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2014年09月12日

【インタビュー】京写の児嶋一登社長に聞く、徹底した製造の自動化で収益力が急向上

■2016年3月期に売上200億円、営業利益率6%目標

京写の児嶋一登社長に聞く 京写<6837>(JQ・売買単位100株)は、プリント配線板の大手で、とくに片面配線プリント板では世界No1の生産量を誇る。一般には目に触れ難いが、電気を使用する製品にはすべてプリント配線が使われている。グローバル生産拠点での徹底した自動化による効率化効果で業績は好調だ。2015年3月期を上方修正している。社長に就任して5年の児嶋一登社長に近況と展望を聞いた。

――今期(2015年3月期)を上方修正されるなど、最近の業績好調が注目されます。社長に就任されて今年で丸5年と思いますが、この間、どのようなことに取り組んでこられましたか。

 【児嶋社長】 その前に先ず、当社の手がけている製品について説明します。当社は、片面プリント配線板と両面プリント配線板をグローバル生産拠点から世界中へ製品を供給展開しています。主力の片面プリント配線板では、月間の生産能力が九州工場で8万平方メートル、中国工場で22万平方メートル、インドネシア工場で15万平方メートルの合計45万平方メートルです。これは(月産)、東京ドーム建築面積の約10個分に相当し、世界No1の生産量です。一方、両面プリント配線板は、京都工場で1万5000平方メートル、新潟工場で1万5000平方メートル、中国工場で4万平方メートル、中国生産提携工場で12万平方メートルの合計19万平方メートルです。社長に就任して、これらの工場において徹底して自動化による効率化で安定して利益が出せる体質づくりに全力で取り組んできた効果が現れています。

――片面と両面を合わせた生産能力でみると、特に中国での生産が全体の59%ということですが、中国での人件費増に対応されたということですか。

 【児嶋社長】 そうです。中国、インドネシアともに経済成長に伴い賃金は年々2ケタの高い伸びが続いています。このため、中国、インドネシアの両工場に自動化設備を導入することでコストダウンを図りました。また、香港の営業拠点において当社グループ全社で使用する資材を集中購買することにより、調達コストの低減も寄与し原価率が大幅に改善できました。

――需要についてはいかがですか。

 【児嶋社長】 家電、自動車、事務機、映像、アミューズメント、産業機器など幅広い製品用途が特徴です。とくに、製品サイクルの長い自動車やLED照明等の環境対応の家電製品への注力、また防塵対策基板、熱伝導放熱基板、ファイン回路を印刷法の実現、実装搬送用治具における次世代搬送キャリアの開発なども幅広い用途と顧客を獲得している要因です。現在(2014年3月期)での需要先別では、家電製品が32%(5年前17%)、自動車27%(同11%)、事務機15%(同15%)、映像関連8%(同31%)、アミューズ7%(同7%)、他、という構成比率です。皆さんの目には触れませんが、電気を使用する製品にはすべてプリント配線が使われています。最近はLED市場の拡大に伴って需要が拡大していますし車載用にも拡大しています。

――2014年3月期から2016年3月期までの3ヵ年の中期経営計画についてお願いします。

 【児嶋社長】 経営ビジョンとして、『社員が誇れる挑戦企業になる』、さらに、基本戦略として、『環境対応の技術開発に取組み、ボリュームゾーン商品で世界No1の企業になる』ことを掲げています。具体的戦略として、(1)環境対応戦略、(2)ボリュームゾーン戦略、(3)グローバル戦略、(4)収益力強化戦略、(5)新規事業戦略、という成長への5つの重点戦略によって、数値目標等を次のように計画しています。連結売上目標200億円、営業利益率6%で、事業別には片面基板事業で売上目標100億円(2014年3月期95億円)、両面基板事業で売上目標85億円(同56億円)、実装関連事業で売上目標15億円(同10億円)、既存製品の営業利益率6.5%以上(同5.0%)です。

――足元の業績についてお願いします。

 【児嶋社長】 去る、7月31日に2015年3月期の第2四半期と通期見通しを上方修正しました。国内では消費税増税による駆け込み需要の反動からマイナス影響を懸念していましたが、前期に引き続き好調に推移し海外でも自動車関連及び家電製品分野が好調です。国内では在庫不足の状況です。今3月期通期では、売上は170億円(前期比5.4%増)と従来予想を据え置きましたが、営業利益は従来予想から3000万円上方修正の9億円(同12.7%増)、純益でも3000万円上方修正して6億5000万円(同25.1%増)としました。

