子認証サービスの世界展開」について講演する。19:30から入室が可能で20:00から21:00まで開催する。視聴は無料だが事前登録が必要。先着200名が同時に視聴アクセス可能となっている画期的なシステムで登録者専用のURLを発行する。視聴者には特典として「投資に役立つ株式レポート」をメール配信する。

◆日時 2008年3月6日(木)20:00〜21:00
◆会場 オンライン上(事前申し込み)
◆内容 「電子認証サービスの世界展開について」
    GMOホスティング&セキュリティ
    代表取締役社長 青山満 氏
◆参加者特典=「株式市場の見通しと今話題の注目5銘柄」
◆主催 株式会社 日本インタビュ新聞社
(詳細・申し込み)
http://www.media-ir.com/mediairpress/seminar/20080306.html
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:26 | IRインタビュー
2007年07月25日

インフォメーションクリエーティブの山田 亨 社長に聞く

iii.gif

山田 亨 社長に聞く

山田 亨 社長 インフォメーションクリエーティブ(4769・ジャスダック)は来年、会社設立30周年を迎える。ソフト開発のIT系企業の中では歴史を誇る。多くのIT系がバブル崩壊で破綻したなかで、同社は幅広い業種との取引きと、「ソフト開発」と「システム運用管理」のバランス取れた事業を展開することで着実な業績を上げてきた。日本インタビュ新聞社の媒体を通して、「同社社長に聞きたいこと」と題したアンケートを実施したところ、事業内容、今後の展望、そして増配期待など多くの質問をいただいた。投資家の質問をもとに同社の山田亨社長へインタビューした。

「顧客密着型」のシステム開発とシステム運用で
着実な発展、今期1株利益67円へ


―投資家の皆さんから、御社への質問が多数寄せられていますので、よろしくお願いします。まず最初に社名について、どのような思いが込められていますか、という質問がありました。この点からお聞かせください。
(山田社長)
『情報を創造していく』という意味です。今ではポピュラーな言葉ですが、斎藤・現会長が1978年に会社を設立された当時は、まだIT(情報技術)のハシリの頃でしたから、当時としては斬新な社名だったと聞いています。IC、LSIという言葉も使われ始めた頃でしたから、IC・LSIという意味合いも含まれています。

―会長は、日立製作所のご出身と聞いていますが。
(山田社長)
日立製作所の子会社で、コンピューターの運用管理を行う事業部隊で日本ビジネスコンサルタントの出身です。後に、日立情報システムズになった会社です。当時、コンピューターのソフトはありましたが、それに比べオペレーターが不足している状況でしたから、この点に注目して技術者の派遣を行うことを目的に当社が設立となりました。

―日立との関係を知りたいという、かなりたくさんの質問が寄せられていますが、この点はいかがでしょうか。
(山田社長)
日立製作所さんとは、資本関係も人的関係もありません。日立グループ企業とは22、23社と、それぞれで取り引きいただいていますので、日立グループということでは多いですね。当社の売上の50%程度になります。

―事業内容にについての質問も多かったのですが、分かりやすくお願いします。
(山田社長)
大きくは2つの事業からなっています。高い成長をもたらす「ソフト開発」と、経営の安定性をもたらす「システム運用管理」です。今9月期の3月中間期の実績で申し上げれば、全体の売上高29億4900万円、営業利益3億1900万円の内、「ソフト開発」で売上13億4900万円、営業利益2億6800万円、「システム運用」で売上10億700万円、営業利益1億8300万円の構成です。

―会社設立が1978年2月といことで来年は30周年ですね。ベンチャーの多いIT企業の中では歴史がおありですが、バブル崩壊の時の影響はございませんでしたか。
(山田社長)
たしかにバブル崩壊の影響で経営破綻したソフト会社はありました。金融機関の第3次オンライン化でソフト開発中心に需要は多かったのですが、バブル崩壊では不動産価格の下落による金融機関の痛手が大きかったため、金融機関中心に事業を展開していたところは影響を多く受けました。当社の場合、金融に特化せず、しかもソフト開発とシステム運用管理の比率をほぼ半々でやってきたことがよかったと思います。

