株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

[IRインタビュー]の記事一覧
  (ブログ内の記事検索は右サイドバーの検索窓から)

記事一覧 (12/14)【インタビュー】アイビーシーの加藤裕之社長に強みや今後の成長戦略を聞く
記事一覧 (11/16)【近況リポート】日本エンタープライズの子会社で電子商取引サービス『いなせり』
記事一覧 (09/16)【翻訳センターの東社長にインタビュー】上場来初!1Q業績上振れで通期予想を上方修正
記事一覧 (08/31)ファンデリーの代表取締役阿部公祐氏に近況と今後の見通しを聞く
記事一覧 (07/20)イワキの岩城慶太郎副社長に聞く
記事一覧 (07/15)ヨシムラ・フード・ホールディングスの吉村元久社長に聞く
記事一覧 (06/20)メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に事業の特徴と展望を聞く
記事一覧 (03/18)ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く
記事一覧 (11/05)翻訳センターの東郁男代表取締役社長に今後の戦略を聞く
記事一覧 (11/05)アンジェス MGの山田 英社長に聞く
記事一覧 (09/09)CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く
記事一覧 (07/29)JPホールディングスの荻田和宏社長に経営への取組みを聞く
記事一覧 (07/26)セキドの関戸正美社長にインバウンド需要取り込みを聞く
記事一覧 (05/30)ヒューマンウェブの吉田e則社長に展望を聞く
記事一覧 (02/20)【社長インタビュー】ジオネクストの足利恵吾社長に聞く
記事一覧 (11/18)アルコニックスの代表取締役社長正木英逸氏が現況と今後の取組について語る
記事一覧 (09/12)【インタビュー】京写の児嶋一登社長に聞く、徹底した製造の自動化で収益力が急向上
記事一覧 (09/11)トレックス・セミコンダクターはアナログ電源ICのリーディングカンパニー、小型低消費電力で業界をリード
記事一覧 (09/09)イーグランドの代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望を聞く
記事一覧 (07/22)ミロク情報サービス:第3次中期経営計画について代表取締役社長是枝周樹氏に聞く
2016年12月14日

【インタビュー】アイビーシーの加藤裕之社長に強みや今後の成長戦略を聞く

■ネットワークシステム性能監視ツールのリーディングカンパニー

 アイビーシー<3920>(東1部)は、ネットワーク機器・システムの稼働状況や障害発生の予兆などを監視して、情報通信ネットワークシステム全体の性能状態を容易に可視化できるネットワークシステム性能監視ツール(ソフトウェア)のリーディングカンパニーである。2016年10月16日に、創立15周年を迎え、11月28日には東証マザーズ上場から1年2ヶ月の速さで東証1部に市場変更した。同社の強みや今後の成長戦略を加藤裕之社長に聞いた。

ibcs1.jpg

――先ず、会社を設立された時の思いをお聞かせください

 【加藤社長】 私が当社を設立した2002年頃はソフトバンクがブロードバンドルーターを無料で配っていました。ちょうどブロードバンドという言葉が出てきたタイミングでした。私はLAN機器メーカーに8年7ヶ月おりましたので、そこでLAN機器の変遷を見てきました。その頃はメインフレームのダウンサイジングというのが大前提にあり、パソコンとメインフレームをつなぐとか、UNIXとパソコンを繋ぐみたいな世界です。ウインドウズ95が出て以来、インターネットプロトコルがバンドルされて、バンドルされたものがパソコンの価格の下落とともに、インターネットのブラウザーの普及に伴ってどんどん普及してくる。そのようなLAN機器の普及を長年見てきました。

 そのような中で、じゃあ何をやろうかと言ったときに、マルチベンダー構成の機器を可視化するというか、性能情報とか、ルーターの入口や出口はどうなっているのかとか、ちゃんと帯域が確保されているのかどうか。それが早い遅いとかという話もあるので、ブロードバンドみたいなものが出てくると、インフラ基盤が変わるだろう、性能状態を可視化できないとサイジングもできないし、構築・設計・運用もできないのではないかと感じました。

 そのような時代背景があったので、ネットワークインフラ全体を俯瞰できる仕組を持ち、情報を把握することができる会社が生き残れるのではないかと感じていた。そこで最初はマルチベンダーの分析・解析・コンサルティングのサービスから始めました。アイビーシーという社名はインターネットワーキング・アンド・ブロードバンド・コンサルティングの頭文字をとって「IBC」としています。インターネット周りの仕事とブロードバンドのコンサルティングができると面白いねという感じです。そこのデータを把握するのが当社の最初の動きでした。

――そういう所からスタートして今年で15年目。その間に会社は大きく変化したと思いますが、そのあたりはどう見ていますか?

 【加藤社長】 最初は商売がうまくいきませんでしたが、ネットワークインフラのメジャーな製品を誰でも簡単に可視化できる仕組みにするためにテンプレート化していきました。自社開発でツールを作り現在では108メーカーに対応しています。サーバーやネットワークセキュリティー、配電盤など、さまざまなIP化されたものを可視化する。そういった機器だとか、ソフトウェアなどを私たちは徹底的に検証して、ネットワーク系を全部押さえる、マルチベンダー対応で機種特性がわかるという点で、当初の目的通りの会社になりました。最初と異なる所はプロダクトメーカーの顔が大きくなったという点です。

 それで良かったと思います。顧客に当社のツールを置いてきて、その中で蓄積したデータを分析・解析していくと、マルチベンダーの性能情報が把握できて、実際の機器で検証させてもらったものを製品に反映していくことができます。そして顧客データや業種別データというのを、インフラの視点で見る仕組みが出来上がりました。

 考えていたネットワークインフラ系の情報を全部把握するという意味で言うと、それなりのノウハウは蓄積できています。自社開発の製品に現在108メーカーのものは全て踏襲されていて、当社にはマルチベンダー環境をいじり倒したエンジニアがいます。そのようなノウハウを持っている会社は多分当社以外に世界中探しても見つからないかも知れません。

 そうしたデータを可視化するツールをリリースして足掛け15年になります。そうすると次は情報コンテンツをどう使うかによって、パートナーやエンドユーザーとの付き合い方も変わってくる。それで変えたいと思って昨年東証マザーズに上場しました。

――そうすると株式公開されて、ここまでは会社としての創業からようやく形になったという思いでしょうか、あるいはもうそこそこできあがったという思いでしょうか?


 【加藤社長】 15年経過して株式公開してもまだまだ創業と変わりません。これからだと思っています。今後SaaSやクラウドみたいな世界になると、オンプレミスの世界とクラウドの世界を両方で見て行かなければなりません。併せて俯瞰できる仕組みが必要になると思います。そういう世界で私たちの活躍の場はもっと広がると思います。

 第4期目から新卒採用を行っていますが、その人達も育ってきて亀の歩みでやってきました。これからは大手メーカーがやらない領域とか、まだまだこれからいける領域もあると思います。製品のブラッシュアップをもっとしていければ、次の領域が見えてくる可能性はあると思います。

――将来の成長に向けてまだまだ初期の段階だということですね。

 【加藤社長】 IoTという言葉が流行っていますが、実際インターネットに繋がるものって当たり前に全てがIPなんですね。そういう意味で言うとIP化されたもので何か見る仕組みがあれば当社は可視化できます。最近だと2016年4月、アットマークテクノ社とIoTを活用した製造ラインの統合管理ソリューションで協業しました。アットマークテクノ社のIoTゲートウェイと連携し、より統合的な状態・性能監視を提供します。インターネットに繋がるプロトコルを持っているもので、可視化可能な仕組みがあれば当社は何でもできてしまいます。ツールにも反映できます。あとは統計分析とか自動分析みたいな話になると、AIと協業し、そういうファンクションを入れてしまえば当社が蓄積したデータの分析も可能になります。マルチベンダーを可視化してネットにつながるものを全て俯瞰できるようになると広がる領域はたくさんあります。

 広げ方はエンドユーザーの母数が増えたり、見る仕組みの精度が上がったり、分析・解析能力が上がったり、さまざまな業種に特化して可視化したりとか。そういうチャンスがあると、そこに性能情報なりデータ活用なり、データ分析ノウハウだったりの使い道はあります。今は漠然とネットワークインフラとかサーバーのことを話していますが、いろいろと組み合わせがあると思います。

――そうすると貴社にはまだまだビジネス拡大余地があるということですね。それなりの先行投資も必要になりますね。

 【加藤社長】 当社は「マルチベンダー」がキーワードです。社員に求めるのもマルチベンダー対応です。サーバーだけでも、ネットワークだけでも、シスコだけ知っている人でもだめです。エンジニアも営業も顧客の全体セキュリティを含めた課題を抽出しなければなりません。領域を広く・深く知らなければなりません。ツールを有効活用するための情報を、顧客からどの様に収集して、どう顧客のために提供できるかという視点で語らなければなりません。プロダクトがいいから購入してくださいでは当社の営業はできません。そのための人材教育には時間を要します。

 またステージが変わると、インフラが変わり、サービス基盤が変わってきます。営業の課題も変わってきます。そういう領域で人の採用を強化しなければなりません。新しい領域へのチャレンジに向けた人材の採用も必要です。派生ビジネスやパートナー戦略でも、ソリューションを展開できなくては自社の強みを活かす仕組みもぼやけてしまいます。そういうものを行う体制だったり、サービス機能だったり、サポート体制だったり、既存顧客のアップセルも含めて体制を築かないと、顧客企業との長いお付合いができません。そして後は、付加価値ですね。そういう意味で今年は人材採用・教育の面で積極的に先行投資したいと思っています。

――それで今期(2017年9月期)の業績見通しは先行投資負担で減益予想となったのですね。

 【加藤社長】 そうです。ただし増収基調に変化はありません。トップライン(売上高)の成長を維持しつつ、中期成長に向けて人材採用、本社オフィス増床、新製品開発に係る動作検証環境整備のためのシステム導入など、積極的な先行投資を実施するため、今期は一時的な減益を見込んでいます。また売上、利益ともコンサバに見た数字を公表しています。現状のソリューション、当社の持っている実物のプロダクトとサービスの基盤だけで今期業績予想を出していますが、何かストレッチできる面白いネタが出た瞬間に変わる可能性もあります。

――中期的な成長戦略としてサービス領域拡大を掲げていらっしゃいますが、今後のビジネス展開の中で、監視ツールのライセンス販売からシステム全体の構築・運用まで広がっていくのかどうか、その戦略をお聞きかせください。

 【加藤社長】 当社はシステム全体の構築・運用を丸受けする形になるとは思っていません。ただしマルチベンダーを可視化し、そのような基盤を情報化して握っているならば、いろんな可能性があります。したがってサービス領域を広げていきたいと考えています。

 最近ではハイブリッド型クラウド系の案件が大手企業で増えています。自治体もハイブリッドクラウドみたいな感じでサービス機能を立ち上げたりしています。そういう所にツールのチャンスや、ノウハウのチャンスがあります。データセンターとかサービスプロバイダー系でも、当社がやっている領域の付加価値をつけなければならない時代になってきています。当社のツールを活用して月額課金サービスを増やしていくようなことも考えられます。

 また新領域としてクラウド系インテグレーションを立ち上げます。11月に特化型クラウドインテグレーションサービス「SCI」の提供開始を発表しました。ハイブリッド型クラウド全体を可視化したり、仮想系の所を可視化したりするノウハウがあるので、エビデンスを持って提案できる状況になります。そうするとクラウドインテグレーションのニーズも当然増えてくると思います。さらに将来的にはAI領域でもビジネスチャンスがあるのではと思っています。

――最後に、株主還元を含めて投資家に一言お願いいたします。

 【加藤社長】 当社の事業ドメインであるIP全体を可視化できる会社は他に例がなく、簡単に他社には真似ができません。参入障壁は高いと思います。大企業相手のBtoBビジネスで地味な会社ですが、長い目で見て堅実に成長する会社として評価いただければと思っています。また東証1部に市場変更したこともあり、株主還元策を考えていかなければならないと思っておりますが、今期は始まったばかりなので、半期の状況を見たうえで考えたいと思っています。

――ありがとうございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:00 | IRインタビュー
2016年11月16日

【近況リポート】日本エンタープライズの子会社で電子商取引サービス『いなせり』

■プロダクトマネージャー寺尾悠氏とチーフフィッシュオフィサー松井良輔氏に聞く

 日本エンタープライズ<4829>(東1)の子会社いなせりは、当初の計画では、11月に電子商取引サービス『いなせり』をスタートする予定であったが、豊洲移転が延期されたことから、状況が変わってきている。そこで、現況を教えてもらうために、「いなせり」のプロダクトマネージャー寺尾悠氏とチーフフィッシュオフィサー松井良輔氏にインタビューを行った。「写真=プロダクトマネージャー寺尾悠氏(左)、チーフフィッシュオフィサー松井良輔氏(右)」

ina11.jpg

――豊洲移転が延期されたので、「いなせり」の開始時期も大幅に遅れるのかな、とこちらで勝手な推測をしていたのですが、御社に問い合わせたところ、ほぼ計画通りにスタートするということでしたので、取材しようということになったわけです。

 当初は、豊洲移転が11月の計画でしたので、その後に「いなせり」をスタートする予定でした。ところが移転が11月ではなくなりましたので、築地でサービスをスタートさせるということで、仲卸業者様とも近々スタートできるよう段取りをしています。サービス日が確定次第、改めてWEBサイト等でお知らせいたします。

――豊洲移転延期で、仲卸業者様も戸惑っていらっしゃるだろうと思いますが。

 周りは騒いでいますが、仲卸業者の人達はいつも通りに毎日仕事をしていらっしゃいます。仲卸業者様にとっても「いなせり」は販路拡大のツールになりますので、そういう意味では、大変好感を持っていただいていると感じています。

――分かりました、では、初めに「いなせり」のビジネスモデルについて教えていただけますか。

 「いなせり」は、インターネット上のマーケットプレイスという水産物の
売買の場を提供することになります。買い手は、飲食事業者様でございます。寿司屋をはじめとした飲食事業者様です。これらの飲食事業者様がインターネット上で、「いなせり」を見て、商品を購入する。では、誰が商品を出品するのかというと、市場にいらっしゃる仲卸業者様です。500から600いる仲卸業者様が参加して、それぞれが得意とする商品をインターネット上の「いなせり」に出品するという形になります。我々はあくまで、その取引の場を提供します。周辺のサービスでは、決済周りとして、ソニーペイメントサービス株式会社様とアライアンスを結んでいます。集荷、物流周りは、地域毎に最適な物流会社様に振り分けていく形となっています。築地で、生鮮食品を扱っていますので、飲食事業者様には、その日に品物が届くということをサービスの肝としております。そういう意味から、サービスはまずは関東エリアからスタートすることになります。

――午前2時が注文の締め切り時間ということですが、少し早いのではと思ったのですが。これは、市場関係者の方々から見れば、普通のお時間という感覚でよろしいのでしょうか。

 そうですね、ちょうどセリが始まる時間で、物が並びだす時間です。それまでに注文が来ていれば、それを基に仕入れられるので、仲卸業者様も在庫リスクの軽減となります。

――なるほど、そうですね。

 飲食事業者様から見ても、深夜まで営業されていたり、片付けが終わった後で注文するというのはメリットがあるのかなと思っています。午前2時が締め切り時間というのは、買方からもタイミングの良い時間といえます。

――仲卸業者様は何社ほど参加されるのでしょうか。

 前回8月に説明会を行ったのですが、100社ほどは参加されました。次は今月11月に行う予定ですが、同じ数の仲卸業者様がお集まりいただけると見込んでいます。参加を表明されている仲卸業者様は1社、2社ではありませんので、十分な商品が揃うだけの仲卸業者様がスタート時から参加されると見ています。

――これまでの顧客というと、築地まで買い付けに出かけてこられましたが、それ以外の方も御社のツールを使って、仕入れることが出来ますね。

 我々は、仲卸業者様に「いなせり」を使っていただくうえで、月額費用は全く徴収しません。売れれば手数料を一部いただくというビジネスモデルになっています。つまり、仲卸業者様からしても、サイトにアップ(出品)するのは無料ですので、売れるまでは、費用は発生しません。仲卸業者様にとっては、売れるというチャンスしかありません。売掛についても、アライアンス企業によって保証しますので、新規の顧客の与信を気にする必要もありません。そのため回収リスクもありません。

――新規の顧客という話が出ましたが、現在、築地市場の取引高は少なくなっていますね。

 はい、そうです。そのため、仲卸業者様の中でも、何とかして新規の取引を増やしていかなければならないと意識していらっしゃる人達は多いといえます。

――では、最も大切な、「いなせり」のシステム自体は既に完成しているのでしょうか。

 ほぼ完成しています。こちらが買う側(飲食事業者様)が見る画面です(タブレットを見せてもらう)。

――きれいに見えていますね。

 こういった形で出品していただきます。写真の下に仲卸業者様が説明文を入れたりします。項目も、天然、養殖といったり、出荷時の温度帯であったり、刺身用であったり、煮つけ用であったり、色んな用途から絞り込むことが出来ます。

――では、もうすぐスタートするのですか。

 「いなせり」の開始時期については、現在、築地の仲卸業者様が所属する東京魚市場卸協同組合様と協議しています。先ほど申し上げたとおり、豊洲移転延期を受け、築地でサービスをスタートさせるべく粛々と準備を進めておりますので、同組合様のご承認をいただき次第、早々に開始したいと考えております。

ina12.jpg

――正月を控えて、スタート時期としては絶好の時機ですね。

 商品は、本当に良いものが揃うと思っています。「いなせり」のサイトは誰でも見ることが出来ます。ただ、買う際には、会員登録をしていただくことになります。競合他社の場合は、会員登録しないと、商品を見ることが出来ないということがありますが、当社の場合は商品が良ければ買ってもらおうと思っていますので、誰でも見ることが出来るようにしています。

