
中計 2010年4月期に売上高110億円へ
ラクーン<3031>(東マ)は、アパレル、雑貨、アクセサリーなどのBtoB電子商取引サイトを運営している。
このほど開設した新サイト『バイヤーズナビ』について、また、今期業績や中期経営計画の進捗状況について、今野 智 副社長に聞いた。
新サイト『バイヤーズナビ』開設
話題の人気商品をタイムリーに取引
――9月16日に、新サイト『バイヤーズナビ』(Buyers Navi)を開設しましたね。

現行のサイト『オンライン激安問屋』は10月末をメドに終了します。黒字ではあったのですが、倉庫を維持する固定費、在庫品管理、商品の調達などに、コストがかかることや、需要との時間差があることなど、課題も多かったのです。
新サイト『バイヤーズナビ』は、倉庫・検品・調達などが不要であり、これらについての固定費がかかりません。また、ビジネスモデル上、売上規模を大きく伸ばす可能性が見込まれます。
――出展社をメーカーではなく問屋とした理由は。
今野副社長 アイテム数を豊富に揃えることができるためです。また、その時、話題の商品、流行の商品をいち早く出品できるからです。
出展社は少数精鋭で20〜30社規模を想定しています。公募はせず、激安問屋からの移管も含め、当社から、厳選した対象企業様へお声がけしています。
初年度売上は激安問屋からの移行も合わせて、5億円を予定しています。足元はサイトの移行・立ち上げにともない、売上高が減少すると見ていますが、先述の固定費が減りますから、収益全体は維持拡大を見込んでいます。
従来からの継続サイト『スーパーデリバリー』は、引き続き、出展社はメーカーとし、住み分けを図っていきます。
2008〜2010年4月期中期経営計画は
想定どおり順調に推移
――2009年4月期業績予想は、売上高80億円(前年比45.4%増)、営業利益2億円(前年は1億5800万円の損失計上)、経常利益2億円(同1億5800万円の損失計上)、純利益1億7000万円(同1億6000万円の損失計上)。2006年に発表した2008〜2010年4月期の中期経営計画で出した数字より、一部下方修正となっていますが。
今野副社長 出展企業獲得が計画より少し遅れたことを反映させたものです。出展企業の質を重視し、絞り込んでいること、退会社数が予想より出ているためです。掲載商品数は順調に推移しています。
また、売上高は当初目標値を据え置いています。
――全体では想定どおりということでしょうか?
今野副社長 今後の景気・消費動向の影響が出てくるのではないかとの懸念材料はありますが、2008年4月期末で完全黒字転換するなど、足元は堅調に推移しています。従来の、取引高に連動する料金体系から、毎月固定収入が入るビジネスモデルに転換し、多少の売上変動に耐えられるようになったことも、業績を下支えしています。
現在の月会費収入は1800万〜1900万円。さらに、基本料金と、取引額の10%が入ります。固定費も回収でき、収益面も安定してきました。
中計の目標値は、2010年4月期で、売上高110億円、経常利益6億5000万円、純利益6億4500万円です。ほぼ中期経営計画の想定どおり、順調に推移しています。
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