―非常に堅実な経営ということですね。
(山田社長)
そうですね。信頼を重視した堅実さは当社の基本としているところです。とくに、システム運用管理では相手企業さんのシステム室、電算室へオペレーターが常駐して、現場と一緒にやっていくため信用を第一にしています。われわれのビジネスモデルは、この信用をベースとした「顧客密着型」の体制にあり、同時にわれわれの強さにもなっています。信頼関係が厚いと取引きは安定して続きますから、売上げは安定した伸びが見込めます。

―取引先ということでは、日立グループも入れて全体ではどの程度ですか。
(山田社長)
だいたい100社程度です。金融、通信もありますが、製造系が多いのも特徴です。

―今後の方向としてはどのように取組んでいかれますか。
(山田社長)
平成20年度までの中期計画の重点施策である「既存事業分野の選択と集中による付加価値向上」、「プロダクトソリューションを次期主要事業に育成」、「プロジェクトマネージャーの育成」の3つを掲げて取り組んでいます。とくにプロダクトソリューションについては、自社製のパッケージソフトの販売を育成していきますが、『チケットfor Windows』の販売は順調に推移しています。理容美容向けASPサービス『サロンキーパーコーマ』の販売は機能強化対策のため遅れがでていますが、まもなく本格化の見通しです。

―今9月期の連結見通しをお願いします。
(山田社長)
売上高は4・3%増の60億5000万円、営業利益26・6%増の5億900万円、経常利益18・1%増の4億9600万円の見通しです。とくに、経常利益率は8・2%(前期7・2%)に向上します。

―20円配当へ増配を期待される声も強いのですが。
(山田社長)
今の時点では18円配当を継続の予定です。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:37 | IRインタビュー
2007年05月22日

サンコーテクノの決算と今後の戦略

技術力と高収益で「高付加価値探求」を実現する
サンコーテクノ(3435・JQ)

sannko.gif
 コンクリートなどの構造物に、設備機器などを固定する、特殊ねじ「あと施工アンカー」。サンコーテクノ(3435・JQ)は、この、あとアンカーのトップメーカーである。

 このほど発表した2007年3月期決算は、売上高と経常利益が前年比増収増益で着地した。

 今2008年3月期は、本社の移転、環境へのよりいっそうの対応、耐震補強向け製品の本格的な業績寄与などを予定しており、売上高、経常・純利益とも、増収増益を見込む。

 技術力への定評と、高い成長力の両方を実現している、同社の今期戦略を聞いた。

●メリット多い本社移転

 サンコーテクノは今夏をメドに、本社を現在の東京・東日暮里の自社ビルから、千葉県流山市へ移転する。

 その目的について、洞下 実(ほらげ・みのる)社長は、
「社会的ニーズへの対応と、経営面のメリットを図った」
と説明する。
 ここでいう社会的ニーズとは、具体的には、少子高齢化への対応だ。
「少子高齢化に対し、企業として、何ができるか考える時代に来ている」と洞下社長は言う。

 もともと、流山市には、西深井地区に、同社の物流センターと、研究開発を行なうカスタマーテクノセンターが立地していた。その縁もあり、同市内の、TX(つくばエクスプレス)と東武野田線の『流山おおたかの森』駅前に、今年7月オープン予定の『ライフガーデン流山おおたかの森』内へ本社を移転することが決まった。

 建物は、鉄骨造7階建て、延床面積1万5000平方メートル。
 テナントは、企業オフィスのほか、商業施設、子育て支援センター(託児所)、医療モール、スポーツクラブなどが入る。千葉県初の官民協業施設という。