――そうすると、まずは関東圏ということですが、サイト自体は全国で見ることが出来るということですから、販売エリアも全国規模になる可能性もありますね。

 そうですが、現在、登録は関東の方に限られています。商品の閲覧は、全国どこでも、海外でもできます。

――全国から問い合わせが多くなると。

 そうなりますと、早急に全国に対応していくことになります。

――システムの特徴といったらどのようなところがありますか。

 現在、全国でお魚をネット販売していらっしゃる業者様は沢山いらっしゃいます。しかし、1社でしか販売しないので、その会社が持っている種類しか販売できません。ところが、飲食事業者様にとっては、もっと他の種類も欲しいということになります。「いなせり」には、いろんな仲卸業者様が出品していますので、同じサバでも何十種類、何十社が出していますので、マッチングがうまくいくというところが最大の特徴です。

――それだけ種類が多いと、「いなせり」のサイトにアップするのに人手と時間が掛かるのではないでしょうか。

 商品の登録は、仲卸業者の方が、スマホを使って、簡単にアップでき、時間がかからないよう配慮しています。

――飲食事業者様の登録はまだ始まっていないのですね。

 いえ、すでに事前登録という形で開始しています。予想以上に登録していただいています。プロモーションをかけていないのに、多くの方々からのお問い合わせがあります。なかなか築地へ行けない関東の方も多く、そういう方々に買っていただければ長いお付き合いが出来るのではないかと思っています。

――本日は長い時間お付き合いいただき、有難うございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:59 | IRインタビュー
2016年09月16日

【翻訳センターの東社長にインタビュー】上場来初!1Q業績上振れで通期予想を上方修正

■実績が裏付ける経営者の確信と成長力の源泉――東郁男社長に聞く

 翻訳センター<2483>(JQS)は、産業翻訳を主軸に幅広い分野を対象に、外国語ビジネスで総合サプライヤーとして、約4,400社を対象にサービス提供し、売上高アジアNo.1に位置する。
 同社は、第三次中期経営計画に取り組む中で、今期業績は過去最高業績連続更新を目指す通期予想を、第1四半期で上方修正した。同社の成長力が注目される。
 「ニーズを求め意識的にアプローチし、サービスを具現化してきた歴史と体質が当社にはある。」と、静かに語る東社長の言葉に、実績が裏付ける経営者の確信と同社の成長力の源泉をみた。

hc11.jpg

――好調なスタートとなりました。印象に残ったことについて

 【東社長】 第1四半期は、翻訳事業が医薬、特許を中心に順調に推移したのに加え、コンベンション事業が大型国際会議の運営により売上、利益ともに好調だったため、上場来初めて、第1四半期での通期業績予想の上方修正を行う結果となった。
 通常、上期、特に第1四半期は顧客企業の静かな始動に連動しがちで、当社業績は下期に偏る傾向にあるが、コンベンション事業の実績がプラス効果となり、例年以上に好スタートをきることができたと考えている。

■コンベンション事業:相次ぐ案件で実績・自信積み定着図る

 【東社長】 コンベンション事業に関しては営業努力を継続させて底固めできたと考えている。今期は「国際外科学会世界総会」をはじめ開催案件の多い年であり、特にこの第1四半期は受注案件の一部で予想以上に実績が上ブレた。大規模な国際会議をスムーズに運営できたことは、次への自信となったので、今後続く予定案件を順次成功させ、さらに次の受注へと連鎖的に繋ぎ定着させたい。

■「お客様に何が一番いいのか」営業担当が意識してきた

――進行中の三次中計の狙いが浸透し、早くも成果が見られると聞きました。

 【東社長】 三次中計には中核となる3つの施策がある。その一つ、翻訳事業での「分野特化戦略」への取り組みが順調だ。従来の「拠点別」営業展開から、同じ分野であれば全国的に展開する戦略に変え、統一した戦略、施策を実施するよう転換したが、医薬分野での案件で、東京で成功したノウハウを大阪で提案したところ複数件の成果が出るなど、具体的な効果が出はじめている。
 仕組みの変更は大仕事だ。営業担当はそれぞれ目標を持ち達成意欲が強いので多少の軋轢は覚悟したが、各営業部長が先頭に立って施策を推進した成果であり、「お客様にとって何が一番いいのかを考える」ことを各営業担当が意識しはじめたことの表れだと理解している。

■関連サービスのトータル提供、それが威力!「グループシナジーが出てきた」

 【東社長】 「グループシナジー」については、翻訳、通訳と派遣の各事業が共同して顧客対応し、受注のない企業・部署からの受注、少量受注企業から受注量のボリュームアップなど、シナジー効果が出ており、いい傾向にある。2012年にISSがグループに加わり、翻訳だけでなく派遣、通訳、コンベンションなどの外国語に関するサービスをトータルで提供できるようになったことが成果として大きく表れているのだと思う。

――会社全体が違和感なく一体化した。要因はどこにあると考えますか?

 【東社長】 医薬分野の専門翻訳会社としてスタートして以来、顧客ニーズを求めた取り組みを進め、工業分野にニーズがあれば工業も展開し、工業や医薬それぞれの業界で特許に関連するニーズがあれば特許にも参入、さらに金融業界にニーズがあるとわかれば金融分野も展開するなど、ニーズを求めて意識的にアプローチし、サービスを具現化してきた歴史と体質が当社にはある。
 また、通訳事業で長い歴史とブランドを持つISSとタイミングよく出会ったことで、事業を多角的に展開する転期になったと考えている。

■経営環境は当社にとってプラスだ

――世界的な経営環境の不透明感があります。貴社にとってプラスかマイナスか?

 【東社長】 全体的にはプラスとみている。リーマンショックの時は、金融分野が直撃を受け、景気に左右されにくい医薬など他分野でカバーし、事業の多角的展開よるメリットを享受した経験がある。経営者としては、業務効率、生産性の向上を図ることが基本だ。同時に、労働集約型の当社にとっては、売上増に耐えられる組織の構築が必要だ。

――環境をプラスにみている理由は

 【東社長】 海外から日本への輸入、逆に日本から海外への輸出、その両面で翻訳、通訳のニーズは存在するからだ。昨今旺盛なインバウンド需要もプラス要因といえよう。

■確定受託が続き今期業績アップに期待拡がる

――最後に、今後を占うトピックスを聞かせてください

 【東社長】 期待できる案件が進んでいる。コンベンション事業では秋に「国際外科学会世界総会」という大きな国際会議が控えており、翻訳事業では工業・ローカライゼーション分野でIT系大手メーカーから大型案件の受注が確定しているほか、昨年8月に業務提携したユースエンジニアリング社との共同営業でマニュアルの多言語翻訳を一括受注している。

――有難うございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:57 | IRインタビュー
2016年08月31日

ファンデリーの代表取締役阿部公祐氏に近況と今後の見通しを聞く

 健康食宅配サービスのファンデリー<3137>(東マ)は、15年6月に上場した企業で、ビジネスモデルがユニークであり、社会貢献度が非常に高いことから、注目を浴びている。そこで、近況と今後の見通しについて、語ってもらった。

fande1.jpg

――創業される以前はどこにいらっしゃったのですか。

 【阿部代表】 保険会社にいまして、損害保険の代理店設置を提案する仕事をしていました。

――その中で健康の大切さを考えて、起業されたのですか。

 【阿部代表】 保険会社の仕事とは直接的には結び付いていないのですが、社会問題を解決していくことをやりたいと考えていました。その中で、生活の基本である衣食住のうち、「食」で社会貢献につながる健康食の宅配サービスを始めました。
私は、社会に貢献するということに対して、小さい時から意識が高かったと思います。また、チャレンジすることが好きでしたので、新しいビジネスモデルを考えて、多くの人たちに喜んでもらえたらよいなと思っていました。60歳になっても、70歳になっても元気に働ける健康な人が増えたら、豊かな社会になると考えました。
保険会社で営業を担当している時に、多くの経営者の方にお会いしました。皆、目が輝いていて、常に前向きで、経営という世界に魅かれたのも起業につながりました。

――昨今の健康意識の高まりや少子高齢化を考えますと、ある意味では時代の流れに即した、非常に将来性のあるビジネスと思われますね。そこでお聞きしたいのは、御社のビジネスモデルです。

 【阿部代表】 MFD(メディカルフードデリバリー)事業とマ――ケティング事業という2つの事業を展開しています。MFD事業は健康食通販カタログ『ミールタイム』『ミールタイム ファーマ』および健康食通販サイト「ミールタイムネット」を通じた、健康食の宅配事業です。マーケティング事業は前述のカタログ誌面の広告枠販売やサンプリング等の業務受託、健康食レシピサイトの運営を行っています。
MFD事業は、2004年に健康食通販カタログ『ミールタイム』を創刊し、全国の医療機関や調剤薬局など、約18,000か所の紹介ネットワークを、10年かけて構築しました。この紹介ネットワークを通じて、生活習慣病の患者様や食事制限が必要な方々に、管理栄養士が開発した健康食をご紹介しています。また、当社のオペレーターは全員、栄養士か管理栄養士ですので、健康食のご注文の際に必ず、お客様の血液検査数値や食事制限数値をお伺いし、お客様一人ひとりに合わせたメニューをご提案させていただく、カウンセリングサービスに注力しています。
もう一つのマーケティング事業は、食品メーカー等のマーケティング活動を支援するビジネスです。
大きく分けて3つありまして、一つ目は、カタログ誌面の広告枠販売です。カタログ『ミールタイム』および『ミールタイム ファーマ』を手に取る方の多くは、 医療機関に通われている患者様です。これらの方々は、食品メーカー等の販売する健康志向商品の顧客層と合致しますので、顧客に直接訴求できる有用な媒体です。
二つ目はサンプリング等の業務受託です。『ミールタイム』を無料で配布いただいている全国の医療機関を中心とした紹介ネットワークを活用して、食品メーカー等のサンプリング業務を受託しています。医師、栄養士の方からリコメンドされるため、効果的なマーケティングが可能となります。
三つ目は、健康食レシピサイトの運営です。食品メーカー等の商品を使用して、エネルギーや塩分等に配慮した健康食レシピを作成し、レシピサイト『はちまるレシピ』にて紹介するサービスを提供しております。
レシピは、当社の紹介ネットワークで活躍されている管理栄養士の方に考案いただいており、食事療法をされている生活習慣病患者様でも安心してお召し上がりいただけます。
これら2つの事業を合わせ、当社の経常利益率は3年連続で16%となっています。その理由は、『ミールタイム』および『ミールタイム ファーマ』カタログの制作費用を、マーケティング事業で獲得した広告料で賄い、かつ、制作したカタログを、紹介ネットワークの医師や栄養士、薬剤師の方から無料で配布していただいているからです。
医療機関としては無料で使える食事療法の情報メディアということで、喜んで活用していただいております。

――掲げていらっしゃる、一食二医も当初からの考えで取り組まれたのでしょうか。

 【阿部代表】 当初から持っていました。ただ、スローガンとして掲げたのは、5年ほど前からです。
これだけ専門家である医師や栄養士、薬剤師の方が活躍していて、健康に関する情報があふれているのに、何故、生活習慣病の方が増えるのでしょうか。
医療機関には、基本的にお薬で患者様を健康にしていこうという考え方があるように感じます。私の考えは、まず自分達で出来ることは、自分達でやろうということです。「体が悪くなったから、すぐに病院に行ってお薬をもらおう」ではなく、「まず第一に食事コントロールが大切で、それでも困難なときに医療機関に行く」、その様な社会に変え、皆で持続的な社会をつくりたいと考えました。それで、一食二医という明確なスローガンを出しました。

――今ちょうど厚生労働省が進めている医療費抑制政策の基本的な流れにぴったりといえますね。

 【阿部代表】 そうですね。医療費の抑制に貢献できれば、と思っています。

――今期も最高益更新予想で順調ですね。先日発表された2017年3月期第1四半期の業績も良かったですね。

 【阿部代表】 はい。おかげ様で、前年度からしっかりと伸びています。売上も18%増です。

――現状と今後の事業拡大に向けた取組について教えてください。

 【阿部代表】 MFD事業については、医療機関を訪問する回数を増やしています。当社が顧客を獲得するのは主に医療機関からのご紹介ですので、医療機関との関係を強化していけば、売上が拡大します。今期は、医療機関で実施されているセミナーや勉強会へと積極的に参加し、『ミールタイム』の良さを着実に伝えていくことに注力しています。

――食材価格の変動が御社の業績に与える影響について教えてください。

 【阿部代表】 食材の価格が多少変動したとしても、調整できていますので、業績に対する影響はほとんどありません。例えば、ある食材の値段が上昇した場合、他の食材を使用するなど、状況に応じて対応しています。当社の業態は、食材の価格に影響されると思われがちですが、実際の影響はほとんどございません。

――競合他社と御社の取組の違いはどこにありますか。

 【阿部代表】 健康食や健康志向の高い食事の宅配業者は多数ありますが、栄養士がお客様の血液検査数値や食事制限数値をお伺いし、お客様一人ひとりに合わせたサポートに注力しているのは当社のみであると考えています。
よって、お客様へのサポート力の高さが、他社とは異なります。
また、当社は広告でお客様を獲得するという方法は重視せずに、紹介ネットワークを活用したビジネスモデルで獲得する方針です。

――中期的な目標として、売上の目標値というものはありますか。

 【阿部代表】 売上高については、まずは100億円を目指します。そのために、毎期10%を上回る売上をしっかりと積み上げていきます。

――投資家の皆様に、御社の強みをアピールしてください。

 【阿部代表】 当社が圧倒的に強いのは、お客様を獲得するビジネスモデルです。医療機関とのネットワークがありますので、広告、チラシ等の広告宣伝費を使わずにお客様を獲得できます。これにより、3年連続で、経常利益率16%を確保し、有利子負債ゼロで事業を展開しています。加えて、栄養士の専門性です。医療機関とのネットワークを構築しながら、栄養士のサポート力を保有しているビジネスモデルは、他社では追随出来ないのではないかと自負しています。

――具体的に御社の健康食を食べて、数値が改善した例などありますか。

 【阿部代表】 沢山あります。「3カ月で体重が10キログラム減った、中性脂肪が半分になった」や、「透析に入るのが5年先に伸びている」など、当社の健康食を継続している方々から喜びの声が多く寄せられています。

――最後に、御社の今後の方向性を教えてください。

 【阿部代表】 ヘルスケアの総合企業になりたいと思っています。当社は「食」から健康をサポートしていますが、健康管理サイトや本の出版、スポーツ事業、病院設立など様々な事業を展開していきたいと考えています。将来、日経平均採用銘柄の225社に選ばれるような会社になることも大きな夢ですね。

――本日は、長い時間を取っていただき誠にありがとうございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:47 | IRインタビュー
2016年07月20日

イワキの岩城慶太郎副社長に聞く

iwaki1.jpg

イワキ<8095>(東1・1000株)

■取引先の課題解決に向けてあらゆる情報・機能を提供する、「策揃え」へビジネスモデルを転換

――2025年へ向け、中長期ビジョンのVision『i―111』を推進中ですが、基本戦略の一つに、『策揃え』企業になる、と打ち出されています。目を引く言葉ですが、どのような戦略ですか。

 【岩城副社長】 商社にとって、「品揃え」で取引先に満足してもらうことは大切な使命です。当社もこれまでは、「品揃え」をビジネスモデルとしてやってきましたが、創業100年を越えたことを契機に、取引先の課題解決に向けてあらゆる情報・機能を提供する、「策揃え」へビジネスモデルを転換、お取引先のニーズにワンストップで応える体制を構築し強化し当社グループの成長を目指すという考えです。「品揃え」というと、自分基点の意識となって、取引先ニーズの視点が欠けます。とくに、競争と社会変化の激しい今日、取引先の課題解決をする「技」を提供していくことこそが当社グループの使命であり、社歴100年を越え、さらに成長を目指すには、「品揃え」から、「策揃え」へ積極果敢にビジネスモデルの転換を図っていきます。中長期ビジョン策定の過程では、基本戦略に「ワンストップで提供」ということも考えましたが、ワンストップは多く使われていますし、100年越えの当社には、「策揃え」の言葉がピッタリだと判断しました。

――中長期ビジョンの中で、もう一点、数値目標として、「ROIC10%」の達成を掲げておられますが、通常、使われる数値は、ROEが多いと思いますが、なぜ、「ROIC」ですか。

 【岩城副社長】 私は、外資系コンサルタント会社出身ですが、その頃から企業経営の判断にROIC(投下資本利益率)の重要性を強調してきました。ROE(株主資本利益率)は、単一的な事業で規模の大きい企業には適していますが、中堅企業や事業数の多い企業にはROICで判断するのが適しています。当社グループは細かく分けると約20のビジネスを展開しています。ROEのような全体的な捉え方だと、個々の取引先との取引内容がどうなっているかを把握することができません。ROICであれば取引先ごとに売掛債権や買掛債務を把握することが可能で、しかも共通の物差しとして使うことができ公平です。先ほど説明しました、「品揃え」から、「策揃え」戦略にも通じるものです。

――中長期ビジョンの概要をお願いします。

 【岩城副社長】 創業111年を迎える2025年11月期へ向け、中長期ビジョンを今年1月に策定しました。スローガンは、Vision 「i―111」です。同時に中長期ビジョンを達成するための具体的計画を明確化することを目的に2016年11月期から18年11月期までの3カ年の新中期経営計画も同時に策定しています。スローガンの、「i」は、社名の頭文字を示すだけでなく、次の4つの基本理念を含んでいます。<1>Intelligence(取引先の課題を深く洞察・理解し付加価値のある解決策を提供する)、<2>Innovative(革新的なアイディアや技術に基づくビジネスモデルを通じてナンバーワン事業を創出する)、<3>International(国内で培ってきた事業ノウハウを積極的に海外市場に展開する)、<4>Investment(投下資本利益率を意識した上で機動的な経営資源の最適配分・投入を行う)という内容です。また、「111」は、創業111年を迎える2025年11月期に向けたビジョンであることを示しています。

