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2012年11月05日

イーブックイニシアティブジャパン:小出斉代表取締役社長に『電子書籍の現状と展望を聞く』

■出版社出身の創業者が2000年に電子書籍立上げ

イーブックイニシアティブジャパン:小出斉代表取締役社長に『電子書籍の現状と展望を聞く』 ここに来て電子書籍の普及ピッチが速くなっている。わが国で電子書籍をもっとも早く手がけたイーブックイニシアティブジャパン<3658>(東マ)は、『総合電子書店のナンバーワン』の確立を目指して、「品揃え・使い易さ・サービス」向上などに積極的に取り組んでいる。電子書籍の現状と同社の強さ、取組みなどについて同社の小出 斉代表取締役社長に聞いた。

――株式を上場されて1年です。今回は、御社の歩みにおいて、上場の意味と今後の展望、取組などについておうかがいさせていただきます。2000年5月の会社設立ということですが、主力事業の「電子書籍」は、当時は今ほど話題にはなっていなかったのではないかと思います。設立当時の頃についてお願いします。

 【小出社長】 当社の創業者である鈴木雄介会長は小学館で「週刊ポスト」の編集長などを務めた出版社の出身です。会長が出版社勤務時代に、大量の返本の山が断裁・償却処分されることに心を痛め地球環境への危惧を抱き、「木を守れ」という思いを強くしたことが電子書籍を始めるきっかけです。設立の2000年頃は、ちょうどインターネットが急速に普及し始めた時期でした。新しい可能性にチャレンジした結果が今日の当社の成長につながっていると思います。当時は電子書籍に対し懐疑的で出版社を訪ねても門前払いに近い状況でした。現在では電子書籍が社会で広く認知され隔世の感があります。とくに、株式を上場して、社会的信用度が高まったことで、著作権者の方からアプローチ頂くケースも増えました。上場してよかったと思います。

――社長様の手で上場されたわけですが、小出社長様も出版関係のご出身ですか。少し、ご経歴をご紹介ください。

 【小出社長】 東京大学経済学部を卒業後、三菱重工業に入社しました。アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校で学びMBAを取得してからは経営コンサルタントをやっており、3年前にイーブックイニシアティブジャパンに入社しました。出版関係の経験はまったくなかったので最初はとまどいもありました。

――電子書籍は今、どのくらいの会社数があって、その中で御社の特徴と強みなどについてお願いしますが、その前に御社のビジネスモデルについて概要をお願いします。

 【小出社長】 商品の流れということで見ますと、「仕入れ」→「電子化」→「販売」という3段階に大別できます。先ず、商品仕入では、書籍の著作権を持っている出版社や著者との間で契約を交わし、電子書籍としての販売許諾を得ます。許諾された書籍を当社独自の技術で電子化します。そして、お客さまへの販売は当社および販売提携先のサイトを通じて、(1)当社が販売する「電子書籍配信」と、(2)電子書籍の販売を行うパートナー企業様に対し当社から電子書籍の画像データを提供する「電子書籍提供」、という2つのルートで販売しています。競合は、従来型携帯電話で提供する企業が圧倒的に多く、300〜400社存在するものと推定されますが、タブレット、スマートフォンなどの新しいタイプで本格的に手がけているところはまだ多くないとみられます。その中で、当社の強さは、スマートフォン、タブレット、パソコンという主要な端末すべてに読書用アプリを提供していることです。とくに、スマートフォンでは業界において最も幅広い対応環境を実現しています。

■ 圧倒的品揃、主要端末アプリ、独自トランクルームサービスに強み

――商品内容等の強さについてはいかがですか。

 【小出社長】 現在、電子書籍市場全体の売上の約8割はマンガで占められております。当社はこの分野で他社を圧倒する品揃えを実現しています。デジタルコミック協議会参加企業39社中37社との間で締結した契約、数々の著者との直接契約などの成果です。そして、もうひとつ当社の強さはオリジナルの「トランクルームサービス」を持っていることです。ご購入いただいた電子書籍を当社が運営するトランクルーム、ウェブ上の本棚と理解していただければよいとおもいますが、この本棚に保存し最大3台の端末でお読みいただける非常に利便性の高いサービスです。

――従来型端末での電子書籍コンテンツサービスの提供を行う企業が300〜400社というお話です。かなり多い印象です。今後、業界はどのような展開を予想されていますか。

■ 業界は紙依存から脱皮、電子書籍独自の商品販売も

 【小出社長】 急速に伸びていることは間違いありません。ただ、先を読み難いところがあり、昨年時点では電子書籍の市場規模は2015年に2000億円と予想されていましたが、最近では1年程度延びて2016年頃に市場規模2000億円とみられています。電子書籍は、まだ紙の出版物に依存している状況にあります。いずれ、紙に依存する立場から脱皮していくことになるでしょう。これから、合従連合が活発となることが予想され、現在の300〜400社は恐らく2〜3社に集約されると思います。そうなれば電子書籍独自の強みを発揮した展開も可能となって、たとえば、1冊10〜20円の電子書籍販売も可能になるでしょう。

――現在の御社直販サイトの利用状況はいかがですか。

 【小出社長】 全体で約6万5000冊で、そのうちマンガが5万6000冊を占めています。登録会員数は約70万名、月間購入者の1人当り購入額は平均で約5000円、ユーザ層は30代以上が7割以上という状況で今期(2013年1月期)は、売上前期比36.0%増の29億6000万円の見通しです。営業利益は13.2%増の3億5000万円の見通しです。

――締めくくりに今後の取組をお願いします。

 【小出社長】 基本方針は、『総合電子書店のナンバーワン』を確立することです。そのための取組を次のように掲げています。(1)品揃えNO.1=小説などを拡充して品揃え自慢の総合書店を目指す、(2)使い易さNO.1=購入してから読むまでの時間と手間を徹底的に省く、(3)サービスNO.1=ユーザーレビューなど、お客様の利便性と楽しさを高めていくことで年間売上200億円を目標としています。とくに、足元の主要施策として、「コミックの磐石化」、「文字ものの加速」、「新刊同時発売」、「キャリア決済導入」、「読みやすさ改良」、「新規購入者獲得」−などの6項目について積極的に取組んでいます。

――ありがとうございました。


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:50 | IRインタビュー