 こうした建物内へ移転することで、企業としては、社員が安心して子供を生み、育てながら働けるとともに、優秀な人材獲得・確保につながるというメリットがある。
 創業50周年となる2014年に「建設用ファスニング業界 世界ナンバーワン」を目指している同社としては、今後想定される人材不足に備える必要がある。ファスニングとは、建築・土木に使用する、留め付け部材の総称である。

 また、アクセスが良いことも決め手となった。東京・秋葉原からTXで30分。同社工場・中央物流センターからクルマで15分の立地。
 拠点を集約でき、コスト効率、内部統制、社内コミュニケーションの確保、節税を含めた経費削減など、経営上のメリットも多い。その分、製品の開発・製造という、本業への投資に集中できる。

●「三価クロメート」処理品へ切り替え
 環境対応と企業の社会的責任


 もうひとつの、今期のトピックスとしては、環境対応の一環として、「三価クロメート」処理(めっき)品への切り替えを、今年6月から順次、行なっていく。

 現行の「六価クロム」処理品は、『RoHS』(欧州連合による、電気・電子機器中の特定有害物質の使用制限指令)で「環境負荷物質」のひとつに指定され、使用削減が進んでいる。
 国内でも、自動車業界や電機業界では、脱六価クロメート処理品への移行を行なうところも増えつつある。

 同社は、業界シェアトップメーカーの社会的責任という観点から、また、海外市場をにらみ、業界に先駆けて取り組むことにした。
 短期的にはコストアップ要因にはなるが、リーディングカンパニーとして、良いことは一番に取り組むという考え方だ。業界全体への波及も狙っている。

 同社では、経営倫理・社内規範として、『STG(サンコーテクノグループ)モラル憲章』を作成、実践しており、そのなかでも、コンプライアンスや環境保全への取り組みを掲げている。

●今期「高付加価値の探求」を重点テーマに

 洞下社長は、今期戦略の重点テーマとして、「高付加価値の探求」を挙げる。

 理由は、グローバル化への対応だ。
 新興国・途上国と日本メーカーの競合が進むなか、高付加価値の技術、独自のノウハウ、人材を活かして、設計・開発・製造をしていく。途上国との競争に勝つには、高付加価値、多品種少量生産を行なうことが不可欠だからだ。

 もうひとつの理由は、需要への対応だ。
 同社製品の主要な需要先である、マンション、学校、病院などでは、新築・新設よりも、リニューアル需要が伸びている。
 とくに、耐震補強は、国内外で災害被害がクローズアップされるなか、喫緊の課題となっている。

 旧建築基準法下の耐震基準による既築建物は、壊して建て直すか、補強して耐震性を高めるしかないが、環境性・経済性を考慮すると、補強の需要が高い。
 この耐震補強技術は、日本発、日本育ち(研究開発)の技術に定評がある。

 同社では、「居ながら耐震」として、当該建物に、住みながら、あるいは営業しながら、耐震補強工事ができる技術・工法の一部と、それに対応した製品を開発した。つまり、振動やニオイや音をほとんど発生させずに耐震補強工事ができるのである。

 洞下社長は言う。
「ゼネコンや鉄道各社などから、ご依頼を受けて、研究開発した。難しい課題だが、われわれにご期待をいただいているのだと理解している」

 たとえば、東京駅の赤レンガの駅舎。赤レンガの建物を壊さずに、耐震補強を行なう技術が可能になった。
 また、東京駅・大手町駅地下街、JR山手線の西日暮里駅・日暮里駅の耐震夜間工事にも同社製品・工法が採用されている。
 ニッチだが、不可欠な、同社の技術が耐震補強工事を支えている。

●純利益減益ながら、
 実質増配を敢行


 前43期(2007年3月期)連結決算は、売上高170億8600万円(前年比4.4%増)、経常利益9億0500万円(同7.1%増)、純利益4億1400万円(10.4%減)、1株利益378円98銭で着地した。

 純利益の減益は、本社機能移転による減損損失を2億3500万円、計上したためだ。しかしながら、期末(年間)配当は前年と同額の75円とした。前年は75円に記念配当20円が含まれているため、実質増配である。