――111という数字が印象的です。

 【岩城副社長】 そうです、111を意識したものです。定性的ターゲットとしての『111』は、創業111周年(2025年11月期)になっても、『100年超』の老舗企業としての企業文化や価値観を共有しながら、『1つのチーム』として一体感をもって、Customer『1st』を貫きます。一方、定量的ターゲットとしての『111』は、創業111周年までに、『連結売上1000億円』、『No1マーケットシエア』、ROIC『10.0%』を達成することを掲げています。

――足元の業績と中期経営計画の目標をお願いします。

 【岩城副社長】 健康食品原料はインバウンド需要が落ち着いてきたことやヒット商品の一巡などから芳しくありませんが、ジェネリック医薬品と同原料が引き続き好調で2016年11月期・第2四半期は前年同期比で減収減益でしたが従来予想は大きく上回りました。とくに、営業利益は1月14日に公表した1億3000万円を上回り3億3100万円(前年同期比16.8%減益)となりました。通期では売上1.0%増の560億円、営業利益51.9%増の8億5000万円、1株利益13.3円、配当は年6円の予定です。中期経営計画で18年11月期に売上600億円、営業利益10億円の見通しです。

――ありがとうございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:07 | IRインタビュー
2016年07月15日

ヨシムラ・フード・ホールディングスの吉村元久社長に聞く

■食品関連中小企業を支援・活性化する独特のビジネスを展開、強い商品をいっそう強化、弱みの資金面等を補充

 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>(東マ・100株)は今年3月4日に上場した。株価は上場後高値1320円(3月4日)、同安値818円(6月7日)、高値と安値の中間値水準でしばらくモミ合っていたが、好業績を評価して15日には1399円と一気に新高値に躍り出てきた。
 同社は特色ある商品を持つが、後継者問題等に悩みを持つ食品関連中小企業を支援・活性化する独特のビジネスを展開する。国内食品産業は事業所数、雇用者数等において最大の産業であるがその大半は中小企業。少子高齢化で市場が縮小傾向にあり、しかも、資金調達力に欠け、経営者の高齢化等から企業存続問題に直面する厳しい経営環境に置かれている。こうした、環境から同社への経営支援要請は増加することが予想され、同社ビジネスは繁忙が予想される。実際、上場後、案件数は3〜4倍に増加しているという。創業者である吉村元久社長に事業内容を中心に聞いた。

yoshi1.jpg

■グループ企業数着実な増加、17年2月期を上方修正

――御社の事業を拝見しますと、業種では証券コード番号2000番台の食品ポストですが、メーカーや商社の顔、さらに経営コンサルト、ファンドのような顔があるように思われます。上場銘柄では類似会社はないように思われます。事業の特徴をご紹介ください。

 【吉村社長】 当社は、食品の製造及び販売を行う全国の中小企業の支援と活性化を行うことが目的です。M&Aで子会社化し、子会社に対しそれぞれ営業、製造、商品開発、品質管理、経営管理など機能ごとに支援と統括を行い、各子会社の『強み』を伸ばし、『弱み』を補います。こうした仕組が当社の最大の特徴である『中小企業支援プラットフォーム』です。質問のファンド的ということはM&Aで子会社化するという点が似ているという指摘だろうと思いますが、しかし、われわれはファンドのように会社を再生したあとに保有株を売却するということはしません。あくまで、グループ化した会社と共に成長するというのが基本的な姿勢です。

――グループ企業数と代表的な子会社を教えてください。

 【吉村社長】 連結子会社は製造7社と販売2社の合計8社、非連結子会社が1社です。製造関係では、『楽陽食品』(東京都足立区)が国内5カ所の工場においてチルドシュウマイおよびチルド餃子を製造・販売していますが、チルドシウマイの生産量は年間約2700万パックを誇り国内断トツです。広島産カキを調達する独自ルートを持ち、かきフライを主力商品とする『オーブン』(愛媛県四国中央市)、創業130年の白石温麺を主力商品とする『白石興産』(宮城県白石市)、ロングランセラーのピーナッツバターを主力とする『ダイショウ』(埼玉県比企郡)、日本酒好きの方ならすぐにお分かりいただける『桜顔酒造』(岩手県盛岡市)、捕獲後すぐに船上で瞬間冷凍された冷凍マグロのみを使用したネギトロ、マグロ切り落としを製造・販売する『雄北水産』(神奈川県足柄郡)など製造6社です。販売子会社(2社)は、業務用食材の企画・販売を主とし、自社で物流機能を持たず、外食企業、スーパー惣菜、産業給食、コンビニチエーンストアベンダー、医療福祉関係、学校給食などへ直送するビジネスモデルを構築している『ヨシムラ・フード』(埼玉県越谷市)。このほかに、日本全国の生活協同組合と直接口座を持ち冷凍食品のほかグループ商品の販売も行っている『ジョイ・ダイニング・プロダクツ』(埼玉県越谷市)があります。

――6月後半に2社の子会社化を発表されました。

 【吉村社長】 6月27日に『栄川酒造』、6月29日に『純和食品』をそれぞれ子会社化する決議を決定、発表しました。栄川酒造は福島県会津地方を代表する150年の歴史がある老舗酒造会社です。主力金融機関から金融支援を受け、100%減資を行ったあと当社が出資を行い子会社とします。子会社化の後はグループの酒造会社である桜顔酒造と共に両社の販路の共有や当社グループの販路を活用することにより売上の拡大を図ります。一方の純和食品は埼玉県熊谷市に本社を置きゼリー等のデザート類やレトルト食品等の製造・販売を行っています。とくに、埼玉県食品衛生自主管理優良施設確認制度において優良施設に認定された高い品質管理体制に強みを持ちイオングループをはじめ大手スーパー量販店などのOEM生産、外食産業や贈答品市場などにも販路を拡大しています。同社の発行株式を取得し子会社化します。

――お話をうかがっていますと、すでに、子会社化された会社、これから子会社化される会社は地方型の企業ですが、いずれも特徴のある商品を持っているように思われます。なぜ、御社のグループ入りを選択されるのですか。

 【吉村社長】 指摘の通り、われわれが子会社化している企業は独特の優れた商品や技術力を持っているところばかりです。日本の食品産業はGDPの面から最大の業種であり日本が誇る基幹産業ですがその企業数の99%は中小企業が担っています。その中小食品企業にとって、少子高齢化で国内の市場規模は縮小傾向にあり、中小食品企業にとっては生き残りが難しい経営県境です。しかも、とくに、中小食品企業においては後継者不足が顕在化しています。そうした企業においては事業継承をあきらめて廃業や事業停止を選択する状況が増えていますが、当社の存在を知って事業継承の受け皿として、当社に直接、あるいは金融機関や会計事務所などを通じての案件が増えています。とくに、今年3月に株式を上場して以降、以前に比べて3〜4倍案件数は急増しています。

――冒頭での質問のファンドとは違う点をもう一度、教えてください。

 【吉村社長】 話しましたとおり、中小食品企業では事業継承ニーズが高まる一方で受け皿となる会社や組織が少ないのが現状です。この点に注目、つまり、食品の製造・販売を行う中小企業の支援・活性化を目的として当社は2008年に創業しました。大和証券事業法人部時代の経験もあります。投資ファンドは単独での高い成長と数年以内の売却を目的としていることから成熟市場にある中小企業は投資対象になり難いのです。われわれは、投資し子会社化した企業と共に成長する、ある意味、運命共同体的にやっていくというのがファンドと一番の違いです。また、指摘のとおり、子会社化した企業は地方に拠点がありますが、子会社を活性化することは地方の活性化に貢献することにつながると思っています。最近は、海外での日本食が注目されていることから今後は海外での展開にも取り組んでいきます。

――業績見通しについてお願いします。

 【吉村社長】 上場直前の2016年2月期は売上が前期比12.8%増の128億3300万円、営業利益48.9%増の3億2800万円、純益99.2%増の4億6100万円、1株利益116.6円でした。2017年2月期は、当初、売上3.2%増の132億5000万円、営業利益13.2%増の3億7100万円、純益は51.8%減の2億2200万円の見通しでしたが、グループ会社が増えたこと、既存取引先の深耕などの効果で上方修正しました。修正後の今2月期は売上149億6300万円(前期比16.5%増)、営業利益4億0500万円(同23.4%増)、1株利益55.2円の見通しです。配当は、M&A案件の増加に伴う資金需要に対応するため無配の予定です。

―ありがとうございました。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:17 | IRインタビュー
2016年06月20日

メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に事業の特徴と展望を聞く

【メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に聞く】

■医療・健康関連のデータ蓄積と活用でパイオニア、データ保持患者数1439万人

 メディカル・データ・ビジョン<3902>(東マ・100株)は、2003年8月の設立、IT業界出身の岩崎博之社長が起業した。創業当時、医療情報を外部に出すことなど考えられなかった時代だったが、医療の質を高めるためには必ずデータ活用は必要となる時代が来ると確信を持ち取り組み、今では医療関連情報データ蓄積と活用の最大手である。データ保持患者数は1439万人と全国民の約12%に当る。現在の月間単位中心のデータからリアルタイムデータ収集に積極的な投資を行っていることで業績はいっそうの飛躍が期待される。近況と展望を岩崎博之社長に聞いた。

bb11.jpg

■リアルタイム情報収集強化で業績拡大がスピードアップ

――医療関連のビジネスということですが、事業内容をお願いします。

 【岩崎社長】 私どもの事業は、膨大な医療・健康に係るデータを蓄積し有効活用することで医療の質を高めることを目的としています。サービスは次の2つで構成されています。(1)医療情報の発生元の一つである医療機関等に向けた経営支援システムの企画・開発・製造・販売・保守業務です。それと同時に医療・健康情報を蓄積するデータネットワークサービスの提供です、(2)データネットワークサービスで蓄積された医療・健康情報をデータ発生元である医療機関等から二次利用許諾を得たうえで主に製薬会社や研究機関等の法人向けに各種データ提供を行うデータ活用サービスです。

――現在、データ入手先の病院数と蓄積データ規模はどのくらいですか。

 【岩崎社長】 今年5月末の時点でのデータ規模は247病院、疾病患者数で1439万人です。2012年の約500万人に比べ、とくに、近年、データ保持数は大きく伸長しています。また、医療機関向けのパッケージ販売を主としたデータネットワークサービスにおいて、DPC(入院時包括払い制度)の分析ベンチマークシステム『EVE』の累計導入数は769病院と民間企業では最大です。

――2003年の創業ですが、当時は医療データをオープンにするという時代ではなかったように思われますが、ご苦労があったのでは。

 【岩崎社長】 その通りです。創業当時の13年前は病院等が診療データを外に出すことはありませんで、そんなことを言ったら笑われる時代でした。しかし、当時、IT関連に携わっていた私にとっては、データを共有することは基本的なことでありビジネスの質を高めるためには大事なことでしたから、遅れている医療分野においても医療の質を高めるためにはデータの共有化時代が来るという確信がありました。ただ、創業当時は会社のブランド、人材、資金がなく創業から5年くらいは苦労しました。製品を病院長、事務長に見てもらい説明すると、皆さん、「すごい」と誉めてもらえるのですが、その次の言葉が必ず、「どこか採用しているところがありますか。近く(病院)で決まったらすぐにきてください」という。是非、最初の導入病院になって欲しいというと返事をしてもらえなくて最初は売れませんでした。ところがDPC制度が、このまま間違いなく浸透していくだろうという状況になってくるとパッケージが大きく売れ始めるきっかけとなりました。

――DPC制度がポイントのようですが、DPC制度について少しお願いします。

 【岩崎社長】 厚生労働省は2003年4月に、「医療の標準化・均てん化を図って医療の質を高める」ことを目的に、全国82の特定機能病院等を皮切りにDPC制度を導入しました。DPC制度は急性期病院(入院)において、疾患と診療行為に応じて1日当りの入院診療費を定額で計算する入院時包括払い制度のことで、入院期間が長くなるほど1日当りの診療報酬点数が低くなる仕組となっています。DPC制度導入以前は実施された一つ一つの医療行為全ての点数を合計して入院診療費を決める「出来高払い」と呼ばれる制度が導入されていましたが、DPC制度が開始されたことで急性期病院は、より効果的で効率的な診療で早期に患者を治療することが求められるようになりました。このため、出来高払い制度からDPC制度へ移行することに伴う収益への影響を分析するとともに自院の診療行為の精査を行うことで今まで以上の医療の質と経営を両立させる必要に迫られました。一方でDPC制度は、当制度を導入した急性期病院に全国統一形式による診療情報(DPCデータ)の生成とデータの厚生労働省への提出が義務づけられたため、従来は共通フォーマットがないため困難だった自院の経年変化分析が可能となりDPC制度導入病院全体のデータとベンチマーキング分析が可能となりました。

――御社では、どのように対応されてきたのですか。

 【岩崎社長】 DPC制度を導入した急性期病院に対し、制度の変更及び収益構造の変化に対応した、在院日数、医療資源、原価、ベンチマーキングなどの多角的な経営、臨床分析に基づいた医療の質と経営の両立を支援する『EVE』、『Medical Code』など、2つの主力製品の企画、開発、製造、販売、保守を提供しています。2015年度には、患者が自分自身の診療情報を保管・管理できる『カルテコ』を付帯した病院向けシステムの提供を開始しています。

――今後の展望についてお聞かせください。

 【岩崎社長】 現在の商材だけでもかなり成長はできるとみています。ただ、起業時に考えていなかったことが一つあります。今は1カ月単位のデータをお預かりし活用していますが、リアルタイムではありませんし病院にあるすべてのデータではありません。卑近な例では、血液、尿の検査結果はありますが血圧データ(血液検査に比べ血圧データはリアルである)は欠損しています。血圧データが加われば製薬メーカに提供するデータの幅が広がり、当然、売上に大きく寄与します。リアルタイムで病院にあるデータを集めることができたら最高のものになると思います。たとえば、薬の市販後調査の情報が手に取るように分かってきます。実は、この2年間、この分野に積極的な投資を行っており、「カルテコ」をフックにリアルタイムデータを入手していきます。今後はこれらのデータを活用して、例えば治験の分野にも展開できると考えています。

――今12月期の見通しは。

 【岩崎社長】 データ利活用サービスの認知が拡大し、案件数の増加とともに売上が大きく伸びていること、病院向け経営支援システム『EVE』や『Medical Code』の堅調な伸びを背景に、売上24.3%増の30億円、営業利益7.1%増の3億200万円、純益6.6%増の1億7400万円の見通しです。

――お話をうかがって売上100億円は早そうだという印象を受けました。

 【岩崎社長】 いつまでにということは申し上げられませんが、期待に沿うようがんばります。2017年からは、リアルデータ投資への回収に入って行きますから業績の伸びはスピードアップできると思います。

――ありがとうございました。

 <編集後記> データ活用が活発となっている社会で医療分野は遅れている印象がある。この点にいち早く着目され起業された岩崎博之社長の先見性と努力はすばらしい。現在は1カ月単位のデータだが、リアルタイムでのデータ収集に取組んできたことでビジネスチャンスは一気に拡大するだろうという印象を受けた。上場は2014年12月、初値は3055円だった。新規上場銘柄は必ずといってよいほど上場後の洗礼を受けるが、同社株も2015年8月には960円まで下げた。しかし、安値後の切り返しはすばらしく今年5月には4770円の上場来高値に進んでいる。今後、次々と新しい材料が顔を出してくるものとみられることから中期的には5000円台以上の相場が予想されそうである。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:41 | IRインタビュー
2016年03月18日

ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く

【ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く】

■『クールネットワークのリーディングカンパニー』を目指す、第5次中期経営計画推進中、目標に対し利益進捗率70%と好調

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1・100株)は、「冷蔵倉庫事業」、と「食品販売事業」の2つの事業を手がける。冷蔵倉庫収容能力は90万トン超の業界トップクラスを誇り、「保管・物流拠点化」と、「全国ネットワーク化」の2つの主要施策を推進することで、『クールネットワークのリーディングカンパニー』を目指している。食品販売事業では、経験豊富な営業マンが、産地や生産者の選定から仕入れ・販売までを一元管理するビジネススタイルを確立、世界に広がるネットワークを通して安全・安心な食材を提供している。昨年暮れの定時株主総会で社長に就任した西山敏彦社長は横浜銀行の出身。ヨコレイに入社して12年、冷蔵倉庫事業、食品販売事業をじっくり見詰めてきたという。現在、第5次中期経営計画を推進中で利益進捗率は目標の70%と高い。西山敏彦新社長に展望を聞いた。

yokorei1.jpg

――昨年12月の定時株主総会で社長に就任されました。横浜銀行から2003年にヨコレイへ入社され12年ということですが、今日は、新社長としての抱負と個人投資家の皆さんへのメッセージを中心にお願いしたいと思います。まず、今の気持ちからお願いします。

 【西山社長】 12年間、吉川会長(前、社長)のもとで冷蔵倉庫事業、食品販売事業をひととおり経験しました。再来年に70周年のフシ目を控えている中での拝命でもあり、よりいっそう気持ちを引き締めて経営に取り組んでいく気持ちを新たにしています。新社長として今、強く思っていることは、事業規模の拡大もさることながら、お客様に当社のハード・ソフト面の強みを実感していただき、品質において業界随一と評価される企業を目指します。

――中期経営計画推進中での社長就任ということです。

 【西山社長】 2014年10月からスタートした第5次中期経営計画『FlapTheWings2017』の計画期間は2017年9月期までの3年間です。当社が培ってきた強み・経営資源を最大限活用し、『ヨコレイならではの質の高いサービスを提供』することで顧客とのWin―Winの関係構築・パートナーシップの強化を図ります。冷蔵倉庫事業は、「保管・物流拠点化」と、「全国ネットワーク化」の2つの主要施策を推進することで、『クールネットワークのリーディングカンパニー』を目指します。食品販売事業は、安定的な利益追求を基本としながらも強みのある商材の全社的な展開を推進、海外取引も強化します。今期は第5次中期経営計画の2年目ですが、最終年度の目標達成に向けたステップとなる重要な年度となるため各施策の着実な推進に取り組んでいきます。