――1株利益は45.35円(前期36.25円)の見通しで、年5円配当に対する配当性向が11.0%と非常に低くなります。配当については、どのようにお考えですか。

 【児嶋社長】 これまで取組んできた生産の効率化やコスト低減などにより安定して収益を上げられる体制となってきたことから配当については前向きに検討します。先ず、配当性向20%を目安にしたいと思っています。

――ありがとうございました。

 【取材後記】 社長に就任された時は、リーマンショックに見舞われた厳しい事業環境で2009年3月期の営業利益は1億5700万円まで落ちこんでいた。株価も2008年には62円まで下がっていた。それが、2015年3月期の予想営業利益は9億円(前期比12.7%増益)とすばらしい向上で、株価も今年9月1日には465円と評価されている。収益向上に伴い配当も年8〜9円へ増配が見込めることから株価は中期で1000円を目指す展開が予想されそうである。

>>京写のMedia−IR企業情報
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:49 | IRインタビュー
2014年09月11日

トレックス・セミコンダクターはアナログ電源ICのリーディングカンパニー、小型低消費電力で業界をリード

■中期計画として、車載、産業機器の売上比率50%、利益率20%を目指す

代表取締役社長藤阪知之氏に近況と今後の展望について伺った トレックス・セミコンダクター<6616>(JQS)の代表取締役社長藤阪知之氏に近況と今後の展望について伺った。

――まず事業内容を簡単に確認させてください。

 【藤阪社長】 アナログ電源専門メーカーです。扱っている製品は、レギュレーター、コンバーター、或いは電圧の検出器等の主力製品を製造しています。生産については、前工程は外部に委託、後工程も大半を外部に委託していますが、我々が特許を持っている特殊なパッケージの一部をベトナムで生産しています。基本的には、前工程も、後工程もファブレスという形です。ベトナムでは、我々の特殊な技術で作った製品の一部を生産しているということです。

――その比率はどのくらいになるのでしょうか。

 【藤阪社長】 後工程でいいますと、15%程です。

――御社の事業のきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

 【藤阪社長】 私たちが事業を始めたきっかけは、ソニーが電池一本で駆動するカセットテープであるウォークマンを開発する際に、0.8ボルトで動く電源を使用するということで、数社の中から企業を選ばれました。その結果、当社が選ばれ、電源ICの事業がスタートしたといえます。当然ながら、電池1本で長時間動かすということは、低消費電力の電源が必要ということになります。これが、我々の一番の売りです。カセットテープは電池1本しか入らない容量となっていましたので、当然パッケージも小型でなければなりません。我々はそれ以来、電池で動く製品に対応してきました。ところが、カセットが流行って、CDとかMDとか、ページャー(小型の液晶端末にデータを送信する移動通信システム)という電池で動くものが増えてきましたので、我々の製品を扱ってくださるお客さまも増えてきました。その当時、我々が作ってきたのはカセットテープぐらいしかなかったので、それ用の小型低消費の電源を作るところはがありませんでした。マーケットとして非常に小さいかったのですがので、我々は始まったばかりの会社ということもありで、それ小型低消費のアナログ電源IC1本に絞って、事業を進めてきました。小型化の市場が進むと共に、我々の事業も拡大してきました。小型低消費のアナログ電源ICに関してえはいえば、業界でも一番最初に手掛けた企業といえます。バッテリーで動く製品用の電源ICについては、一番歴史を持っているといえます。携帯電話が普及してきて、他社さんはこのマーケットは伸びるということで、手掛けられたのが大半といえます。そういう意味では、小型低消費に関しては、我々が先行しているといえます。それまでは、電源ICというのは、殆んど家庭で使われる100ボルト対応製品向けのものが普通でした。あまり消費電流は気にせずに、小型でなくてもよかったのです。半導体も低消費向けのCMOSという作り方と、従来のバイポーラという作り方があるのですが、我々は最初からCMOSというやり方で電源を作りました。それがうまくいって、ソニーさんに採用されたということです。

