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2012年01月06日

【新春インタビュー】翻訳センターの東郁男社長に翻訳業界への提言を聞く

■通期業績は2桁増収、25%増益で回復基調を堅持

【新春インタビュー】翻訳センターの東郁男社長に翻訳業界への提言を聞く 翻訳センター<2483>(JQS)代表取締役社長東郁男氏に、新春に当っての所信、翻訳業界へのご提言をお聞きした。

 同社は、産業翻訳を中軸とした業務展開で、わが国産業のグローバル化を背景に業務領域の拡大を図り期毎に進化し続け、翻訳業界唯一の上場会社として存在感を示している。また、東郁男社長は、社団法人日本翻訳連盟(JTF)会長として、業界の認知度向上、翻訳者の質的レベルアップなど、グローバル化へ向けた課題に精力的に取り組み、業界のリーダーとして活躍中である。

■翻訳支援ツールの活用など合理化効果で粗利率が改善

――新年あけましておめでとうございます。今期も当初予想以上の好業績が続いています。新年に当たり所信などお聞かせください。

 【東社長】 昨年は、リーマン・ショック後の影響から、ようやく回復への道筋を見出した矢先に東日本大震災が発生し、先行きの見えない状況でスタートしました。当然のことながら受注の遅れは生じましたが、あまり大きな影響まで及ばず、結果的には、医薬・工業分野の好調に、特許分野の回復が加わり、ローカリゼーション業務充実などでの人件費増で費用の大幅増となりましたが、翻訳支援ツールの活用をはじめ、合理化による効果などで粗利率が改善し、第2四半期は期初計画を上回る増収増益で着地しました。
下期に入りましても、昨年9月末に上ぶれ分を増額修正した計画路線を進行中であり、お陰さまで2桁増収、25%増益を確保し回復基調を堅持できる見込みです。

 当面は、1)翻訳支援ツール「HC TraTool」の普及拡大、2)ローカリゼーション(マニュアル翻訳への参入)、3)外国への特許出願支援サービスの本格化、4)子会社収益の拡大、そして、5)エムスリー社との資本・業務提携の推進、の5つの重点施策を達成し、成長路線への復帰を確実にすることが目標です。

■重点施策を達成し、成長路線復帰を確実に

――5つの施策について、具体的にお話ください。

 【東社長】 良質な翻訳サービスの提供が粗利率の向上に貢献しています。「HC TraTool」は、09年7月より開発に取り組み、翌年4月より本格稼動しました。現在の導入翻訳者数は約1,200名、処理件数は2,500件で、ツール使用案件が売上高に占める割合も約15%にまで上昇し、今年度中には20〜30%の水準へ近づくことを期待しています。

 10年10月にプロジェクトをスタートさせたローカリゼーションは、新規採用を含め制作体制を強化した結果、大型案件を受託するなど大きな成果を上げており、工業分野の売上の5%を構成するまでになりました。今後、アジアなど新興国向けとした英語翻訳を含む多言語翻訳のパッケージ方式での受注拡大を目指していますが、今後は医療機器などでも大型案件を見込んでいます。

 グループ会社である(株)外国出願支援サービスは10年12月にスタートさせましたが、一年を経過し予想以上の成果を見せました。単独での黒字化までの道程も遠くないと確信しています。

 また、日本と海外11カ国における現地代理人とのネットワークを構築できましたので、そのネットワークを有効に駆使し、迅速で効率的なサービス提供で収益に結び付けていきたいと思っています。

■「医学論文サイト」への登録医師会員55,000人超

 【東社長】 業務提携から資本提携を実施しているエムスリー社との関係ですが、m3.comが展開するサイト「QOL君」内の当社ページである「医学論文サイト」への登録医師会員は55,000人(11年9月末現在)を超えました。この数値は、エムスリーの「QOL君」に登録している医師会員20万人の約1/4に当たります。アクセスし難い医学論文翻訳市場への開拓の有力な手段として、ネットを通じた販路確保を目指します。当面は登録医師会員を2/3まで伸ばしたいと考えています。

 医師の方々は論文投稿原稿の英語校正を「いつも依頼しているので慣れている」という理由で個人翻訳者に頼っている現状ですが、ネットを通じ「最良の品質・コストパフォーマンス」が確保できることが理解され、さらに、大学・大手病院の医局等が窓口になるなど、利用者の利便性が向上すれば、一石二鳥の効果が生まれます。今後の成長力に期待しています。

――米国子会社の業績貢献が注目されています。

 【東社長】 米国子会社の業績は期毎に向上し、グループの業績に大きく寄与しています。第2四半期売上高が前期比11.6%に伸張し、受注内容も当社同様、主力4分野の売上高が80%を占めています。業績アップの牽引役も設立当初のメディアコンテンツから主力4分野へ変化しつつあります。今後、各分野とも多言語対応を含めた受注拡大に期待しています。

■進化求められる翻訳業界=良質翻訳の能力・大量受託態勢整備が課題

――翻訳業界唯一の上場会社であり、東社長様は、社団法人日本翻訳連盟(JTF)の会長としてご活躍中です。業界の今後へ向けたご提言をお聞かせ下さい。

 【東社長】 当翻訳業界の市場規模は2,000億円と見られ、翻訳会社は大小合わせると1,500〜2,000社あると推定されます。
多くが家族企業といわれる小規模な翻訳会社で、高度経済成長期の1960年代に設立されており、多くの会社が事業承継の問題を抱え、経営者交代の時期にあります。しかし、残念ながら業界の知名度が低く、その広がりも決して大きくありません。特に1社あたりの規模が小さいため、受注キャパシティに限界があり、スムーズに仕事をこなせていない現状を如何に解決するかというのが課題の1つです。

――ニーズがあるのに応えられないということですね

 【東社長】 発注者サイドには、「受けてくれるなら」「品質が良ければ」発注したいというニーズがありますが、翻訳業界サイドには、ニーズの受け皿として相応しい態勢が整っていない面があります。業界として良い翻訳が出来る能力を備え、大量受託が出来る態勢を整えることが解決への課題だと考えます。そこから、1社あたりの規模の拡大、社数の増加、あるいは企業連合といったグループ化といった対応策も生まれると思います。もちろん、グループ化には受注単価・品質維持の調整など多くの障壁もあるかと思いますが、広い視野で翻訳ビジネスのシステム化・国際化に取り組む時期に来ていると思います。

■JTF:定期的にイベントを実施、1月20日には「関西セミナー」開催

 【東社長】 JTFではビジネス領域の拡大を目指してセミナーを定期的に開催し、翻訳者の能力開発、向上を図っています。また、セミナーとは別に年一回、「JTF翻訳祭」と称したイベントを開催しております。21回目となった昨年11月の大会では、700人を超す方々が来場し、36あるセッションにおいて情報を交換・共有し合い、大きな成果を上げました。

 なお、今春1月20日には、大阪・中之島で「第2回JTF関西セミナー」を開催いたします。昨年から話題の『スティーブ・ジョブズI・II』などの翻訳者、井口耕二氏(JTF常務理事)のご講演を予定しております。多くの皆様方のご来場を期待しています。

――有難うございました。

>>翻訳センターのMedia−IR企業情報


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:37 | IRインタビュー