インターネットでのアフィリエイト事業、メディア事業に加え、オークション事業、成果報酬型SEO(検索エンジン最適化)など新規事業を展開中のインタースペース<2122>(東マ)の河端伸一郎代表取締役社長に今期第2四半期業績を踏まえ今後の事業戦略などを聞いた。

――アフィリエイトサービス「アクセストレード」をコアとして事業を展開され、メインのPC、モバイルでのアフィリエイト事業、メディア事業に加え、オークション事業参入など業容も一段と拡大しています。事業の概要をお話ください。
【河端社長】 当社グループの事業は大別してアフィリエイト事業とメディア事業の二つの事業分野であります。さらにアフィリエイト事業には成果報酬型インターネット広告サービスをパソコン(PC)と携帯電話(モバイル)向けに提供する事業と成果報酬型SEO(検索エンジン最適化)事業があり、メディア事業には,主婦向けコミュニティサイトや価格比較サイトなどのインターネットメディアの運営、新聞折込型フリーペーパー事業、それにオークション事業を加えました.特にメディア事業はコンテンツが重視されます。先の組織変更で名称をメディア・コンテンツ事業部に改めました。
――貴社事業のメイン分野であるアフィリエイトの市場規模は急成長してきました。今後のマーケット動向をどのように見ていますか。
【河端社長】 矢野経済研究所の調査によりますと、09年度に949億円であった市場規模が、2012年度には1235億円の規模まで拡大すると予測されています。市場全体の伸び率は徐々に鈍化しますが、今後はモバイルアフィリエイトが当面2ケタ成長を続け、12年度段階ではモバイルの構成比が40%を占めるまでに拡大すると見ています。
――先日第2四半期業績を発表されましたが、この成績をどのように見ていますか。
【河端社長】 第2四半期業績は売上高1,973百万円(前年同期累計比0.2%減)でしたが、第1四半期に比べ9%の増収となった。
前四半期まで連続して低下し前四半期マイナスとなった営業利益率も、継続したコスト見直しで、販管費が減少し8四半期ぶりに4.3%の高い水準に回復、営業利益84百万円(前期2Q実績比25.4%増)を確保しました。
売上面ではPCアフィリエイトは一部金融関連取引先向けが予想以上の苦戦となりましたが、eコマ−スとサービス業が増加し回復基調に転じたこと、モバイルが四半期間売り上げで初めて5億円台を達成し構成比が28%超となったことに注目しています。
金融関連取引先向けは当社シェアの高かったFX関係が激減したのが響きました。一方、モバイルアフリエイトでコンテンツ系の構成比が一貫して上昇し、シェアがほぼ6割まで上昇しました。キャリア公式サイトへのアプローチが実を結んだもので当社が独自に積極的に開拓した分野だといえましょう。
――メディア事業は如何ですか。
【河端社長】 売上横這いと云うところですが、子会社の新規媒体発行で、今期に入り2四半期連続で売り上げを伸ばしています。ガールズオークションは会員数61万人超ですが、リニューアル後会員獲得の強化に取組みます。
先にも触れましたが、コンテンツ事業を強化するために下期には積極的投資を予定しています。
――顧客動向で目立った変化はありますか。
【河端社長】 マーチャント(広告主)は、前四半期に短期プロモーションに伴いPCのマーチャント数が減少しましたが、モバイルではマーチャント、パートナー(広告掲載媒体)ともに増加し、全体ではマーチャント数3,281、パートナー数約24万になりました。特に、モバイルでのマーチャント数の増加は、売上増に直接貢献しますので今後の推移に注目しています。
――新しくリリースされた、「i・Reward」について
【河端社長】 下期に入り提供を開始したで、アフィリエイトによる広告プロモーションを用意します。サイト内の広告にユーザーが会員登録などアクションを行うと、対象となるアプリ内で使用可能な仮想通貨やアイテムなど(ポイント付与タイプが一般的)を付与する仕組みをアプリ開発会社に提供するものです。通常の課金のみの場合に比べてより多くのユーザーが参加し、ソーシャルベンダーにとっては新しい収益チャンスともなります。現在はMixiアプリに提供しています。
――下期の戦略と通期業績見込みをお聞かせください。また、株主還元についてどのようにお考えですか。
【河端社長】 上期、営業体制を支える営業戦略部を新設し、直営業、代理店営業部門が、新規・既存顧客へのアプローチをサポートするとともにサービス体制(PCアフィリエイト、モバイルアフィリエイトSEO事業、自社メディア)をもサポートするクロスセル戦略を推進していますが、下期はさらに独立していた営業開発部をPCアフィリエイト事業部に統合し、業務運営を効率化して営業生産性の向上、既存クライアントとの関係強化による新サービス拡販等高いレベルでの事業推進を実現したいと考えています。
通期業績は5月7日修正通り売上げ高8,050百万円(前期比4.5%増)、営業利益193百万円(同20.6%増)、経常利益191百万円(同17.8%増)で最終利益42百万円の黒字転換を予定しています。
――どうもありがとうございました。