――数値目標と進捗状況はいかがですか。

 【西山社長】 2017年9月期の目標である売上1650億円、営業利益57億円、経常利益57億円に対し、1年目の前2015年9月期は売上1547億6700万円、営業利益38億7400万円、経常利益40億3900万円の実績でした。売上目標を昨年11月に上方修正するなど当初の計画を上回るペースの増収を達成しています。利益目標も70%を超えて進捗しており達成は十分可能な水準であると考えておりますが、引き続き目標達成に向けて邁進してまいります。

――配当は年20円を安定継続されています。

 【西山社長】 当社は、株主の皆様に対する長期安定的な配当を継続して行うことを基本方針としています。企業価値向上のために必要な設備・IT投資を考慮しつつ配当性向も意識していきます。リーマンショックで業績の停滞したときも年20円配当を継続してきました。創業70周年に向け業績を向上させ、さらに株主の皆様に報いられるよう取り組んでいきたいと思います。

――長期保有の株主が多いようですね。株主優待も魅力のようです。

 【西山社長】 株主数は前期末(15年9月期)で1万3千名あまりとなっています。長期保有の方がたいへん多く、当社に対する信頼と応援をいただいていると感謝し、期待に沿うよう気持ちを引き締めています。株主優待は、1000株以上3000株未満保有の株主様に、昨年業務提携したノルウェーの有力水産企業ホフセフ社製品「サーモン詰合せ」、さらに、3000株以上保有の株主の皆様には「北海道産のホタテ・いくらセット」をお届けしており、おかげさまで大変ご好評をいただいております。

――冷蔵倉庫事業と食品販売事業の特徴をお願いします。

 【西山社長】 現在の冷蔵倉庫の収容能力は90万トンを超えており、業界トップクラスです。冷蔵倉庫事業に求められる重要なことは、多岐にわたる中で、とくに、(1)商品の品質を損なわず長期にわたり保管できる設備と技術、(2)様々な種類と豊富な量の商品を保管できる収容能力、(3)顧客ニーズに合わせた最適な物流サービスの提供という3点です。全国を5ブロックに分け、それぞれの地域のニーズにマッチした体制を整えていることが当社の強みです。食品販売事業では、経験豊富な営業マンが、産地や生産者の選定から仕入れ・販売までを一元管理するビジネススタイルを確立。世界に広がるネットワークを通して安全・安心な食材を安定供給しています。

――前9月期の概要をお願いします。

 【西山社長】 前期(15年9月期)は、「冷蔵倉庫事業」は、入庫取扱量が3.9%、出庫取扱量が2.4%、それぞれ増加、平均保管在庫量は8.0%増加しました。とくに、畜産品の入庫が好調でした。タイの連結子会社においては14年9月期に新設したワンノイ物流センター2号棟がフル稼働となりました。この結果、同事業の売上は8.3%増と好調でした。ただ、新設した4つの物流センターの減価償却費負担と立上げ時の臨時費用により同事業の営業利益は0.9%の減少となりました。「食品販売事業」では、ホタテ・カニなどの水産品が好調で同事業の売上は9.4%増でしたが、高値推移していた食品相場に急激な円安が重なるなどの厳しい事業環境の影響で7.5%の減益となり、同事業全体としては増収減益となりました。

――今期(16年9月期)に入って足元の業績はいかがですか。

 【西山社長】 第1四半期(10〜12月)は、売上は前年同期比5.3%増の420億3500万円、営業利益40.5%増の18億2000万円と出足好調です。冷蔵倉庫事業では、14年9月期から順次稼動した4つの物流センターのフル稼働による寄与で前年同期比6.0%増収、同事業営業利益は物流センター立上げ費用が減少したことで26.5%増益と大きく伸長しました。食品販売事業においては、為替が安定的に推移したこともあり、前年同期比5.1%増収、営業利益は46.1%増益と好調でした。今9月期通期では、売上は前期比3.4%増の1600億円、営業利益29.1%増の50億円の見通しです。なお、第1四半期での営業利益進捗率は、4分の1の期間が経過した段階で36.4%と順調に推移しています。

――ありがとうございました。

 【編集後記】 本社は横浜のみなとみらいが一望できる、みなとみらいグランドセントラルタワー。社名の登記上は横浜冷凍だが、会社設立当時(昭和23年)、横浜中央卸市場で、「ヨコレイ」と呼ばれていたことから現在でも得意先、株式マーケットではヨコレイの社名で親しまれている。インタビューでは、日本の食を量と質の両面から根底で支える力強い自信と取組みが伝わってきた。株価は昨年来高値が1080円(15年12月)、同安値が782円(15年1月)で足元では1000円前後のモミ合い。今期予想EPS59.9円、配当年20円、1株純資産1185円という内容。株価に派手さはないものの、安定成長の資産株としての評価が高い。とくに、人気の株主優待を含めた総合利回り高く魅力的だ。1株純資産並みの1200円前後が見込めそうだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:06 | IRインタビュー
2015年11月05日

翻訳センターの東郁男代表取締役社長に今後の戦略を聞く

■フルライン ランゲージサービスを提供、世界のトップ10へ〜第三次中計スタート

 産業翻訳業界で最初の上場企業「翻訳センター(翻訳C)<2483>(JQS)」の前期連結業績は、コアビジネスである翻訳事業が産業翻訳中心に好調に推移し、過去最高業績を更新、第二次中計の最終年を飾り、アジア圏売上高bP、世界ランク12位と実力を示した。今期から第三次中計がスタートし、顧客満足度の向上を視野に、生産性アップ、グループ内シナジーなどで収益力を強化し、翻訳業で世界トップ10入りに挑戦する。第三次中計(2018年3月期)の数値目標は、売上高110億円、営業利益7.5億円、純利益4.5億円、主要経営指標は、営業利益率8%(中長期目標)、ROE10%以上を掲げている。

hc11.jpg

■第二次中計、事業領域拡大・専門性特化・各部間連携の進化等に成果

――この3年間を総括し、成果と課題を挙げれば・・・

【東社長】:実施した重点策は、(1)ISSグループの子会社化による事業の拡大、(2)「パナシア」設立など専門分野の強化、(3)言葉に関する「総合サービスを提供できる体制」の構築の3点であった。
その成果を一言でいえば、「業容の大きな変化」でしょう。ISSグループを子会社化したことで事業領域が大きく拡がり、通訳、人材派遣・紹介、コンベンション(国際会議企画・運営)、通訳者・翻訳者育成などの事業が加わり、事業領域が一気に拡大したことが大きい。
加えて、コア事業(売上シェア70%)である翻訳事業の4分野、特に、特許分野では企業の海外特許取得をサポートする「外国特許出願支援」、医薬分野では新薬申請書類を作成する「メディカルライティング」など、各子会社が専門性を磨き、高付加価値サービスの提供が可能になった。

――社内コミュニケ進化、成長を加速 〜顧客の課題解決で「言葉の総合サプライヤー」に

【東社長】:通訳事業では、翻訳事業との連携で即応できるメリットばかりでなく、事業間での顧客紹介を通じて、それぞれの専門的立場から新しいニーズ、より適切で高度な提案を見出すことも多くなっている。
特許や医薬分野では、外国出願支援サービスやメディカルライティングなど翻訳案件に先立つドキュメント作成へとサービス領域を広げ、各案件での「川上から川下まで一連のサービスをトータルに提供」することで、それぞれの専門を活かした連係プレーによる相乗効果を生み、「顧客が直面する言葉に関する課題」を解決する「外国語ビジネスの総合サプライヤー」の位置付けを得た。
これらの経験は、当社グループ内の各事業間のコミュニケーションの進化であり、新たなビジネスチャンスにも繋がる大成果だと思う。

■業務効率化による収益力強化が課題

――それでは課題は何ですか

【東社長】:二次中計では制作体制強化のためにシステム強化し、優秀な人材を確保し一部で成果が見えるが、二次中計で目標とした数値は未達成に終わった。特に、増員に伴う人件費増などが吸収できなかった。業務効率化による収益力強化がこの三次中計での課題だ。

■「成長力の基本は現場に」〜異部署間のシナジー推進、領域拡大に挑戦

――第三次中計の重点施策について

【東社長】:重点施策として3つのテーマに取り組む。(1)分野特化戦略の推進、(2)生産性の向上、(3)グループシナジーの最大化の実践だ。
1)第二次中計の成果を踏まえ、分野特化型サービスの提供を強化する。翻訳では地域別の営業体制から、特許、医薬、工業・ローカライゼーション、金融・法務の4つの専門分野に特化した組織に変更。顧客ニーズの多様化対応策として、各分野・ドキュメントの特性に応じた分化型マーケティング活動で顧客満足度アップ、市場シェア拡大をはかる。
2)業務効率の改善に向け、ビジネスプロセスの最適化を進める。ICTを積極的に駆使し、蓄積している情報資産の活用と業務フロー改善で、専門性の高度化、生産性向上を図り、加えて、個人能力が最大限発揮できるような人事制度などの環境整備で業務運営の効率化を進める。
3)ニーズの広がりと多様性に応じた新規事業開発とサービス拡充を進め、市場開拓に取り組む。フルラインのランゲージサービスを展開し、顧客ヒヤリングで得た情報を精査して対応を熟慮決定する。各事業間の異なる情報の中にニーズ、販路拡大チャンスがあるという成果を踏まえ、「成長力向上の基本は現場にある」ことを重視し、異事業間シナジー推進による、事業領域の拡大に挑戦する。

hc14.jpg

hc12.jpg

■目標必達で世界トップ10入り挑戦〜主力翻訳事業チャンス、安定成長医薬・工業セクター重視

――新事業コンベンションの実績が注目される。重視するセグメントは

【東社長】:ビジネスチャンスが多く、安定成長する医薬の他、工業セクターの電気・自動車・IT通信・エネルギーで専門性を高めたい。
コンベンション事業は一つの会議受注で、会議時の通訳、会議資料の翻訳、会議参加者の観光案内通訳に至るまで、関連ビジネスの領域が広い。今年は実績含め50件を受注し、16・17年も「第40回国際外科学会世界総会(ICS2016)」など既に11件を受注しており、売上への寄与が見込まれる。昨今、コンベンション開催については国も積極的であるため成長事業として期待している。

――最後に、重視する経営指標とグローバル ランキングについて

【東社長】:ROEを重視したい。そのためにすべての業務で作業の効率化を図り、特に翻訳業務のICT化で品質の向上と効率向上を図り、収益性を高めたい。アジアにおける売上高第一位を維持し、三次中計目標必達で世界トップ10入りに挑戦する。

有難うございました。

【株式投資情報】こちらにも掲載しております。
http://kabu-ir.com/article/429131072.html
http://media-ir.com/news/?p=13250
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:42 | IRインタビュー

アンジェス MGの山田 英社長に聞く

 アンジェス MG<4563>(東マ・100株単位)は、生命が長い時間をかけ獲得した遺伝子の力を借りて難病の画期的な治療薬開発に取り組んでいる。臓器の中でもっとも再生能力の高い肝臓で発見された肝細胞増殖因子(HGF)による『HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)』がまもなく承認申請される。2019年12月期に待望の黒字転換、10年後には売上500億円を目標としている。

image.jpg

■遺伝子治療薬が研究・開発から商業化のステージ迎える

――策定された長期ビジョンとその取組みを拝見しますと、いよいよ黒字化見通しということです。バイオベンチャーが黒字に転換する時は投資の一大チャンスということで投資家の注目度は高まると思います。

【山田社長】1999年に設立して15年経過ですが、2015年は節目で、『第2の創業期』に突入した年であると位置づけています。遺伝子治療薬の研究・開発からいよいよ商業化のステージを迎えました。

――長期ビジョンと黒字見通しについてお願いします。

【山田社長】長期ビジョンでは、10年後の2025年における当社のあるべき姿を明確に打ち出しました。(1)世界で認知される遺伝子治療・核酸医薬のスペシャリストとして遺伝子医薬のグローバルリーダー、(2)治療法のない病気の新薬を実用化する新市場の創出、(3)売上高500億円以上、という3つのビジョンです。第一段階として、HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)の国内販売、HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)のグローバル開発の進展に伴うマイルストーン収入、アトピー性皮膚炎の国内販売等により2019年の黒字化を目指しています。バイオベンチャーの宿命ともいえる研究開発費用が先行するため赤字が続きましたが黒字化の目処が立ちました。


――社長さんは医学博士ですが、遺伝子薬について教えてください。ビジネスモデルについてもお願いします。

【山田社長】遺伝子治療とは疾患の治療を目的として遺伝子または遺伝子を導入した細胞をヒトの体内に投与することです。生命が長い時間をかけて獲得した遺伝子の力を借りて、難病や有効な治療法のない疾患に対して新しい治療法を提供できる可能性を持っています。画期的な遺伝子医薬を開発・実用化し、人々の健康と希望にあふれた暮らしの実現に貢献することは当社の企業理念でも謳っています。1990年に米国において世界初の遺伝子治療が実施され 、日本では1995年に北海道大学で初めて遺伝子治療が行われました。最近では2012年に先進国で初の遺伝子治療薬が欧州で承認され、大手も相次いで参入、遺伝子治療薬の本格的な実用化時代に入っています。当社は、遺伝子の働きを活用した遺伝子医薬、バイオ医薬に特化し難病・希少病、有効な治療法がない疾患分野などの開発を行い、製薬会社への販売権、開発販売権の導出により製薬企業から契約一時金、マイルストーン、販売時ロイヤリティを収入として得ることをビジネスモデルとしています。現在、当社グループの手がける主要プロジエクトが最終段階に突入しています。

――再生医療等はアベノミクスの目玉政策となっています。事業環境は追い風ですね。

【山田社長】その通りです。改正薬事法である『医薬品医療機器等法』が昨年11月に施行され、遺伝子治療を含む、「再生医療等製品」に対する早期承認制度が設けられました。これによって、国内では遺伝子治療薬の早期実用化が可能となりました。

■再生医療はアベノミクスの目玉政策、2019年に黒字転換、遺伝子治療・核酸医薬のスペシャリストとして遺伝子医薬のグローバルリーダー目指す

――それでは、具体的な開発プロジエクトについてお願いします。その前に、「HGF遺伝子治療薬」とはどのようなものですか。

【山田社長】HGFとは、Hepatocyte Growth Factorの頭文字で、肝細胞増殖因子のことです。1984年に日本で発見されました、「成長因子」です。臓器の中で最も再生能力が高い肝臓で発見されたため肝細胞増殖因子と呼ばれています。現在では肝臓のみならず血管、リンパ管、神経など生体の様々な臓器・組織の形成・再生において主要な役割を果たしていることがわかっています。当社では、HGFの血管新再生作用により、虚血部位の血流を回復させるHGF遺伝子治療薬(重症虚血肢)を開発中です。重症虚血肢は、糖尿病等の原因により末梢性血管疾患が重症化することで安静にしていても痛みを感じたり、壊疽(えそ)が起きてしまう状態で、下肢切断を余技なくされることもある重篤な病態です。国内においては、大阪大学医学部付属病院が主導となり先進医療B制度を活用した、「医師主導型臨床研究」を実施中で、今年6月に田辺三菱製薬と国内における末梢性血管疾患を対象とする独占的販売権許諾を締結しました。2016年後半に条件及び期限付承認制度の下で申請を目指しています。海外では国際共同第V相臨床試験を実施中です。2014年10月に米国で1例目の患者を登録し投与を始めています。とくに、米国での市場規模は、バルーン療法やバイパス手術などの血管内治療が有効でない患者対象ということで約50億ドルとみられています。

――心臓カテーテル手術で血管内にステント(血管を拡げる役目の器具)が入っている場合でも有効ですか。カテーテル手術は一度で終わらないケースも多いようですが。

【山田社長】1度だけでなく数回のカテーテル手術を受けられる患者さんは多いですね。HGF遺伝子治療薬では心疾患を対象とした開発も次のプロジェクトとして計画はしています。バルーン(血管を膨らませる風船のようなもの)やカテーテルに薬剤を塗布することで血管再狭窄を予防することが可能です。当社では、生体内で免疫・炎症反応を担う、『転写因子NF−kB』の活性化による過剰な免疫・炎症反応を原因とする疾患の治療薬、「NF−kBデコイオリゴDNA」を活用した薬剤塗布型のバルーンカテーテルを開発中です。メディキットと提携しています。

――そのほかの進行中のプロジエクトはいかがですか。

【山田社長】リンパ浮腫を対象としたHGF遺伝子治療薬があります。リンパ浮腫とは、リンパ管の障害によりリンパ流が停滞し発生する浮腫で四肢に現れ、日常生活に必要な身体機能の低下によりQOL(生活の質)が著しく低下する疾患で根治療法がありません。国内での推定潜在患者数は原発性浮腫が約3000人、二次性リンパ浮腫が推定10万人以上とみられています。とくに、発生率が子宮癌術後で28.1%、乳癌術後で21〜51%とのデータとなっています。現在、加齢によるリンパ浮腫も増えています。2013年から原発性リンパ浮腫を対象とした第T・U相試験を実施中です。

――このほか、開発の進んでいるものはいかがですか。

【山田社長】国内第V相臨床試験開始のアトピー性皮膚炎治療薬、「NF−kBデコイオリゴDNA」(軟膏剤)があります。15年3月に第1例目の被験者への投与を開始しました。顔面に中等症以上の皮疹を有するアトピー性患者約200例を対象に約1年を予定、良好な結果が得られた場合は国内で承認申請します。米国では、「椎間板性腰痛症治療薬」の第T・U相試験を準備中です。これらのほかにも、子宮頸がん前癌状態の組織を退縮させ、子宮頸がんへの移行・円錐切除手術を回避する「CIN治療ワクチン」や、がん治療薬「アロベクチン」、高血圧DNAワクチンなどを開発中です。また、先天的に作ることのできない酵素を直接的に補充するムコ多糖症Y型治療薬「ナグラザイム」の国内における開発販売権を米国バイオマリン社から2006年12月に取得し、2008年4月より国内で販売しています。

