
■お客様とのコミュニケーションを深める提案型営業施策の推進
――御社は家電品販売とインポート商品販売の店舗を展開されています。厳しい個人消費環境の中で、今期は2ケタ増収、利益急向上の見通しです。まず、「家電事業」について、お聞きします。家電量販店は大型店舗が話題となっています。御社の家電店舗の基本的な考えをお願いします。
【関戸社長】 当社の店舗は大型店舗ではなく、売り場面積が100坪から200坪の広さの小型店舗に特化しています。店舗立地として、国道16号線沿線を基本としています。国道16号は千葉―埼玉―東京・首都―神奈川を一周する幹線道路です。現在、直営店で14店舗あります。直営のほかにフランチャイズ(FC)で青森県に6店舗あります。大型店のような価格中心の販売ではなく、地域に密着した、「顧客第一主義」に徹していることです。
――具体的には、どのような施策ですか。
【関戸社長】 顧客データベースをもとにした「データベースマーケティング」です。2000年4月よりスタートした『LPC(ラブ・プラス・クラブ』カードにより蓄積されたお客様情報での、ご利用履歴をカテゴリー別に分類することで、より反応度の高い販売促進を実施することが可能となっています。チラシによる販促を抑えつつ、顧客データベースの活用によるDM(ダイレクトメール)、お得意様向け販促イベント、高付加価値商品の重点販売を行うなど、お客様とのコミュニケーションを深める提案型営業施策の推進に取り組んでいます。
■約85%の方が固定のお客様
――固定客が多いのではありませんか。
【関戸社長】 そうです、約85%の方が固定のお客様です。
――年齢層も上の方が多いのでしょうか。
【関戸社長】 そうですね、50歳以上のお客様で全体の6割程度です。お客様とのコミュニケーションを大切にしている現われだと思います。たとえば、大手メーカーの製品では、いまだに代表的な製品だけでも17ものリコール製品があります。こうした製品を紹介し説明することで喜んでいただいています。購買履歴データにより、たとえば、テレビを5,6年買われていない世帯に大型薄型テレビの買い替えをお薦めし、同じように5,6年冷蔵庫を買われていない世帯へ省エネ冷蔵庫の買い替えをご提案しています。
――大型家電販売に進出するお考えはないということでしょうか。
【関戸社長】 ありません。大型家電も以前は1000坪クラスで年間30億円の売上と言われていました。今では20億円でも厳しい時代になりつつあると思います。とくに、来年7月の地デジ移行後はかなり厳しくなると見ています。当社は、小商圏の中で、安売りではなく、「お客様への完全フルサポート」を武器に生き残り戦略に取り組んでいます。
――もうひとつの柱の「ファッション事業」について、商品と店舗の状況をお願いします。
【関戸社長】 インポートブランド品のジュエリー、バッグ、時計、衣料、化粧品、陶器、ギフト用品の小売販売です。スーパーブランド商品を海外で直接買い付けているので旬な商品をリーズナブルな価格で提供しています。前2月期では5店舗を新規出店、期末のファッション店舗数は直営21店舗(現在23店舗)です。家電店舗を合わせると、当社の店舗は直営で合計35店舗(現在37店舗)です。地域の内訳は東京都11店、神奈川県3店、埼玉県6店、栃木県1店、山梨県1店、群馬県3店、千葉県2店、長野県1店、宮城県1店、福島県1店、愛知県3店、岐阜県1店、三重県1店、静岡県1店、京都府1店、ほかにFCで青森県6店の陣容です。今期中には、都内で銀座か、京橋周辺にファッション事業の新規店舗を計画しています。
――消費は厳しいと言われています。ファッション事業店で最近、出店された店舗の状況をお聞かせください。
【関戸社長】 今期に入って、2店舗オープンしています。いずれも、イオンのショッピングセンターに出店しました。たとえば、銚子店(千葉県)は3月の売上は予算に対し2倍、4月も4割増のペースで、大変好調です。ファッション事業のユーザー層は20〜30歳代後半と、40歳代後半以降の2つの山がみられます。銚子店では昨年4月に入社した若い社員が中心となって、こうしたユーザー層に対応して好成績を挙げています。今年は新卒者を24人採用し、来年も30人の採用を予定しています。
■今期の配当は年3円を予定
――2011年2月期の業績についてお願いします。
【関戸社長】 売上は10.6%増の230億円、営業利益3倍の1億2000万円の計画です。配当は前期に年1円復配しましたが、今期は年3円を予定しています。とくに、早い時期に経常利益率を2%(今期0.43%)へ高め、株主様へ増配で還元したいと思っています。
――ありがとうございました。