――それなりの技術の蓄積が元々あったわけですね

 【藤阪社長】 今は、ファブレスですが、元々作る技術は持っていました。ファブレスとしては珍しく、半導体の前工程のプロセス技術者も持っていますし、後工程のパッケージ技術者も持っています。単なるファブレスだと、作っていただくところの作り方へ、こちらの開発を合わせていく作っていただくということになるのですが。我々は、作っていただくところのプロセス技術と我々の開発技術を合わせて、一番効率よく特性を出せる設計を行い、作っていただくところ半導体メーカーさんに、製造プロセスを微調整してもらいさせながら作っていただいていもらいます。これが技術的な強みになっています。当社の強みのその典型といえるのが、独自のパッケージであり、特許を持っています。当初はパッケージ会社へ技術を供与しながら、超小型パッケージUSP(Ultra Small Package)を作っていりましたが、5年前にその専門工場を作りました。

――そういう歴史があるんですね。

 【藤阪社長】 小型、低消費について20年以上の歴史があります。アメリカのアナログメーカーより先んじて、バッテリー対応機器という低消費、低電圧の分野では、歴史を持っているし、アナログに関するでは、技術の積み重ねも持っています。世界でもトップクラスだと自負しています。しかし、現在注力しているの車載用になりますと中高耐圧の製品が必要となります。この分野はさすがにアメリカが先行しています。現在追いかけていっている状況です。低消費電流という技術は持っていますので、車でも、何でも低消費が当たり前の時代なので、この技術を中高耐圧に応用して製品を揃えているところです。

――業績についてはこれまで順調でしたか。

 【藤阪社長】 リーマン・ショックまでは右肩上がりでした。特に小型低消費の電源を必要とするアプリケーションが格段特段に増えましたから、CDからMDになり、ページャーになり、それから携帯になり、デジカメが出てきて、周りにモバイル機器が増えてきました。テレビも環境に優しくするために電力を抑えるということが10年前程から言われています。家庭用電気製品といえども低消費電流が求められています。ということでうまく右肩上がりの業績でありました。しかし、リーマンを境にテレビ、携帯、デジカメもコモディティ化して、誰でも部品を買ってくれば出来るという状態になってきますと特性よりも、いかに安くするかということが求められてきました。そうなると似たような製品が韓国、台湾、中国で作られて、価格競争で負けてしまうという結果になりました。これでは、今後難しいということで、リーマンを境に、そのような製品からは出来るだけ手を引いて、車載とか産業機器という、我々の技術特性を正当に評価してくれる分野に、経営資源を集中しました。今では、車載、産業機器が売上の35%を占めるまでに成長してきました。リーマン前は5%くらいでした。

――モバイル関連は、技術的な優位性だけでは、なかなか難しくなってきたということですか。

 【藤阪社長】 そうですね。例えば、リチウムイオン電池の3.3ボルトで動くようになってきたのです。3.3ボルトだけで動くモノづくりをすると非常に安く作ることが出来ます。我々は0.1ボルト単位で、あらゆる電圧に対応する技術を持っていますが、その機能を必要としないわけです。ただ、3.3ボルトだけに対応する機器であればよいので、如何に、大量に安く作れるか、というることだけが求められたのです。それで、その分野からは撤退したということです。

――では、御社にとっての競合相手はどこになりますか。

 【藤阪社長】 今の、車載とか産業機器になりますと欧米系、特にアメリカ系のアナログ専業メーカーです。TI(テキサス・インスツルメント)、マキシム等が挙げられます。市場は大きくないうえに、アナログの技術者を一人前に育てるまでに、10年近く、或いはそれ以上の年月がかかりますので、大企業は参入しようとはしません。

――御社の説明会資料を見てみますと、IC電源の市場は8700億円であり、年々4%ほど伸びているということですが、この市場がなくなるということはあり得ませんね。

 【藤阪社長】 あり得ません。自然現象は全てアナログですから、それを処理するためにアナログをデジタルに変えて処理した方が便利ですからデジタルの半導体が真ん中あたりで使われています。しかし、入と出はアナログです。

――電気の専門のアナリストであれば、半導体にも色々な製品があって、分野も色々に分かれているということは理解していますが、個人投資家から見ますとどうしても、半導体といえば、全体が一緒くたになってしまって、全部がDRAMの世界のように捉え、半導体は儲からないと思っていらっしゃる人たちも多いと思います。そのような皆さんに、アナログは成長産業ですよ、と説明するにはどのようにすればよいのでしょうね。

