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2009年08月27日

日本ライフライン:鈴木啓介社長に会社近況を聞く

日本ライフライン:鈴木啓介社長に会社近況を聞く

■自社製品比率の向上で収益性もアップ、9月中間期、今3月期を大幅増額修正

lifera.jpg 日本ライフライン<7575>(JQ)は、日本の『心臓医療』の発展に着目し、1981年に心臓ペースメーカーの輸入販売からスタート。現在は人工血管、人工心臓弁などの外科関連商品やPTCAバルーンカテーテル等のインターベンション商品と心臓疾患に関する治療器具を広く取り扱う。ガイドワイヤー、人工血管、EP(電気生理用)カテーテル及びアブレーションカテーテルなど自社製造にも力を入れている。このほど、今期業績を上方修正した同社の鈴木啓介社長に近況を聞いた。

■新商品の心臓ペースメーカー『リプライ』が数量で30%増と絶好調

――9月中間期と10年3月期を上方修正されました。まず、その内容についてお願いします。

 【鈴木社長】 今年5月20日に公表した当初の業績予想の数値を7月31日に上方修正しました。9月中間期の売上高は当初予想に対して6億7900万円増額の108億4900万円に、営業利益は3億4100万円増額の6億3100万円に、また、10年3月期通期の売上高は11億900万円増額の219億700万円に、営業利益は3億7100万円増額の11億600万円へと修正しました。今3月期の修正後の数値は09年3月期に比べ12.8%の増収、97.8%の営業増益となります。売上高は10期ぶりに200億円台に回復し、営業利益率も5.1%(09年3月期2.9%)と4期ぶりに5%台を達成する見込みです。

――増額修正にはどのようなことが寄与したのでしょうか。

 【鈴木社長】 一番大きな理由としては、当社グループの主力であるリズムディバイスの商品が好調に推移したことがあげられます。特に、心臓ペースーメーカーにおいては、昨年9月に発売した新商品『リプライ』が寄与し、この第1四半期では前年同期に比べ数量ベースで約30%伸長しました。また、課題であったICD(植込み型除細動器)についても、サイズや機能面での優位性が評価され、予想を上回って推移しました。

――心臓ペースメーカーと、ICDの違いについて少し説明をお願いします。

 【鈴木社長】 これらは、ともに体内に植え込まれ、心臓の拍動が正常な状態よりも遅くなったり、逆に早くなったりする、いわゆる不整脈を治療する医療機器です。このうち、心臓ペースメーカーは、心臓の拍動が遅くなる徐脈と言われる不整脈を治療する機器で、心臓の状態を監視し、拍動が途切れたことを感知すると電気信号を送り正常なリズムの拍動に戻します。また、ICDは、心臓の拍動が異常に早くなる頻脈と言われる不整脈を治療する機器で、突然発生する心室細動や心室頻脈といった不整脈を自動的に感知し、電気ショックを与えることで心臓の動きを正常に戻します。

――心臓ペースメーカーやICDは、商品の輸入元を変更されたのでは。

 【鈴木社長】 心臓ペースメーカーやICD等の医療機器について、2007年9月から、イタリアのソーリン・グループ社商品の販売を開始しました。これは、当社が創業以来取り扱ってきたブランドの変更であり、また、当時はソーリンブランドの認知度が日本国内ではまだ低い状況でしたので、非常に大きな決断ではありました。ただ、私は、ソーリンの技術力は高く、日本国内の医療現場や患者様にとってベネフィットを与える製品であり、市場で十分認められると考えていました。この第1四半期での『リプライ』の寄与はそれを裏付けるものと考えており、さらに今後も新商品の導入を進めて行く予定です。

■5月から子会社で製造の人工血管も順調

――その他に業績が好調な要因はありますでしょうか。

 【鈴木社長】 当社の子会社であるJUNKEN MEDICAL社製の人工血管『J Graft』が好調に推移していることもその要因としてあげることができます。従来は、輸入商品を販売していましたが、今年4月からJUNKEN MEDICAL社製の商品の販売を開始しました。現時点では、唯一の国産製品であり、医療現場においても高い評価を頂いております。この『J Graft』という名前も、国産製品であることからJAPANの「J」を意味するとともに、当社英文社名のJapan Lifeline の「J」、そしてJUNKEN MEDICAL の「J」を意味しており、そこに人工血管を意味するGraftを組み合わせたものです。

――JUNKEN MEDICALについて教えてください。

 【鈴木社長】 今年の2月に買収した会社であり、人工血管以外では血液浄化や人工心肺関連の商品等を取り扱っています。1967年の設立当時より医療機器の製造を行ってきており、様々な技術やノウハウを持っており、今後は、営業面だけでなく製造や開発といった面でも両社のシナジーが期待できるものと考えています。

■千葉県に2010年下期稼動目標で人工血管の新工場を建設

――新しい工場を建設されるそうですね。

 【鈴木社長】 現在、JUNKEN MEDICALには埼玉県の東松山市と千葉県の市原市に工場があり、人工血管はこのうちの千葉工場で製造しています。ただ、製造のキャパシティに制約があり、市場ニーズに十分応えることができていない状況なので、生産数量を増やすために新たな工場を建設します。既に工場用地は取得しており、2010年下期の稼働を目指して現在準備に取り組んでおります。新工場が稼働し、十分な供給体制が整ってくれば、将来的には市場シェア3割の獲得を目指したいですし、海外展開も視野に入れています。

――自社生産を拡充されている背景はどのような点でしょうか。

 【鈴木社長】 当社が自社製品の開発に取り組んだのは約10年前になります。当時、取引先である海外メーカーが買収され日本国内における当社の販権が失われたことがありました。当社の仕入先は海外メーカーが多く、海外ではM&Aが活発に行われている中、このような販権を喪失するリスクを低減する必要があると考えたことが自社製品に力を入れた理由の一つです。また、もう一つの理由としては、医療機器の公定価格である「保険償還価格」の継続的な引き下げに伴い収益率が低下していく中、コスト削減等の自助努力により利益を確保できるということがあります。
現在では、EP(電気生理用)カテーテル、アブレーションカテーテル、ガイドワイヤーといった自社製品の単体売上高に占める割合は約20%、粗利益ベースでは約23%となっています。

――締めくくりに、今後の売上目標と個人投資家の皆さんへメッセージをお願いします。

 【鈴木社長】 この2年ほどの間に、心臓ペースメーカー、ICD、人工血管と、主力となる商品の取引先を立て続けに変更したことで、皆様から「大丈夫か」という心配の声を頂いていました。しかし、冒頭にご説明しましたように、この両者が牽引役となり業績予想を上方修正できるほど好調に推移しています。今後も新たな商品の導入を計画しており、概ね5年以内には売上高300億円を達成できるものと見込んでおります。また、配当については、年25円の安定配当を基本方針とし、状況に応じて株主の皆様に対する利益還元策を適宜実施していきたいと考えております。
私共としましては患者様や医療現場の方々にとって真に価値ある商品を提供していくことで、持続的成長を実現してまいりますので、今後とも一層のご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。

 【編集後記】 まさに、社名の通り『人命』に貢献する企業。心臓ペースメーカー、ICDと人工血管の主力商品の取引先を変更したことも見事に成功。好業績に加え、第1四半期末の1株当り純資産1286円で計算したPBRはわずか0.4倍台にすぎない。630円台の株価は見直し余地は大きい。

>>日本ライフラインのIR企業情報


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:23 | IRインタビュー