
■秋葉原のラオックスからグローバルな会社になる
――中期経営計画を、個人投資家に対し、ひとことで言えばどのような表現となりますか。
【羅社長】 『秋葉原のラオックスからグローバルな会社になる』、ということです。
――骨子は。
【羅社長】 ラオックスと蘇寧電器の持つネットワーク、人材資源、有力取引先、そして信用をバックボーンとして、共同で次なる成長に向けて邁進することです。特に、蘇寧電器という最大のインフラを活用して、低コストで広範囲にわたって、日本と中国をつなぐビジネスを繋ぐ「扉」となることです。定量的に申し上げれば、2013年3月期に売上約700億円(09年3月期予想100億円)、営業利益率で5%を目標としています。
――蘇寧電器について少しお願いします。
【羅社長】 今年8月に蘇寧電器はラオックスの筆頭株主となりました。蘇寧電器は中国最大の家電量販店です。36個の地域営業エリアにおいて、全国193の都市で885店を展開しています。従業員数は約12万人、1人民元=13.5円で計算した売上は08年で約6737億円です。年率で大体20%の成長を続けています。特に、強調される点は中国全土をカバーする物流網を持ち、中国小売ではナンバーワンです。このネットワークを活用することで、ラオックスの中国ビジネスの飛躍が望めるのです。
――中国出店はどのような計画ですか。
【羅社長】 2つあります。ラオックスの『MUSICVOX』ブランドを中国で展開すること。もうひとつは、『Japanese Lifu Style』の店舗を展開することです。ミュージックは楽器です。日本の楽器は非常に人気の高いことがあります。北京または上海に出店し、その後、広州、深セン、南京などに2013年3月に10店舗を展開します。もう一方の、日本の流行生活雑貨店は大都市を中心に展開します。蘇寧電器の売り場は平均5000平方メートルですが、まだ、十分に売り場が活用されていません。日本の雑貨を加えることで品揃えを豊富にします。2013年に生活雑貨店を100店舗を目標としています。この結果、楽器と生活雑貨の合計で2013年3月期に110店舗、売上275億円が目標です。このほかに、貿易仲介事業にも力をいれます。
――貿易事業の展開は。
【羅社長】 3つあります。(1)日本の優良商品を中国に提供すること、(2)蘇寧電器との共同開発商品を日本市場で展開する、(3)中国市場へ展開を望む日本企業・商品への仲介サービスの提供、です。3年後で貿易事業の売上は150億円程度を見込んでいます。
――根拠は。
【羅社長】 蘇寧電器の2011年度予想売上1兆1691億円(光大証券アナリストの予測)に対し1〜2%の商品販売・供給を担う、ということです。控えめにみています。
――ラオックスの国内はいかがですか。
【羅社長】 秋葉原に5店舗あります。去る10月30日に本店をリニューアルオープンしました。免税品など充実した品揃えで改装前に比べ約30%アップしています。秋葉原の地域優位性を活かして観光客の獲得、蘇寧電器との提携強化により、3年後の国内売上は120億円(10年3月期80億円)の見通しです。
――3年間の必要資金は。
【羅社長】 3年間で約83億円です。2011年3月期の資金については今年11月16日契約締結の交通銀行からのクレジットライン15億円で対応します。前期まで8期連続の赤字が続きましたが、来期には黒字転換の見通しです。