
――このほど発表されました2009年12月期決算で、特に、営業利益の大幅増加が目を引きます。好調のいちばんの理由はどのようなことでしょうか。
【青山社長】 前12月期の営業利益は、期初においては10億200万円の予想でした。これを第2四半期の時点で11億円と修正、さらに実績では11億4100万円と08年12月期比で41.9%の伸びと好調でした。好調のいちばんの理由は、「セキュリティサービス事業」の黒字化です。
――それまでは赤字だった、ということですね。
【青山社長】 そうです。営業損益では、07年12月期で2億1100万円の赤字、08年12月期も2億8100万円の赤字でした。これが、09年12月期では5600万円の黒字となりました。08年12月期に比べ約3億4000万円の利益改善です。この効果が大変に大きいものでした。
――赤字だった理由はどのようなことですか。
【青山社長】 セキュリティサービスのグローバ展開を行うため、世界に通用する数社の電子認証局の一つである、「グローバルサイン社」を2006年10月に約18億円で取得しました。当社にとって、かつてない規模の大型投資で、年間の償却だけでも約3億円に達し収益を圧迫しました。この大型投資後において、セキュリティサービス事業が今回、初めて黒字となって利益に寄与するようになりました。
――セキュリテイサービスのグローバル展開という、お話です。海外の状況と売上についてお願いします。
【青山社長】 海外ではブラジルとアイスランドで有力販売代理店と契約したほか、政府系機関へのPDF文書署名用証明書for Adobe CDSの導入、大手企業へのEV SSLサーバ証明書等の導入も進みました。海外では既にサービス提供していましたが、日本においても独自構築のプライベート認証局にグローバルサインの信頼を付与する、「パブリックルート署名サービス」提供を開始しましました。こうした結果、地理的にもオセアニア、東南アジアなどにも拡大しています。セキュリティサービス事業の売上は07年12月期10億2400万円→08年12月期11億3700万円→09年12月期13億7700万円と着実に増加しています。代理店数では09年12月期末で、日本613社に対し、海外1391社です。SSLサーバ証明書の発行枚数でも海外の発行枚数が日本の発行枚数を上回っています。代理店数、証明書発行枚数においてもグローバル展開が順調に拡大しています。
――10年12月期のセキュリティサービス事業の売上と利益見通しはいかがですか。
【青山社長】 今期のセキュリティサービス事業の売上は21.2%増の16億6900万円、営業利益では1億800万円の見通しで黒字幅が拡大します。なお、セキュリティサービスのマーケットは欧州では年22%、アメリカで10%程度の伸びが続き今後も拡大の見通しです。これから期待できるアジアも年率13%の伸びで、特に、中国は30%の伸びとなっています。
――もうひとつの柱の「ホスティングサービス事業」の見通しはいかがですか。
【青山社長】 最近のデフレ傾向を映して低価格市場が伸びています。このため昨年春から低価格への準備を進め、10月に対応が完了しました。今期も、顧客層の裾野が広い低価格サービスを積極的に展開します。09年12月期のホスティングサービス事業の売上は61億6300万円(08年12月期60億1700万円)、営業利益10億8400万円(同10億9200万円)でした。同事業の今12月期は売上62億3300万円、営業利益11億5200万円と、売上、利益とも伸びる計画です。さらに、成長の見込まれるクラウドコンピューター分野への展開も開始します。マーケット規模が2015年には年間5000億円とも2兆円とも言われています。現在の1000億円程度(GMO−HS社推計)に対しマーケットの拡大が大いに期待されます。
――全体の業績見通しをお願いします。
【青山社長】 売上は10.9%増の84億2300万円の見通しです。伸び率は前期の5.7%を上回ります。営業利益で10.7%増の12億6300万円、当期純益10.2%増の6億7600万円の計画です。予想1株利益は5807円(前期5270円)です。
――前期に増配されました。配当に対する基本的なお考えは。
【青山社長】 連結配当性向35%以上を目安として株主さんへの利益還元を基本としています。前12月期は年250円増配して年1850円配当としました。今期も配当性向を基本に年2050円配当へ増配を予定しています。
――前期の営業利益率が15.0%(08年12月期11.2%)へ向上しました。今期及び今後はどのくらいが目標でしょうか。
【青山社長】 今期は固めの予想で営業利益率は横ばいの15.0%とみています。グローバル化に伴い、英語、フランス語、ドイツ語等の多言語化に力をいれているため販売経費を多めに見込んでいます。先行きということでは営業利益率25〜26%を目標としています。
――個人投資家の皆さんにビデオでメッセージをお願いします。