 【藤阪社長】 例えば、デジカメでいうと機能が色々増えてくるわけです。マイコンがあり、液晶を動かし、機械的にモーターを動かし、或は時計の機能があるとか、現在はGPSの機能も付いています。それらを動かすためには皆電気が必要です。ところが、電池は1個しか入っていません。マイコンとかを動かすためにには、必要な最適な電流、電圧はがそれぞれ違います。全部が3.3ボルトで動くわけではありません。マイコンであれば、1.1ボルトで動くだとか、必要な電圧が皆違うので、バッテリーの電圧で上げたり下げたりしながら、それぞれの機能へ電気を送らなければなりません。要するに、機能が増えれば増えるだけ、電源の数が必要となってきます。ここを処理するのはアナログで行うのが一般的です。厳密にいえば、デジタルの電源ICもあるのですが、基本的にはアナログの電源ICが主流ですで行っています。今後も製品の機能が増えていけば、必然的にアナログ電源ICの需要必要性も増えてくることになります。

――こうやって、過去の話を伺っていますと、ベンチャー企業とは違いますね。

 【藤阪社長】 もともと半導体を作る能力と、設計の部門を持っていましたので、ファンドリーに委託するだけではなく、自前の製品を持たないと業績は安定しないと思っていました。ちょうどその頃、先ほど話しましたように、ソニーさんの話が来ましたので、今後はバッテリー対応の製品が増えるだろうと判断し、小型低消費を強みに、アナログ電源ICメーカーとして成長してきました。

――今期の業績の見通しについてですが、最終利益は別にしまして、営業・経常利益は増益なのですが、伸び率が少し保守的ではないかと思いますが。

 【藤阪社長】 我々が主力としているのは、一つは車載です。これはご存知のように、採用されるまでに時間がかかります。またこれが採用されても量産が始まるまでも時間がかかるため、売上への貢献してくれる増える速度がゆっくりとしたものであるということです。産業機器も車載機器と同じく、採用までの期間と量産までの期間が長いことと同じく、1社のお客さまんでは売上数量が少ないので、どれほど多くのお客さまんをつかんでいくかということなので、比較的時間がかかります。従って、車載、産業機器の売上予想はほぼ固まっています。車載、産業機器の売上が全体の35%ですが、残りの65%も付加価値の高い分野の製品に当社の製品をを納めています。主に行っているのな対象は、1眼レフカメラ、ウェアラブル機器、白物家電であり、この分野は、急激に台数が伸びるものでもありません。従って、業績は安定していますが、急拡大するというわけではありません。ただ、これから普及が進むであろうウェアラブル機器が爆発的に売れるということはあるかもしれません。

――今後は、車載・産業機器向けのシェアを拡大し、急成長ではなく、安定的な成長を目指すということですね。

 【藤阪社長】 第1四半期は計画通りでしたが、通期に対する進捗率で見ると高いとは言えません。これは季節要因のためです。これから第3四半期に向けて売上が伸び、第4四半期には減少するというパターンです。しかし、車載、産業機器のシェアが伸びましたので、カーブは緩やかになっています。今後、車載、産業機器を全体の50%まで伸ばす計画です。残りは、付加価値の高い高級機種向けの製品を増やしたいと思っています。売上を追わず、20%の利益率を目指します。

――本日は、長い時間ご説明頂き誠にありがとうございました。

 今期15年3月期通期業績予想は、売上高104億円(前期比10.7%増)、営業利益15億円(同6.0%増)、経常利益15億円(同12.0%増)、純利益11億円(同18.9%減)を見込む。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:11 | IRインタビュー
2014年09月09日

イーグランドの代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望を聞く

イーグランドの代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望を聞く イーグランド<3294>(JQ)の代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望について伺った。

――まず御社の事業内容について確認しておきたいのですが。

【江口社長】 中古住宅の再生事業という形で、中古の区分所有のマンション、中古の一戸建てを購入し、リフォームという形の付加価値を付けまして、一般のエンドユーザー様に販売するという内容です。

――競売による仕入れに強みを持っていらっしゃるということですが。

【江口社長】 先期でいうと約3分の2が競売の仕入れです。4年前まではほぼ100%競売の仕入れでした。しかし、仕入れを多様化しようということで、4年前から任売の仕入れに力を入れるため、専門のチームを作りました結果、現在は3分の1くらいまでシェアが伸びています。将来的には、間違いなく任売が増えると思っています。

