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2017年02月09日

【インタビュー】ファーストコーポレーションの中村利秋社長に今後の成長戦略を聞く

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■造注方式の分譲マンション建設に特化したゼネコン

 ファーストコーポレーション<1430>(東1)は分譲マンション建設に特化したゼネコンである。2011年6月会社設立から3年9ヶ月後の2015年3月東証マザーズに新規上場し、さらに2016年12月には東証マザーズ上場から1年9ヶ月で東証1部に市場変更した。17年5月期は豊富な受注残高を背景として大幅増収増益予想である。中期計画では目標数値に19年5月期売上高350億59百万円、経常利益30億89百万円を掲げている。強みを持つ造注方式を核としたアグレッシブな事業展開で中期成長期待も高まる。中村利秋社長に今後の成長戦略を聞いた。

■品質を重視、3項目で第三者機関の検査

――2011年6月の会社設立から、東証マザーズを経て僅か5年6ヶ月で東証1部上場を果たしました。伝統のある会社が多いゼネコン業界においては異例のスピード成長ですが、会社設立の思い、そしてスピード成長で東証1部上場を果たした感想をお聞かせください。

 【中村社長】 当社は、飯田ホールディングスグループの創業者で前会長の飯田一男氏の出資及び支援によりスタートした会社である。東証マザーズにスピード上場して、さらに今回東証1部に市場変更できたことは、偏に、社員の頑張りによるものと感謝している。

 当社が東証1部に上場できた理由は、当社が分譲マンションに特化し、さらに造注という方式だったからだと思っている。造注方式以外、すなわち競争入札方式の受注が主力の普通のゼネコンでは、たぶん上場できないだろうと思っている。なぜかというと競争入札方式では利益が出難いからだ。特殊な特許を持っていれば普通のゼネコンでも上場できないことはないと思うが、ここまで成熟した社会で普通のゼネコンが上場するのは難しいだろうと思う。

――造注方式というのは、1980年代の平成バブルの時期にゼネコンがこぞって参入した方式ですが、その後1990年代にバブルが崩壊して多くのゼネコンが造注方式に消極的になりました。今では造注方式という言葉を聞くこともなくなりましたが、そういった状況で御社が造注方式に取り組んだ理由を聞かせてください。

 【中村社長】 基本的には利益率の高さだ。造注方式というのは、当社がマンション用地を手当てして複数のマンション・デベロッパーに企画提案する。そして最も条件の良いデベロッパーを選んで特命受注する方式だ。工事採算や回収条件が競争入札方式による受注に比べて、圧倒的に高いことが最大の特徴だ。

――他のゼネコンも今この造注方式に取り組んでいるのでしょうか?

 【中村社長】 聞いたことがない。当社のように特化してやっているのは、他では長谷工コーポレーション<1808>ぐらいだろう。土地を手当てして、企画から設計、施工まで手掛けるというのは一朝一夕ではできない。我々も1980年代〜1990年代に造注で各社が失敗した例をたくさん見てきた。それが肥やしになっている。だから今できるのだ。その点では、今は相当慎重にやっている。

――最近は投資用マンションの需要が高水準のようですが、投資用マンションを手掛けるデベロッパーと土地の確保でバッティングするようなことはありませんか?

 【中村社長】 ない。分譲用マンションと投資用マンションでは条件が異なる。

――造注方式で長谷工コーポレーションと競合しますか?

 【中村社長】 直接の競合はほとんどない。長谷工コーポレーションは開発規模が大きいが、当社は30〜300戸クラスが中心だ。

――造注方式以外で御社の特徴を教えてください。

 【中村社長】 当社は品質を重視している。工事については第三者機関による検査を、杭工事、配筋工事、レディーミクスコンクリートの3項目で行っている。この3項目で第三者機関の検査を行っているのは恐らく当社だけではないかと。

――第三者機関の検査を入れてコストアップ要因にならないでしょうか?

