
エフテック(本社・埼玉県菖蒲町、木村吉男社長)は、サスペンションやペダルなどの自動車部品メーカーだ。主要な取引先は本田技研工業だが、近年は日産自動車、トヨタ自動車、スズキ、GM向けの製品も製造販売している。
今年9月には東証2部から1部へ上場。
10月末に発表した9月中間決算は前年同期比大幅な増収増益となり、2007年3月通期業績予想を上方修正した。
さらに、三重県亀山市の亀山事業所を移転・集約・設備増強する『ニューカメヤマ計画』が始動。
好材料が続出し、株価も続伸して上場来高値を更新中だ。
同社の強みは、なんといっても技術力である。
たとえば、サブフレーム(自動車前部の骨組み)。
アルミに通電過熱して成形し、切断、洗浄して仕上げる、独自の『アルミ熱間バルジ加工』は、プレスやダイカスト(金型成形)に比べ、部材の軽量化や成形性に優れるという。
また、油圧プレス成形の『ハイドロフォーム』技術は、同社の機関技術のひとつに位置づけている。
『アルミハイブリッド製法』は、ダイカスト部品と、上記のアルミ熱間バルジ加工部品、鋼材などの一般展伸部品を組み合わせる技術。
ペダル部品では、同社オリジナルの『衝突力吸収構造ブレーキペダル』、『アジャスタブルペダル』などがある。
前者は、万一、事故が発生した時にはアームが自動的に脱落し、運転者の足のケガを防ぐもの。
後者は、ペダル位置を運転者の体型に応じて適切な位置に調整できるもの。座席を動かすことによる位置調整に比べ、万一の事故時に、エアバッグが最適な位置で作動できる。
最近の好業績や、各自動車メーカーからの受注拡大は、こうした地道な技術力、技術開発力に裏打ちされている。