『ネット・ビジネス・インテグレーター』標榜
イメージ情報開発(3803・HC)は創業者の代永衛社長が1975年に設立した。昨年創立30周年を迎えた、ITの「老舗」企業だ。
これまで利益重視の方針で来た。が、ここへ来て、代永拓史副社長の事業継承路線への進行とともに、規模の拡大も重視する路線へカジを切った。
設立当初はメディアとコンピュータを連動させて、企業の業務支援事業を行なっていた。
当時はまだ大型コンピュータが企業内の業務に使用されていた時代。同社は印影の画像データ処理や、データの日本語化と印字といった事業を行なっており、その事業内容から『イメージ情報開発』という社名にした。
現在の事業は、SIサービス事業、セキュリティ事業、ビジネスサービス事業の3本柱だ。
SIサービス事業では『ネット・ビジネス・インテグレーター』を標榜している。
一般的なシステム・インテグレーターのように、客先企業の既存の業務に合わせてシステムを構築するのではなく、客先企業の事業や業務のあり方自体から見直してIT導入や業務改革を促す。また、必要ならば同社のデータセンターで業務処理を請け負うため、システム構築の最上流から最下流までを押さえているのが強みだ。
同社が最も重視しているのは、客先企業がIT化により利益を生み、かつ運用経費はできる限り抑えること。
ハードやソフトは特定のメーカーに依存していないため、客先の需要ごとに最適なシステムを組み合わせて提供できる。システムを導入するよりも、同社の業務代行のほうがコストを抑えられるなら、それを提案する。
客先企業のコストと業務の最適化を重視しているのだ。
一方、セキュリティ事業は情報漏えい対策を中心に、さまざまな機器やシステムを組み合わせて提案している。ただ導入するだけでなく、導入後は使用状況を見ながら見直しを重ねて、ニーズに応じた、最適なシステムと運用方法を提案していく。
ビジネスサービス事業は、同社のデータセンターでの業務処理代行だ。この事業はフィー(手数料収入)ビジネスなので、安定的な売上となる。
現在、力を入れている事業のひとつが、このビジネスサービス事業のなかの『商店街サポートシステム』だ。商店街ごとに一括したクレジット導入を提案し、コンサルティングから立ち上げまで行なうもの。
さらに、代永副社長は「ネットとリアルショップの融合や、決済、ポイント制など、新しい事業の構築へ向けて、シェアとサービスを厚くしていきたい。地域活性化のお手伝いをさせていただきたい」と意欲を見せる。
同社の業績を見ると、この数年は売上高は横ばい、利益は拡大基調で来た。今後は売上高は20〜30%増の伸びを、利益率は現在の経常利益率15%を維持し、中期経営計画で3年後に年商30億円規模を目指している。
SI事業とセキュリティ事業では、既存客の案件規模や案件数の拡大と同時に、新規顧客開拓も進めていく。ビジネスサービス事業は、安定的な継続とともに、新規顧客の獲得を図る。両者半々くらいの事業規模に育てていく。
変わらないのは、客先企業のメリットを追求する姿勢だ。
代永副社長は言う。
「まだ小さい会社だが、30年の歴史はある。これから積極的に成長路線へ進み、既存事業の拡充に加えて新規事業を立ち上げていく。ぜひともご期待いただきたい」