――競売の物件数は増えないと考えていらっしゃるんですか。

【江口社長】 競売物件数は将来的に増えないという前提で考えていますし、現実的にリーマンショックをピークにその後、約20%減少しています。競売の物件数については、今後どのような動きになるか分かりませんが、競売の仕入れだけに頼ることは危険だと考えています。逆に言えば、競売市場というのは中古市場のごく一部に過ぎません。任売が圧倒的に大きな市場です。といっても、平成8年から始めた競売のノウハウを捨てるつもりはありません。競売での仕入れもキッチリやりながら、任売の仕入れも増やしていくというのが中期的な方針です。

――今後は、任売に比重がかかってくるということですね。

【江口社長】 その通りです。しかし、今後、地方展開する上では、競売物件から入っていった方が非常に優位です。というのは、競売については、わざわざ物件の情報を仕入れる必要がありません。仕入れに関しては、ある物件についていくらで入札するかという判断だけで済みます。当社にとっては非常に取組みやすいといえます。全国展開する上では、競売から入っていきます。

――では、地方展開する上で、競売でスタートするが、その後の事業拡大においては、任売が中心となるということですね。

【江口社長】 その通りです。

――競売と任売の仕入れコストについて、どちらが有利だということはありますか。

【江口社長】 ようは、競売と任売の原価率はどちらが低いかということですね。

――そういうことです。

【江口社長】 競売の場合は、事例として多くはありませんが、極端に安く買えることがあります。競売では、事前に物件の中を見ることが出来ないとか、瑕疵担保が物件にあった場合でも売主に責任を問えないとか、色々なデメリットがあります。そのため、正常な価格を100とすると、その価格に7掛けします。更にその8掛けが、買受可能価額になります。つまり、正常な価格の56%で買えることもあるということです。ただし、ここのところは競売市場も過熱化しているため、全体としては、市場で買う価格とほとんど変わりません。ですから、競売、任売の価格に差はほとんどありません。

――そうですか。

【江口社長】 ただ、競売の場合大量に入札すると資金の問題があります。例えば、100円のモノを入札するにあたって、2割の保証金を積む必要があります。当社の場合、落札率は10%くらいですので、1物件を買うのに10件入札する必要があります。保証金を2割積み上げなければならないので、100円のモノを買うのに、200円用意しなければなりません。1000万円の物件を買うのに、2000万円のキャッシュが必要ということです。多くを仕入れようとすると資金の壁がありますので、資金力のない業者ではまず出来ません。

――次に、リフォームについてですが、それぞれの物件に合わせた、適材適所のリフォームを行うということですが。

【江口社長】 他社さんと比較すると、他社さんは扱っている物件の価格帯が高いので、リフォームにお金をかけています。当社の価格帯は、平均で1900万円です。現在、2500万円から3000万円クラスが、人気のある物件です。つまり、売りやすいので、どの会社さんも価格帯が2100万円から2500万円の物件の仕入れをしたがっているということです。そうすると他社との競合で仕入れ価格がどうしても高くなります。当社の場合は、駅から遠い、築年数が古いという理由等で、人気が無い物件にターゲットを絞っています。しかし、仕入れの価格さえ間違えなければ、必ず売れます。購入層は、年収が、300万円から400万円くらいです。月6万、7万の住宅ローンを組めば、購入することが出来ます。そのため、家賃を払うのだったら、購入した方が良いということになります。私たちが取り扱っている物件はその様な価格帯です。そのため、2500万円、3000万円の物件と同じようなリフォーム代をかけるわけにはいきません。3000万円台の物件だと約400万円のリフォーム代となります。当社の場合、リフォーム代は大体売値の1割くらい、約200万円となります。当社としては、リフォーム代を安くして、販売価格も安くするという方法を取っています。

――また、家具付きの物件が御社の特徴ということですが。最初から始められたことでしょうか。

【江口社長】 家具付きの物件は、2年ほど前から始めました。家具が無いとどうしても生活のイメージが湧かないようでして、現在は基本的には家具を入れています。お客さんには非常に評判が良いです。販促効果はあるのではないかと思っています。

