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2009年02月16日

日本エンタープライズの植田勝典社長に「経営への思い」を聞く

日本エンタープライズの植田勝典社長に「経営への思い」を聞く「社業を通じて、少しでも多く社会のお役に立ちたい」の強い一念から発した会社

 日本エンタープライズ<4829>(東2)は、キャリアに対し公式コンテンツの形でエンターテイメント系コンテンツを提供する事業を主力とする。創業者の植田勝典社長は、日本を代表する企業のトヨタ自動車と松下電器(現パナソニック)での勤務経験を持ち、松下電器時代は社長賞を2回も取った営業の腕利き。「社会に少しでも多くお役に立ちたい」というのが植田社長の思いであり、実際に、創業時には利益の全額を社会に寄付、上場後も利益の1%を上限に寄付を続けている。「株主は法律では第一位だが、私の中では、お客様、お得意様、そして従業員があって、その次に株主」と植田社長は言い切る。しかし、過去に赤字は一度もなく配当も行っている。植田社長の「寄付型の社会貢献経営」に対し、株主は温かい声援を贈り、株主数も増えている。植田勝典社長に「経営への思い」を聞いた。

■エンターテイメント系コンテンツ提供主力に急成長より着実な成長目指す

――会社の資料を拝見しますと、「寄付」を続けておられるようですが、どのくらい、おやりになっているのですか。

植田社長
 創業初年度には経常利益のほぼ全額を日本赤十字社、各地社会協議会、児童養護施設などに寄付しました。その後も年々、黒字を上げ続ける中で一定の割合をそうしたところに寄付し続けてきました。

――2001年に株式を上場されましたが、上場後は、多くを寄付されることは難しいと思いますが、どのようにされていますか。

植田社長
 上場後は、当期利益の1%を超えないという基準のもとに実施していますし、これからも続けるつもりです。

――どのようなお考えによるものですか。

植田社長
 そもそも、当社は「社業を通じて、少しでも多く、少しでも大きく社会のお役に立ちたい」という強い一念から発している会社であり、わが社にはそうした思いの人たちが集っています。寄付はそうした思いの現われです。この点は、株主の皆様にもご理解をいただいていますし、評価をいただいております。

■トヨタ自動車と松下電器(現パナソニック)での勤務経験で「己を捨てる心」知る

――少し、プライベートなことをお聞きしますが、「寄付」をされるようになったきっかけのようなことは人生の中でなにかございましたか。

植田社長
 そうですね、そのあたりを少し長くなりますが、お話しましょう。私は大阪府堺市の出身です。兄と2人兄弟で、兄は温厚で頭が良く、東大から官僚になり今は千葉県の副知事の職にあります。私は体があまり丈夫でなかったのですが、その分、口が達者だったので(笑)、お前は商売に向いているということで、家業の鉄鋼を継ぐ予定でした。16歳の時に父が亡くなり、勉強しておかなくてはいけないということで急遽、大阪府立大学(経済学部経営学科)へ進み、卒業後はトヨタ自動車へ就職しました。トヨタさんで経営を学ばせてもらって家業を継ぐつもりで4年間勤めてトヨタを退職しました。しかし、亡くなった父の後を経営していた叔父に断られ、結局、家業を継ぐことはできませんでした。

――不信感でしょうね。

植田社長
 そうです。もう一度、トヨタ自動車に入れてもらうよう頼みましたがだめでした。トヨタ時代はコンピューター関係の仕事をやっていた経験で松下電器(現パナソニック)を受けたら決まりました。最初は名古屋支店勤務でしたが、大阪の本社に移り、平成5年には東京へ転勤となりました。口が達者だからというので自動車電話販売の担当になりました。1台1万5000円程度でしたが、30万台売り、社長賞をいただきました。次はポケットベルの担当になりまして、ここでもがんばって2度目の社長賞をもらいました。

――すごいですね。

植田社長
 しかし、「出る杭」というのでしょうか、意味不明の中傷で結局辞めることになってしまって、人生がイヤになるし、自分には「運」がないんだと落ち込みました。

――しかし、営業で社長賞を、それも天下の松下で2回もお取りになるのはすごいことだと思います。こういう厳しい経済情勢ですから、営業の秘訣をぜひお聞かせください。

植田社長
 小さい頃から父に連れられて取引先などをよく訪問していました。特に、父は、倒産した会社に連れて行って、経営に失敗するとこうなる、という姿を見せていました。経営の厳しさというものは小さい頃から頭に残っていたと思います。松下に入ってから、幸之助さんの本に出会い、「己を捨てる」ことの大切さも学びました。また、営業の現場で、どうしてもそりの合わない人と出会った時は、母から教えられた、「お客さんと心が通じ合ったときに物を売ることができる」という言葉を思い出して、相手の目の前でノートに数ページも「お客様第一」と書きました。すると書いているうちに自然と解け合うものです。