――これらが順次寄与してくることで2019年に黒字化、2025年に売上500億円目標ということですが、足元の業績についてお聞かせください。

【山田社長】今期(2015年12月期)の第3四半期(1〜9月)は、「ナグラザイム」の商品売上が2億5000万円と前年同期に比べ12.9%増え、提携企業からの契約一時金等による研究開発事業収益が前年同期比15.9%増の6900万円となったことで売上高は3億2000万円と前年同期に比べ13.6%の増収でした。第3四半期の研究開発費は25億8400万円(前年同期比51.2%増)。開発費の主なものは、HGF遺伝子治療薬の国際共同第V相臨床試験にかかる費用及びNF−kBデコイオリゴDNAアトピー性皮膚炎治療薬の第V臨床試験の費用が主なものです。この結果、第3四半期の営業赤字は30億2500万(前年同期は赤字20億4800万円)となりました。今12月期通期は、売上4億5000万円と従来予想通りですが、HGF遺伝子治療薬及びNF−kBデコイオリゴの原薬製造の完了時期が来期に変更となったこと、また外部委託機関への支払いの一部について来期以降へ変更が生じました。このため当期の研究開発費用が減少する見込みとなったため通期の営業赤字は当初の58億円が43億円へ赤字幅が縮小します。もちろん、こうした変更による臨床試験の進行に対する影響はまったくありません。

――ありがとうございました。

【株式投資情報】こちらにも掲載しております。
http://kabu-ir.com/article/429082728.html
http://media-ir.com/news/?p=13199

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:10 | IRインタビュー
2015年09月09日

CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く

■国内唯一の音声・映像ミドルウェア企業

rogocri1.jpg CRI・ミドルウェア<3698>(東マ・売買単位100株)は、スマートフォンゲームや家庭用ゲーム、遊技機等のエンターテインメント分野を対象にミドルウェア『CRIWARE』をライセンス販売している。2014年11月に上場、今9月期は2ケタ増収増益の見通しで、今後、医療・ヘルケア分野に積極的に展開する。

cri111.jpg

――貴社の沿革からお願いします。

 【押見社長】 1983年にCSK(現在のSCSK)の研究機関として設立された「CSK総合研究所」が前身で、人工知能や音声・映像などの研究開発を手掛けていました。当時のグループ会社であったセガの家庭用ゲーム機向けに音声・映像関連の「ミドルウェア」開発を手掛けたのが、現ミドルウェア事業を始めるきっかけとなりました。2001年に「CRI・ミドルウェア」として独立し、それ以降、セガだけでなく全ゲーム機向けにミドルウェア製品ブランド『CRIWARE』を展開しています。昨年11月27日に東証マザーズに上場しました。

――国内に競合がいないとのことですが。

 【押見社長】 当社は音声・映像ミドルウェアでは国内唯一の企業です。主にスマートフォンゲームや家庭用ゲーム、遊技機等のエンターテインメント分野を対象に、テレビやビデオなどとは違った、音声・映像の『組み合わせ再生』を実現する独自技術を磨いてまいりました。

■独自技術で顧客のビジネス拡大を支援

――まず、ミドルウェアとはどのようなものですか。また、どのようなメリットを提供する技術なのでしょうか。

 【押見社長】 ハードウェアやOSとアプリケーションソフトウェアの中間(ミドル)に位置するソフトウェアが「ミドルウェア」と呼ばれるものです。ミドルウェアの役割は、様々なハードウェアやOSの特性や違いをミドルウェア内に吸収することで、その上で実行されるアプリケーションソフトの動作や開発をスムーズにすることです。当社は独自の音声・映像技術を研究開発し、それを製品化した『CRIWARE』をライセンス販売しています。『CRIWARE』はお客様のソフトウェア製品の映像や音声を高品質化します。

1111.jpg

――テレビやビデオの音声・映像とは違う技術ということですが、どのように違いますが。

 【押見社長】 テレビ、ビデオと異なり、当社の技術は、音声や映像の再生をリアルタイムに組み合わせたり組み替えたりできることが特長です。我々は『組み合わせ再生』の技術と言っています。例えばゲームでは、この『組み合わせ再生』が非常によく使われます。あるプレイヤーがゲーム中の主人公を動かすとします。主人公が歩く音ひとつをとっても、海にいるのか草原にいるのか、海であれば水の中を歩いているのか砂浜を歩いているのかによって違います。主人公が場所を移動すれば、それに合わせて音や映像がタイミングよく変わらなければなりません。このように、ゲームでは、操作による組合せを反映させる高い技術が求められます。この組み合わせをスムーズに実行し、かつ限られた音声や映像のデータからバリエーション豊かな演出を生み出すための技術として『CRIWARE』が活用されています。

――採用実績が3000を超えたそうですね。

 【押見社長】 『CRIWARE』を利用して開発したゲームやアプリが、2015年3月で3000を超えました。ミドルウェアには、先端技術であると同時に、長い年月にわたり安定的に様々な案件で鍛えられてきた技術であることも求められます。実際、『CRIWARE』は長年にわたり実際に開発現場で利用され、強化・改善を繰り返してきました。この実績がお客様への信頼につながり、また新たな競合の参入が難しい背景にもなっています。

■業務提携で販売体制を強化

――先日、業務提携を発表されました。

 【押見社長】 スマートフォンゲーム向け販売体制強化を目的とした『CRIWAREアンバサダー・プログラム』を立ち上げ、アドウェイズ(2489・東マ)、エクストリーム(6033・東マ)の2社と業務提携をしました。『CRIWARE』は、家庭用ゲームで「業界標準」というほどのシェアを持ち、採用実績も堅調ですが、ここ数年急拡大してきたのがスマートフォンゲームです。家庭用ゲーム並みに開発費をかけたソフトが作られており、『CRIWARE』の需要も増加しています。ただ、家庭用ゲームに比べ『CRIWARE』の認知度や浸透度は高くありません。アドウェイズはスマートフォンゲーム向けの広告配信サービスの提供、エクストリームはクリエーターやエンジニアのプロダクション企業で、数多くのスマートフォンゲーム開発会社と取引があります。両社がスマートフォン向けゲーム開発に携わるにあたり、『CRIWARE』をご紹介いただくというプログラムです。

■音声と映像を軸に、ゲーム以外にも幅広い展開

――音と映像のあるところは全てビジネス対象と思われますが、ゲームのほかに今後、新たな分野としてどのような展開をお考えですか。

 【押見社長】 既に当社は、家電などの「組込み機器」、「医療・ヘルスケア」分野に積極的に取り組んでいます。医療・ヘルスでは、音声・映像に加えてスマートデバイスとクラウドのノウハウを横展開し、最適なコミュニケーションを実現する情報システムの開発提供を行っています。たとえば、クリニックと患者双方の診察待合のムダをなくする受付システムや、在宅医療を実現するための医者と患者のコミュニケーションシステムなどです。

――今9月期の見通しと先行き見通しをお願いします。

 【押見社長】 ゲーム分野では各種ゲーム向けミドルウェアの新規採用数が第3四半期までで212と堅調に推移しています。特に、スマートフォン向けはランキング上位の人気タイトルの採用が拡大し、認知度の向上や新規契約の獲得にプラス効果となっています。遊技機分野は厳しい環境ですが、当社ミドルウェアは開発効率化や演出表現リッチ化のニーズにマッチしていることから堅調です。新規事業では医療・ヘルスケア分野でタブレットソリューソンの提案・導入が進んでおりクリニック向け予約システム構築など着実に積み重ねています。今9月期は売上12.3%増の12億8600万円、営業利益20.4%増の2億5900万円、純益10.2%増の1億5600万円の見通しです。今後は海外事業の強化や、新規分野として動画広告などにも取り組みたいと考えています。

――ありがとうございました。

<編集後記>
 ミドルウェアという言葉の馴染みは薄いが、押見社長の話を聞くと、スマホゲームなどで、音声、映像をバリエーション豊かに演出するための同社独自の技術ということが分かった。ゲームだけでなく家電に組み込まれているし今後、医療・ヘルスケア分野に積極展開する。昨年11月に上場、今年4月に株式3分割を実施。権利修正チャートでは昨年12月5日に上場来高値6773.3円がある。全般相場の下げで足元では1300円前後だが、ミドルウェアの有望性を評価すれば絶好の仕込み場といえるだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:41 | IRインタビュー
2015年07月29日

JPホールディングスの荻田和宏社長に経営への取組みを聞く

 JPホールディングス<2749>(東1・売買単位100株)は保育園、児童館、学童クラブなど合計で225施設運営する保育業界の最大手である。管理体制の整っていることによる保育内容の充実が最大の強さであり業績は連続最高益を更新中と好調、ROEは18.5%と優秀。今年2月に社長に就任した荻田和宏社長に経営への取組みを聞いた。

jp11.jpg

■保育業界最大手、最高益更新、ROE18%台と優秀

――社長に就任されて約半年ですが、この間、どのような取組をされましたか。

 【荻田社長】 組織の洗い直しに力を入れました。創業者である前社長がトップダウンの経営スタイルで、独りで引っ張るタイプでしたから、業績はよかったのですが、社歴20年に比べ組織は未熟だったと思います。このため、社長就任以来数カ月かけて総務、経理、人事などすべての部署において、欠けていること、不足していることなどの問題点を洗い出し、毎週ミーティングを重ね改善を加えました。ほぼ、組織の基盤は強化できたので、これからはチームでの経営に磨きを加えていきます。

――御社は保育園、児童館、学童クラブを前期末(2015年3月)で合計200施設運営され保育業界の最大手です。強さの背景はどのようなところにありますか。

 【荻田社長】 管理体制が整っていることによる保育内容の充実が最大の強さです。オート−ロックや緊急通報機器等によるセキュリティ管理、職員への安全研修の充実、クッションフロア採用による転倒防止といった安全管理のほか食物アレルギー、感染症、食中毒など各種マニュアルが整備されています。英語・体操・リトミック、幼児教育プログラム「すぷらうと」などによる独自のプログラム活動、さらに、給食関連では特別ランチの提供、原材料確認の徹底など細心の注意をはらっています。とくに、当社の一番の特徴として管理課の専業職員が園を外から常にサポートします。また、保育園には必ず豊富な保育士経験を持つ園長を置き、さらに、その園長を数十年の経験を持つスーパーバイザーがサポートします。保育士の研修については約90種類の研修を設けているほか外部から講師を招いて研修も行っています。研修だけでなく保育士ひとり一人のフォローも行っていますから退職者が少ない点も強さです。口コミ情報が重要な保育業界で当社の質の高いサービスが評価され、その結果、圧倒的な保育施設数になっていると思います。

jp12.jpg

――今期に入ってから開園状況はいかがですか。

 【荻田社長】 保育園については東京都で4園、神奈川県5園、宮城県2園、千葉県1園、北海道2園、埼玉県1園、愛知県2園で合計17園開園しました。児童館・学童クラブは東京都で9カ所、愛知県で3カ所の合計12カ所開設し、直近では認可園160園、学童クラブ・児童園65カ所の合計225施設で3月期末に比べ25施設増えています。とくに、数年前に待機児童数がワースト1位となった名古屋市に初めて参入を果たしました。

――待機児童は、依然として多い状態が続いていますね。

 【荻田社長】 平成25年に安倍総理の「成長戦略スピーチ」を機に、取り組みの行われている「待機児童解消加速化プラン」に基づいて、平成29年度までに40万人分の保育の受け皿を確保することを目標として資本の投入や仕組みづくりが行われています。とくに、平成27年4月からの「子ども・子育て支援新制度施行」により大都市だけでなく、それ以外の地域においても地域のニーズに合った保育が整備されるため市場は今後も拡大が見込まれます。今後も年間15カ所程度の開園を計画しています。

■大幅な処遇改善で保育士確保にも対応、さらに強さ発揮

――市場は拡大が続くという明るい見通しですが、業界では保育士不足が深刻のようですが。

 【荻田社長】 その通りです。最大の経営課題です。とくに、東京での保育士獲得が深刻です。今年4月3日、厚生労働省はこれまで年1回だった保育士試験を年2回にする取り組みを開始すると発表しました。平成27年度より大阪府、神奈川県、沖縄県、千葉県を国家戦略特区として通常の保育士試験とは別に年1回の試験を導入しました。これに合格すれば、「地域限定保育士」として特区内で働くことが可能です。そして、特区内で3年働けば、その後は全国で働くことができます。

――このような背景の中で、御社としてはどのような取り組みを進めていますか。

 【荻田社長】 大幅な処遇の向上を行っています。今年、給料を平均1万8000円引上げました。恐らく全企業中でトップクラスの引上げではないかと思います。年収ベースにおいてもトップクラスだと思います。給与面のほかにも寮を完備し地方での獲得に力を入れています。寮費は昨年まで月3万円でしたが今年から1万円としています。現在、保育士不足のため保育園の稼働率は平均90%前後です。保育士の獲得ができれば、その分待機している児童を預かることができますから、業績の上積みが可能となります。

――中長期展望は次の機会にお願いしたいと思いますが、今期の業績についてお願いします。

 【荻田社長】 前3月期は東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、北海道、宮城県において新たに保育所17園、学童クラブ4施設を新規開設しました。この結果、期末の保育所数は146園、学童クラブは46施設、児童館8施設となり子育て支援施設の合計は200カ所となり、13.5%増収、営業利益11.1%増益と2ケタの増収増益でした。経常利益率9.2%、ROEは18.5%です。今3月期は売上14.2%増の204億1100万円、営業利益21.5%増の17億4000万円、配当は連続1円増配の年5円を予定しています。

――ありがとうございました。

<編集後記>
 荻田和宏社長は大和証券出身。ソフトで大局観からの視点は鋭くチーム力経営で業績をいっそう飛躍されるであろうとの印象を強く持った。保育園に続く事業育成にも着々と手を打たれている。次回、このあたりを詳しくお聞きしたい。株価は年初来高値が400円(2月12日)、同安値は303円(7月9日)で29日前場終値は335円。今期の2ケタ増収増益を見直して年初来高値に挑戦すると見られる。底値圏の330円前後は仕込み場といえる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:44 | IRインタビュー
2015年07月26日

セキドの関戸正美社長にインバウンド需要取り込みを聞く

■インバウンド需要取り込みに集中、今期大幅黒字転換

 セキド<9878>(東2・売買単位1000株)は時計などの高級輸入ブランド品を「銀座ラブラブ」のブランドで全国23店舗で展開する。6月から全店舗での免税店販売体制を整えインバウンド需要取り込みに取り組んでいる。今期は大幅黒字転換見通しから株価は好人気。関戸正美社長に近況を聞いた。

■23の全店舗で免税店販売実施、中国人観光客に加え在日中国人需要増加

セキドの関戸正美社長にインバウンド需要取り込みを聞く

<Q>輸入ブランド品が主力の御社ですが、消費の動向はいかがですか。

<A>個人消費は、消費増税の影響が一巡し回復の兆しは見られるものの、本格回復には至っていません。こうした中でインバウンド需要は好調です。とくに、前事業年度に開始した免税店小売法人(ラオックス)向けのバッグ、時計などの商品提供がたいへん好調です。また、当社においては、旗艦店の銀座店など7店舗において先行して免税店販売を実施したのに続いて6月後半に残り16店を加え23店舗すべてにおいて免税店販売を実施しインバンウンド需要取り込みに全力で取り組んでいます。

<Q>店舗は関東圏のほかに地方でも展開されています。地方でもインバウンド需要は期待できますか。

<A>大いに有望です。当社の店舗は関東圏で12店舗、東北エリア2店舗、東海エリア5店舗、甲信越・北陸エリア2店舗、近畿エリア2店舗の合計23店舗で全国展開しています。最近の中国人観光客の特徴は、6大都市においてはホテルが取り難いことから団体でも個人でも地方観光が増えています。たとえば、富士山を観て、名古屋、京都へ向うというコースがたいへん人気ですが、ホテル不足で名古屋では宿泊しないで長野県諏訪に宿泊するケースが増えています。諏訪では水陸両用バスが中国人観光客にすごい人気となっています。諏訪周辺のホテルなどにチラシを置く効果で当社の諏訪店は好調です。また、京都府木津川市・高の原店も京都と奈良に近く、数多くの世界遺産など観光立地に恵まれているため期待できるとみています。

<Q>さらに、在日中国人需要と地方の国内富裕層需要の取り込みにも取り組んでいらっしゃるようですが。

<A>とくに、静岡県浜松市、群馬県太田市は在日中国人の方が多いところですが、中国から親戚・知人の方が観光で訪れるケースが増えていますので販促を強化することで来日中国人観光客と在日中国人の両方の需要を取り組みたいと思っています。既に実績が上がり手応えを感じています。なかでも、自動車や楽器関係で勤務する中国人が多い浜松は有望です。さらに、インバウンド需要と同時に地方店舗においては百貨店の外商部のような展開で富裕層を取り込むこと着手しています。「銀座ラブラブ」のブランドがかなり高まってきたので今が飛躍できるチャンスと捉えています。

<Q>中国株安の影響はありませんか。今期見通しについてもお願いします。

<A>好調な月次売上が続いています。中国株安の影響は感じられません。オリンピックまではインバウンド中心に好事業環境が続くとみています。このインバウンド需要を地方店舗に取り込んでいくことに今もっとも力を入れています。前期(2015年2月期)は消費増税の影響で減収、営業赤字でした。今期は決算期を2月から3月へ変更するため13カ月決算ですが売上は124億円(前期は12カ月決算で101億6800万円)、営業利益1億6000万円(同赤字6億8600万円)の見通しです。

 株価は年初来高値が285円(6月17日)、同安値130円(1月6日)で直近7月24日終値は260円。出来高は連日、活発である。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:54 | IRインタビュー
2015年05月30日

