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2009年08月11日

新日本建物:壽松木康晴新社長に『経営に対する抱負』を聞く

■新日本建物の壽松木康晴新社長に『経営に対する抱負』を聞く

新日本建物:壽松木康晴新社長に『経営に対する抱負』を聞く 新日本建物<8893>(JQ)では、壽松木康晴専務取締役が新社長に昇格した。不動産不況の真只中という厳しい時期の社長就任となったが、新しい事業として取り組んだ「マンション買取再販売事業」では早くも成果が見えてきている。そこで就任1ヶ月を迎えた壽松木社長に新ビジネスモデルをはじめ、目指す会社像など経営に対する抱負を聞いた。

■買取再販こそ最適事業と判断、全社で取り組む

―― 社長ご就任おめでとうございます。ご就任後1ヶ月たちました。厳しい環境下、新しい戦略を掲げてご登場という印象ですが、社員へ向けたメッセージの第一声は?

 【壽松木社長】 社員へ特別なあいさつの機会はありませんでしたが、こういう時期に代表取締役社長として指名された意味は、三つあると思います。一つは、現場経験の長い人間が社長になるケースが多い当業界で、管理畑の私に託されたのは、まずは経営基盤の立直しを図ることが最大の使命であり、そして、今後マーケットが回復していく状況に合わせて事業を再び軌道に乗せていくことであり、三点目がオーナー依存の経営からの脱却を図っていくということだと認識しています。

――「マンション」では具体的案件が次々と進んでいます。

 【壽松木社長】 だいぶ以前から考えていました。ちょうど1年ほど前に、親会社とのタイアップにより大々的にやりましょうということで周囲にもPRしたところ、狭い業界のことですからすぐに話題になり物件情報が数多く集まりました。が、当時ファイナンス環境が日に日に悪化していくにつれ肝心の資金調達が思うように進まず、その時は実現できませんでした。今回は資本調達を含めて自力であるいは商社系の不動産会社など複数の事業会社との共同事業という形態を活用しながらやっていこうというプランで再スタートしました。

――このビジネスモデルの発端は・・・・・

 【壽松木社長】 総合デベロッパーとしての開発業務は、通常、事業用地の購入、ファイナンス、プランニング、ゼネコン選定、建築着工、販売というプロセスをたどりますが、現在はそういう通常の事業環境ではありません。すなわち事業資金の調達、ゼネコンとの契約条件など、どれ一つとっても2〜3年前とは様変わりしています。したがって当社が素地からマンションやオフィスビルなどの開発を手がけるにはまだ難しい時期だと考えています。とはいえ何もせずじっと我慢していれば、確かに嵐は過ぎ去るかも知れませんが、そうもいきません。マンション買取再販事業に取り組むことにしたのは,個々の事業期間が短いために、効率良く投資と回収ができることと、販売マーケットの変動リスクが極めて少ないこと、また建築の資金負担も回避できるからといった理由で、今の当社にとって最適な事業だというのが社内の一致した意見だったからです。

■いまは、実績と利益を着実に積み上げ体質強化優先

――この事業のマーケットは・・・・

 【壽松木社長】 買取再販事業の対象となる在庫は破綻した不動産会社が保有する分を含めて相当数あります。ただしそれらは権利関係が複雑なものが多いため、いまは市場に出ていないものの、そうした予備軍がまだ相当数存在していると考えています。そして、これが一巡しないとマンションの本格的な在庫調整の目処が立たないし、新規に更地から開発してというステージへは移行できないのです。私たちは、この事業マーケットはこれからまだ広がると考えていますし、モノと金を動かして正常なサイクルへの回帰を果たしていくことも当業界の社会的使命だと思います。しかしながら、その正常化への動きが遅い感じがしています。

