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2011年06月07日

JPホールディングスの山口洋社長に『保育事業』の現状・問題点を聞く

★好きな言葉である『得意泰然失意泰然』通りの経営

 インタビューを終えて感じたことは、山口洋社長のすばらしい発想力と行動力。コーヒーメーカーの代理店で創業、オフィス中心からアミューズメントホールでのワゴンサービスを開拓し上場を果たした。アミューズメントで母親のゲーム中に幼児が駐車場の車で死亡する事故が続いたのを見逃さず現在の主力ビジネスである子育て支援事業に進出しJPホールディングス<2749>(東2)を展開。もともとは学者になるのが夢だったくらいだから研究はお手のもの。社長業のかたわら大学院へ通い児童学を勉強。現在は政府の保育事業検討会のメンバーも努める。毎朝、ジムとランニングで体を鍛え、月1回は座禅を組む。好きな言葉である『得意泰然失意泰然』通りの経営だ。

JPホールディングスの山口洋社長に『保育事業』の現状・問題点を聞く


――大和証券のご出身とお聞きしています。個人投資家の皆さんも、社長様のご経歴には関心は強いと思います。事業内容の前に是非、ご経歴からお願いします。

 【山口社長】 昭和36年生まれで出身は京都府です。ケーキ店を営む両親の休みもなく働く姿を見て、土日の休めるサラリーマンになろうと小さいころから決めていました。高校卒業後、明治学院大学法学部に進みました。大学時代は仕送りがないため、早朝のアルバイト、昼は授業、夜もアルバイトという毎日でした。典型的な苦学学生の生活に限界を感じて、大学院を出て学者になる夢は諦めました。

――なぜ、就職先に証券界を選ばれたのですか。

 【山口社長】 学生時代に苦労したので、金融業は給料が良いと聞いていたからです。銀行と証券会社に絞って就職活動をやりました。とくに、海外勤務に憧れていたので、早くから海外展開を進めていた大和証券が第一志望でした。

★有価証券を使った節税方法に関する講習会が評判

――大和証券では、どのようなお仕事でしたか。

 【山口社長】 昭和60年(1985年)の入社で、最初の配属は京都支店でした。その後、大阪支店、名古屋支店などで、主として法人営業を担当しました。有価証券を使った節税方法に関する講習会を税理士、弁護士を対象として実施したことが評判となって顧客を増やすことに成功、2年目にして好成績を挙げることができました。また、入社の頃から、まだ知る人の少なかったM&Aに着目して、業界でも数少ないM&A担当者となって数多くの案件を手がけました。バブル崩壊で証券業務に限界を感じて平成4年(1992年)に退職しました。

★コーヒーの原価の低さに商機があると判断

――その後、現在のJPホールディングスの前身となるジェイ・プラニングを1993年に設立されたのですね。

 【山口社長】 そうです。大和証券を退社して、暗中模索で新ビジネスを調査していたときにコーヒーメーカーの代理店募集広告に目が留まりました。生豆からセットして焙煎・ミル・ドリップまでの機能を備えた、コーヒーメーカーに魅力を感じて、早速、マーケット調査を行いました。その結果、コーヒーの原価の低さに商機があると判断して、証券界時代に培った営業力の自信で、名古屋でジェイ・プラニングを立ち上げました。オフィス向け商品でしたが、スキー場、バス発着場、ゴルフ場など、コーヒーの飲みたくなる場所を探し出すことに専念して業績を伸ばしました。さらに、立ち寄ったアミューズメント店でコーヒーのワゴンサービスを思いつきました。社員たちには「売れない」と猛反発されましたが、却って、発奮。訪問した20店目で、やっと営業先1店舗目を獲得。狙いは見事に的中して導入直後から評判となりました。オフィスに設置すると1ヶ月1.5万円だった売上がアミューズメント施設では数ヵ月後に1店舗150万円の売上を達成しました。当然、他店からも導入依頼が殺到して業績は飛躍的に向上し上場も視野に入れ始めました。(ジャスダックに2004年12月上場)。

★保育事業の現状・問題点

――さらに、そこから保育サービスへ展開されたのは、どのようなお考えからでしたか。

 【山口社長】 1996年に東京へ進出、全国各地に拠点を広げ、当時、世間は不況ながら業績は拡大しました。しかし、さらなる飛躍を考えたとき、女性従業員が戦力の中心であるため、結婚や妊娠などで退社する人が多いことに不安を感じていました。「景気が回復に向うと人材確保もままならなくなる」と考え、福利厚生の一環として託児所設置を考えました。ちょうど、その頃、アミューズメント施設で遊戯する母親が駐車場の車内に子供を放置し死亡させるという事件が相次ぎました。この事件から、従業員だけでなく施設の店員やお客様も利用できるように託児所を無料で開放することを決意しました。2001年、考えに賛同してくれた広島のアミューズメント施設に併設する形で託児所を開設しました。利益目的ではないため赤字は続きましたが、保育事業の現状・問題点を知るきっかけとなりました。

