
――2011年1月期は売上が減少見通しです。しかし、営業利益は大幅な増益です。見通しと背景をお願いします。
【須田社長】 今1月期の売上は18.4%減少の324億9000万円の見通しですが、営業利益は82.4%増の14億3000万円と急回復の見通しです。仕入から販売までの期間を短縮し、在庫を少なくして、経営効率の向上を図る効果です。
――主力は中古住宅の再生事業ですが、事業環境はいかがでしょうか。
【須田社長】 中古住宅再生事業は10年1月期では売上356億5200万円で全体の89.6%を占め、当社グループの主力事業です。09年1月期に比べると3.4%の減少です。しかし、販売戸数では3051戸と6.6%の増加です。雇用環境の悪化や個人所得の伸び悩みなどから、家計の見直しもあって、中古住宅に対する認識の変化が現れています。「借りる」よりは、「買って」住む、「新築」よりは割安な「中古」を購入する需要が増えています。
■低価格の「生活支援商品」をキャッチフレーズ!
――価格としてはいかがですか。また、営業地域などはいかがでしょうか。
【須田社長】 当社は北海道から九州まで人口10〜25万人の地方都市が地盤です。こうした地域が全体の売上の6割程度を占めています。価格としては庭付き、車庫つきで戸建てで平均1000万円程度です。今年は恐らく900万円程度になると見ています。仮に、30年ローンを組むと、月々の返済は3万円程度で、家賃の4,5万円に比べても有利です。これまで、家を持つことを考えたことのない方が購入されるケースが増えています。民間住宅の家賃との競争です。あるいは親が子供のために、出せる金額ということで現金で買われる方も2割程度あります。われわれは、低価格の「生活支援商品」をキャッチフレーズとして、感動、健康、安心の住宅をご提供するべく、日々改善を重ねております。
■大都会より地方都市が戦いやすい
――在庫を減らす、というお話です。この点について、詳しくお願いします。
【須田社長】 不動産価格が右肩上がりの時代なら長期に保有することはメリットがありました。路線価格が下落するような最近の状況では長期に持ってはリスクが大きすぎます。低金利時代といっても、銀行の不動産業界に対する貸し出しは金利も含めて非常にシビアです。当社は中古住宅を仕入れてリフォームして販売しますが、これまで、リフォームに完璧といえるほど、資金と手間をかけすぎていました。たとえば、中古の軽自動車に高級車のように、シートを革張りに張替え、ナビを装着していたようなものです。軽自動車にはそこまでのニーズはありません。庭、風呂などは当社でリフォームしますが、小さいところは手を加えない方向に変えています。もちろん、お客様には、その旨を正直に、はっきり伝えます。地方の都市ですと、自分達で修理する方も多くいらっしゃいます。こういう点でも、当社は大都会より地方都市が戦いやすいのです。
■在庫は140日程度。さらに、60日程度を目標!
――効果は。
【須田社長】 仕入から販売までの日数は、3,4年前までは280日程度でした。それだけ在庫が多く、業績を悪化させていました。お客様とのニーズからも離れていたのです。最近は1年で3回転、在庫は140日程度です。さらに、60日程度を目標にしています。
――今後も中古住宅を中心に展開されますか。
【須田社長】 そうです。生活支援企業として戦っていきます。中古住宅に特化して、全国一の企業としてやっていきます。特に、お客様に喜んで頂けること、社員、家族の方にこの会社に勤めていて良かったと言われる会社にすることが私の希望です。配当も早い時期にやれるように頑張ります。
――ありがとうございました。個人投資家のみなさんにビデオメッセージをお願いします。