
セントラル総合開発〈3238・東2〉は、分譲マンションのデベロッパー。ファミリー向けのマンション『クレア』シリーズを開発、販売している。とくに最近話題の構造計算については、「トリプル・チェック」により、安心して住めるマンションを提供しているという。
不動産賃貸・管理事業、保険代理店事業なども行なっている。
会社設立は1959年だが、株式上場は2006年12月22日にしたばかりだ。
2007年1月30日に行なわれた「上場後説明会」で、福本統一社長(=写真=)は、同社の事業内容、特徴、経営戦略について説明した。(概要については、株式専門紙『証券日刊』2月9日付に掲載しましたので、そちらをご覧ください)
そのほか、以下の質疑があり、福本社長は要旨、次の回答を行なった。
●同業他社との差別化は。
中堅勤労者向けに良質なファミリーマンションを供給している。
リートやファンド用の投資物件、ワンルーム物件は扱わない方針だ。
マンションの成否は立地と広さで決まる、と基本的に考えている。いかに精度の良いものを渡すか。設計変更や仕様変更への対応、ニーズに合ったメニュープランを用意することなどが顧客満足につながる。とくに、「女性向け」物件とか、デザイン性による差別化物件などは供給しない。
●少子高齢化のなかで、今後のマンション業界の伸びをどう見ているか。
ここ10年は行けると思っている。単身で暮らす人が増え、少子高齢化のなかでも世帯数自体は増えている。そうした需要に対応した、住みやすいマンションの供給も必要になると見ている。
●地価の上昇で、デベロッパー各社は、土地の仕入れに苦戦していると聞くが。
仕入れは確かに難しくなっている。
足で歩く。良い情報に当たって購入する。多くの人を知る。これが良い仕入れにつながる。仕入れの極意はこれ、というものはない。
社員には、「とにかく歩いてくれ」「とにかくお客と顔を合わせてくれ」と言っている。
●今期、経常利益が前期比減益となる見込みだが。
正直、今後も下がる可能性はある。土地の仕入れは厳しくなっており、建設コストは上がっている。
一方、多くの消費者の所得は上がっておらず、購入していただける価格(適切な購買決定価格帯)は上がらない。なので、コストアップ分はデベロッパーが負担すべき部分があると思う。当面は、売上高と同じ比率で利益率は上がらないと思われる。
●設計・建築時の「トリプル・チェック」について。
トリプル・チェックは、
@信頼できる設計者に建物設計を依頼し、建築確認申請の許可を取得
A国の指定機関による「設計性能評価」「建設住宅性能評価」を取得
B第三者機関の構造計算事務所に依頼し、構造計算の再チェック
――を行なうものだ。
なかでも、Aは、住宅品質確保法に基づく住宅性能評価によるもので、設計図の段階を含め、工事現場での審査など、5回以上の審査が行なわれる。構造関係だけでも、構造躯体の倒壊・損壊に関して審査が行なわれ、計算書・設計図から、現場での施工精度までが評価対象となっている。