ヒューマンウェブの吉田e則社長に展望を聞く

■海洋深層水で安全性追及、牡蠣レストランの最大手に成長

 ヒューマンウェブ<3224>(東マ・売買単位100株)は、今年3月に上場、初値2010円に対し4月17日には4875円まで買われた。足元では高値圏で堅調だ。日本で古くから愛され食されてきた牡蠣(カキ)の飲食店「オイスターバー」を運営するほか一般飲食店への卸売を手掛けている。難しいといわれた牡蠣で飛躍を図る同社の吉田e則社長に今後の取組みを聞いた。

ss1.jpg

■18年3月期に売上100億円、営業利益10億円目指す

――おいしいけど外食には難しいといわれてきた牡蠣(カキ)を主力の事業とされていますが、これまで、ご苦労はありましたか。

 【吉田社長】 2000年4月に会社を設立し、牡蠣を主体とするレストラン『オイスターバー』を展開し、ちょうど10店舗開設した頃の2006年にノロウイルスが社会的問題となり厳しい環境に見舞われました。しかし、このピンチに安全性向上に全力で取り組んだ結果、安全性に対する信頼と評価をいただき現在では、東京、神奈川、千葉、茨城、愛知、大阪、兵庫、福岡で合計28店舗展開しています。日本にほとんど存在しなかったオイスターバーで日本最大のプレーヤーとなりました。

――どのような安全性に取り組まれたのでしょうか。

 【吉田社長】 まず、牡蠣についてですが、魚介類を生では口にしないといわれる欧米では唯一、牡蠣だけは食される別格のものです。栄養価の高いことが昔から知られているからです。日本でも古くから愛されてきましたが、ただ、夏場は味が落ちるため冬に食べるものといわれてきました。しかし、日本では夏でも美味しい真牡蠣が採れる産地があるほか夏に旬を迎える岩牡蠣もあります。日本では一年を通じて美味しい牡蠣を食べることができます。安全性の取組みということでは、当社は、牡蠣が1時間に20リットル、1日で480リットルもの海水を吸い吐き出していることに着目しました。牡蠣が取り込む海水を紫外線で殺菌して牡蠣の体内を浄化する方法をとってきました。さらに最近では、地球の神秘の水、「海洋深層水」を使った牡蠣の浄化システムを実現させました。これによってより安心に食していただけるようになりました。

――事業別としては、どのような区分けですか。

 【吉田社長】 2つの事業から成っています。1つは、『直営店舗事業』です。百貨店や商業施設を中心に「ガンボ&オイスターバー」をはじめとする複数のブランドによる飲食店の運営を行っています。全体の売上の約90%を占めています。もう一つは、『卸売事業』です。一般飲食店向けの卸売り販売及び牡蠣の種苗生産、海面養殖にも取り組んでいます。また新規プロジェクトとして牡蠣の陸上養殖研究を行っています。

――今後の事業展開のイメージをお聞かせください。

 【吉田社長】 当社は創業以来、牡蠣の安全性を追及してきた結果、レストラン店舗から始まった事業が加工、生産へと事業領域が拡大してきました。今後の中期事業計画のフレームとして掲げている「牡蠣」の6次産業化のうち、「陸上養殖事業」及び「食品加工販売事業」の早期事業化を進め、これら事業を当社の利益成長を牽引する重要領域として位置付け積極的な資金投下を行っていきます。

――今後の事業ごとの取組みについてお願いします。まず、新規事業からお願いします。

 【吉田社長】 『陸上養殖事業』については、共同研究のパートナーである東京大学との研究をより進め、陸上養殖の重要な前提となる牡蠣の餌料となる微細藻類の大量培養技術の確立をめざします。同時に給餌方法、機器の開発にも取り組んでいきます。『加工販売事業』については、既に、6次産業化に向けた2次産業の加工事業拠点として岩手県大槌町で、「大槌町水産業共同利用施設復興整備事業計画」の認定を受けています。2016年3月期に牡蠣加工工場の建設に着手し2018年3月期での寄与を目指しています。現在、東北大学と共同研究している栄養機能性成分分析を加速化させ、高品質・高付加価値の牡蠣サプリメントにより市場規模の大きいコンシューマ健康食品市場への参入をめざします。また、外注している牡蠣フライや冷凍牡蠣について三陸産牡蠣を原料として自社製造での内製化をはかります。

――既存事業についての取組みはいかがですか。

 【吉田社長】 『直営店事業』では、引き続き集客力に長けた百貨店や主要駅の駅ビルやショッピングセンターなどの商業施設内に毎期7店舗程度新規出店を計画しています。『卸売事業』では、オイスターバー市場の成長と相俟って外食市場における牡蠣のニーズは年々高まっており同事業の売上は2015年3月期では売上3億3000万円と前年比44%伸びています。直営店事業で培った牡蠣取扱ノウハウと浄化加工とを兼ね備えている強みを発揮していきます。

――2018年を目指すというお話でしたが、2018年3月期の業績はいかがでしょうか。

 【吉田社長】 そうですね、売上で100億円(2015年3月期は38億5000万円)を計画しています。利益については浄化システムを紫外線から海洋深層水活用とすることによる電気代等の軽減効果等も見込めることや新規事業の寄与で営業利益では10億円(2015年3月期2億1100万円)を見込んでいます。

――ありがとうございました。

 【編集後記】 今年3月19日に新規上場初値2010円でスタート、4月15日には4875円と値を上げ、牡蠣事業に対する期待の大きさを表す展開となっている。ただ、先行投資負担で2015年3月期に続いて2016年3月期が減益となる見通しから目先筋の売りに反落、5月19日には2166円まで下げた。上場後の安値1854円(3月19日)まで下げることはなく、むしろ牡蠣ファンの中長期投資家には好買い場となって29日には3785円と急反発に転じている。牡蠣という身近な食べ物で独自の地位を確立し2018年に向けて成長の期待できることから押し目は積極的に狙える銘柄だろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:00 | IRインタビュー
2015年02月20日

【社長インタビュー】ジオネクストの足利恵吾社長に聞く

■再生可能エネルギーとヘルスケアの新事業立上げ、今期売上10倍、黒字転換

 ジオネクスト<3777>(JQ・売買単位100株)は、今年1月に足利恵吾新社長が就任、地域創生に貢献するビジネスを鮮明とした展開を図る。地熱、メガソーラの「再生可能エネルギー」と、調剤薬局、先端医療分野などの「ヘルスケア」の2つの事業を立上げている。今期売上は急拡大、利益は黒字転換する。足利恵吾新社長に聞いた。

ジオネクスト

■東京大学医科学研究所との間で中枢神経系遺伝子治療の実用化目指す

――昨年12月に取締役に選任され、今年1月13日付で社長に就任されたばかりですが、まず今のお気持ちをお聞かせください。また、東京電力のご出身とお聞きしました。

 【足利社長】 今の気持ちは、負の遺産を一掃して業績を向上させ一刻も早く株主さんにお応えする、この一点に尽きます。業績を飛躍さるためのシーズ(種)作りにスピード感をもって取り組んでいます。東京電力では経営企画や制度設計などの業務に携わっていました。新社長として行ったことは、第一に、3箇所にわかれていた事業部を本社移転(赤坂)と共にワンフロアー、一箇所に統一し経営の効率化と一体感を持って役職員一致して予定利益達成を図る体制を整備したことです。また今年の経営目標達成必達のため時間のかかる「遺伝子」部門は投資比率を落とし将来の利益に賭ける変更を行いました。第二は、再生可能エネルギー部の強化として本社内に100メガ程度受注可能規模の「監視センター」を作りました。これで自社の発電事業ばかりでなく他社の発電事業者からの依頼に応じられるようになり将来の弊社の利益構成に大きく影響を与えられることでしょう。また、この事業開始により弊社の従来からの「環境事業部」の利益にも繋がると考えています。第三は、発電事業の開発強化と「コンサルティング」のため大幅な増員を行いました。本年の売上ばかりでなく2年、3年後の売上利益に貢献するはずです。

――事業内容をお願いします。

 【足利社長】 4つの事業から成っています。このうち従来からの事業が、モバイルコンテンツ・Webソリューション・ITインフラなどを手掛ける『IT関連事業』と、ビルメンテナンスを手掛ける『環境事業』の2つです。これに新たに、上記に触ました地熱・温泉バイナリー発電とコンサルティングの『再生可能エネルギー事業』、そして、もうひとつ先端医療関連・医薬品及びサプリメント・調剤薬局などを手掛ける『ヘルスケア事業』の2つを前期(2014年12月期)から加えています。従来事業及び新規事業とも昨今の技術革新の著しい分野であり、かつ、持続可能な生活環境を実現するための社会ニーズの高い分野です。20年後、50年後にどのような生活環境を実現すべきであるか、将来を見通すビジョンと高い目標を実現する意欲を持ち弊社は「公共性」をキーワードとして事業活動を展開します。

――社名と事業展開の関係についてお聞かせください。

 【足利社長】 社名となっている『ジオ』はギリシャ語で地面、地球という意味です。ジオネクストとつなげることにより、次世代の地球環境を創造していきたい、という私たちの願いと、足元の地面を固めて着実に次世代のための基盤を作っていきたいという事業スタンスを表現しています。

――足元での取組についてお願いします。

 【足利社長】本年での長期赤字からの脱却を一刻も早く実現し安定した収益基盤の構築と持続的な事業拡大を目指し、ヘルスケア事業及び再生可能エネルギー事業の2事業を新たに開始しました。同時に既存事業の強化にも取組んでいます。とくに、新たに参入した『ヘルスケア事業』では先端医療関連事業、医薬品・サプリメント、調剤薬局の3分野を中心に新規事業の開拓と構築を進めています。「先端医療関連事業」の分野では昨年5月に設立した(株)遺伝子治療研究所を中心に遺伝子治療の早期実用化を目指し国内外の大学や研究機関との共同研究を推進しています。「医薬品・サプリメント事業」では独自の商品開発を進め、昨年12月13日に最初の商品となる「仙人酵素」の販売を開始しました。「調剤薬局事業分野」では昨年12月に青森県八戸市にある、八戸赤十字病院の門前において保険調剤薬局を開業しました。さらに、4月には青森県に新店舗を予定しています。今後は大手が出店していない空白地域にマトを絞って店舗数を増やしていく計画です。

――遺伝子治療研究所はどのような分野を開発されていますか。

 【足利社長】 現在約30%出資の子会社の遺伝子治療研究所は、長期的視野を持って行う事業ですが、国立大学法人東京大学医科学研究所との間で昨年11月に中枢神経系遺伝子治療開発及び第T相・第U相臨床研究に関する共同研究の契約を締結しました。臨床研究は難病である、(1)パーキンソン病、(2)筋萎縮性側索硬化症、(3)アルツハイマー病を対象疾患として東京大学医科学研究所付属病院において臨床研究を行います。遺伝子研究所の遺伝子治療は、神経細胞選択的に安全かつ効率的遺伝子導入を行うことが可能な技術です。とくに、筋萎縮性側索硬化症やアルツハイマー病などの神経性疾患の遺伝子治療では、脳や脊髄から可能な限り多くの神経細胞に遺伝子を導入することが望まれており、この技術潜在的優位性が治療の効果に影響を与えます。利益が見えてきたならば出資比率を高めていく考えです。

■地熱発電、太陽光発電とコンサルティングで強さ発揮

――新規事業でのもう一つの再生可能エネルギーについての取組はいかがですか。

 【足利社長】 私自身の最も得意とし自信ある事業です。弊社は、昨年2月に地熱・温泉バイナリー発電及び本発電所建設によって獲得したノウハウをベースにコンサルティング事業を行うために、「日本地熱発電」を設立しました。また、続けて昨年11月に太陽光発電も含めた再生可能エネルギー全般のコンサルティング事業を行う、「エリアエネジー」を設立しました。

――地熱発電、メガソーラの今後のご計画はいかがですか。

 【足利社長】 地熱発電は九州を中心に12カ所を計画しています。本年の一番の売上、利益共に貢献度の高いメガソ−ラについては20カ所を予定、ほぼ目処がついています。両分野とも地域に貢献することを第一に掲げ比較的小規模な発電で特徴を出します。タービンなどは購入しますが設計等はすべて社内で行うため認可も含め立上げがスピーディにできることが強みです。とくに、当社は地熱発電、太陽光発電を地域社会の立場に立った位置づけとして捉え、電気を作り放しではなく、たとえば温泉水の二次利用による、農作物及び花卉栽培といった分野にも視野を拡げ地域創生に貢献します。

――締めくくりに業績についてお願いします。

 【足利社長】 前期(2014年12月)で営業損失1億7800万円を計上しましたが、これで、悪いところは出し切りました。今期は新規事業が寄与してくるため売上は前期の2億6400万円に対し10.2倍の27億円を計画しています。営業利益で1億5000万円、純益で1億1400万円と共に黒字を見込んでいます。来年、再来年と増収増益を目指します。まだ、無配ですが、冒頭、申し上げた通り、株主さんにお応えするよう業績の飛躍に取り組んでまいります。

――ありがとうございました。(なお、バイナリー発電は高温ではなく摂氏70〜100度蒸気での発電のことです。)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:49 | IRインタビュー
2014年11月18日

アルコニックスの代表取締役社長正木英逸氏が現況と今後の取組について語る

■今期は過去最高の経常利益49億5000万円を見込む

アルコニックスの正木英逸社長 上場以来の過去最高の経常利益49億5000万円を見込むアルコニックス<3036>(東1)の代表取締役社長正木英逸氏に現況、今後の取組等について伺った。

――これまでの商社は、利ザヤがどれだけ稼げるかの世界でした。このマージン商売ではこの先は無いのだということで、非鉄金属の会社さんはどこも苦労されていますよね。ところが、御社は、商品市場の動向に左右されることなく、安定的な収益が上げられるように、事業構造の改革を実施しています。その結果、今期は過去最高の経常利益を達成する見込みですね。

 【正木社長】 その通りです。今期は経常利益ベースで過去最高であった12年3月を上回る見込みです。当時はレアメタル・レアアースが収益に大きく貢献しました。いまは、そのウェイトがだいぶ下がりましてね、上期で占める割合がレアアースは7%くらいまでしかありません。取扱商品としては、大事な金属ですけれども、当時と比較するとウェイトが下がりました。また、レアメタル・レアアースは価格変動が速すぎます。流通量が少ないものですから、需要動向によって価格が過敏に反応します。だからボラティリティが高いといえます。多分投資家の皆様から見られて、アルコニックスというのはそのような商品をたくさん扱っているから、業績のボラティリティが高い、変動が激しいという風に見られていたようですけれども、我々はそれを改めてきています。

――レアアースの影響で、12年は過去最高益となりました。しかし、その後もおっしゃられたように、レアメタル・レアアースに依存しない体質に変化していますね。

 【正木社長】 レアメタル・レアアースの落ち込みの分を何で埋めたかというと一番大きいのはM&Aです。09年から現在に至るまで製造業を3件M&Aしています。一つは大川電機製作所で、アルミやチタンなど軽合金の切削を行います。次は米国のユニバーティカルというメッキ材料の会社です。もう一つが大羽精研、これは半導体装置向け精密部品の研削加工を行っています。いずれも、好調です。中でも特に大羽は超多忙で、作りたいのも作れない状況です。この3つの製造業で、上期の業績で売上は全体の10%ですが、経常利益でいうとケィ・マック他2社の持分法適用会社を含めて全体の37%の利益を占めています。相対的にいうとレアメタルとかレアアースは、相場による利益が低くなっています。しかし、製造業の業績は安定していますから、そういう意味で、相場の変動に強い会社になっています。

――そういうとM&Aが大切な戦略になってきますね。

 【正木社長】 中期的な戦略の中では、M&Aが非常に大切になってきています。何故かというと、既存の商売がなかなか伸びない。伸びないと新しい分野に進出しないことには利益は伸びません。実際限られたパイの中で、商社同士が取り合いをしても、所詮は大したことはありません。無駄なエネルギーを使うということです。それであったら、新しい分野に出ていくことを心がけています。我々の方針としては、M&Aの対象企業として、川上(製造業、リサイクル)、川中(商社)、川下(問屋とか加工業)を問わない、非鉄金属だけにこだわらない、化学品とか鉄でもよいということです。それから、国内、国外を問いません。海外の方が面白い企業があるかもしれません。アメリカ、欧米、シンガポールとか透明性の高いところを狙ってM&Aしていきます。それと製造業が流通業より利益率が高い場合が多いので、流通業は高くても粗利7%くらいですが、製造業は最低20%くらいの事業が多いといえます。それで、我々も出来るだけ製造業に近くなりたいと思っています。今年の11月までに11件のM&Aを行っていますが、2件はアルコニックスの中に取り込んでいます。これまでは、出合い頭にM&Aしてきた感じですが、これを点から面にして、有機的な繋がりのあるM&Aを行い、最終的には、非鉄金属の総合商社を目指しています。私のいう総合商社というのは、流通業もやっているし、製造業もやっているし、更に有機的な繋がりを持っていてグループを形成して動いている総合的な会社というイメージです。

――中期経営計画の数値的な目標は如何ですか。

 【正木社長】 昨年の経常利益は36億円でした。今年の計画が42億円、来年が47億円、その次の年は52億円を見込んでいました。ところが、どうも現状では今期の通期で49億5000万円になると見込んでいます。少しペースが速すぎるので、来期も最高益更新するためには、M&Aするしかないと思っています。

――投資の計画はどのようになるのですか。

 【正木社長】 向こう3年間で150億円の事業投資を計画しています。対象はM&A、事業投資、設備投資の3つです。経常利益率で10%以上を目指します。つまり、150億円の10%ですので、15億円の経常利益を計画しています。まず、大川電機で15億円の新規投資をします。航空機関係の設備を拡大します。大羽精研は現在フル稼働状態ですので、こちらにも数億円投資することになるでしょう。また、ユニバーティカルは中国で、8億円かけて敷地内に新工場を増設中です。この様に、設備投資に使う金額は150億円のうちの30億円を投資する予定ですが、償却もあり真水は7億円程度です。残りはM&Aにまわします。今年は、これ以上の業績は見込めませんが、来期からは、M&Aまたは設備投資により、連結業績に加わってくるようにして、右肩上がりになってくるようにします。とりあえず経常利益50億円が目標だったのですが、5年後は100億円を目指します。また、この間に一つのグループ企業を形成したいという思いもあります。

