株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

2007年05月22日

サンコーテクノの決算と今後の戦略

技術力と高収益で「高付加価値探求」を実現する
サンコーテクノ(3435・JQ)

sannko.gif
 コンクリートなどの構造物に、設備機器などを固定する、特殊ねじ「あと施工アンカー」。サンコーテクノ(3435・JQ)は、この、あとアンカーのトップメーカーである。

 このほど発表した2007年3月期決算は、売上高と経常利益が前年比増収増益で着地した。

 今2008年3月期は、本社の移転、環境へのよりいっそうの対応、耐震補強向け製品の本格的な業績寄与などを予定しており、売上高、経常・純利益とも、増収増益を見込む。

 技術力への定評と、高い成長力の両方を実現している、同社の今期戦略を聞いた。

●メリット多い本社移転

 サンコーテクノは今夏をメドに、本社を現在の東京・東日暮里の自社ビルから、千葉県流山市へ移転する。

 その目的について、洞下 実(ほらげ・みのる)社長は、
「社会的ニーズへの対応と、経営面のメリットを図った」
と説明する。
 ここでいう社会的ニーズとは、具体的には、少子高齢化への対応だ。
「少子高齢化に対し、企業として、何ができるか考える時代に来ている」と洞下社長は言う。

 もともと、流山市には、西深井地区に、同社の物流センターと、研究開発を行なうカスタマーテクノセンターが立地していた。その縁もあり、同市内の、TX(つくばエクスプレス)と東武野田線の『流山おおたかの森』駅前に、今年7月オープン予定の『ライフガーデン流山おおたかの森』内へ本社を移転することが決まった。

 建物は、鉄骨造7階建て、延床面積1万5000平方メートル。
 テナントは、企業オフィスのほか、商業施設、子育て支援センター(託児所)、医療モール、スポーツクラブなどが入る。千葉県初の官民協業施設という。

 こうした建物内へ移転することで、企業としては、社員が安心して子供を生み、育てながら働けるとともに、優秀な人材獲得・確保につながるというメリットがある。
 創業50周年となる2014年に「建設用ファスニング業界 世界ナンバーワン」を目指している同社としては、今後想定される人材不足に備える必要がある。ファスニングとは、建築・土木に使用する、留め付け部材の総称である。

 また、アクセスが良いことも決め手となった。東京・秋葉原からTXで30分。同社工場・中央物流センターからクルマで15分の立地。
 拠点を集約でき、コスト効率、内部統制、社内コミュニケーションの確保、節税を含めた経費削減など、経営上のメリットも多い。その分、製品の開発・製造という、本業への投資に集中できる。

●「三価クロメート」処理品へ切り替え
 環境対応と企業の社会的責任


 もうひとつの、今期のトピックスとしては、環境対応の一環として、「三価クロメート」処理(めっき)品への切り替えを、今年6月から順次、行なっていく。

 現行の「六価クロム」処理品は、『RoHS』(欧州連合による、電気・電子機器中の特定有害物質の使用制限指令)で「環境負荷物質」のひとつに指定され、使用削減が進んでいる。
 国内でも、自動車業界や電機業界では、脱六価クロメート処理品への移行を行なうところも増えつつある。

 同社は、業界シェアトップメーカーの社会的責任という観点から、また、海外市場をにらみ、業界に先駆けて取り組むことにした。
 短期的にはコストアップ要因にはなるが、リーディングカンパニーとして、良いことは一番に取り組むという考え方だ。業界全体への波及も狙っている。

 同社では、経営倫理・社内規範として、『STG(サンコーテクノグループ)モラル憲章』を作成、実践しており、そのなかでも、コンプライアンスや環境保全への取り組みを掲げている。

●今期「高付加価値の探求」を重点テーマに

 洞下社長は、今期戦略の重点テーマとして、「高付加価値の探求」を挙げる。

 理由は、グローバル化への対応だ。
 新興国・途上国と日本メーカーの競合が進むなか、高付加価値の技術、独自のノウハウ、人材を活かして、設計・開発・製造をしていく。途上国との競争に勝つには、高付加価値、多品種少量生産を行なうことが不可欠だからだ。

 もうひとつの理由は、需要への対応だ。
 同社製品の主要な需要先である、マンション、学校、病院などでは、新築・新設よりも、リニューアル需要が伸びている。
 とくに、耐震補強は、国内外で災害被害がクローズアップされるなか、喫緊の課題となっている。

 旧建築基準法下の耐震基準による既築建物は、壊して建て直すか、補強して耐震性を高めるしかないが、環境性・経済性を考慮すると、補強の需要が高い。
 この耐震補強技術は、日本発、日本育ち(研究開発)の技術に定評がある。

 同社では、「居ながら耐震」として、当該建物に、住みながら、あるいは営業しながら、耐震補強工事ができる技術・工法の一部と、それに対応した製品を開発した。つまり、振動やニオイや音をほとんど発生させずに耐震補強工事ができるのである。

 洞下社長は言う。
「ゼネコンや鉄道各社などから、ご依頼を受けて、研究開発した。難しい課題だが、われわれにご期待をいただいているのだと理解している」

 たとえば、東京駅の赤レンガの駅舎。赤レンガの建物を壊さずに、耐震補強を行なう技術が可能になった。
 また、東京駅・大手町駅地下街、JR山手線の西日暮里駅・日暮里駅の耐震夜間工事にも同社製品・工法が採用されている。
 ニッチだが、不可欠な、同社の技術が耐震補強工事を支えている。

●純利益減益ながら、
 実質増配を敢行


 前43期(2007年3月期)連結決算は、売上高170億8600万円(前年比4.4%増)、経常利益9億0500万円(同7.1%増)、純利益4億1400万円(10.4%減)、1株利益378円98銭で着地した。

 純利益の減益は、本社機能移転による減損損失を2億3500万円、計上したためだ。しかしながら、期末(年間)配当は前年と同額の75円とした。前年は75円に記念配当20円が含まれているため、実質増配である。

「技術開発の先行投資をかなりやっているが、それでも、毎期、計画通りの利益を出しており、自信をもって株主様に発表できる数字だと自負している」

 とくに、建築物・建造物の耐震補強工事について、同社が開発した工法・製品は、業界をリードしている。

 今44期(2008年3月期)連結業績予想は、売上高181億0800万円(前年実績比6.0%増)、経常利益9億6000万円(同6.1%増)、純利益5億2200万円(同26.2%増)の、増収増益としている。

●「日本のものづくり」で堅実成長

 今期はまた、耐震補強関連製品の受注が引き続き伸長していることに加え、新事業である、屋上断熱防水関連製品の伸長が楽しみだ。
 これまで開発を推進してきた分野で、今期からその成果を刈り取る時期に入る。

 同社製品をはじめとした、建築関係の製品は、製品開発から、建築物の設計、実際の製品導入まで、数年タームでの事業になる。

 このほか、同社の新製品『ストラタイト』が、「すごいネジ」というテーマで、テレビ番組で紹介・放映された。反響があり、大手企業を含めた各方面から、問い合わせや引き合いが来ている。
 これも、今後の伸びが楽しみな製品のひとつだ。

 投資家へ向けて、洞下社長は、
「着実に努力を重ね、知恵と汗で、日本のものづくりを推進していく。業績、株価とも、安定的な成長を図っているので、長い目で見て応援していただきたい」
とメッセージを送る。
 日本国内産業の空洞化が言われて久しい。同社には海外拠点もあるが、国内での研究開発とものづくりが柱だ。





提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:24 | IRインタビュー
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。