「技術開発の先行投資をかなりやっているが、それでも、毎期、計画通りの利益を出しており、自信をもって株主様に発表できる数字だと自負している」

 とくに、建築物・建造物の耐震補強工事について、同社が開発した工法・製品は、業界をリードしている。

 今44期(2008年3月期)連結業績予想は、売上高181億0800万円(前年実績比6.0%増)、経常利益9億6000万円(同6.1%増)、純利益5億2200万円(同26.2%増)の、増収増益としている。

●「日本のものづくり」で堅実成長

 今期はまた、耐震補強関連製品の受注が引き続き伸長していることに加え、新事業である、屋上断熱防水関連製品の伸長が楽しみだ。
 これまで開発を推進してきた分野で、今期からその成果を刈り取る時期に入る。

 同社製品をはじめとした、建築関係の製品は、製品開発から、建築物の設計、実際の製品導入まで、数年タームでの事業になる。

 このほか、同社の新製品『ストラタイト』が、「すごいネジ」というテーマで、テレビ番組で紹介・放映された。反響があり、大手企業を含めた各方面から、問い合わせや引き合いが来ている。
 これも、今後の伸びが楽しみな製品のひとつだ。

 投資家へ向けて、洞下社長は、
「着実に努力を重ね、知恵と汗で、日本のものづくりを推進していく。業績、株価とも、安定的な成長を図っているので、長い目で見て応援していただきたい」
とメッセージを送る。
 日本国内産業の空洞化が言われて久しい。同社には海外拠点もあるが、国内での研究開発とものづくりが柱だ。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:24 | IRインタビュー
2007年05月11日

コニシ株式会社・福島功社長に聞く

高収益化のコニシ(4956・東1)

●原動力「新組織図」+ 会社の『意識改革』

sya1.jpg 「創業の祖、初代小西儀助氏は京都より出て大阪・道修町(どしょうまち)にて薬種商を開業、今日あるのは創業者はじめ先人の方々が進取の気性を持って品質第一≠モットーに、顧客志向を貫いたから」(創業120年史で、現コニシ鰹ャ西信一郎当時社長・現取締役相談役の刊行あいさつ)と。今回ボンドのコニシ≠ェ今年創業137年かつ脱創業家社長二代目福島功氏が社長4年目入り≠フ機会を捉え、その成熟具合を追ってみた。例によって、社長本人との繰り返しての面談と経営幹部への取材を絡めて、一問一答形式で再構成し直した。まず、故初代社長$X本昌三氏の思い出話から、本文に書き切れなかった事柄も含めて福島社長の開口一番は「ジャンプの年」であった。「しんどい仕事は先に片付けろ」とばかり、工場閉鎖などリストラ大作戦を展開、相乗効果の表面化に喜ぶ一方では「さびしい限りを体験」しつつ、今年思い切った機構改革≠ノ手をつけた。創業の精神・お客様中心の品質第一をスピード・アップ化のためだ。最近目に見えて利益率(額)が増加傾向に……。営業の成績≠ヘ他部門の水揚げも評価対象に切り換えたことで、空気が変わってきた。一方予算の必達化≠キメ込んだことで未達が減少、そこへ「意識変化」が加われば強い。中長期目標の「一株利益100円」「ROE8%」早期必達の気概が様変わりすれば株価2000円大台乗せもたやすい。福島社長の両腕ともいうべき大丸(おおまる)・小路(こうじ)両常務の「現場に性根を注入する」大仕事の仕上がりいかんによってはいとも簡単≠ネことでしかない。福島社長の後継手づくり≠ニポスト後継の育て方≠「かんにかかっている。「コニシ高収益化の秘密」は、若返り組織図≠ノあり!
(インタビュアと再構成は「編集工房サンナカジマ」主宰中嶋俊治)


sya2.jpg ――福島さんの社長業も「マル3年、4年目」に入っていることになります。
 福島 今年が非常に大切なんです。1年目は「助走」期間です。「ホップ2年目」そして「ステップ」の3年目を経て4月から今期に入って「ジャンプの年」に当たります。