――どのような点ですか。

 【山口社長】 急な残業や日曜出勤のある女性が多数いるにもかかわらず、夕方以降の延長保育や休日開園の保育園がないということでした。また、待機児童が何万人もいること、国の認可を得ることの難しさ、認可を得ると全額公的資金で運営できるうえ地域間の競争もなくサービス向上がなされない実情を知りました。2001年に古い業界体質を自ら変えようと、埼玉県に日本初となる年中無休の郊外型大型保育園と託児所2施設を開設。1時間から一時保育を受け付けるなど、利用者目線のサービスを取り入れました。しかし、認可外のため公的助成金がなく、経営は厳しい状況が続きました。こうした中で東京都がサービスの実績を認め、2002年には西東京市ひばりヶ丘に東京都認証保育園を開園しました。保育事業が社会のニーズであることを強く意識するようになりました。

――保育について、猛勉強されたそうですが。

 【山口社長】 2004年、43歳の時に徹底的に保育事業を勉強しようと、聖徳大学大学院に入学して児童学を専攻し、2006年に修士を取得しました。この2年間で専門書を約100冊読みました。とくに、大学院在学中に9園を開園し、2005年の愛知万博に開園した「キッズプラザアスク愛・地球博」は話題となりました。2006年からは児童館や学童クラブなどの運営受託も開始し未就学児のみならず就学児の育成事業にも進出しています。2007年に保育事業が初めて黒字となりました。2008年には取組みと実績が認められ、厚生労働省による「次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に関する保育事業検討会」のメンバーに選出されました。昨年(2010年)3月に、子会社ジェイ・プラニングの全株式を譲渡し、事業を子育てに一本化しました。

――政府の委員も努められ、そうとう、お忙しいようですね。

 【山口社長】 そうですね。月1回の「座禅」と「論語」、「古典」の会に出ています。健康維持も経営者には大切なことですから毎朝ランニングとジム通いをやっています。ハーフマラソンにも参加しています。

――座禅はどちらで。

 【山口社長】 始めたのは2年前からです。幕末の士・山岡鉄舟ゆかりの寺「全生庵」です。中曽根元総理もいらしたそうです。精神修養に努めています。心がけていることは「失意泰然、得意泰然」です。

――2011年3月期の業績はいかがでしたか。2012年3月期についてもお願いします。

 【山口社長】 2011年3月期は保育所19園、学童クラブ12施設、児童館3施設を新たに開設しました。その結果、期末の保育所数は83園、学童クラブ37施設、児童館は9施設となり、子育て施設の合計は129ヶ所となりました。この結果、売上は11.9%増加、営業利益13.7%増益、純益も12.5%増益と2ケタの増収増益の成績でした。配当は年29円(10年3月期は年20円)です。2012年3月期は売上29.8%増の119億円、営業利益36.9%増の11億5000万円、純益36.4%増の6億8200万円の見通しです。今年6月1日付けをもって株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しましたので、2012年3月期の1株利益は40.9円、配当は年13円の予定です。

――先行き1部上場はお考えですか。

 【山口社長】 考えています。

――先行きの業績はいかがですか。

 【山口社長】 子育て支援事業は有望です。官業の民間開放、自治体の構造的財政難、既婚女性の就業率アップ、待機児童の増加傾向、既存園経営の零細性という背景があります。この結果、(1)全国1万2000の公立保育園及び学童クラブ児童館の民営化、(2)民間による増設、良質なサービスに対する需要、(3)M&Aの活発化、などにより市場規模は3兆円が見込まれます。当社では、保育所開園を2014年3月期までの中期経営計画において毎年20園の開園を計画しています。学童・児童館受託についても2011年4月〜2012年3月で5ヶ所、2012年4月〜2013年3月で10ヶ所、2013年4月〜2014年3月で10ヶ所見込んでいます。中期計画最終年の2014年3月期の売上179億円、経常利益率10%目標で経常利益17億9000万円(2011年3月期は8億6600万円)の計画です。配当は配当性向30%前後を目処としています。

――ありがとうございました。


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:33 | IRインタビュー