
今3月期は期初の予想を上方修正。株価330円前後はPER9倍台、PBR0.5倍台、配当利回り3.2%と投資魅力十分。菅原正弘社長へのインタビューを交え、投資相談形式で『プラマテルズの投資魅力』を探った。
<Q> どのような事業を手がけているのですか。また、特長はどのようなところですか。
<A> 合成樹脂(プラスチック)の商社です。とくに、エンプラと呼ばれる高機能樹脂及び高機能スチレン系樹脂の取り扱いが中心です。ユーザーと共に歩み、開発することを基本としています。需要先が多岐にわたり、しかも、業界のトップメーカーとの取引の多いことも特徴です。
<Q> プラスチックには、どのような特長がありますか。
<A> 素材には力を加えても、元に戻る弾力のあるものと、一度、力を加えると元の形に戻らないものがあります。後者の状態をギリシャ人が「Plastiks」と名付けたことから「プラスチック」という言葉になったといわれています。「電気を通し難い」、「錆びない」、「着色が自由にできる」、「軽い」、「加工性に優れている」などの特性があります。こうした優れた特性が注目され、多くの産業で使われています。とくに、先端産業分野において、なくてはならないものです。
<Q> 同社の需要先を、業界別で教えてください。
<A> 10年3月期・第2四半期では、「OA・事務機器」34%、「家電・電子」16%、「建材」9%、「メディカル」8%、「自動車」6%、「容器・化粧品」3%、「玩具・他」24%となっています。「OA・事務機器」、「家電・電子」を主体に幅広く各種業界をカバーしているのが特徴です。このため、不況に対する抵抗力があります。なお最近、落ち込みの大きかった自動車向けの比率は6%と小さく、業績への打撃も軽微だったといえます。
<Q> 100年に一度といわれた、世界的な不況の影響は避けられなかったとは思いますが、最近の状況はどうですか。
<A> この点については、菅原正弘社長へのインタビューでお答えします。菅原社長は、『四半期の業績推移では、09年1〜3月が一番悪い状態だった。以降、徐々に明るさが見られます。第2四半期決算の時点で10年3月期の利益を上方修正しました。これから、3月末に向けてマイナス面は特に見当たりません。とくに、強調したいことは、あの厳しい環境の中でも1年以上にわたってコゲつきが1円もないことです。また、中国中心に海外ビジネスが順調に花開いています。10年前には1〜2%程度だった海外比率は、現在では16〜17%にまで拡大しています。ベトナムのコンパウンド工場も順調に稼動しています』。
<Q> 取引先は多いと思います。にもかかわらず、コゲつきがないのは、どのような理由からですか。
<A> この点も菅原社長に答えていただきました。次の4点です。『(1)知らない世界には手を出しません。熟知している分野を愚直にやることが当社の伝統です。熟知している世界のことなら早目に手が打てます。(2)与信管理をきっちりやっています。(3)顧客に超優良企業が多い。(4)提案営業に強い。右から左へ汎用プラスチックを動かす取引ではなく、メーカーとのタイアップを基本とした、提案営業を武器としています。』ということです。
<Q> 10年3月期を上方修正したということですが、具体的な数字を聞かせてください。
<A> 連結業績に関し、第2四半期を発表した、昨年10月23日に売上高は当初予想46,000百万円を45,700百万円と下方修正しましたが、営業利益を当初予想の4億7500万円から5億3000万円、経常利益を4億3500万円から4億7500万円、当期純益を2億6000万円から2億9500万円へ、それぞれ上方修正です。予想1株利益は34.5円、配当は年11円(当初予想は年10円)の予定です。なお、10年3月期第3四半期における1株当り純資産は641.4円です。
<Q> 株価の見通しと投資スタンスを教えてください。
<A> 株価見通しは、当編集部によるものです。昨年来の高値は344円(09年8月)、同安値は250円(09年4月)です。高値と安値の開きは94円、小型銘柄としては値動きは小さく、比較的おとなしいものです。ただ、久々に活躍が期待できそうな動きとなっています。(1)300円を挟んだモミ合いが08年10月以降、1年4ヶ月が経過し、動きが煮詰まっています。(2)投資指標での割安が顕著です。PER9.6倍、配当利回り3.2%、PBR0.5倍です。最近は昨年来高値に接近となっていますので上放れの可能性は大きいとみられます。330円台は仕込み場といえるでしょう。