――川下のところで、例えば問屋ということでしたが、御社が取り扱っている製品を使って、何らかの製品にする製造分野というのも含まれると考えてもよろしいのでしょうか。

 【正木社長】 既に、中国の広州で、日系企業の金属加工を行っている会社ですけれども、恒基創富という会社に35%の株式を出資してビジネスを作っています。アルミ等の部隊は日本の国内で伝統的なビジネスを展開してきていましたが、日本での事業展開は難しくなってきました。そこで、海外で事業展開できるように日系企業を中国に引っ張ってきて、現地でビジネスが出来るように、会社に出資しました。それから、もう一つは、上海龍陽精密複合銅管の株式を25%取得しています。大体連結決算益が1億5000万円になります。この株式を12億円で買いました。連結決算益が1億5000万円ですから、8年で元を取る形です。上海龍陽という会社は、世界最大の精密銅管メーカーの金龍という会社の子会社です。この様な事業もやっています。この他に、スクラップヤードにも力を入れています。昨年、大阪の枚方で、アルミのスクラップヤードを買いました。業績は好調です。年間5000万円くらいの利益が上がるでしょう。それから第2弾で、九州の稲田商会の銅のスクラップヤードを事業譲受しました。機会があれば、東京、名古屋とかでも展開したいと思っています。スクラップは日本国内では、一定の需要があります。将来は輸出を狙っています。九州も大阪も立地条件が良いといえます。この様なリサイクルの事業も脚光を浴びてくると思っています。レアアースについては、コストの安いベトナムでリサイクルの事業化を進めています。

――アルミでも銅でも素材のところを扱う製造の分野も含めて、最終的にどこかのメーカーが使うところまで、商圏に取り込むということですね。

 【正木社長】 英語でいえばトータルオルガナイザーということです。自分で主導して商売を創りだすようにします。

――昔から商社というのは、右から左に物を渡す口銭ビジネスといわれてきました。それが投資家の皆さんの頭にはこびりついています。今の商社ビジネスというのは、そのようなビジネスも残っているかもしれませんが、基本的にはそれでは儲かりませんということで、川上から川下まで取り込んでビジネスを創出するようになってきています。その点をまだ投資家の皆さんの多くが理解していないので、商社のセクターは万年割安株として放置されているのだと思います。

 【正木社長】 東証1部の株価の平均はPER17倍、PBR1.4倍です。ところが、当社の株価はPER6.5倍、PBR1.0倍と平均を大きく下回っています。大手商社のところの株価欄を見ると、ほぼ当社と同じですので、当社は商社としては規模は小さいですが、株価だけは大手商社並みというところです(笑い)。

――商社のセクターの株は、全体が万年割安株といわれているように、どうしても高く買われません。イメージとして口銭商売、資源価格が下がると株価も下がるというイメージが投資家の間で定着しています。しかし、御社の場合はビジネスを創出し、製造業の会社も取り込み、昔の商社とは異なるビジネスの展開をしています。その点を、投資家の皆さんに理解していただければ株価の水準も違ったものになると思います。

 【正木社長】 そうですね。この様なインタビューを通じて少しでも当社の現状をご理解いただければと思っています。

――最後になりますが、これまで11社のM&Aを行い、30社に事業投資を行っています。その全てが成功しています。M&Aを行う基準がありましたら教えてください。

 【正木社長】 これまで、M&Aを行って全てうまくいっています。その理由として挙げるなら、一つは目利きですね。我々は、M&Aをするときは徹底的に調べます。ポイントとしては、現状の利益に瑕疵がないかどうかというのと持続性があるか、将来にわたって成長できるかどうかということです。それと業績が安定しているかも大切で、今期は良くても来期は赤字だというのであればターゲットにしません。更に、技術力があり、社員のやる気があるかどうかもポイントにしています。M&Aの実施後は、それまでの経営者に経営をゆだねます。できる限り長くやってもらいます。給料は、それまでの給料にインセンティブを付けます。本社からは、最低一人は派遣します。我々は上場企業ですから、上場企業の基準に合った処理をすることが求められますので管理部門の人を派遣します。それ以外はあまり口を出しません。コントロールするのではなく、自主性を尊重します。基本的には、勝機があれば思い切って投資もします。これまで、M&Aしてから従業員は増えています。

――本日は、長い時間お話しいただき誠にありがとうございました。

>>アルコニックスのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:25 | IRインタビュー
2014年09月12日

【インタビュー】京写の児嶋一登社長に聞く、徹底した製造の自動化で収益力が急向上

■2016年3月期に売上200億円、営業利益率6%目標

京写の児嶋一登社長に聞く 京写<6837>(JQ・売買単位100株)は、プリント配線板の大手で、とくに片面配線プリント板では世界No1の生産量を誇る。一般には目に触れ難いが、電気を使用する製品にはすべてプリント配線が使われている。グローバル生産拠点での徹底した自動化による効率化効果で業績は好調だ。2015年3月期を上方修正している。社長に就任して5年の児嶋一登社長に近況と展望を聞いた。

――今期(2015年3月期)を上方修正されるなど、最近の業績好調が注目されます。社長に就任されて今年で丸5年と思いますが、この間、どのようなことに取り組んでこられましたか。

 【児嶋社長】 その前に先ず、当社の手がけている製品について説明します。当社は、片面プリント配線板と両面プリント配線板をグローバル生産拠点から世界中へ製品を供給展開しています。主力の片面プリント配線板では、月間の生産能力が九州工場で8万平方メートル、中国工場で22万平方メートル、インドネシア工場で15万平方メートルの合計45万平方メートルです。これは(月産)、東京ドーム建築面積の約10個分に相当し、世界No1の生産量です。一方、両面プリント配線板は、京都工場で1万5000平方メートル、新潟工場で1万5000平方メートル、中国工場で4万平方メートル、中国生産提携工場で12万平方メートルの合計19万平方メートルです。社長に就任して、これらの工場において徹底して自動化による効率化で安定して利益が出せる体質づくりに全力で取り組んできた効果が現れています。

――片面と両面を合わせた生産能力でみると、特に中国での生産が全体の59%ということですが、中国での人件費増に対応されたということですか。

 【児嶋社長】 そうです。中国、インドネシアともに経済成長に伴い賃金は年々2ケタの高い伸びが続いています。このため、中国、インドネシアの両工場に自動化設備を導入することでコストダウンを図りました。また、香港の営業拠点において当社グループ全社で使用する資材を集中購買することにより、調達コストの低減も寄与し原価率が大幅に改善できました。

――需要についてはいかがですか。

 【児嶋社長】 家電、自動車、事務機、映像、アミューズメント、産業機器など幅広い製品用途が特徴です。とくに、製品サイクルの長い自動車やLED照明等の環境対応の家電製品への注力、また防塵対策基板、熱伝導放熱基板、ファイン回路を印刷法の実現、実装搬送用治具における次世代搬送キャリアの開発なども幅広い用途と顧客を獲得している要因です。現在(2014年3月期)での需要先別では、家電製品が32%(5年前17%)、自動車27%(同11%)、事務機15%(同15%)、映像関連8%(同31%)、アミューズ7%(同7%)、他、という構成比率です。皆さんの目には触れませんが、電気を使用する製品にはすべてプリント配線が使われています。最近はLED市場の拡大に伴って需要が拡大していますし車載用にも拡大しています。

――2014年3月期から2016年3月期までの3ヵ年の中期経営計画についてお願いします。

 【児嶋社長】 経営ビジョンとして、『社員が誇れる挑戦企業になる』、さらに、基本戦略として、『環境対応の技術開発に取組み、ボリュームゾーン商品で世界No1の企業になる』ことを掲げています。具体的戦略として、(1)環境対応戦略、(2)ボリュームゾーン戦略、(3)グローバル戦略、(4)収益力強化戦略、(5)新規事業戦略、という成長への5つの重点戦略によって、数値目標等を次のように計画しています。連結売上目標200億円、営業利益率6%で、事業別には片面基板事業で売上目標100億円(2014年3月期95億円)、両面基板事業で売上目標85億円(同56億円)、実装関連事業で売上目標15億円(同10億円)、既存製品の営業利益率6.5%以上(同5.0%)です。

――足元の業績についてお願いします。

 【児嶋社長】 去る、7月31日に2015年3月期の第2四半期と通期見通しを上方修正しました。国内では消費税増税による駆け込み需要の反動からマイナス影響を懸念していましたが、前期に引き続き好調に推移し海外でも自動車関連及び家電製品分野が好調です。国内では在庫不足の状況です。今3月期通期では、売上は170億円(前期比5.4%増)と従来予想を据え置きましたが、営業利益は従来予想から3000万円上方修正の9億円(同12.7%増)、純益でも3000万円上方修正して6億5000万円(同25.1%増)としました。

――1株利益は45.35円(前期36.25円)の見通しで、年5円配当に対する配当性向が11.0%と非常に低くなります。配当については、どのようにお考えですか。

 【児嶋社長】 これまで取組んできた生産の効率化やコスト低減などにより安定して収益を上げられる体制となってきたことから配当については前向きに検討します。先ず、配当性向20%を目安にしたいと思っています。

――ありがとうございました。

 【取材後記】 社長に就任された時は、リーマンショックに見舞われた厳しい事業環境で2009年3月期の営業利益は1億5700万円まで落ちこんでいた。株価も2008年には62円まで下がっていた。それが、2015年3月期の予想営業利益は9億円(前期比12.7%増益)とすばらしい向上で、株価も今年9月1日には465円と評価されている。収益向上に伴い配当も年8〜9円へ増配が見込めることから株価は中期で1000円を目指す展開が予想されそうである。

>>京写のMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:49 | IRインタビュー
2014年09月11日

トレックス・セミコンダクターはアナログ電源ICのリーディングカンパニー、小型低消費電力で業界をリード

■中期計画として、車載、産業機器の売上比率50%、利益率20%を目指す

代表取締役社長藤阪知之氏に近況と今後の展望について伺った トレックス・セミコンダクター<6616>(JQS)の代表取締役社長藤阪知之氏に近況と今後の展望について伺った。

――まず事業内容を簡単に確認させてください。

 【藤阪社長】 アナログ電源専門メーカーです。扱っている製品は、レギュレーター、コンバーター、或いは電圧の検出器等の主力製品を製造しています。生産については、前工程は外部に委託、後工程も大半を外部に委託していますが、我々が特許を持っている特殊なパッケージの一部をベトナムで生産しています。基本的には、前工程も、後工程もファブレスという形です。ベトナムでは、我々の特殊な技術で作った製品の一部を生産しているということです。

――その比率はどのくらいになるのでしょうか。

 【藤阪社長】 後工程でいいますと、15%程です。

――御社の事業のきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

 【藤阪社長】 私たちが事業を始めたきっかけは、ソニーが電池一本で駆動するカセットテープであるウォークマンを開発する際に、0.8ボルトで動く電源を使用するということで、数社の中から企業を選ばれました。その結果、当社が選ばれ、電源ICの事業がスタートしたといえます。当然ながら、電池1本で長時間動かすということは、低消費電力の電源が必要ということになります。これが、我々の一番の売りです。カセットテープは電池1本しか入らない容量となっていましたので、当然パッケージも小型でなければなりません。我々はそれ以来、電池で動く製品に対応してきました。ところが、カセットが流行って、CDとかMDとか、ページャー(小型の液晶端末にデータを送信する移動通信システム)という電池で動くものが増えてきましたので、我々の製品を扱ってくださるお客さまも増えてきました。その当時、我々が作ってきたのはカセットテープぐらいしかなかったので、それ用の小型低消費の電源を作るところはがありませんでした。マーケットとして非常に小さいかったのですがので、我々は始まったばかりの会社ということもありで、それ小型低消費のアナログ電源IC1本に絞って、事業を進めてきました。小型化の市場が進むと共に、我々の事業も拡大してきました。小型低消費のアナログ電源ICに関してえはいえば、業界でも一番最初に手掛けた企業といえます。バッテリーで動く製品用の電源ICについては、一番歴史を持っているといえます。携帯電話が普及してきて、他社さんはこのマーケットは伸びるということで、手掛けられたのが大半といえます。そういう意味では、小型低消費に関しては、我々が先行しているといえます。それまでは、電源ICというのは、殆んど家庭で使われる100ボルト対応製品向けのものが普通でした。あまり消費電流は気にせずに、小型でなくてもよかったのです。半導体も低消費向けのCMOSという作り方と、従来のバイポーラという作り方があるのですが、我々は最初からCMOSというやり方で電源を作りました。それがうまくいって、ソニーさんに採用されたということです。

――それなりの技術の蓄積が元々あったわけですね

 【藤阪社長】 今は、ファブレスですが、元々作る技術は持っていました。ファブレスとしては珍しく、半導体の前工程のプロセス技術者も持っていますし、後工程のパッケージ技術者も持っています。単なるファブレスだと、作っていただくところの作り方へ、こちらの開発を合わせていく作っていただくということになるのですが。我々は、作っていただくところのプロセス技術と我々の開発技術を合わせて、一番効率よく特性を出せる設計を行い、作っていただくところ半導体メーカーさんに、製造プロセスを微調整してもらいさせながら作っていただいていもらいます。これが技術的な強みになっています。当社の強みのその典型といえるのが、独自のパッケージであり、特許を持っています。当初はパッケージ会社へ技術を供与しながら、超小型パッケージUSP(Ultra Small Package)を作っていりましたが、5年前にその専門工場を作りました。

――そういう歴史があるんですね。

 【藤阪社長】 小型、低消費について20年以上の歴史があります。アメリカのアナログメーカーより先んじて、バッテリー対応機器という低消費、低電圧の分野では、歴史を持っているし、アナログに関するでは、技術の積み重ねも持っています。世界でもトップクラスだと自負しています。しかし、現在注力しているの車載用になりますと中高耐圧の製品が必要となります。この分野はさすがにアメリカが先行しています。現在追いかけていっている状況です。低消費電流という技術は持っていますので、車でも、何でも低消費が当たり前の時代なので、この技術を中高耐圧に応用して製品を揃えているところです。

――業績についてはこれまで順調でしたか。

 【藤阪社長】 リーマン・ショックまでは右肩上がりでした。特に小型低消費の電源を必要とするアプリケーションが格段特段に増えましたから、CDからMDになり、ページャーになり、それから携帯になり、デジカメが出てきて、周りにモバイル機器が増えてきました。テレビも環境に優しくするために電力を抑えるということが10年前程から言われています。家庭用電気製品といえども低消費電流が求められています。ということでうまく右肩上がりの業績でありました。しかし、リーマンを境にテレビ、携帯、デジカメもコモディティ化して、誰でも部品を買ってくれば出来るという状態になってきますと特性よりも、いかに安くするかということが求められてきました。そうなると似たような製品が韓国、台湾、中国で作られて、価格競争で負けてしまうという結果になりました。これでは、今後難しいということで、リーマンを境に、そのような製品からは出来るだけ手を引いて、車載とか産業機器という、我々の技術特性を正当に評価してくれる分野に、経営資源を集中しました。今では、車載、産業機器が売上の35%を占めるまでに成長してきました。リーマン前は5%くらいでした。

――モバイル関連は、技術的な優位性だけでは、なかなか難しくなってきたということですか。

 【藤阪社長】 そうですね。例えば、リチウムイオン電池の3.3ボルトで動くようになってきたのです。3.3ボルトだけで動くモノづくりをすると非常に安く作ることが出来ます。我々は0.1ボルト単位で、あらゆる電圧に対応する技術を持っていますが、その機能を必要としないわけです。ただ、3.3ボルトだけに対応する機器であればよいので、如何に、大量に安く作れるか、というることだけが求められたのです。それで、その分野からは撤退したということです。

――では、御社にとっての競合相手はどこになりますか。

 【藤阪社長】 今の、車載とか産業機器になりますと欧米系、特にアメリカ系のアナログ専業メーカーです。TI(テキサス・インスツルメント)、マキシム等が挙げられます。市場は大きくないうえに、アナログの技術者を一人前に育てるまでに、10年近く、或いはそれ以上の年月がかかりますので、大企業は参入しようとはしません。

――御社の説明会資料を見てみますと、IC電源の市場は8700億円であり、年々4%ほど伸びているということですが、この市場がなくなるということはあり得ませんね。

 【藤阪社長】 あり得ません。自然現象は全てアナログですから、それを処理するためにアナログをデジタルに変えて処理した方が便利ですからデジタルの半導体が真ん中あたりで使われています。しかし、入と出はアナログです。

――電気の専門のアナリストであれば、半導体にも色々な製品があって、分野も色々に分かれているということは理解していますが、個人投資家から見ますとどうしても、半導体といえば、全体が一緒くたになってしまって、全部がDRAMの世界のように捉え、半導体は儲からないと思っていらっしゃる人たちも多いと思います。そのような皆さんに、アナログは成長産業ですよ、と説明するにはどのようにすればよいのでしょうね。

 【藤阪社長】 例えば、デジカメでいうと機能が色々増えてくるわけです。マイコンがあり、液晶を動かし、機械的にモーターを動かし、或は時計の機能があるとか、現在はGPSの機能も付いています。それらを動かすためには皆電気が必要です。ところが、電池は1個しか入っていません。マイコンとかを動かすためにには、必要な最適な電流、電圧はがそれぞれ違います。全部が3.3ボルトで動くわけではありません。マイコンであれば、1.1ボルトで動くだとか、必要な電圧が皆違うので、バッテリーの電圧で上げたり下げたりしながら、それぞれの機能へ電気を送らなければなりません。要するに、機能が増えれば増えるだけ、電源の数が必要となってきます。ここを処理するのはアナログで行うのが一般的です。厳密にいえば、デジタルの電源ICもあるのですが、基本的にはアナログの電源ICが主流ですで行っています。今後も製品の機能が増えていけば、必然的にアナログ電源ICの需要必要性も増えてくることになります。

