
■会長に本庄八郎氏、社長に本庄大介氏の新体制で「新創業期」
――トップ人事の交代を決められた理由は。
【本庄会長】 世代交代です。社員の平均年齢31歳に対し、特に、役員の平均年齢が60歳と高かったので、ここの若返りをはかりました。新社長は40歳代、副社長も50歳代です。これからの伊藤園を引っ張って行くには若い人の発想が大切です。
――どのような位置づけですか。
【本庄会長】 「新創業期」という位置づけです。「おーいお茶」のブランドを売り出して、今年で20周年のフシ目です。新たな気持ちで取り組んで行きます。
――売上推移を見ますと、1990年に500億円台、2001年に2000億円台、2007年に3000億円台です。今後、どのような売上を計画されていますか。
【本庄会長】 2012年4月期に連結ベースで売上高5000億円(09年4月期は3328億4700万円)の計画です。この時点でROA(総資産利益率)10%、1株利益は普通株式で160円、優先株式で175円、配当性向も40%を目指しています。
■得意の「お茶」に2大マーケットのコーヒーと炭酸飲料に本格展開
――どの商品で成長展開を見込んでいますか。
【本庄会長】 かつて、ニッチだったお茶の市場において、自分たちの手で「おーいお茶」を開発し成長してきました。これからは、大きい市場として定着している「コーヒー市場」と「炭酸飲料市場」に本格的に取り組んで行きます。一方で国内、海外の販路をさらに強化します。
――飲料業界は競争が厳しくなっています。御社の得意な茶系に集中するほうがよいのでは。
【本庄会長】 それはしません。自分たちの強いカテゴリーに閉じこもるつもりはまったくありません。『攻撃することこそ強くなる』、これが当社の一貫した経営の基本姿勢です。新社長とともに必ずやり遂げる、強い意志で取り組んで行きます。