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2008年11月25日

食品卸の「勝ち組」として評価高まる『菱食』〜中野勘治社長へのインタビューを交え「現況と展望」を取材〜

20数年続いた連続増収増益が途切れ
中野勘治新社長のもとで「ビジネスモデル」改革に取り組む


中野勘治社長へのインタビュー 菱食<7451>(東1)は、三菱商事生活産業グループの中核企業として、食品流通部門において中心的な役割を果たしている。三菱商事が50%の株式を保有。食品流通における位置づけは三菱商事が川上部門での総合商社機能、同社は川中部門での「中間流通機能」を発揮している。株価の動きは非常に堅調。食品の安全性が求められる中、同社への期待は高まっている。中野勘治社長へのインタビューを交え、「現況と展望」を取材した。

「生活者のライフスタイルを把握しメーカーへ
フィードバックする翻訳者の仕事」目指す


菱食のホームページ 同社は2006年12月期に業績の大幅な悪化に見舞われた。それまで、営業利益は120億円近い数字を挙げていたが、06年12月期に営業利益57億円と半減する、大きな落ち込みとなった。請われて新社長に就任したのが中野勘治社長。「業績が悪くなったのは、物が中心の経営をやっていたからです。それまでは20数年間、連続の増収増益でした。物がない時代なら右から左へ動かすだけでよかった。しかし、今は社会が豊かになって、生活者のニーズが変わっています。その変化に対応できなかったことが2006年の業績落ち込みです」と指摘する。

 今は、生活者のニーズが味、価格、産地、売り方、安全性など厳しくなっている。中野社長は強調する。「生活者のライフスタイルが大きく変わっています。ここを見なくてはいけません。われわれは、生活者のライフスタイルを翻訳してリテール・メーカーへフィードバックする翻訳者の仕事です。私は、リテールもメーカーもよく知っています。従来型の問屋、卸売りではなく21世紀型の新しい会社になろうと社員に訴えています。ひとことで言えば、受身の卸からアクテイブな卸に変わろうということです」。

 たとえば−−。「個店ごとにマーチャンダイジングするやり方です。ひとつひとつの店ごとに徹底的にFSPなどで分析します。物を売るだけでなく、ニーズの提案というソフトを売る会社を目指しています」。中国の食品が問題になっていますが。「だからと言って、中国は危ない、という発想ではだめです。中国での生産は必要です。一緒に考えて国際分業が成り立つようにすべきです。必ず方法はあります。また、日本では食べ物の3分の1に当たる1900万トンが、年間で捨てられています。ここをなんとかしなくてはいけません」。

好きな言葉は世阿弥の『離見の見』

 社内の意識は変わってきていますか。「変わっています。押し付けるやり方ではなく、社員の力を引き出すやり方を採っています。トップガンという名称で15名の35歳までの男女を選び、改革の中心に据えてコミュニケーションを活発に行い組織の活性化を図っています。菱食は男性中心の会社だったと思いますが、今は女性の社員の方も積極的に発言します。変わってきたと思います。会社の将来についてアンケートを実施したら、4日間で2500人というほぼ全員から回答が来ました。以前ならこんなことは起きなかったと思います」。社長のご出身はどちらですか。「名古屋です。材木屋の息子で比較的裕福に育てられました。大学は慶応でニチレイに入社、メーカーとしての経験もあります」。お好きな言葉とか、ご性格はいかがですか。「世阿弥の花鏡にある『離見の見』です。"目を前に見て、心を後ろに置け"という教えです。最大の批判者は自分でなくてはいけないと思っています。性格ですか、前向きで、こうだと思ったら妥協はしないですね(笑)」と、エネルッギシュなトップである。

今12月期は営業利益29%増益
株価は高値圏で頑強な動き


 こうした社内活性化、特にビジネスモデルの変更で業績は急速に上向いている。今12月期の第3四半期では営業利益は前年同期比3.2倍の17億1000万円。今期通期でも営業利益29.1%増の78億7000万円、1株利益92.7円の見通し。配当は年22円の見通し。株価も全体相場から一時1200円と下げたが、11月には2200円と急反発している。食品卸の「勝ち組」の声が高まっている。


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:31 | IRインタビュー