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2006年10月25日

3つの非鉄金属と「新分野への挑戦」を社名にした非鉄金属商社のアルコニックス

アルコニックス(3036・JQ)alx_ceo.gif
 アルミと銅を軸に、チタンなど広範囲の非鉄金属を総合的に扱う専門商社「アルコニックス」(3036・JQ)の社名は、社内公募で社員が作った。
 「AL」はアルミニウム、「CO」は銅、「NI」はニッケルを表しており、「X」は「未知への飛躍」を意味する。同社が扱っている、主要な3つの非鉄金属の名前に加え、常に新しい分野へ挑戦する意志と、成長への願いを込めている。
 同社は事業を次の4セグメントに分けている。
 「軽金属・銅製品事業」はアルミニウム製品、伸銅品などで、構成比は33%。
 「電子・機能材事業」はチタン製品、化合物半導体、磁性材、二次電池材料、レアメタル(希少金属)などで、同37%。
 「非鉄原料事業」は自動車・家電向けアルミ二次合金、スクラップ等のリサイクルなどで、同24%。
 「建設・産業資材事業」はバルブ・継手・ダイカスト等の各種工業・産業用製品や、ビル・マンションの金属製金具工事、リニューアル、リフォームなどで、同9%となっている。

■日商岩井の販社として設立

 同社は1981年に「日商岩井非鉄金属販売」として設立し、アルミニウム、銅製品を主体にした非鉄金属の販売事業を行なっていた。
 その後、合併や商権移管、社名変更を経て、2001年に富士キャピタルマネジメント(現 みずほキャピタルパートナーズ)の支援でMBO(経営陣による企業買収)を実施。
 今年4月、ジャスダックに株式上場した。

 MBOファンドの最終目的は、IPO(株式公開)によるキャピタルゲインである。そのため、
「われわれとしても、当初から上場の準備を進めてきた」
と正木英逸社長は言う。
 事業規模を拡大し、収益を上げて企業価値を上げる。同時に社内ではコーポレートガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令順守)を徹底し、態勢を整えてきた。

 現在の社名となったのは2005年のことだ。上場に向け、日商岩井(現 双日)の冠を外し、独立性を強調するためもあった。とはいえ、現在、安定株主として双日が同社株式の15.78%を保有している。

■レアメタルは需要伸長、収益力高く

 同社は非鉄金属の各分野で、業界トップクラスのシェアを持つ。
 売上高は2006年3月期実績で1276億円。非鉄金属の需要が自動車、ITを中心に好調であることに加え、商品相場が高騰していることも追い風となり、業績は今期も大幅に伸長中だ。
 先般、9月中間業績予想を大幅に上方修正した。

 セグメント別に現況と今後をもう少し詳しく見ると、軽金属・銅製品事業は旧日商岩井より引き継いだ神戸製鋼所関連の優良な商権が基盤となっており、今後もこれを維持拡大していく。

 電子・機能材事業は、チタンを含むレアメタル製品の扱いが多く、とくにこの分野は業界優位の位置にある。
 レアメタルは「産業界のビタミン剤」と言われる。少量だが絶対に必要なもので、とくにIT分野でニーズが爆発的に拡大している成長性の高い分野だ。独立企業としてIT産業向けレアメタルを大量に扱う会社はあまりないので、同社グループのシェアは大きく、比較優位の立場と相俟って、収益を上げやすい環境にある。

 非鉄原料事業も業界トップクラスの位置にあり、昨年度売上高は280億円。
 アルミ再生塊の需要は、自動車分野をはじめとして、増加の一途を辿っている。今後は各種リサイクル法の施行などで処理基準が厳しくなることを受け、貿易も含めた商社機能が発揮できる環境が整いつつあると思われる。

■M&Aで事業拡大、将来性も豊か

 正木社長は言う。
「今後は、M&Aと海外ネットワークの拡充により、さらに事業を拡大していきたい」

 同社はこれまで、3件のM&Aを成功させた。
 2004年に蝶理(8014)系のアドバンスト マテリアル ジャパンに資本参加し、ニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデン、マンガン、バナジウムなどのレアメタル事業に本格参入した。
 2件目は神戸製鋼所(5406)系の問屋である三伸林慶からアルミ・銅製品の営業権を取得した。同社は小売に近い二次問屋で、利益率が高い。
 また3件目は双日金属販売の営業権を取得、再生原料分野の強化を図ったもの。いずれの案件も同社の収益増に大きく貢献している。

 これらのM&Aにより、新分野の展開と強化を行なったが、今後も同様に、同業他社とのM&Aといったヨコ展開と、川上・川下事業者への投融資を実施していく。
 たとえば、製造業の経営、レアメタルリサイクル、燃料電池の合弁企業設立、家電・自動車リサイクル事業の海外での展開、川下の流通への参入など、さまざまなことを検討している。

 同社の海外拠点はこれまで6法人、7拠点を設置した。さらに増やしていき、海外の地場取引や三国間取引にも取り組み、収益の向上を図っていく。

 正木社長は、
「提案型ビジネスで業界をリードし、オルガナイザー的な機能を持ちたい」
と展望を語る。ただ品物を右から左へ動かすような、株式投資にたとえると、ブローカーではなく、インベスター(投資家)でありたい。ビジネスをクリエイトする組織でありたいという。

 正木社長自身は日商岩井の鉄鋼部門出身だ。2000年4月から現職。
 鉄鋼業界と比べると、非鉄金属業界は、流通を含めて、支配的なメジャーメーカーも顧客もない。自由度が高く、営業活動が活発な点が魅力だという。
 「毎日、よくこんなに案件があるものだと思う」と笑うが、企業としての挑戦目標はハッキリしている。事業規模を大きくし、企業価値を上げ、時価総額を上げること。
 現在は需要増と好市況というフォローの風が吹いており、そのなかで一生懸命努力すれば、必ず良い結果になる。社員にも「がんばれば自分自身にもリターンがある」といつも言う。「将来は明るい。成長する会社だと思っている」。



提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:25 | 社名と企業戦略