坂巻千弘社長
「情報セキュリティのセコムを目指す」と坂巻社長

とくに、セキュリティ機器メーカーとしては、日本では同社のみという強さがあり、収益力が高い。今年2月末、第3四半期での売上高経常利益率は29.6%と非常に高い実績を上げている。
インターネットのセキュリティといえば、難しく聞こえるが、考え方はビルのセキュリティと同じだ。当然だがビルの入り口にはドアや壁がある。侵入者を防ぐ個人の住宅でも同じだ。
インターネットでは、フアイアオールと呼ばれるもっともベーシックな部分である。次いでガードマンを立たせる、それでも入って来ようとする者は排除する。これを同社では12の機能で外部からの侵入を防ぐシステムを構築している。
ところが、これだけ充実した機能を持ったセキュリティシステムは大企業には導入が可能でも、中小の企業には負担が大きい。月々3万円前後のインターネット回線料に数千万円規模のセキュリティ費を投じるには抵抗がある。
セキュリティシステムの設置カ所を
2000カ所から早い時期に5000カ所へ
一方で、セキュリティを重要視するニーズは年々、高まっている。「われわれは、セキュリティシステムの設置カ所を増やすことをいちばんの目標に掲げている。07年5月期は上場効果もあって700カ所増加の約2000カ所となる見通しだ。現在、1カ所でセキュリティ機器VSRは月5万円程度だが、月額1万円のものを投入することで、早い時期に5000カ所とする計画」という。5000カ所達成後に高価格への転換を頭に置いている。仮に、単価が1万円アップするだけで月5000万円の収入増となるからだ。
足元の業績も好調。07年5月期は売上高10億5000万円(36.4%増)、経常利益2億7700万円(同34.5%増)の見通しで、坂巻社長は、「今期で6期連続の増収増益で、08年5月期も増収増益は確実です」と自信をみせる。配当は前期458円を実施したが、今期はそれ以上が期待できる。