 ――そこで大きく取り組んだのが、機構改革、組織改革図の作り直しです。
 福島 すなわち理解される組織≠ナなければならない。社長直轄トリオ≠ニして「社長室」「内部監査室」に加えて新たに「事業推進本部」を据えたわけです。

 ――それぞれの「長」を社長直轄下に置いた。
 福島 従来の「ボンド事業本部」の営業・生産・研究の横串≠通して「三位一体」としたこと、さらに「化成品営業本部」を加えて四位一体$略の遂行をやり易くしたわけで、それらを包括する「事業推進」の責任者にボンド事業本部長を据えました。

 ――スピード・アップのほどが窺えます。
 福島 これすべて「お客様志向」のためなんです。いままでともすれば「内向き志向」が幅をきかせていた社内を、徹底的に「顧客志向」に改革してやろう、と。

 ――それは素晴らしいことです。社長の両腕≠ニも称すべき組織図が完成したことになる。
 福島 新設の「事業推進本部長」に大丸智夫常務を、管理本部に肉付けした「社長室長」に小路(コウジ)英敏常務を。組織に魂を吹き込んで始めて「完成」したことになる。

●株価は中長期目標で「3000円大台指向」

 ――福島社長の経歴もモノを言います。
 福島 営業が大半ですが「人事」を経験したことが大きい。当時の若手が現場の最先端に散らばっており彼らの考えがわかるし情報が入手しやすい。

 ――それをベースに繰り返し説得術≠駆使すれば、言うことなし?
 福島 繰り返し運動にパッションを味付けして、といったところでしょう。何しろコニシは創業137年≠フ伝統に裏打ちされた会社ですから。

 ――創業当時の資料をひもといて今回読み込んで驚きました。アサヒのビール・サントリーのウイスキー≠フ本家筋だそうで。
 福島 わが社は株式上場で生まれ変わりました。私の代になって「ちょっと触れる【こと】」で即効がでてくるようになったことは嬉しいですよ。社内の意識が急ピッチで変化している。

