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2007年11月28日

「サラダ感覚で食べられる浅漬け」の嚆矢、コンビニ普及とともにM&Aで全国展開

ピックルスコーポレーション(2925・JQ)
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 ピックルスコーポレーション(2925・JQ)は「浅漬け」を中心とした、漬物メーカー。業界トップシェアを持つ。

 1977年に、『きゅーりのキューちゃん』などの「古漬け」トップメーカー『東海漬物』(本社・愛知県豊橋市)の子会社『東海デイリー』として設立した。

 当初、メインの客先はセブン−イレブン・ジャパンで、国内店舗数がまだ200〜300店の時代だった。
 が、セブン−イレブンの拡大にともない、同社も成長。それぞれの地元の有力企業と、合弁による工場新設などで、全国展開してきた。

●事業内容をわかりやすく社名に

 1993年、現在の『ピックルスコーポレーション』に社名変更した。

 このころ、年商が50億円を突破。人員、工場、設備、製造キャパなど、すべての面で軌道に乗った。
 今後の成長を見据え、優秀な人材確保のために、また、事業活動上、「子会社」色を薄める必要性が出てきたことなども理由だ。加えて、株式上場を意識し始めた時期でもあった。

 社名は、社内公募と専門業者への依頼で作成した。

 「漬物」を意味する英語「ピックルス」に、「会社」という意味の英語「コーポレーション」をつけ、事業内容を、国内外の誰にでもわかりやすい社名にした。

 ロゴのコンセプトは、「新鮮、清潔、外国人にも読める」こと。また、ナスとキュウリをイラスト化して、新鮮な野菜と浅漬けをイメージさせるデザインにした。

 1999年、年商150億円を突破。
 2001年、ジャスダックに上場した。

●時代の嗜好を先取り

 成長の理由は、2点ある。

 まずひとつは、普及黎明期のコンビニと組んだこと。

 そしてもう1点は、時代や流通業態に合致した商品づくりや製造・出荷体制を構築したことだ。

 コンビニの客層は10〜20代が中心だ。そのため、塩度を落として薄味にし、サラダ感覚で生野菜の味を味わえる商品とした。
 野菜は、工場近くに立地する生産地の契約農家から直で仕入れる。安全性と鮮度、おいしさにこだわるとともに、野菜の収穫日付もハッキリしているからだ。
 パッケージは従来になかった、小袋包装とした。
 製造方法や設備は、調味料から温度管理まで、従来方式とは全く異なる、新しいシステムづくりを行なった。
 また、年中無休のコンビニへ納入するために、独自の製造・物流システムを構築している。

 結果的に、同社の施策は、時代を先取りしたことになる。
 その後、消費者の嗜好が変化し、塩度が低く、野菜のおいしさを味わうタイプの浅漬けが好まれるようになった。

●全国展開、さらに市場開拓へ

 全国展開は、首都圏は自社工場、各地区はM&Aで進めてきた。

 首都圏は、千葉、神奈川、埼玉に自社工場を建設。
 各地区は、それぞれの地元で、惣菜、煮物等の有力企業と合弁などで工場を新設。
 ただし、製品製造にあたり、合弁会社の従業員に対し、同社における研修を実施して同社独自のノウハウを提供した。

 現在、全国で生産体制が整っているのは同社だけであり、その強みを活かして、新規顧客開拓を進めている。
 また、中四国、九州など、開拓の余地の大きい地区もある。
 一方で、たとえば大阪地区は売上が増えたためフル稼働しており、新工場の新設を検討している。

 現在の販売先は、セブン&アイ・ホールディングスグループのセブン−イレブン、イトーヨーカ堂やヨークベニマルなどであり、今後は地域密着型のスーパーなどへも営業展開を強化していく。

 現在の商品構成は、自社製品は浅漬け、キムチ、惣菜。
 仕入商品は他メーカーが製造している梅干、沢庵などの漬物、外食産業向けの青果物などがある。
 今後は、スーパーの惣菜売り場向けの惣菜製品を強化していく。

 M&Aについての方針として、同社が重視しているのは、「どういう得意先を持っているか」。
 たとえばデパートや各地域の有力スーパーなど、自社が持っていない取引ルートを持っている企業が、おもな検討対象となる。

●「食の安全」とコンプライアンス

 最近、「食の安全」とコンプライアンスについて話題になることが多い。

 同社の場合、当初から一貫して国産野菜を使用。
 前述したとおり、契約農家で、減農薬・有機堆肥など栽培方法にこだわった野菜を使っている。
 契約農家は全国に500件以上あり、専業農家にしぼっている。定期的に現地へ行って、実施状況を確認している。これらは安全性だけでなく、おいしさなどの優位性にもつながる。

 また、ラッキョウや梅などの仕入商品についても、工場訪問などを行ない、安全性の確認を行なっている。

 品質管理については、HACCPや、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001を取得し、品質管理レベルのさらなる向上を進めている。

 環境保全活動については、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001を取得し、廃棄物の削減、省資源、省エネ活動、地域の環境保全活動などに積極的に取り組んでいる。

●キムチ、ナムルなど、新商品分野も育成

 浅漬けを主力としつつ、今後は新製品分野も育てていく。

 有名焼肉店『叙々苑』(じょじょえん)ブランドのキムチを発売しており、キムチ分野は大きな柱にしていく。
 2006年5月ごろから販売を開始しており、少しずつ売上高、販売先ともに増えてきている。発売後の反応は良く、ブランド力と美味しさが差別化につながり、安売り合戦には巻き込まれていない商品だ。
 今後は、叙々苑ブランドを使用した新商品『ミックスキムチ』の発売を予定している。

 このほか、おでん大根、ナムルなど惣菜商品のラインナップを拡充。この分野も販売を伸ばしており、荻野芳朗社長は「この2〜3年で大きな柱になるのではないかと見ている」と言う。

 今期2008年2月通期連結業績予想は、売上高174億8600万円(前年実績比4.2%増)、経常利益3億8800万円(同9.5%増)、純利益2億0500万円(同6.2%減)。

 業績には野菜の価格が影響する。
 使用している野菜の7割以上が契約栽培だが、市況により多少、仕入れ値が変わってくる。
 また、天候不順などにより、契約先だけで予定量を確保できない場合は、他の産地から早取りせねばならず、それにより、原材料費に影響が出る。そのため、業績見通しは慎重に見ている。
 が、アナリストからは「上方修正しても良いのではないか」と指摘されている。

 荻野社長は、資本政策として、「個人株主の増加を今後は進めていきたい」と説明する。そのため、課題である流動性への対応、株主優待の検討などを進めている。



提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:03 | 社名と企業戦略