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2006年08月16日

フルキャストテクノロジー、貝塚志朗社長に聞く

フルキャストテクノロジー(2458・JQ)

貝塚志朗社長に聞く

確かな技術と国際感覚もったエンジニアの派遣で躍進

fulu.jpg 【経歴】貝塚志朗 (カイヅカ シロウ) 1961年10月生まれ、東京都出身。青山学院大学法学部卒業。医薬会社のブリストマイヤーズで5年間営業職を務め、89年に神奈川進学研究会(同社の前身)を設立、取締役に就任。2002年10月社長に就任、今日に至る。エンジニアを育成、電気、輸送機器等の製造業の設計・開発部門へ派遣する事業を展開しながら、グローバル・エンジニアも育成。売上高81億7000万円、経常利益5億5000万円(いずれも06年9月期予想)の規模。「何事も、何をするかではなく、誰とするか」が貝塚志朗社長の信条であり事業への思いである。

「何事も、何をするかではなく、誰とするか」を基本に"啓蒙経営"展開

 人は、普通、「何を」するかで悩みますが、貝塚社長は「誰と」するかを重視されているとのこと。このあたりのことをお聞きしたいと思います。多かれ少なかれ、人は誰でも小さい頃の"思い≠ェ投影されているのではないでしょうか。小さい頃は、どのような少年でしたか。「母親が病院勤務で共働きでしたから、生まれて6,7週間で託児所に預けられたそうです。生まれたときから自主独立ですよ(笑)。当然、物心ついた頃にはカギっ子でした。しかし、淋しくはなかったですね。育ったのは清瀬市(東京都)で、畑が多く自然も豊かだったので、野原を駆け回っていました」。

 運動も、お得意だったのでは。「そうですね。小学校の頃から野球が好きで中学校までは野球部でした」。思い出に残る試合はございますか。「小学校のときの大きい大会でしたが、9回裏、サヨナラ勝ちの場面で、わたしが3塁ランナーでサヨナラのホームを踏んだことです」。

 高校では。「自転車で行ける距離の地元の清瀬高校です。野球部がありませんでしたから、2年生の時に、意識して、わんぱくグループの集まったクラスに入りました」。高校で、わんぱくですか。「悪いことをするというグループではなく、"楽しい"ことをしようという仲間が集まったグループです」。なるほど、カギっ子の頃から"誰と遊ぶか"という意識が芽生え、高校生になって、"誰と楽しむか"という、"誰と"が、強く根付いたわけだ。

両親の教え"自主独立"が人生の基本

 カギっ子だと、親の言動が大きく影響するはず。両親の教えはいかがでしたか。「そうですね、父からは自分のことは自分で決めて生きなさい、母からはウソをつかず、人様に迷惑をかけない生き方をしなさいと、ことあるごとに言われました。結果、人に頼らず、自分の道は自分で拓くことが当たり前のようになっています。このことは、これまで歩んできた人生にも、今の経営スタイルにも出ていると思います。例えば、月並みなビジネスでも、互いに啓蒙しあえるメンバーとなら、すばらしいものとなるからです」。やはり、しっかりしたご両親の教えが基本となっている。

 同社の前身である神奈川進学研究会を創ったのも貝塚社長を含む3人のメンバーだった。そして、2005年10月には株式上場を果たした。今年も200名以上の新卒採用を行っている。採用面接のときなど、若い人をご覧になって、いかがですか。「よく日本の若者は、将来の展望もなく、のんびりしていて、平和ボケのように言われますが、そうでもないですよ。具体的な将来像を描くことに欠けている方もいますが、現実を打開しようという気持ちは強いと思います。ただ、当社は外国人の採用も増やしていますが、中国やベトナムなどの若者が自分の価値を高めることに貪欲なことと比べると、日本の若者には、若干それが不足しているように見受けられます」。

独自の研修システムG.E.T.プログラムで真のプロ育成

 確かな技術を持ったエンジニアの派遣を事業とする同社。全従業員1261名中、約92%にあたる1160名が技術社員(06年7月)であり、このうち外国人エンジニアもすでに50名を超えている。外国人の採用はどのようにお考えなのだろうか。「いまやビジネスは国際化の時代です。特に、技術革新は日進月歩ですから、日本だけで対応できる時代ではありません。日本で、理工系の学生が減っていることもあります。このため、外国人を含め、国際的感覚を持ったエンジニアを育成することが当社の強さと特徴であり、当社の将来を左右するものです」。

 どのように育成されるのですか。「当社独自のG.E.T.(グローバル・エンジニア・トレーニング)プログラムによる研修を行っています。グローバル・エンジニア・トレーニングの頭文字からG.E.T.プログラムと名づけ、即戦力となるための技術研修と、さらなるスキルを身に付けた設計・開発のスペシャリストを育成することが目的です。研修は主にバイリンガル(2カ国語)で行われ、とくにシステムLSIの研修は英語だけで行われます。現在ではアメリカ・シリコンバレー、ベトナム・ハノイ、オーストラリア・ブリスベン、中国・大連と上海、インドネシア・ジャカルタ、フィリピン・ビニャンなど各国にそれぞれの研修制度と施設があります。また、提携方式の研修も順調で、中国の大連理工大学では今年2月にも、第2期生の開講式を行い、新たに27名での研修がスタートしています。こういった提携は他にもオーストラリア・グリフィス大学やインドネシア・ビーナナサントラ大学でも進行中です」。

 ところで、従来の日本では、技術者は社内で育成されるのが普通だったと思いますが、技術者の派遣ニーズの増加にはどのような背景があるのでしょうか。「言うまでもありませんが、日本は資源のない国ですから、モノ造りで生きることが柱となります。最近、日本でも製造業の大切さが見直されてきていることで、エンジニアに対する要求が高まっています。日本のメーカーで育ってきた技術者が戦後の豊かな日本を作り上げてきたと思いますが、この方々が定年を迎えられたことで技術者が不足しています。しかも一方で、豊かになると消費者のニーズは多様化し、製品開発のサイクルは非常に短くなり、時間をかけて技術者を育成することが難しくなっています。特に、日本では電気、機械分野の不足が目立ちます」。

 その電気機器向けの派遣が全体の約48%、自動車などの輸送用機器関係への派遣が約13%、職種では設計・開発関係が約50%を占めている。技術者はプロ意識が強いと思います。特に、他社での仕事となると、難しい面もあるのでは。「プロという意識はその人固有のものであってはだめだと思います。技術を製品にリリースしていけるのが真のプロだと思いますから、そのためには、チームで仕事をする意識が大切です。日本にはモノをつくり出す先人のよい手本があるのですから、見習って欲しいと思います。人から尊敬されてこそ本当のプロです。当社は、このような真のプロを育てるための集団です」。ここに、社長の、"誰とやるかが大切"という小さい頃からの思いが込められている。

 健康の秘訣は何ですか。「ストレスを溜めないことです。月1回のゴルフで気分転換しています」。(スポーツをされていましたから、飛ぶんですよと社内の声)。

 今後の業績見通しはいかがですか。「08年9月期に売上高120億円(05年9月期比75%増)、経常利益率10%(05年9月実績6.26%)が目標です」。締めくくりに企業理念をお伺いします。「より多くの技術者の雇用を生み出し、高い技術力を提供することで、より豊かな社会の実現に貢献することです」。




提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:24 | 人・思い
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