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2007年09月19日

設立当初から、投資家をパートナーに「インフォメーションのカフェテリア」

インフォテリア(3853・東マ)

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 インフォテリア(3853・東マ)
1998年に、日本初の『XML』専業ソフト開発会社として創立した。
 平野洋一郎社長は、
「私はソフト開発を生業にして25年になる。日本のソフトを世界へ発信したいという思いが強い」
と語る。
 しかし、現実は、海外製ソフトの日本仕様品ばかりが流通している。
「自分たちがつくったものを、世界の人に使ってほしい」
との思いを実現するために、起業したという。

 ただ、ユニークなのは、
「設立当初から、融資を受けることは考えていなかった。最初から、投資家さんと組んでやろうと思っていた」
という点だ。
 その理由とは――。

●「投資家はパートナー」という考え方

 平野社長は、1963年、熊本県生まれ。

 熊本大学時代、マイコンクラブに所属し、日本語ワープロソフトを自分で作ったりしていた。そこからの流れでソフト開発を事業化し、仲間と会社を興した。

 が、その後、社内で、営業系と開発系のメンバーの考え方の違いが、浮き彫りになってきた。

 平野社長ら開発系メンバーの考え方は、「開発した技術を応用した製品づくりだけでは、先細りだ。将来へ向けて、次々と新しいモノづくりをしていかなければ」というもの。
 一方、営業系メンバーは、「明日のメシのタネも大事だが、きょうのカネがなければ、会社はつぶれる」という考えだった。

 結局、考え方の違いから、開発系のほぼ全員が、その会社を辞めることになった。開発技術と資金調達の、両立の難しさを実感したそうだ。

 その後、IBM系のソフト会社ロータスに入社し、10年半ほど在籍した。

 ロータス在籍中に、アメリカ本社との行き来のなかで、シリコンバレー式の起業のやり方を、間近でつぶさに見ることができた。

 アメリカのソフト開発・販売会社は、起業や製品開発開始にあたり、投資家と組むのがふつうだ。目先の運転資金を心配することなく、開発に集中するため、VCやエンジェルから、日本円にして、数千万円〜数億円規模の資金調達を行なったうえで開業する。

 VCはベンチャーキャピタル、つまり、ベンチャー企業への投資会社・投資資金のこと。また、ここでいうエンジェルは、ベンチャー企業への資金提供や事業支援を行なう、投資家や投資グループを指す。
 融資に比べ、資金調達のスピードと規模が大きく、同時に、失敗の場合のリスクが少ないなど、メリットが多いと実感した。
 また、アメリカでは、こうした投資の層の厚さと活気で、トライ&エラーを経て、良いソフトが開発されるということも知った。

 平野社長はその後、ロータスを退社し、インフォテリアを設立。翌日からVCとエンジェルまわりを始めた。これまでに、約27億円の資金調達を行なった。

 今年6月、東証マザーズに上場。IPOにより、ほとんどのVCは抜けることとなった。

●インフォメーション×カフェテリア
 =「必要な情報を、手軽にピックアップ」


 社名の『インフォテリア』は、インフォメーション(情報)と、カフェテリアを掛け合わせた造語だ。
 インターネットの膨大な情報のなかから、カフェテリアの料理のように、「必要な時に、必要なメニュー(情報)を、手軽にピックアップする」という、カジュアルさと自由さを表した。

 ミッションは、「ソフトウェアで世界をつなぐ」。これを実現するための手段が『XML』だ。『XML』とは、コンピュータに使用するデータ形式の仕様のひとつだ。

 1990年代半ばまでのパソコンは、メーカーや、システム、ソフトによって、すべて仕様が異なっていた。つまり、ネットで情報をやり取りしようにも、互換性がなく、つながらない。
 が、『XML』の場合、どのメーカーのパソコンでも、どのシステムでも使用できる。平野社長が起業にあたり、『XML』専業で行こうと決めた理由はそこにある。当時はニッチな技術(仕様)だったが、現在は、事実上の世界標準となっている。

 この『XML』を採用した同社の主力ソフトが『ASTERIA』(アステリア)である。
 最大の特徴は、従来のプログラミング言語と異なり、変更が簡易で、互換性が得られやすいため、異なる企業どうしでのデータ共有などがしやすい点だ。
 そのため、情報・通信、電気・電子、報道・メディア、製造、サービスなど、多くの業種で、合計360社以上が導入。とくに、ジャパンネット銀行をはじめとした金融関連でのリアルタイム決済、共同通信社をはじめとした報道ネットワークなどに強みがある。

 現在の事業は、『アステリア』のライセンス、技術サポートといった関連事業が、売上高の約9割を占める。
 ほか、『XML』の教育事業、技術者育成・認定事業を行なっている。
 2007年3月期実績の連結売上高は10億0900万円(前年比14.0%増)。2008年3月期の連結売上高は12億8200万円(前年実績比27.1%増)を見込んでいる。

●4つの成長戦略で、世界へ向けたソフトづくり

 今後の成長戦略として、次の4点を掲げている。

 1点目は、『アステリア』を軸とした、客先企業の開拓。
 ターゲットは、金融庁のEDINETや東証などで採用が進んでいる財務情報(XBRL)分野、電子カルテの標準化・共通化などの医療情報分野だ。

 2点目は、『アステリア』の製品力強化だ。
 コスト・機能ごとに3つの製品ラインを設けている。
 また、現在のCD−ROMでの出荷から、今後は、『SaaS』方式の導入を検討している。ネット経由で、ユーザーが必要な機能だけを使用し、使用分だけの代金を支払ったり、オンライン利用により課金する方式だ。

 3点目は、アステリア以外の第2、第3の柱づくり。
 すでに、『c2talk』(シー・ツー・トーク)、『Topika』(トピカ)、『OnSheet』(オンシート)など、新製品を投入している。

 4点目は、海外市場の開拓。
 まず、アメリカ市場では、シリコンバレーに子会社を設立。3人が常駐している。アジアでは、まずは中国を取りかかりに、市場を開拓していく。

●投資家と、タッグを組んで

「最後に、とくにお伝えしたいのは、当社の収益モデルは、一般的な受託ソフト開発事業者とは異なる点だ」と平野社長は強調する。

 たとえば収益率。同社の2007年3月期連結実績では、売上総利益率は73.8%、経常利益率は20.6%。
 これが、特定の客先企業から受託して、特定の目的のためだけにソフトを開発する受託事業者の場合、業界大手でも、売上高総利益率は平均10%程度、高くても20%程度の企業がほとんどだ。

 また、売上研究開発投資率は、情報サービス産業の平均1.0%に対し、同社は同実績で7.2%。

 つまり、同社は能動的に、まったく新しいモノ、あるいは基幹となるソフトを開発するため、先行投資はかかるが、いったん開発・発売すれば、一定数の販売以降は、売上の大半が利益となる。
 また、案件数や規模に関係なく、一定数の技術者で取りかかれるため、受託開発事業者のように、案件や受注状況に応じて技術者数等を調整する必要がない。

 投資家へ向けたメッセージとして、平野社長は次のように語る。
「中長期の視野で、4つの戦略を実行し、世界に通用するソフトを開発し、販売していく。中長期の視点で見ていただきたい」
 投資家と、「組んでやっていく」(パートナーシップ)という意識でいる。一時期、「モノ言う株主」という言葉が流行ったが、投資家の皆様には、どんどん「モノを言って」いたたき、タッグを組んで、一緒に仕事をしていきたい、という。


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:48 | 社名と企業戦略