 【中村社長】 コストアップ要因になるが、信用には代えられない。現場の数にかかわらず、全ての現場で行う。これはゼネコンとしての宿命だと思っている。また当社は造注方式で利益率が高いからこそ、検査によるコストアップにも対応できる強みがある。

――上場したことで信用力とか、デベロッパーとの取引の関係とかで、目に見えるようなメリットは出ていますか?

 【中村社長】 土地についての情報量や銀行の支援という点はかなり変わってきた。これから変わるのは人材の獲得だろう。当社の本社も4月に移転する予定で、人材獲得に繋がると期待している。

――銀行との関係ではコミットメントラインなどは契約されていますか?

 【中村社長】 特にコミットメントラインは設定していないが、必要に応じて調達が可能になっている。

■M&Aを活用して事業を拡大

――資金面は問題がないし、今後の課題は人材や施工能力ですね。

 【中村社長】 今後の成長に向けてはM&Aも活用する。エリア的には首都圏1都3県、関西、九州などで、ゼネコンや不動産に対するM&Aが出来ればと考えている。

――具体的には、中小のゼネコンが対象となるのでしょうか?

 【中村社長】 そうだ。いずれも中小のゼネコン、不動産、デベロッパー、そして賃貸も含めて幅広く考えている。

――不動産セクターのM&Aも考えているということは、今は分譲マンションを特化していますが、将来的には対象は広がっていくのでしょうか?

 【中村社長】 分譲マンションに近いものはやっていくつもりだ。シニアマンションとか老人ホームをやっていこうと考えている。既に老人ホームを2ヶ所手掛けている。これからはシニアマンション分譲事業にも参画するつもりだ。

――大型M&Aの可能性はありますか?

 【中村社長】 ないとは言えない。候補次第だ。

――成長に向けての施工能力が課題になると思いますが?

 【中村社長】 採用による生産能力の拡大を目指しているが、M&Aは、それを補完する役割である。

――中期計画(19年5月期売上高350億円)や長期ビジョン(売上高500億円)を見ると、今期(17年5月期)の予想売上高218億円に比べて、かなり高い伸び率が必要になります。投資家から「本当に大丈夫?」という印象を持たれる可能性があると思いますが?

 【中村社長】 今期(17年5月期)の業績については売上高・利益ともほぼ計画どおりで固まっている。さらに来期(18年5月期)計画の売上高276億円についても8割がた目途がついている。現在やっているのは19年5月期計画の売上高350億円に向けて、土地の手当て、企画、デベロッパーとの交渉だ。まず今期の数字がきちっと出れば、約束を守る会社と思ってもらえる。前期(16年5月期)も言ったとおりの数字を出した。

 中期計画や長期ビジョンの達成に向けて、M&Aも活用して施工能力を拡大する。それによって事業の裾野も広がる。例えばAという会社を買って、半分は現業を行い、後の半分は造注をやる。当社にはノウハウがあるから難しくない。

■長期ビジョンで売上高500億円目指す

――長期的なビジョンとして、どのような会社を目指すのでしょうか?

 【中村社長】 当初この会社を設立した時から売上高500億円の会社にしようと思った。そのためにM&Aという手段も考える。19年5月期計画の売上高350億円にM&Aは入っていないが、長期ビジョンの売上高500億円にはM&Aの想定もある。また、国内マーケットは縮小しているので、将来的には海外のマーケットに出たいと考えている。そこまでの道筋を私はつけるつもりだ。

――海外は具体的には、どの地域を考えていますか?

 【中村社長】 海外はベトナム及びインドネシアを考えている。既にインドネシアの分譲の状況と、ゼネコンの状況のリサーチを検討している。ベトナムはインフラの整備が進んでいるため有力で、すでにデベロッパーが進出している。

――最後に投資家に対するメッセージをお願いします。

 【中村社長】 株主還元は配当を基本としていたが、株主優待制度も導入した。配当性向は30%を維持する方針で、内部留保の状況なども考慮しながら、可能な範囲で配当性向を引き上げていきたいと考えている。

――貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。




提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:57 | IRインタビュー
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