 ――具体的に。
 福島 「予算」の出方が変わってきた。「売上高よりも利益の上目数値」が出てくるようになったこと。

 ――最近、証券系のレポート上で「株価1500円目標」などとでていましたが私の見立てはこんなもんではありません。
 福島 ハッキリ言って……。

 ――2000円大台替え後、中長期目標の数字の出来いかんで「3000円大台指向」とにらんでいます。
 福島 嬉しいご託宣、全社一丸で努力します。


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:51 | IRインタビュー
2006年12月21日

因幡電機産業の守谷承弘社長に聞く

因幡電機産業(9934)守谷承弘社長に聞く

攻めの『成長拡大路線』へ

inaba1.jpg 伊勢丹だけがなぜ売れる? 一人勝ちの秘密・特集をテレビが派手に放映している。冬場でも水着を売ります、という常識を破る挙に出るところが伊勢丹な人々≠魅きつけてやまない。
 たとえば「おせち産業」を340億円市場に変身させてしまう一方、チョコレートを「600億円産業」に化けさせ、ひとり伊勢丹にとどまらずデパート業界そのものに一大貢献をやってのける。そうかと思えば男のこだわり≠ノ眼をつけるやワンフロアをブチ抜きで「メンズ館」に切り換えてしまう。あれもこれもに超越するのが「常識打破」と「徹底した現場主義」との事。
 この点「継続は力なり」を社是に1枚加えても良いような因幡電機産業梶i9934)守谷承弘社長の経営哲学が「現場主義」である。社長就任以来、一貫して心がけてきたところだ。堅実一本ヤリの社風から「攻めの拡大成長路線」への転換を可能にしたのも、おそらく氏の現場百回(百戒)$ク神の賜物だろう。そのための布石は何が必要か?を学んだのも、先輩の継続は力なりを押し通した「お客様第一」『親栄会の賀詞交歓総会』にあったようである。
 中期計画の繰り上げ実現続きで、早くも「新・中期経営計画の策定」を迫られている。時あたかも1938年4月に因幡電機製作所として創業以来、今〜来期にかけて創業70周年≠フエポックに突入する。「わが社だけの最大特質高収益構造=vに、より磨きをかけるためにも「自社製品」開発を急ぐ必要がある。
 いくつかの重点的施策に加えて「開発研究所の新設」もぜひとも実現したいところだ。創業者精神を改めて確認するためにも「イナバ・スクウェア」のリニューアルも日程に上ってこよう。以下、数次にわたる首脳陣との面談および過去歴代社長たちの志と言葉を想起しつつ一問一答形式に再構成した。因幡電産という会社のかたちが変わった局面から新しい成長株の芽が生え始めたのではないか。行間からそれをキャッチいただければ幸いである。
(インタビューと再構成は「編集工房 サンナカジマ」主宰中嶋俊治)


ただ今「最高」を追求中
「新中計」視野に自社製品拡大急ぎ「研究所」も

inaba2.jpg ――因幡電産の中期経営計画について。目先の決算数字はここでは触れません。中計の繰上げ上方修正にこそ大いに関心がある。
 守谷 目先についてはあちこちで多く語られてますから。このIR対談≠ナも前々回、前回と「最終の平成22(2010)年は2000億円売上高に対して経常利益100億円説をうかがった。紙面にもそう反映してもらったんでした。

 ――上方修正と繰り上げ実現で、ここへきていかにも現実味を帯びてきたとにらんでいますよ。
 守谷 いやいや先はまだ長くて道中何が起るかわかりませんから、毎期気を引き締めてやっていかなくては。

 ――その堅実さが受けるんですね。期中修正はもちろん「上方」だ。ただいま「最高」を随所で追及中、といった会社の勢いを感じるんですが……。
 守谷 おかげさまで株価は今年1月史上最高値を突破しました。売上高の最高抜けも射程圏に入ってきましたので早晩「最高追求」の仲間入りです。
 公式には1900億円目標ですがいよいよという感じです。

 ――そこで「会社のかたち」を変える、から「変えた」という経営転換がハッキリしてきた。
 守谷 わが社の事業特質を本格的にご理解いただく局面にきた、と。グラフの絵解きにありますように、売り上げ構成と利益構成が「卸売業」と「製造業」に現れています。製造業は売上高の16%しか占めていないのに利益の70%をたたき出しています。

 ――攻めの拡大成長路線へ転換した大きなポイントは?
 守谷 最大のものは自社製品の拡大≠ワずは300億円、さらに400億円、500億円と先の夢を現実のものに変えねば。
 ――そうすると、新・中期計画を早くも射程に入れて、ということでしょう。
 守谷 これまでの繰り上げ達成の現実から見ると、M&Aも考慮に入れつつ、創業70周年に向けての新中計に取り掛かる必要を感じますね。

 ――楽しみにしていますよ。エポックになる話題を含めて、新春の親栄総会での社長の挨拶にますます興味が湧く。
 守谷 挨拶の中身よりも、また親栄総会の話に移りますが、思えば1954年1月全国得意先、販売店を会員とする『因幡親栄会』を発足、第1回総会を開いた。先輩のご苦労というのはこのときからずっと続いているわけですね。私もまた継続は力なり≠ナす。

 ――シンエイセミナーに人を得ると、一段と忘れられないものになる。青山さんのような超売れっ子と継続していくのも一つの手ですね。
 守谷 少なくとも2007年のセミナーは連チャンですから、皆さん期待が膨らんでおられる。もう一つ、記念事業に、開発研究所の建設も是非と私の胸の中には強いものがあります。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:00 | IRインタビュー
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。