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2009年11月18日

『中国女性の美脚演出にチャレンジするアツギ』の根本達彦執行役員に聞く

■アツギの根本達彦執行役員に中国への取り組みを聞く

『中国女性の美脚演出にチャレンジするアツギ』の根本達彦執行役員に聞く 日本女性の脚を美しく包んで60年。ストッキング最大手のアツギ<3529>(東1)は、次は、中国女性の美脚演出にチャレンジする。中国に現地販売会社を設立、これまでの代理店販売に変えて自ら販売に乗り出す。昭和40年代初めに、『パンスト』を大ブレイクさせたアツギ。今度はマーケット規模が格段に大きい中国での大ブレイクを狙っている。同社の執行役員で経営企画室長兼管理本部管理統括兼不動産担当の根本達彦氏に、日本のストッキングの歩みを交えて、中国への取り組みを聞いた。

■パンティストッキングを日本でいち早く手がける

――今年の夏はレギンスというのでしょうか、スパッツというのでしょうか、女性のストッキングに新しい流れがあったようですが。

 【根本執行役員】 そうですね、これまでの薄手のプレーンのストッキングだけではなく、レギンスやタイツを着用された女性が多かったと思います。夏場にこうした厚手のストッキングを履く動きは、昨年くらいからありますが、洋服の多様化などがあるためだと思います。


――服装の多様化と、ストッキングは具体的にはどのような関係ですか。

 【根本執行役員】 企業での女性の服装に対する、かつてのイメージは、黒のスカートに白いブラウスだろうと思います。当然、薄手のプレーンのストッキングでした。ところが、最近は制服を着用する企業はだんだんと減って、受付などの一部の部署くらいになっています。最近はオフィスでの女性の服装は多様化しています。それに伴ってストッキングの着用も変わってきています。

――ストッキングのトップメーカーである御社の歩みは、日本の『ストッキング』の歩みだろうと思います。少し、ストッキングの歴史をお願いします。

 【根本執行役員】 当社は片倉工業の分工場として、この神奈川県海老名工場で落下傘のヒモ、捕鯨用ロープなどを手がけていました。昭和22年に創業者の堀禄助が厚木編織株式会社を設立、その後、昭和27年にシームレスストッキングとタイツの製造販売を始めました。当時、ストッキングの原料は絹でした。ところが、既に、アメリカでは太平洋戦争中に、ナイロンを原料としたストッキングが流行していました。日本では養蚕が活発でした。それに、油は戦争に使わなくてはいけなかったこともあって、油を原料としたストッキングは作れない、ということのようだったようです。

――昔の女優さんのストッキング姿は古い雑誌などで見ると、縫い目がありました。縫い目のないシームレスは御社が最初だったのですね。

 【根本執行役員】 そうです。しかし、昭和27年にシームレスストッキングを売り出しましたが、なかなか受け入れてもらえませんでした。そこで、昭和30年代に入って、女子高校生にシームレスストッキングをプレゼントしたり、シームレスコンテスト等の販促を行ったところ、これが当って、爆発的に伸びるきっかけとなりました。さらに、昭和40年代に、欧米で流行っていたパンティストッキングを日本で当社がいち早く手がけました。それまでは、ストッキングをガータベルトで留めていましたが、それがなくなったことで大ヒットにつながりました。

――覚えています。当時、御社の株式が、株式マーケットでの人気が非常に高かったことを。

 【根本執行役員】 昭和43年にパンティストッキングが大ブレイクした時は社会的にも話題を集めました。さらに、昭和54年にはナイロンにポリウレタンの糸を入れたフルサポーティストッキングを1足500円で売り出しました。ナイロン100%製は1足100円程度でしたから高級品です。その頃、OLさんの給料が上がっていましたし、しかも、丈夫で履き心地がよく、特に、それまでの製品ではヒザがぽっこり出ていたのがなくなったことで大変好評でした。お陰で、当社にとってはサポーティストッキングのシェアを一気に90%まで高めることができました。

■昨年から穴があいても広がらない『ノンランストッキング』を売り出す

――日本全体のストッキングの需要はピークで、どの程度だったのでしょうか。

 【根本執行役員】 1990年、91年頃で年間11億足程度まで行きました。人口1億2000万人のうち、女性6000万人、さらにストッキング着用者を3000〜4000万人として、1人当り年間30足程度だったとみています。

――現在はどの程度でしょう。

 【根本執行役員】 大体、年間で3億〜3億5000万足に落ちていると思います。ストッキング自体が強くなったこともあります。それに、先ほども申し上げたようにファッションの多様化です。オフィスでもGパンありの時代です。

――夏場のレギンスは、救いにもなったのではありませんか。

 【根本執行役員】 大いに貢献しました。レギンスの単価は、普通のストッキングに比べると高いため金額的には業績の下支えとなっています。たとえば、ファッションのアウターなどの商品は2ケタの減収でしたが、当社の9月中間(4〜9月)の売上は前年同期比4.0%減と、比較的落ち込みは小さいものでした。

――とはいえ、国内では少子高齢化など、需要は厳しいと推測されますが。

 【根本執行役員】 そうです、過去最高の11億足を期待することは、もう無理です。しかし、薄手のストッキングだけでなく、レギンス、柄パンスト、冬場のタイツなど需要は多様化していますので、こうしたニーズに対応した製品を積極的に提供して行きます。特に、当社は企画開発から糸の加工、製品まで一貫製造の強みがあります。最近では、昨年から『ノンランストッキング』を売り出しています。仮に、穴が開いても広がらないことで好評です。

■海外強化は中国中心に

――人口の多い中国市場はいかがですか。

 【根本執行役員】 今後、本格的に力を入れて行きます。昨年8月に上海に販売会社を設立しました。それまで、代理店経由で販売していましたが、自分達の手で販売します。

――マーケット規模は日本の比ではないのでは。

 【根本執行役員】 海外強化は中国中心と思っています。経済が発展していますし、体格も日本女性と近いため日本の仕様でやれます。まず、上海など沿海地区をターゲットに展開します。この地区には人口は4億人。うち女性が2億人、さらに1億人が着用するとして、年間1人2足と堅く見ても需要規模は5億足です。非常に大きいマーケットです。メイドインアツギの「アツギブランド」を定着させたいと思っています。

――かつての日本でのアツギブームを期待してよろしいでしょうか。

 【根本執行役員】 代金の回収などのノウハウ蓄積にもう少し時間をかけますが、必ず、「中国女性の足をアツギできれいにします」。投資家の皆さんには、もうしばらく、時間をいただきたいと思います。


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:55 | IRインタビュー
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