――次に、足元の状況を伺います。第1四半期の数字は、前期の数字が無いので比べようがないのですが、どのように見ていらっしゃいますか。

【江口社長】 大体想定通りといえます。まず今期の予算を組む時に、消費増税の影響は必ずあるだろうということで、上期、下期の売上比率を45対55にしています。私たちの売上の原資は棚卸資産にあります。前期と今期を比較すると約17億円増やしています。これを売上ベースでみると約20億円に換算されます。そうすると、期首時点で前期の売上プラス20億円の売上を確保しているということになります。基本的に私たちの事業サイクルは6カ月間ですので、期首の仕入れをそのまま続行すると2回転することになります。従って、今期は、約40億円の増収が見込めることになります。

――では、消費増税の影響はどのように見ていらっしゃいますか。

【江口社長】 基本的には、私たちの中古市場というのは、CtoCの取引が圧倒的に多いといえます。新築だとBtoCです。中古住宅の場合は、エンドユーザーさん同士の仲介の取引となりますので、消費増税は関係ありません。当社は事業者ですので消費増税の影響は受けるのですが、販売価格は増税前、増税後もそれほど変わらないと想定していました。実際それほど変わっていません。増税前に仕入れて、増税後に販売すると、3%分の増税の影響は受けるのですが、全部が全部3%の影響を受けるのではなくて、中古住宅の場合、土地と建物があって、土地の分は元々非課税です。大体土地と建物の価格の比率が5対5ですので、半年前に仕入れた物件が1.5%の増税の影響を受けるだけになりますので、それ程の影響はありません。しかし、今年の4月から5月の上旬にかけては若干ですが販売に関しては弱含みであったのではないかと感じました。ところが、5月のゴールデンウィーク後、6月、7月、8月は想定通りの動きをしています。また、住宅金利は非常に安くなっていますので、販売に関しては心配していません。

――仕入れの数に関しては、特に問題はありませんか。

【江口社長】 毎期、売上、利益共に2割増という計画ですので、年間2割ずつ増やそうという考えで動いています。

――中期的な今後の戦略についてお聞かせください。

【江口社長】 今期関西支店を出したばかりですので、まずは軌道に乗せることを第一に考えています。現在、専務以下7名で立ち上げています。その後の展開は、名古屋、福岡、仙台の順に進出しようと思っています。それ以外の地域で、支店を増やそうという考えはありません。

――急いで全国展開するという状況ではないですね。

【江口社長】 もともと中期の計画では、増収ペースは20%から30%の間です。そのためには、物件が最も多い首都圏で確実に任売の物件を増やし、次に、大阪で計画通りの数字を達成することに注力しています。

――次に、中期計画の具体的な目標数値がありましたら教えて下さい。

【江口社長】 2019年の売上高300億円を目標にしています。売上に関しては、達成できると見ています。というのは、自己資本比率30%を棄損しない範囲内で再投資していく方針ですが、年率でいうと20%から30%増となりますので、その分だけ棚卸資産を増やすということは出来ます。販売価格は、残念ながら景気変動がありますが、キッチリとした仕入が出来れば300億円は可能と見ています。競売市場規模のシェアを見ると、関東圏は、本社と宇都宮支店でカバーしている規模は約35%、札幌支店は市場全体の約2%、関西は全市場の約17%に過ぎません。そのため、競売については、先期の倍以上に増やす余地はあると見ています。任売に関しては、先期は約200件ほど販売しました。1都3県の中古マンションの取引は年間3万件、戸建が1万件あります。昨年でいうと、アベノミクスのおかげなのか、それぞれ3万6000件、1万2000件と例年の2割増しでした。まだまだシェアが低いので、これからもっと伸びると見ています。しかし、一気呵成にやろうとは思っていません。毎年じっくりじっくり伸ばしていこうと考えています。

――御社の強みを一言で投資家にアピールするとどのような点でしょうか。

【江口社長】 それは振れないスタンスです。低価格帯の中古物件に特化して、必ず事業を伸ばしていきますと約束します。

――本日は、長い時間ご対応いただき、誠に有難うございました。

 今期15年3月期業績予想は、売上高158億85百万円(前年同期比26.8%増)、営業利益12億32百万円(同3.0%増)、経常利益10億15百万円(同6.6%増)、純利益6億29百万円(同7.8%増)と増収増益を見込む。家賃並みの月6万、7万円の住宅ローンで買える低価格帯の物件を扱っていることから、売上は順調に伸びるものと思われる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:44 | IRインタビュー