――それはどうしてですか

 【壽松木社長】 巷では対象物件の一巡感が出たことでしょう。確かに完成済みの権利関係が割とシンプルな物件については、高値での入札が進むなど、事業メリットがありません。一方、未完成で複雑な権利関係の物件など、供給に時間のかかるものはあまり動いていません。今年度に入ったあたりから金融機関のスタンスが多少変わり、性急な融資回収が下火になったことにより事業主の資金繰りもやや安定化し、売り急ぎしなくなったことや、未完成物件の中断した工事を再開させたうえで供給をすることが可能な不動産業者の数が限られていること、などがその理由です。したがって、待っていれば情報が向うからやってくる状況ではありません。
 しかし、このように供給能力を失った企業の中に閉じ込めておいては誰のためにもなりません。今回は前回のバブル崩壊時の外資系投資銀行のようなプレーヤーがいないので、市場回復のスピードが遅いのかもしれませんが、遅かれ早かれ、ゼネコンや特に大手の金融機関などがもう少し積極的に取り組み、きれいにしていかなければいけないでしょう。
 そういった意味で、いま我々は、正常なステージにおけるいわゆるリスクを負う事業方式に積極的に取り組む時期でなく、実績と利益をより着実に積み上げて体質強化を優先する時期だと判断しています。 
 当面は、破綻企業のスポンサー企業などからの情報を活用しながら良いものをピックアップし、マンション買取再販事業に特化していきます。

■財務基盤の安定化、資金効率向上で事業規模を拡大

――新規事業展開のためのファイナンスについては

 【壽松木社長】 当社にとって一番必要なことは経営基盤をしっかりさせることです。それには、まず財務基盤を安定させてそれから資金効率を高めてそして事業規模を拡大してという順序で、一つ一つを確実に成し遂げ、それを繰り返していくことが基本です。その資金調達に際しては、もちろんすべてのステークホルダーに納得してもらうのが理想ですが、現実には何処かで何かを我慢していただかなければならないこともあるかもしれません。ただ、既存株主など周囲への配慮も忘れず、調和の取れた方式を工夫したいと思います。先般の資本調達のように、マーケットの状況や我々のやりたいこととその必要資金とのバランスをきちんと考えながら今後も取り組んでいきたいと思います。

――今期業績との関係は如何ですか

 【壽松木社長】 これまでは大規模な人員削減も実施せず、今後のマンション買取再販事業を展開していくための要員は確保しています。あとはこの事業をどれだけこなせるかにかかっています。市場での供給量が急激に増加するとは思えませんが、期初計画どおり黒字転換を目標にまい進します。

■社歴・堅実経営を大事に『良いヒトとモノが集まる企業』を目指す

――最後になりますが、社長としてどんな社風の会社にしたいと考えますか。また、業界でのポジショニングについてお聞かせください。

 【壽松木社長】 当社は近年続いた不動産市況の上昇局面に乗り遅れた感じがありました。人によっては新興デベロッパーと一括りされることもがありますが、もともと当社は戸建て住宅の開発・分譲からスタートして34年の歴史を持つ会社です。会長の村上は「お客様の顔や造り手の顔がそれぞれ見えない、そんな事業には抵抗がある。」と常々言っていますが、手痛い傷を負った不動産流動化事業も、やはり金融との融合によってそうした「顔」が見えづらい特性があったため、不安を抱きながらの参入でした。当時は、どれだけ短期資金を使い、どれだけ短期利益を上げられるかを競う時代であり、急遽資金を調達して恐る恐る参入をした当社は、不幸中の幸いというか、その慎重さゆえ致命傷には至らなかったのです。
 6年後は40周年を迎えます。今回学んだ教訓を含めて様々な状況を乗り越えてきた経験を今後の経営に活かし、「堅実な経営」という永年培ってきた社歴に裏打ちされた社風を大事にしたいと思っています。その信頼がもたらすのは「良いヒトとモノが集まる企業」であり、それが私の目指す「良い企業」にとって最も大事な要素だと思っています。
 業界内でのポジションについてのこだわりは特にありませんが、例えば現在の首都圏におけるマンション供給ランキングが20位台ですので、まずはこれを15位以内に上げていくことが当面の目標です。先に言いましたように「良いヒトとモノが集まってくる企業」を目指していけばそのポジションには自ずと手が届くのではないでしょうか。

――有難うございました。

 【壽松木康晴氏(すずき・やすはる)・略歴】 1991年・北海道大文卒、大京入社、98年10月新日本建物入社、05年6月同社取締役 経営管理室長兼総務人事部長、06年6月常務取締役兼常務執行役員 管理本部長兼財務部長、07年4月専務取締役兼専務執行役員 管理本部長兼財務部長、09年6月代表取締役社長兼社長執行役員 現在に至る。


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:54 | IRインタビュー