――こうやって、過去の話を伺っていますと、ベンチャー企業とは違いますね。

 【藤阪社長】 もともと半導体を作る能力と、設計の部門を持っていましたので、ファンドリーに委託するだけではなく、自前の製品を持たないと業績は安定しないと思っていました。ちょうどその頃、先ほど話しましたように、ソニーさんの話が来ましたので、今後はバッテリー対応の製品が増えるだろうと判断し、小型低消費を強みに、アナログ電源ICメーカーとして成長してきました。

――今期の業績の見通しについてですが、最終利益は別にしまして、営業・経常利益は増益なのですが、伸び率が少し保守的ではないかと思いますが。

 【藤阪社長】 我々が主力としているのは、一つは車載です。これはご存知のように、採用されるまでに時間がかかります。またこれが採用されても量産が始まるまでも時間がかかるため、売上への貢献してくれる増える速度がゆっくりとしたものであるということです。産業機器も車載機器と同じく、採用までの期間と量産までの期間が長いことと同じく、1社のお客さまんでは売上数量が少ないので、どれほど多くのお客さまんをつかんでいくかということなので、比較的時間がかかります。従って、車載、産業機器の売上予想はほぼ固まっています。車載、産業機器の売上が全体の35%ですが、残りの65%も付加価値の高い分野の製品に当社の製品をを納めています。主に行っているのな対象は、1眼レフカメラ、ウェアラブル機器、白物家電であり、この分野は、急激に台数が伸びるものでもありません。従って、業績は安定していますが、急拡大するというわけではありません。ただ、これから普及が進むであろうウェアラブル機器が爆発的に売れるということはあるかもしれません。

――今後は、車載・産業機器向けのシェアを拡大し、急成長ではなく、安定的な成長を目指すということですね。

 【藤阪社長】 第1四半期は計画通りでしたが、通期に対する進捗率で見ると高いとは言えません。これは季節要因のためです。これから第3四半期に向けて売上が伸び、第4四半期には減少するというパターンです。しかし、車載、産業機器のシェアが伸びましたので、カーブは緩やかになっています。今後、車載、産業機器を全体の50%まで伸ばす計画です。残りは、付加価値の高い高級機種向けの製品を増やしたいと思っています。売上を追わず、20%の利益率を目指します。

――本日は、長い時間ご説明頂き誠にありがとうございました。

 今期15年3月期通期業績予想は、売上高104億円(前期比10.7%増)、営業利益15億円(同6.0%増)、経常利益15億円(同12.0%増)、純利益11億円(同18.9%減)を見込む。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:11 | IRインタビュー
2014年09月09日

イーグランドの代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望を聞く

イーグランドの代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望を聞く イーグランド<3294>(JQ)の代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望について伺った。

――まず御社の事業内容について確認しておきたいのですが。

【江口社長】 中古住宅の再生事業という形で、中古の区分所有のマンション、中古の一戸建てを購入し、リフォームという形の付加価値を付けまして、一般のエンドユーザー様に販売するという内容です。

――競売による仕入れに強みを持っていらっしゃるということですが。

【江口社長】 先期でいうと約3分の2が競売の仕入れです。4年前まではほぼ100%競売の仕入れでした。しかし、仕入れを多様化しようということで、4年前から任売の仕入れに力を入れるため、専門のチームを作りました結果、現在は3分の1くらいまでシェアが伸びています。将来的には、間違いなく任売が増えると思っています。

――競売の物件数は増えないと考えていらっしゃるんですか。

【江口社長】 競売物件数は将来的に増えないという前提で考えていますし、現実的にリーマンショックをピークにその後、約20%減少しています。競売の物件数については、今後どのような動きになるか分かりませんが、競売の仕入れだけに頼ることは危険だと考えています。逆に言えば、競売市場というのは中古市場のごく一部に過ぎません。任売が圧倒的に大きな市場です。といっても、平成8年から始めた競売のノウハウを捨てるつもりはありません。競売での仕入れもキッチリやりながら、任売の仕入れも増やしていくというのが中期的な方針です。

――今後は、任売に比重がかかってくるということですね。

【江口社長】 その通りです。しかし、今後、地方展開する上では、競売物件から入っていった方が非常に優位です。というのは、競売については、わざわざ物件の情報を仕入れる必要がありません。仕入れに関しては、ある物件についていくらで入札するかという判断だけで済みます。当社にとっては非常に取組みやすいといえます。全国展開する上では、競売から入っていきます。

――では、地方展開する上で、競売でスタートするが、その後の事業拡大においては、任売が中心となるということですね。

【江口社長】 その通りです。

――競売と任売の仕入れコストについて、どちらが有利だということはありますか。

【江口社長】 ようは、競売と任売の原価率はどちらが低いかということですね。

――そういうことです。

【江口社長】 競売の場合は、事例として多くはありませんが、極端に安く買えることがあります。競売では、事前に物件の中を見ることが出来ないとか、瑕疵担保が物件にあった場合でも売主に責任を問えないとか、色々なデメリットがあります。そのため、正常な価格を100とすると、その価格に7掛けします。更にその8掛けが、買受可能価額になります。つまり、正常な価格の56%で買えることもあるということです。ただし、ここのところは競売市場も過熱化しているため、全体としては、市場で買う価格とほとんど変わりません。ですから、競売、任売の価格に差はほとんどありません。

――そうですか。

【江口社長】 ただ、競売の場合大量に入札すると資金の問題があります。例えば、100円のモノを入札するにあたって、2割の保証金を積む必要があります。当社の場合、落札率は10%くらいですので、1物件を買うのに10件入札する必要があります。保証金を2割積み上げなければならないので、100円のモノを買うのに、200円用意しなければなりません。1000万円の物件を買うのに、2000万円のキャッシュが必要ということです。多くを仕入れようとすると資金の壁がありますので、資金力のない業者ではまず出来ません。

――次に、リフォームについてですが、それぞれの物件に合わせた、適材適所のリフォームを行うということですが。

【江口社長】 他社さんと比較すると、他社さんは扱っている物件の価格帯が高いので、リフォームにお金をかけています。当社の価格帯は、平均で1900万円です。現在、2500万円から3000万円クラスが、人気のある物件です。つまり、売りやすいので、どの会社さんも価格帯が2100万円から2500万円の物件の仕入れをしたがっているということです。そうすると他社との競合で仕入れ価格がどうしても高くなります。当社の場合は、駅から遠い、築年数が古いという理由等で、人気が無い物件にターゲットを絞っています。しかし、仕入れの価格さえ間違えなければ、必ず売れます。購入層は、年収が、300万円から400万円くらいです。月6万、7万の住宅ローンを組めば、購入することが出来ます。そのため、家賃を払うのだったら、購入した方が良いということになります。私たちが取り扱っている物件はその様な価格帯です。そのため、2500万円、3000万円の物件と同じようなリフォーム代をかけるわけにはいきません。3000万円台の物件だと約400万円のリフォーム代となります。当社の場合、リフォーム代は大体売値の1割くらい、約200万円となります。当社としては、リフォーム代を安くして、販売価格も安くするという方法を取っています。

――また、家具付きの物件が御社の特徴ということですが。最初から始められたことでしょうか。

【江口社長】 家具付きの物件は、2年ほど前から始めました。家具が無いとどうしても生活のイメージが湧かないようでして、現在は基本的には家具を入れています。お客さんには非常に評判が良いです。販促効果はあるのではないかと思っています。

――次に、足元の状況を伺います。第1四半期の数字は、前期の数字が無いので比べようがないのですが、どのように見ていらっしゃいますか。

【江口社長】 大体想定通りといえます。まず今期の予算を組む時に、消費増税の影響は必ずあるだろうということで、上期、下期の売上比率を45対55にしています。私たちの売上の原資は棚卸資産にあります。前期と今期を比較すると約17億円増やしています。これを売上ベースでみると約20億円に換算されます。そうすると、期首時点で前期の売上プラス20億円の売上を確保しているということになります。基本的に私たちの事業サイクルは6カ月間ですので、期首の仕入れをそのまま続行すると2回転することになります。従って、今期は、約40億円の増収が見込めることになります。

――では、消費増税の影響はどのように見ていらっしゃいますか。

【江口社長】 基本的には、私たちの中古市場というのは、CtoCの取引が圧倒的に多いといえます。新築だとBtoCです。中古住宅の場合は、エンドユーザーさん同士の仲介の取引となりますので、消費増税は関係ありません。当社は事業者ですので消費増税の影響は受けるのですが、販売価格は増税前、増税後もそれほど変わらないと想定していました。実際それほど変わっていません。増税前に仕入れて、増税後に販売すると、3%分の増税の影響は受けるのですが、全部が全部3%の影響を受けるのではなくて、中古住宅の場合、土地と建物があって、土地の分は元々非課税です。大体土地と建物の価格の比率が5対5ですので、半年前に仕入れた物件が1.5%の増税の影響を受けるだけになりますので、それ程の影響はありません。しかし、今年の4月から5月の上旬にかけては若干ですが販売に関しては弱含みであったのではないかと感じました。ところが、5月のゴールデンウィーク後、6月、7月、8月は想定通りの動きをしています。また、住宅金利は非常に安くなっていますので、販売に関しては心配していません。

――仕入れの数に関しては、特に問題はありませんか。

【江口社長】 毎期、売上、利益共に2割増という計画ですので、年間2割ずつ増やそうという考えで動いています。

――中期的な今後の戦略についてお聞かせください。

【江口社長】 今期関西支店を出したばかりですので、まずは軌道に乗せることを第一に考えています。現在、専務以下7名で立ち上げています。その後の展開は、名古屋、福岡、仙台の順に進出しようと思っています。それ以外の地域で、支店を増やそうという考えはありません。

――急いで全国展開するという状況ではないですね。

【江口社長】 もともと中期の計画では、増収ペースは20%から30%の間です。そのためには、物件が最も多い首都圏で確実に任売の物件を増やし、次に、大阪で計画通りの数字を達成することに注力しています。

――次に、中期計画の具体的な目標数値がありましたら教えて下さい。

【江口社長】 2019年の売上高300億円を目標にしています。売上に関しては、達成できると見ています。というのは、自己資本比率30%を棄損しない範囲内で再投資していく方針ですが、年率でいうと20%から30%増となりますので、その分だけ棚卸資産を増やすということは出来ます。販売価格は、残念ながら景気変動がありますが、キッチリとした仕入が出来れば300億円は可能と見ています。競売市場規模のシェアを見ると、関東圏は、本社と宇都宮支店でカバーしている規模は約35%、札幌支店は市場全体の約2%、関西は全市場の約17%に過ぎません。そのため、競売については、先期の倍以上に増やす余地はあると見ています。任売に関しては、先期は約200件ほど販売しました。1都3県の中古マンションの取引は年間3万件、戸建が1万件あります。昨年でいうと、アベノミクスのおかげなのか、それぞれ3万6000件、1万2000件と例年の2割増しでした。まだまだシェアが低いので、これからもっと伸びると見ています。しかし、一気呵成にやろうとは思っていません。毎年じっくりじっくり伸ばしていこうと考えています。

――御社の強みを一言で投資家にアピールするとどのような点でしょうか。

【江口社長】 それは振れないスタンスです。低価格帯の中古物件に特化して、必ず事業を伸ばしていきますと約束します。

――本日は、長い時間ご対応いただき、誠に有難うございました。

 今期15年3月期業績予想は、売上高158億85百万円(前年同期比26.8%増)、営業利益12億32百万円(同3.0%増)、経常利益10億15百万円(同6.6%増)、純利益6億29百万円(同7.8%増)と増収増益を見込む。家賃並みの月6万、7万円の住宅ローンで買える低価格帯の物件を扱っていることから、売上は順調に伸びるものと思われる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:44 | IRインタビュー
2014年07月22日

ミロク情報サービス:第3次中期経営計画について代表取締役社長是枝周樹氏に聞く

■顧客基盤を活用したプラットフォーム戦略を推進し、新規事業を展開する

ミロク情報サービス:第3次中期経営計画について代表取締役社長是枝周樹氏に聞く ミロク情報サービス<9928>(東1)は、今年度を初年度とする第3次中期経営計画を発表している。「新しい価値創出へのチャレンジ」と位置付けているが、その取り組みについて、代表取締役社長是枝周樹氏に詳しく話を聞いた。

――第2次中期経営計画の最終年度である14年3月期業績は、売上高220億77百万円(当初計画比107.7%)、経常利益24億22百万円(同計画比112.7%)と計画を上回りました。続く、第3次中期経営計画の最終年度である17年3月期は、売上高260億円、経常利益40億円を目標にしていますが、どのような戦略で達成する計画でしょうか。

 【是枝社長】 第3次中期経営計画を3本柱に総括して申し上げますと、まず、既存ビジネスを確実に伸長させること、続いて、ネットビジネスのマネタイズ、最後に中小企業への事業再生支援の事業化です。この3本柱を顧客プラットフォーム(顧客基盤)を活かして実現していくことが第3次中期経営計画の経営目標(業績目標)を達成するためのポイントになると思っています。

――顧客プラットフォームを活かした事業展開について教えてください。

 【是枝社長】 皆さんは当社を会計事務所向けのベンダーとイメージされると思います。会計事務所に関しては、確かに8,400事務所のユーザーを保有し、全体の25%のシェアがあります。一方で、ERPシステムの中堅・中小企業ユーザーが1万7千社あります。それから小規模事業者向けに、ソフトウェアを会計事務所経由のレンタルで提供していますが、そのユーザーが3万社程います。さらに、家電・量販店で販売している業務用ソフト、こちらが4万社超の登録ユーザーがいます。そのほかに、ネット系のビジネス情報サイト『bizocean』のアクティブの会員が120万人います。それからお金管理アプリ『マネトラシリーズ』は、現在20万人強の方がダウンロードして使っています。もう一つが商工会会員向けの会計・税務のクラウド型アプリケーションの利用者がいます。当社は、これら幅広い顧客プラットフォームを保有していますので、ゼロベースで新規事業を展開するよりも、はるかにそのポテンシャルは高いと考えています。

――まず、既存ビジネスの拡大について教えてください。

 【是枝社長】 業務用パッケージソフトの販売やシステム導入の支援を行うことは、いわゆる労働集約型のビジネスです。つまり、システムを導入支援するサポート要員の人数、スキルによりトップライン(売上げ)が決まります。そのため、既存の戦力で飛躍的に売上げを伸ばすには限界があります。それを打開するには、営業・サポート拠点の拡充を視野に入れた積極的なパートナー戦略が不可欠だと考えています。パートナー戦略においては、パートナー企業が売りやすい、導入しやすい製品を用意するとともに、教育やサポートを含めた支援体制を強化します。その中で、拠点拡充に向けた資本提携等も視野に入れ、市場ポテンシャルに合わせた販売・サポート体制の構築を目指します。
また、パートナー経由でのパッケージソフト売上げが伸張すれば利益率が高まります。さらに、拠点拡充において新規顧客を開拓することにより、ソフト保守等のサービス収入が増加し、一層、利益率を向上させることができます。

――次に、新規事業についてですが、事業承継サービスについてお聞かせください。

 【是枝社長】 中小企業の事業再生や事業承継のニーズは、これから一層、高まると思います。事業承継サービスについては、様々な手法が考えられるので、現在、中長期の事業構想とマイルストーンを構築しているところです。我々としては、この事業化を数年かけて完成させ、2020年をターゲットに大きな収益の柱の一つに成長させたいと考えています。中小企業の経営者が『もう引退しようかな』と相談する先は、やはり税理士先生です。当社の強みである税理士先生との信頼関係を生かして、中小企業のスムースな事業承継のお手伝いができればと考えています。

――今後は、BtoCの領域までサービス事業を本格化すると伺いましたが。

 【是枝社長】 顧客プラットフォームにおいて、ビジネス情報サイト『bizocean』の無料会員が120万人を超えています。現状は、17,000点のビジネステンプレートを無料で提供していますが、一部の会員を有料会員にシフトする、または有料コンテンツを提供することも検討しています。
お金管理アプリ『マネトラシリーズ』においても、現在20万人強の方がダウンロードをして使っています。例えば、マネトラの経費精算機能を会計システムと連携したり、個人事業者に対する総合的な確定申告支援を行うなど、当社の強みを生かした新しいサービス展開が考えられますし、アイデア次第では全く異なるサービスに発展するポテンシャルがあると思っています。

――既存事業の拡大や新規事業について伺いましたが、御社のビジネスにおける基本的なスタンスや考え方を教えていただけますか。

 【是枝社長】 我々にとって、会計事務所の先生方はとても大切なお客様です。その先生方の顧問先企業の経営課題や悩みを先生方ともに解決していくことが、当社の使命だと考えています。それにより、会計事務所と顧問先企業の信頼関係がさらに強固になりますし、中小企業が元気になると心から信じています。
そのためには、お客様に喜ばれる新しい価値を創造し続け、中小企業のIT化を支援していくことが重要です。さらに、経営システムだけではなく、事業再生、事業承継サービスやネット上での付加価値サービスも含め、トータルソリューションを提供できる会社に成長させたいですね。

――御社のビジネススタイルに似ている企業を上げるとしたらどこになるでしょうか。

 【是枝社長】 既存のお客様をしっかり守りながら、これから新しい仕組みやビジネスモデルを作り上げていきたいと考えていますので、世界で唯一の存在になりたいですね。

――ご多忙にもかかわらず、インタビューの時間をとって頂きありがとうございました。

 以上のような取り組みを行うことで、2017年3月期連結業績目標として、売上高260億円(14年3月期比39億23百万円増)、経常利益40億円(同15億78百万円増)、純利益24億50百万円(同10億61百万円増)、売上高経常利益率15%(14年3月期11%)、RОE15%(同13%)を掲げている。

 同社では、第3次中期経営計画の目標数値は通過点と捉えていて、その4年後の2021年3月期は売上高500億円、経常利益率30%、RОE30%を目指している。

>>ミロク情報サービスのMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:26 | IRインタビュー