――折角ですから、もうひとつお聞きしたいのですが、トヨタと松下の大企業を2つも経験された人はいらっしゃらないと思います。カルチャーは違いますか。

植田社長
 違いますね。一言で言えば、「コスト改善のトヨタ」、「営業の松下」だと思います。

――貴重なお話をありがとうございます。それで、会社をお創りになられた。

植田社長
 実は1989年に愛知県豊田市にパーソナルコンピューターのハードウエアの販売とソフトウエアの開発販売を目的として日本エンタープライズを設立していました。しばらくそのままにしてあったのですが、その会社を千葉県千葉市に移転して1997年に営業を始めました。携帯電話・PHSなどの移動体機器の販売と音声コンテンツのサービスを始めました。配信は日本で始めてだったと思います。営業を始めるに当って、お話しましたように、いろいろありましたから、悩んだ末に、「人はどうせ死ぬのだから、求めるより、儲けたものは寄付しよう」という気持ちで取り組みました。このため、わが社は「寄付をするために始めた会社」というのが理念です。

――すごいお話です。そういう思いの社員の方々がお集まりになっているから業績も飛躍して一気に上場された。

植田社長
 そうです、ここに集まっている人たちは同じ思いですから強いですね。うまく行く会社だと思っています。大学の時のテーマは、「会社は誰のものか」でした。株主様は大切です。法律では株主様のものです。過去12期間、赤字は一度もありません。これからも配当は継続します。しかし、これだけではいけないと思っています。「ユーザー」、「従業員」、「協力会社」があってこそ「株主様」があると思っています。

――現在の事業を少しお願いします。

植田社長
 「コンテンツサービス事業」、「ソリューション事業」、「海外事業」の3つです。「コンテンツサービス事業」では、キャリアに対し、公式コンテンツという形でエンターテインメント系コンテンツを提供する公式コンテンツプロバイダです。携帯電話以外のメディアでの利用もふまえ、様々なスタイルでクオリティの高い独自の開発力と企画力を発揮しています。「ソリューション事業」は、モバイル市場に参画される皆様に対し、携帯電話を利用した新たなビジネスのコンサルティング・企画・開発からサポートセンター業務など運営管理サービスの提供を行っています。また、携帯サイトの運営業務の受託、着メロ・着うたなどデジタルコンテンツ制作なども行っています。

■期待の大きい中国モバイル市場へ本格展開へ

――「海外事業」は主に中国でしょうか。

植田社長
 そうです。中国では2002年から事業を進めてきた実績があります。2004年には中国で着メロでトップになりました。目立つと難しい問題も出て、2004年4月には現地法人・北京エンタープライズモバイルテクノロジー有限公司を5億円で売却、05年4月に2億円で現地法人・因特瑞思(北京)信息科技有限公司を設立して再出発しました。第3世代端末(3G)の普及に大きな成長期待の中国モバイル市場へ本格展開します。

――景気後退の影響は避けられないと思いますが、先ほど、お話いただいた通り、赤字は出さない、配当は実施するということですが、今5月期はいかがですか。

植田社長
 今年1月13日に09年5月期の第2四半期(中間期)を発表した時点で今期は売上4.0%減の30億円、営業利益51.1%減の2億8000万円の見通しです。景気は厳しいですね。今は踏ん張りどころだと思っています。役員は給与を約2割カットして頑張っています。配当は年130円(前期200円)を予定しています。

■好きな言葉は「死して生あり」、死んだ気になれば道は開ける

――寄付はお続けになりますか。

植田社長
 もちろん続けます。そのために、私も今でも第一線の営業マンと思って、1日100回、鏡で笑顔を確かめています。

――株主様も安心だろうと思いますね。

植田社長
 お陰さまで2007年に東証2部へ上場させていただき、株主数も7000名を超えるまでになっています。わが社は急成長より着実な成長を心がけています。急成長すると必ず反動が来ます。身の丈で着実にやっていけば東証1部上場も見えて来ると思っています。

――締めくくりに、お好きな言葉をお願いします。

植田社長
 「死して生あり」です。己を捨てることです。死んだ気になれば道は開けると思います。

―ありがとうございました。



提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:24 | IRインタビュー