
■ヴィオを子会社化し、相乗効果を見込んでいる
――今年、提携などの動きがあったようですね。
【村松社長】 5月にはヴィオ(本社・東京渋谷)の株式を51%取得して子会社化しました。ヴィオは官公庁、金融、流通向けシステムの開発に強く、提案から運用サポートまで一括受注の強さが特徴です。これによって、当社グループのITソリューション事業、コンサルティング事業との相乗効果を見込んでいます。
――ホールディングスは6月時点ではどのようなグループ構成ですか。
【村松社長】 バルクホールディングスは、当社のほかに、『バルク』、『アトラスコンサルティング』、『日本データベース開発』、そして、新たに加わった『ヴィオ』の連結子会社4社によって構成されています。なお、少し前ですが、連結子会社だった『ベル・マーケティング』は平成20年12月に全株式を譲渡しています。
――ヴィオについてはご紹介いただきましたので、他のグループ企業の事業の概要をお願いします。
【村松社長】 当社(バルクホールディングス)は、グループ企業の株式保有を通じた管理・運営です。『バルク』は情報セキュリティ及び内部統制のシステム構築支援、継続・維持サポート、ITソリューション事業、インターネットによるマーケティングリサーチ事業などです。『日本データベース開発』は、辞書開発事業、コンテンツ事業、システム開発・運用支援事業、図書館支援事業などです。ひとことで言えば、「ことば」の整理により、あらゆるデジタル資源の有効活用を支援するものです。最近は図書館関係が着実に増えています。『アトラス・コンサルティング』は事業戦略コンサルティングを柱としています。
――10年3月期では売上での事業構成はどのようになっていますか。
【村松社長】 大きくは、(1)コンサルティング事業と、(2)マーケティングリサーチ事業の2つです。10年3月期の連結売上8億7000万円のうち、コンサルティング事業売上で1億8100万円、マーケティングリサーチ事業売上で6億8900万円です。
■中国ビジネスに力を入れて行く
――とくに、最近は、消費分野において競争の激しさが目を引きます。御社のコンサルティング、マーケティングリサーチ事業は、こうした消費関連分野で有望とお見受けしますが。
【村松社長】 そうです。たとえば、商品価格の最適化、上限価格の設定、ターゲット購買層の分析、新規チャネルの開拓分析、販売エリア優先順位の選定、穴場商品の開発などに大いにお役に立っています。とくに、目に見えない定性的な情報、あるいは経営者の感性などを数値化する当社独特の分析手法で、企業の事業戦略策定コンサルティングにおいても貢献しています。また、インタビュー調査のほかにネットリサーチによるクラスタ(群)分析手法で、調査の枠を超えた戦略支援サポートを行っています。最近では中国市場進出に関する調査、コンサルティングが増えています。このため、中国のコンサルタント会社と提携して中国ビジネスに力を入れて行きます。中国向けのカタログも作成中です。
■携帯電話をかざすだけでポイントが貯まるシステム
――ITソリューションで新たな動きもあるようですが。
【村松社長】 飲食店などで来店客にポイント制を採用しているところが多いですね。ほとんどがスタンプ式です。当社は、携帯電話をかざすだけでポイントが貯まるシステムを開発しました。新しいショッピングのスタイルとして展開を始めています。店側も顧客履歴情報を活用して次の販売に結びつけることができます。店側には機器を購入していただきますが、市販の3分の1程度の低価格で提供します。その分、当社には毎月使用料が決まって入ってきます。ストックビジネスにつながります。
――業績見通しをお願いします。
【村松社長】 11年3月期は売上は13.9%増の9億9100万円の計画です。3月に子会社化したヴィオ分は含まれていません。10億円は超えてくると思います。営業利益は700万円の見通しで、黒字に転換します。まだ、無配ですが、早い時期に復配できるよう頑張ります。
――ありがとうございました。それでは、ビデオで個人投資家の皆さんにメッセージをお願いします。